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医療 FMレキオ

2016年3月30日 (水)

ジカウイルス感染症:ジカ熱について

今日のFMレキオはジカウイルス感染症について話をしました。外科医の私にとっては専門外ですが、今年注意して欲しい感染症ですので注意喚起の意味でも放送しました。

ジカウイルスなんて聞き慣れない名前です。このウイルスは1947年にアフリカのウガンダのアカゲザルから発見されてたため、その猿の住む「ジカの森」より名付けられました。蚊を媒介する感染症として1952年にウガンダとタンザニアで人への感染が確認され、その後徐々にアフリカ、アジア、南米へと広がっています。

Th_ 特に2015年よりブラジルを中心に大流行が発生し、妊娠中に感染した場合に、中枢神経の障害をともなる小頭症の児が多数生まれたことで重要となっています。2016年の2月1日にWHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と宣言しました。

これを受けて日本でも2月15日より「4類感染症」に指定し、診断した医師は保健所に届ける義務が必要となりました。これにより早めの対策と情報が共有される態勢を取れるようになりました。

ジカウイルスに対するワクチンはありませんし、まだ世界中の多くの方はこれに感染したことはありませんので、抗体を持っていません。特に今年は最流行地のブラジルでオリンピックがあります。日本のみならず世界中から人や物が移動するはずです。世界中での大流行が危惧されているのです。

以前話題となったデング熱と感染の症状はあまり変わりません。感染しても60〜80%の方は、殆ど症状が出ません。ジカウイルスは主に蚊を介して感染するのですが、性行為を介しても感染しますし、輸血によっても起こります。感染後5〜10日して、軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛、斑点状丘疹が起こりますが、殆どは4〜7日で軽快します。

この感染が問題となっているのは、全身特に四肢の麻痺を起こすギラン・バレー症候群と因果関係があると考えられていて、この場合は少ないですが死亡者も出てしまいます。

最も危惧されているのは、妊婦さんへの感染です。私達沖縄は1965年に風疹が大流行し、その時に感染した妊婦さんより、目や聴力の障害をともなった先天性風疹症候群の子供が406名生まれたことを経験しました。当時のWHOも復帰前の沖縄の流行を調査してその後の公衆衛生に参考にしています。

ブラジルでの調査では、昨年末から今年の半年間で、小頭症の子供の出生が過去5年間の10倍に当たる2401人だった報告しています。これは明らかに何らかの原因が存在すると思われ、疫学調査などで妊婦中のジカウイルス感染が疑われたのです。もちろんジカウイルス感染のならなくても小頭症は発生します。

世界がクローバル化する中で、地方病と考えられた疾患も世界中で大流行することもあるはずです。

今年はブラジルのオリンピックがあります。感染地域への渡航も増えるはずですし、日本に住む蚊もウイルスの媒介となります。

特にこれから妊娠を希望される方々は今後、ジカウイルス感染症に関する情報には敏感になって欲しいと希望致します。

2016年3月23日 (水)

地震、災害時の医療トリアージ

今日のFMレキオでは、地震や広域災害に対する対処法について話をしました。

地震や災害などによる広域災害においては、医療機関もダメージをTh_234345 受けるわけで、少ない機材や人材にて効率良く情報を集約し、治療を行わなければならなくなします。

医療救護活動は時間との戦いですが、それそれの時間帯で医療の要請も変化します。

まず災害直後から6時間以内は「建物の倒壊、その後の火災などの発生により、直撃を受ける傷病者が多数発生し、それに対する救急活動が準備され、初動となる時間帯です。

その後の6〜72時間がいわゆる超急性期で、救急現場から傷病者が病院に搬送されるか、搬入できない場合は現場での治療を待ちながら搬入できる場所の確保に費やされる時間帯です。この時期がいわゆる人間の生存に大きく関わってくる時間帯となります。

72時間が過ぎ1週間の時期が急性期の医療となります。次第にライフラインが復旧し、災害の規模も把握出来る様になりますし、人的にも物的にも各方面からの援助が可能となり、徐々に体勢が調ってきます。

1ヶ月〜3ヶ月で、避難生活も環境整備も少しずつ整い、地域医療機関も再開が始まります。おおよそ3ヶ月程度経つと、現場での臨時の救急救援所も撤退され、徐々に慢性期や心のケアと移行してゆきます。

