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医療

2018年11月14日 (水)

心臓突然死とは

「突然死」とは医学的な定義からすると「症状が出現してから24時間以内に予期しない内因死」と規定します。内因死と書いてあるように事故などの外傷や手術などの外的な要因ではなくて、自分自身の病気が原因で起こる急性死を指している訳です。

日本では年間に約10万人の突然死があり、そのうちの約6万人が心臓が原因でおこる心臓突然死なのです。

Th__3 ・心臓はたとえご主人が怠け者でも一生働き続ける働きもので、疲れたから休憩なんかしません(私とは違い勤勉です)wobbly

・心臓は大きく左右の心房と心室の4つの部屋(部分)から成り立っています。体から戻ってきた血液はまず右心房に導いて、右心房から右心室へと送り込み込みます。右心室から今度は酸素の入れ替えを行う肺へと拍出します。肺から戻ってきた血液は左心房に入り、それから1番心筋が厚い左心室へ送り込まれて、左心室の収縮によって全身へと血液が送り出されます。

・心臓は1回の鼓動で全身に血液を600〜700mlずつ送り出している筋肉でできたポンプです。1分間に70回動くすると、1日では7.2トンの血液を毎日送り出していることになります(凄い量です)。

さて、心臓突然死の大半は心室細動と言う不整脈によって引き起こされています。

・不整脈には色々ありますが、心臓の中で全身に血液を送っているのが心室になります。このことより心房の異常より心室の異常の方がより重篤となります。心室細動というのは、規則正しく心筋が収縮と拡張を繰り返して血液を送っていたのが、心室がブルブルと小刻みに震えるだけで、血液を全身に送り出せなく状態となります(心臓が停止したと同じことになります)。 頻度が高い不整脈の1つに心房が同様に震える心房細動という不整脈もありますが、心室の場合と比べたらすぐに致死的になるケースは少ないのです。心房細動は「心原性脳梗塞」「心不全」の注意が必要です。

・ではこの心室細動を起こす病気とは・・・・・

1番多いのは心臓の筋肉に血液を送る動脈(冠動脈)が詰まってします「心筋梗塞」です。心臓の筋肉が低下する「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」も心室細動を起こし易い疾患です。 また最近遺伝性の不整脈と注目されている「Brugada症候群」なども注意が必要です。Th_946495

・何らかの原因で心室細動がおこると、全身に血液が行かなくなります。特に脳細胞は虚血に弱く、完全に血液が行かなければ3〜5分で元に戻ることは出来なくなります。 

・この様な突然死の大きな原因の心室細動を止めるには、いわゆる電気ショックしかありません。 その為に学校や公共機関で自動式体外式除細動器(AED)が設置されているのです。除細動が1分遅れるごとに7〜10%ずつ生存率が低下します。

突然死の多くは心臓、脳、大動脈などの動脈硬化が進行が原因で起こる場合が多く、また冬場はヒートショクなどでも起きやすくなります。 日頃から高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの予防、コントロール、身の回りの生活環境、禁煙や過度の飲酒を避けることなどを心がけるようにして下さいねwink

2018年11月 7日 (水)

イビキのバターンと睡眠時無呼吸

今日のFM放送はイビキに関しての注意点や睡眠時無呼吸の話をしました。 以前にも話をしましたので、ブログにも記載しました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-acac.html )。
日本時においては毎日のようにイビキをかく方は全人口の30%で、中年以上になると50%以上になるそうです。
イビキはうるさいだけなら、周りの迷惑はあっても本人にとっては問題もありません。イビキをかく人の中で、規則正しいイビキではなくて、時々呼吸が止まることがあります。長い時には1分以上止まることもあり、側にいる方が静かになったはいいも、呼吸が止まるのではないかと心配にもなります。 分かりやすいように図に書いてみました。
Th__2
本人は気がつかなくても、無呼吸が続くと本人の体は非常に負担がかかることになります。
この様な睡眠時無呼吸を放置していると、正常者と比べて、高血圧で2倍、狭心症・心筋梗塞が3倍、脳卒中は4倍高くなると言われています。日中の眠気により、交通事故は7倍増加します。
実際に中等度〜高度の睡眠時無呼吸患者さんは放置すると、平均寿命で7年短くなると報告されています。
先ずは上の図のような睡眠パターンがある方は、病院の呼吸器科外来などで相談されてみては如何でしょうか。

2018年10月24日 (水)

妊娠する前に風疹の抗体価チェックを!