救命医療においてはまず超急性期の時間帯をどう乗り切るかが問題となり、トリアージの重要性が増してきます。

医療トリアージという言葉があります。トリアージとは患者の重症度に基づいて治療優先順位を決定して選別を行うことで、フランス語の選別「triage」からきた言葉です。第一次世界大戦の戦場で初めて使われたようですが、その後は多くの災害医療現場で使用されています。

震災後の超急性期では、救急を受け入れる人材も資材も不足し、多数運ばれる患者さんの選別が必要となります。この様な状況下では助かる人を助けるのが重要となります(大変酷な状況ですがそれを行わなければ救える命も失われるのです)。

Th_ 現場で患者さんをみながら初めにその区分を行っていきます。①:第一順位;最優先治療群<赤色(Ⅰ)>:直ちに処置を行えば、救命が可能な者。 ②:第二順位;非緊急治療群<黄色(Ⅱ)>:多少治療の時間が遅れても生命に危険がない者、基本的にはバイタル(血圧、脈、体温など)が安定しているもの ③第三順位;軽処置群<緑色(Ⅲ)>:①、②以外の軽症な傷病でほとんど専門医の治療を必要としない者 ④:第四順位;不処置群<黒色(0)>:直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能な者、または既に死亡している者

その現場で搬入者の状況を見て、その後の治療や搬送がスムーズに行くために、それぞれの搬入者に赤色、黄色、緑色、黒のトリアージタッグを付けて貰うことになります。

ただ1度トリアージがなされても刻々と病態が変化してゆきますので、混乱を生じる現場でも再度トリアージが行われながら経過を診ることも重要となります。

日本は地震災害が多い国です。阪神淡路大震災後、日本でも医療機関や行政の取り組みが行われて、救急現場でも次第にシステム化された流れが出来つつあります。災害はいつ起こるかわかりません。他人事ではなくて日頃より私達自身で何が出来るかを考えて欲しいと願っています。

2016年3月 9日 (水)

高齢者では男性も骨粗鬆症に注意

今日(2016年3月9日)のFMレキオは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について話をしました。
骨粗鬆症は高齢化を迎えて日本でも1000万人を越える患者さんがいるとされています。骨粗鬆症は癌や心臓病や脳卒中のように直接死因に関与することはないのですが、骨粗鬆症は骨が十分な強度を持たずにすかすかになった状態で、チョッとした転倒などで骨折となってしまい、その後の寝たきりになったり、生活が著しく制限されたりと生活の質(QOL)を低下させる原因ともなります。

あの硬く変化しないような骨も、実は髪の毛や皮膚と同じ様に常に新陳代謝を繰り返しています。古くなって脆くなった骨の一部を壊して(骨吸収)、新しい骨に作り替える作業(骨形成)を繰り返して日々新しくなっているのです。 この骨の再構築には破骨(はこつ)細胞と骨芽(こつが)細胞が関わっています。 成長期や運動などで負荷をかけた時には骨芽細胞の方が破骨細胞より働くことで、骨の量が増えていきます。 通常はこの2つの細胞がバランスと保ち骨の強度を維持しているのです。

Th_ もともと女性ホルモンには破骨細胞の働きを抑える作用があります。閉経後の女性は急激に女性ホルモンが減少します。すると破骨細胞の働きが相対的に強まり、骨の密度が急激に低下する状態=骨粗鬆症が発症しやすくなるのです。そのために閉経後の女性の方は骨粗鬆に注意が必要となるのです。女性の場合、骨密度は18歳頃をピークに閉経前までほぼ同じ状態が続きますが、閉経後増加し、70代前半で40%、80代以降は半数以上が骨粗鬆症の状態となります。

今ではこのことが広く広まり、骨密度の測定などで早めに骨粗鬆症の診断が出来、閉経後の女性の骨粗鬆症の治療薬も有効な製品が治療薬として使用されるようになっています。

骨への影響は女性ホルモンだけではありません、カルシウムやビタミンDの摂取量や吸収率、運動などの影響があります。骨粗鬆症は女性だけの問題ではなく、男性でも起こります。男性でも60代頃から骨粗鬆が散見され、70代以降になると女性の半分の方が骨粗鬆の状態となって来ますので転倒骨折には注意が必要となるのです。 男性でも胃切除をされた方、糖尿病・高血圧・腎機能低下、喫煙や飲酒の多い方、運動不足の方は特に注意が必要です。 俺には関係ないではなくて1度調べて見るのみいいかもしれません。

2016年3月 2日 (水)

日本人の体型は良くなったのか?

今日(2016年3月2日)のFMレキオは私達の骨について話をしました。骨折や骨粗鬆症など身近な問題でもある骨ですが、当然私達の骨格を作っているのも骨ですね。以前骨とカルシウムの関係など話しましたが、体型とも深く関わっています。

現在の美的感覚では、高身長で足の長いのが好まれているようです。後天的にそう思うのか、先天的に何か好ましいのがあるのかどうか分かりません。脚が長いのは走りも早く狩猟に適している、お尻(骨盤)が大きいのは安産型だから・・・魅力を感じるなどとってつけたような理屈を述べていますが、私には本当かどうかわかりません

Th__2 チビで脚の短い私はヨーロッパなどに行くといつも引け目を感じてしまいます。でもよくよく考えてみたらなぜ引け目を感じなければならないのでしょう。 ある意味開き直って、小さくて短足でも、摂取カロリーが少なくて地球に優しいエコサイズだと思いますし、あの長時間の飛行機でも脚が短いお陰で窮屈でもないですし、隣の席に迷惑をかけることがないじゃないかと自分言い聞かせるようにしています

まあこんなことはさておき、日本人は戦後大きく身長・体重とも伸びました。しかしもう遺伝的に伸び悩んでいるようです。戦後一貫して伸びてきた身長(体重)も横ばいとなりやや低下傾向にあるのです。 日本人が食生活を変えただけでは北欧人やマサイ族の様にはなれないようです。

日本人の調査で1950年と2010年の30歳の男女の統計があります。男性は身長が160→171Cm、体重55→70Kg 、女性は149→158Cm、49→54Kgとこの60年で増加しています。 これを増加率からとみると、男性では身長も伸びたが体重の方は更に増加した、女性は身長も伸びたが体重はそれ程増加しなかったことが分かります。男性は太めに、女性はスリムになったと理解出来るのです。

身長の伸びには戦後のカロリー摂取における動物性蛋白率の増加やカルシウムの摂取量の増加が栄養学的には考えられています。もちろんこれは成長期の過程でプラスに働いているかも知れませんが、成長が止まった後も動物性蛋白質の摂取量が増加すると動脈硬化などの問題も出て来ます。

もう一つ、「最近の若い子は脚が長くなったね」と言うことをTh_109288 よく聞きます?・・本当でしょうか?

人間の成長の過程で脚の伸び具合と胴の伸び具合に年齢的な差があるのをご存じでしょうか? 成長期になると1年に10Cmも伸びたことは経験された方も多いかも知れません。 でも脚の伸びは思春期に入る時期に伸びる子が多く、思春期の成長期にはどちらかと言うと胴が伸びて行きます。 そのことより体系的に一番脚が長く感じるのは小学校の高学年あたりかも知れませんし、脚もO脚より真っ直ぐな子も多くなったため一段と脚が長く見えるかも知れません。 ですので成長した後の子供達(大人達?)は昔と比べて特段脚が長くなった訳ではなさそうなのです。

昔の若者たちよりも今の若者たちの脚が長くカッコより見えるとしたらきっと服装によるモノかも知れません。あっちこっちから寄せては上げてなどと皆苦労していらっしゃる結果なのかも知れません。

余り学術的ではなくなってしまいましたが、まあ私の意見ですので適当に読み流して下さいね

2016年2月24日 (水)

人間はなぜむせてしまうのでしょう

今日(平成28年2月24日)のFMレキオは呼吸器感染症について話をしました。上気道炎(風邪)、気管支炎、肺炎の違いについて説明しました。肺炎は日本の死因の第三位でまだまだ多く、寒い冬は特に注意が必要です。 モノを間違った飲み込むことで起きる誤嚥性肺炎も問題となります。 今回は嚥下に関して書いてみました。

多くの皆様も御飯を食べながらむせた経験をお持ちではないでしょうか? 主に呼吸は鼻から、食事は口から摂っていますが、口の奥の部分で、共通の通路より一方は空気の通り道である(声帯)気管から肺へと空気が流れ、その後方からは食道から胃へと食事の通り道となっています。どうしても喉の奥で空気の通り道と食事の通り道がクロスしてしまうのです。

Th_


他の動物と比べて立位となったこと、オマケに声を使い分けるために喉の部分の空間にスペースが大きくなった人間は構造上複雑な仕組みになってしまいました。そのため御飯を飲み込んだ時には呼吸が出来ない仕組みになってしまったのです。 ですのでお喋りしながら同時に御飯や水分を食べたり飲み込んだりすると誤って気管に入りむせてしまうのです。

言葉で言っても分かり難いでしょうから、シェーマを書いてみました。私達の口の周りを横からと口を大きく広げたときの図を書いてみました。鼻や口は喉の奥では1つの構造になっています。大きく口を開けても見えませんがその更に奥では気管と食道に分かれています(前方に気管、後方が食道の入り口)。気管の入り口には声帯という組織がありそれを広げたり閉じたりして声を出しています。

空気は鼻から通って気管、更に肺に達する呼吸が出来る仕組みは、まあ単純かも知れません。食道から風気が入って胃に行ってもげっぷやおならが増えるだけです。  水や食事を食べ飲み込む仕組みはそう単純ではありません。 食事がそのまま食道に入ればいいのですが、気管に入ったらむせ込んで苦しくなります。 運任せではいけないわけです。 嚥下の仕組みは非常に複雑に出来ています。 食事は唾液腺を舌の力を借りて飲み込みやすい大きさの食塊となります。

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食塊が喉の奥にくると嚥下反射で飲み込むことが出来ます。その時に繊細な動きが口の奥では行われています。

喉チンコと言われる口蓋垂(垂れた部分だけではなくて全体を使用)が後方へ移動し、鼻への逆流を防ぎます。 そして気管の入り口にある喉頭蓋がまさしく蓋のように声帯(気管入り口)に覆い被さり、食べ物や水分が気管に入らないようにし、喉の奥の筋肉も協調して御飯を食道へ流し込めるようにしています。

この様な複雑な動きを瞬時に私達の脳の中枢は指令を出し、沢山の筋肉を総動員して嚥下という大変な作業を行っているのです。 この様な神経や筋肉の反射も年齢と共に衰えます。高齢はむせる機会が増えてしまいますし、脳などの障害があると更に嚥下困難となる場合もあるのです。

この様なことを考えると食事中にむせないでお喋りできるのは奇跡なことのように思えてしまいます。皆様方はどうお考えでしょうか? 

ちなみに犬や猫などの人間以外の動物は四つ足ため食道と気管の位置や声帯を含めた構造が単純のため、食事をしながら同時に呼吸も出来る様です(詳しいことはわかりません)。

口蓋垂が閉じて、喉頭蓋が開いていたら何が出来るでしょうか?・・・・ トランペットを吹いたり口笛を吹いたり、風船を膨らませたりはこの状態だから出来すのです。両方開いていたら空気は鼻から抜けてしまいます。・・・そんな素晴らしいことを無意識にやってのけている皆様方は凄い方なのです

2016年2月10日 (水)

寝違い

今日(平成28年2月10日)のラジオ放送は首や肩の痛みについて話をしました。多くは整形外科やペインクリニック、内科で扱うことが多い疾患でしょうか。

以前のブログに「肩こり」については書いたので(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-7b99.html )、今日は,多くの皆様が経験した「寝違え」について考えてみたいと思います。専門外ですので余り正確でないことも多いと思いますが・・

寝違いの定義って以外と難しいのです。色々と諸説飛び交っております(笑)

Th__2 おおよそ一般的には朝に目が醒めた時に昨夜までなかった頸部の痛み、特に首を動かした時に「アイタタ」と痛みが生じる状態を寝違いと呼んでいると思います。

「寝違い」と対応する医学用語はありません。頸部周囲の筋肉や靱帯の急性炎症による痛みの総称と取ることが出来ますが、頸椎捻挫(けいついねんざ)とか急性疼痛性頸部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)が近い定義かも知れません。

スポーツや運動もしていないのに頸椎捻挫?・・なんでよ〜となるわけです。

私達は大人で頭の重さが5〜8Kgもあります。大きなスイカやボーリングのボールの重さがあるのです。これを私達は首の骨(頸椎)や首の筋肉、肩周りの筋肉で支えています。こんな重さを1日中支えることは大変なことですので、姿勢を正して首に負担をかけない、適度な運動をして血行をよくしたりしなければ、いわゆる肩こりが起こってしまいます。

動かないで同じ姿勢を続けるのは大変なことで、それを続けるのは拷問みたいなものです。同じ姿勢できつくなったら、意識的にあるいは無意識のうちに動かして一方だけの負担を軽減するようにしています。

同じ姿勢や、不自然な体勢を持続すると体の一部分に負担がかかり大変です。しかし私達が寝ている間はどうでしょうか? 普段は同じ姿勢で首の痛みなどや肩の痛みなどがあれば、目が醒めたり、無意識のうちに寝返りを打ったりと体勢を変えているはずです。

しかし不自然な姿勢で眠り続けてると、頭の重さに負けてしまい睡眠時に首に大きな負担がかかる場合も起こり得ます。その負担をかけたまま、朝を迎えると、寝違えの状態にもなってしまうことは想像できます。                        Th__3

お酒を飲んだ後に不自然な姿勢で寝てしまったり、疲労や睡眠不足で寝入ってしまい、痛くても反応せずに眠り続けた場合、また睡眠中に上半身が冷えてしまった場合などは「寝違い」がしやすい状況となります。 また枕が合わない、パジャマが窮屈、ベットが狭く寝返りが打てないなどでも起こやすくなります。

寝違いを全くなくすことは出来ないでしょうが、上記のことを考えるとある程度予防出来るのではないでしょうか・・・やはり寝ている時は分からないので難しいでしょうか?・・・取り合えず自分に合う枕などを捜した方がいいのでしょうかね・・・最後は素人っぽくなってしまいました。まあ私の知識レバベルはその程度ですのでご了承を

言い忘れていました・・寝返りは一種の急性炎症ですので、寝返りで痛いのに無理して動かすのは逆効果です。2〜3日はアイシングをして、その後徐々に温めるようにします。5〜6日しても改善しない場合や悪化するようなら頸椎などに異常があるかも知れませんので、整形外科を受診されて御相談下さいね(チョッと医者らしくなった)。

2016年2月 3日 (水)

インフルエンザの季節となりました

今日(平成28年2月3日)のFMレキオは急遽インフルエンザに関して話をしました。日本列島が急速に寒くなり乾燥してきたためでしょうか、日本各地でインフルエンザの流行が起きているようです。
厚生労働省が公表した先週1月29日の全国のインフルエンザの患者数の報告で、全国各地でその前の週よりインフルエンザの患者数が増加し、流行の注意報レベルの定点あたりの患者数10人を超えた地域が増えています。
沖縄県でも急速に増えていますので、注意が必要です。ちなみに全国では新潟県が最も多く、29.3人、沖縄県が2番目で18.2人、次いで千葉県14.1、福岡県13.7、神奈川県13.1、岩手県12.3、埼玉県12.7、長野県12.7、秋田県12.2、岐阜県12.2、山口県12.0、愛知県11.9、北海道11.9、茨城11.9、東京都11.2、山梨10.7となっています。

Th_ 沖縄県でも急激に増加しています。インフルエンザの予防接種を受けた方でも罹患した方もいますので流行期には注意は必要となります。今期(2015〜2016年)のインフルエンザワクチンはこれまでの3価ワクチン(A型2種類+B型1種類)から4価(A型2種類+B型2種類)となっています。これまでのところワクチンと今期の流行とは大きくは離れておらず有効のようです・・・・・でもワクチン接種を受けたのに罹ってしまっているじゃないですか? と思うかも知れません。

子供を除いてワクチンは1回摂取のことが多いです。米国の統計ではワクチン接種の予防効果は65歳以下の健康成人では70〜90%だそうです。施設で入居している様な高齢者では1回の摂取の予防は20〜40%と低下しているのですが、インフルエンザが重症化して死亡するリスクを減らす効果は80%あるとのことです。 このことよりワクチンを打っていても罹るリスクはありますが重症化を減らすメリットもあるのです。

インフルエンザウイルスは増殖スピードが非常に早く、そのため急速に進行します。昨日まで元気だったのに今日から急に40度の発熱もあるのです。

罹ってしまったら早めに医療機関を受診して下さい。と言うのは増殖が速いため症状が出現して48時間以内に体内でのウイルスの増殖のピークを迎えます。インフルエンザの特効薬として期待されたいる薬はウイルスの増殖を抑えて感染の防止を計る薬ですので、発症して早く飲まなければ意味がないんのです。 その後では解熱剤などの対症療法しかありません。

後は一般療法として、安静にして睡眠、休養をとり、脱水症状を起こさないように水分の補給を行って下さい。Th__2

この季節の急な高熱はインフルエンザの可能性が高いですし、無理に働いて他に人にうつす危険もあります。診断されても治らないうちに無理して働きに出るのは美徳ではなく社会的義務違反です。ゆっくりと休んで下さいね。

インフルエンザの完治を証明するのは難しいのですが、「おおよそインフルエンザにかかって5日以上で、解熱してから2日(幼児では3日)以上たってから」の出勤は可としています。

現在のところ今期のインフルエンザの殆どの患者さんはA型インフルエンザです。A型はB型と比べ変異を起こし易く、爆発的な大流行を起こすタイプです。また細菌性肺炎を併発するなど高齢者では死亡するケースも多いので要注意です。

皆様方も人混みを避けて手洗い、マスクなどでインフルエンザを予防して下さいね。

2016年1月27日 (水)

大脳の機能局在と利き手の関係

日本列島大寒波が押し寄せて寒くなりましたね。今日のFMレキオはこの時期に多い脳卒中について話をしました。脳卒中についてはこれまでにも書いたので、今日は脳の局在と利き手の関係について書いてみました。

Th_ 人間が他の動物より発達した部分に大脳があります。色々な研究から大脳の中でもその部位によっての役割が違うことが分かって来ています。 その部位が脳卒中などでやられると特有な症状が出てきます。例えば前頭葉の梗塞などでは情緒不安定になったり、側頭葉では聴覚や言語を理解できなくなったりします。

今日はちょっと気になったのものに、右利き、左利きが何故起こるのかを脳の側から考えてみました。・・・色々と調べましたが結論は出ていません(このあたりになると私も素人と何も変わらないレベルですので怒らないでくださいね)。

人間は右利きが多いと言われています。字を書くのに右手が便利だとか、左手はトイレにて使うからとか、戦闘では大切な心臓を守るため右を前にして剣を持ったからだなど・・・諸説あります。

何も原因がなければ、右利きも左利きも同数いるはずです。

しかし全人類ではやはり、左利きは5〜10%と少数です。おおよそ3才頃までには利き手が決まるそうですが、強制的に直されなくてもそれぐらいの確立ですので、利き手に左右差があるのは偶然ではないはずです。

人間の脳は左右で形も大きさも対称に分かれていますが、それぞれがカバーしあっています。しかし右脳と左脳ではそれぞれが担う役割に違いがあります。 皆さん方も右脳人間とか左脳人間と言う呼び方を聞いたことがありますでしょうか(医学用語ではありませんが・・)。 

人間の多くは左の脳が優位で、そこでは「言語、算術、理論、概念的」なことを担っていて、右の脳では「音楽、幾何学、発想」などを司っています。 ・・・そのため理論的で算術に秀でているのは右脳人間、芸術に長けている方は左脳人間だと表現したりするわけです。

優位半球が逆の方もいますし、そのことは遺伝的要素も加味されているようです。 人間が地球で生き抜くためには言語の獲得が重要で、算術なども他の動物とは異なり人間固有です。 ですから右脳、左脳のうち言語や理論的な思考を司る側を優位半球と呼んでいます。芸術よりも生きるためには重要だったのかも知れません。      Th_

右利きと左利きの言語に関する優位半球を調べた検査があります。「右利きでは優位半球は左半球が97%、右半球が3%」、「左利きでは左半球が69%、右半球が19%、両半球が12%」でした。左利きは全人類の5〜10%ですので、人間全体を見ると、圧倒的に左脳が右と比べて優位半球である確立が高いのです。

私達の脳が体に伝える神経は大脳の近くで交差します。左脳は右半身の運動等を司り、右脳は左半身の運動を司どることはご存じと思います。

人間は左の脳が優位半球が殆どです。そのことより逆に考えてゆくと、左の脳の支配する右半身がより重要となり細かな操作などを行えるはずです。そのために多くの方が右利きになるのではないかと私は考えています。

しかし右半球優位でも左利きにならない人もいます。これは先天的な優位半球では説明出来ませんので、更に後天的な部分でも利き手が決まる因子があることとなりますね。

Th__2 ・・・まあどっちが利き手でもいいのですけど・・・昔左利きは強制されることが多かったようですが、無理する必要はないですね。 そう言えばなんとなく今では左利きが格好いいように思えたのは、音楽やスポーツの影響が大きいでしょうか?

ピンク・レディー「サウスポー」麻丘めぐみ「私の彼は左きき」、アリス「秋止符」などがヒットしましたね。その頃より左利きが「ギッチョ(差別的用語に近いので嫌な思いをされた方はすみません・・)」から急に「サウスポー」と格好良く呼ばれる様になりましたね。

スポーツでは王貞治さん、具志堅用高さん、イチローさんなどなど・・・

・・・まあいいか・・・ちなみに私は右利きです。 そういえば外科の初期の頃に左右の手が同じ様に使えるために食事などで左手を使ったりしました。今でもハサミもお箸も左手で扱えます

2016年1月13日 (水)

睡眠と記憶の整理

今日(平成28年1月13日)のレキオは先週の睡眠に関連して不眠症について話をしました。
以前、睡眠にも二つのパターンが存在することをブログでも書きました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-f982.html )。
身体の眠りの「レム睡眠」と脳の眠りの「ノンレム睡眠」がありそれがワンセットで90分程度あり、この眠りを3〜4回繰り返し朝を迎えるパターンが一般的です。

レム睡眠は5分程度ですが、覚醒した時に近い状態で脳は活発に動いていて、記憶の整理をしているのではないかと考えられています。その一部分を私達は夢として覚えていることがあります。

記憶の整理と関連して、記憶はどのように形成されるのでしょうか?

Th_ 大雑把に記憶には短期記憶と長期記憶があります。例えば「子供の頃の何十年前のことは覚えているのに、昨日食べたものは忘れた」なんて言うはよくありますね。これは特に年齢に関係なくよくあることです。

この記憶のメカニズムをコンピューターにたとえて説明します。コンピューターでは最初に記憶されるのは情報処理の早いメモリで行われます。そこで処理された必要なものはハードリスクに記憶されて永久保存されます。メモリはあまり容量は大きくないため、不必要なものは消し去りますが、ハードリスクと何度も行きしながら記憶を蓄積しています。

私達の脳の中で中央にある部分に海馬というメモリと同じ短期記憶の中心部分があります。小さな組織ですがタツノオトシゴのような形をしています。タツノオトシゴは英語では「sea horse」と言うため日本語では「海馬(かいば)」と呼ばれています。(ちなみにイルカ(海豚)は中国語を当て字にしたものです)

人間が他の動物と違い高度に進化したのが大脳(皮質)でこれはあらゆる記憶や感覚記憶の中枢となり莫大な情報を処理できます。これがコンピューターのハードリスクに相当します。

私達が色々な経験をした場合、この情報はまず海馬で短期記憶として記録されています。海馬は容量が少ないため余り重要でないのはこのまま消去し次の情報を入手します。重要なことや感動したり、大きな出来事、勉強のように来る返し起こることは、消去しないように大脳皮質に長期記憶として保存できるように情報のやり取りを行っているのです。

この海馬も年齢と共に縮小してしまいます。これが生理的な現象なら単なる物忘れになりますが、病的になると認知症と言う事になります。脳梗塞などがなければ比較的大脳皮質の機能は失われないため、最近の出来ごとは余り記憶になくても昔のことはよく覚えているのです。

アルツハイマー型認知症はこの海馬が先にやられてしまします。新しい経験を記録出来ない為、記憶・記銘力の低下がおこり、先ほど経験したことも記憶に留められないことになります。

巨大なハードディスクである大脳皮質は生まれた後減少を続けますが、それでも全てを使い切りません。基本的に神経細胞は細胞分裂をしません。ですから分裂して数を増やすことも再生することも殆ど出来ません。

しかし海馬には神経幹細胞があり、成長後も新しく神経細胞が新生することが確認されています。

よく「脳トレ」なる重要性が指摘されています。これはパズルを解くとか漢字を覚えるのが目的ではなくて、記憶の中心にある海馬の細胞に刺激を与えて活性化させるのが目的なのだろうかと私は考えています。

今回も私の専門外ですので、間違っているかも知れませんがご了承を

2016年1月 6日 (水)

メラトニンと睡眠の変化

今日(2016年1月6日)のFMレキオは年頭の番組でしたので、時間と睡眠について話をしました。

人(動物)は何故眠くなるのでしょう? さあ皆さんはどうして眠くなるのかご存じですか?・・・・

そうですね、疲れたから眠くなる眠くなるから眠る・・・どちらも正しいのです

眠くなるメカニズムは二つに大別されます。疲れたから眠るとは運動や作業した後に肉体的な疲れをとるために、また日々の色々な活動の中では脳も活発に活動していて、体や脳の疲れをとるために眠くなります。  普通の筋肉の疲労だけなら、少し横になれば回復します。(スポーツなどの場合は筋肉の挫滅が起こりますのでそれを回復するには時間がかかります。) 心臓や呼吸筋ななどは私達が一生を終えるまで動き続けていますが、疲れたから休むことはしませんね・・・

脳は覚醒している時、私達が想像している以上に活発に活動し、全身に比べたらはるかに小さい脳が血液の1/4、酸素消費量もカロリー消費量も1/4を使うほど過酷に働いています。 体の筋肉を休めるためではなくて、脳の疲れを回復させるために私達は1日の1/3〜1/4程度の時間を睡眠に費やしているです。

眠くなるもう一つの要因は、眠くなるから眠る(夜になると眠くなる)仕組みが人間の体には備えらているからです。 これが皆さまの聞いたことのある「体内(生物)時計」によるものなのです。地球で生まれた生物はやはり太陽と密接に関係しているはずです。日が昇ったら動き出して、日が沈んだら眠るという行為はごく当たり前の備わってきた機能だと思います。

生活のリズムを保つために、セロトニンメラトニンの重要性が解って来ています。セロトニンは神経伝達物質でメラトニンはホルモンになります。

皮膚の色を司るホルモンのメラニンを調べている中で偶然、(牛の)脳の中ににある松果体という部分で作られるメラトニンと言うホルモンの存在が発見されます。後に人間にもあることが解りました。そのホルモンを抽出し、ボランティアの方に投与したところ皆眠くなったことが判明しました。そのためメラトニンが「眠りのホルモン」と呼ばれる様になったのです。

メラトニンがセロトニンから分解合成されることも解るようになって来ました。

私達の自律神経には交感神経と副交感神経が強調して体のバランスを保っています。交感神経は体や脳の細胞を刺激し活動的にさせますし、逆に副交感神経は休んだり、リラックスする時に関与します。

Th__2 朝起きて、光を浴びるとセロトニンの分泌が上昇し、その為交感神経が刺激されて活動性が増して、日中の行動がスムーズに出来るようになっています。そしてセロトニンは夕方になると減少してゆきます。 セロトニンが上昇しそれを材料としてメラトニンが生成されますが、時間差がありセロトニンが低下していく頃にメラトニンが増えてゆきます。その為日没後暫くすると増加したメラトニンの作用によって私達は眠くなっていきます。真夜中にピークになり次第に体内で分解されて朝には減少し、寝覚めの準備状態となります。そして夜が明けて、光が入ってくると、セロトニンの分泌が盛んになり・・・それを繰り返して私達は生きてゆくわけです。

ではメラトニンの具体的な作用としては、メラトニンが増えてゆくと、私達の体は「脈拍」「体温」「血圧」などが、低下してゆきます。それを感知した脳内で寝る準備が整ったと判断し、眠りにつくのです。

このメラトニンは1〜5歳頃がピークで年齢と共Th__4 に減少してゆきます。子供はコロッと寝てしまうのに、年齢を重ねると睡眠障害も増えてしまうのです。

高齢になるとメラトニンの減少のため入眠しにくくなったり、途中で覚醒したり,朝早く目が醒めてしまいます。

上記のことを踏まえて、私達の良眠を得るための対策を考えたら理解しやすいと思います。

一定のリズムで起床、入眠出来るようにする。朝起きたら日を浴び、日中の適度な活動や運動を行い、セロトニンを増やしておきます。夜になると(少なくとも入眠前は)パソコンやスマホなどの強い光の影響を受けないようにし、リラックス出来る環境を整えます。入浴も体温を上げたあと、体温が下がってきますので、脳はメラトニンと似た効果を感じて眠る準備が出来たと思うわけです。 可能な限り寝るときには部屋を暗くして、光刺激を避けて方がいいでしょう。

まあ外科医の話す内容ですので大雑把で間違っている部分もあるかも知れませんがお許しを

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