2013年に続き今年も全国(特に関東を中心に)風疹の流行が注意喚起されていますので再度書いてみます。

風疹は発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性疾患で日本では4〜5年に一度流行が起こります。主に小児期に感染することが多く、2〜3日で軽快しますので、「3日はしか」と呼ばれています(「はしか」は麻疹のことで、風疹と麻疹は全く違うウイルスです)。風疹の合併症としては血小板が減少する血小板減少性紫斑病が3000人に1人、脳炎が6000人に1人ぐらいで起こります。問題なのは妊娠中の初感染なのです。

(今年の6月に海外の旅行者が沖縄で麻疹を発症し、感染が広がり、更に沖縄への旅行帰りの方が本土に帰ってから発症したと注意勧告がなされていました。皆様方も記憶にあると思います。麻疹はもの凄く感染力が高いウイルスで、会話するだけで感染(空気感染)するほどの感染力があり、注意が必要でした。)

風疹は飛沫感染と接触感染ですので、マスクと手洗いで防ぐことは可能です(空気感染はしません)。麻疹同様にウイルスですので予防接種が重要となります。しかし風疹の問題点は感染して発症するまでの潜伏期が2〜3週間と長く、発症する前の方が他人にうつす感染力が高いことです。

Th_1040597 <特に風疹の流行に対して注意して欲しい理由には次の2つがあります>

*①1つは妊娠中に感染すると胎児に影響が出ること。日本人の妊娠可能世代に十分な麻疹の抗体価を持っていない方が多くいること。

*②日本の予防接種の狭間で、予防接種を受けている方受けていない方、予防に重要と言われる2回の予防接種ではなく1回しか受けていない世代があり、男女でも異なり、混乱に拍車をかけていることです。

先天性風疹症候群:妊娠10週までに妊婦さんが初感染すると90%の胎児に心奇形、難聴、白内障などが発症し、11〜16週までの感染で10〜20%に発症。妊娠20週以降では影響は少ないとなっています。

*②日本ではワクチンの種類、副作用、効果などによりその都度法整備が変わり、接種時期が変更となりました  日本では38・39歳以上の男性では予防接種なし、28・29〜39・40歳の男女ともワクチン接種回数の少ない低予防接種年代(免疫が十分に出来ていない可能性が高い)となっています。56歳以上では男女ともワクチンを受けたことがない世代

日本では暫く今この年齢が妊娠・出産の多い世代で抗体価が不十分な方が多い時期が続く。

どうか妊娠可能性のある方は予防接種の有無などを正確にチェックし、曖昧なら妊娠する前に抗体価を病院で調べて下さい。 妊娠中は予防接種を受けることが出来ません。周りの、パートナーや親御さんも抗体価のチェック、予防接種を行って欲しいと考えています。

Th_648身近にこの年代の方が居ましたら、風疹についてお話をして欲しいと思うのです(この年代以外でも妊娠の前に風疹の抗体価は測って欲しいと思います)

2018年10月10日 (水)

腰痛は温めるべき?冷やすべき?

厚生労働省の平成28年の国民生活基調調査の中で、自覚症状の統計があります。男性の場合の自覚症状は多い順番に①腰痛 ②肩こり ③咳や痰が出る となっています。女性では①肩こり ②腰痛 ③手足の関節が痛む となっています。いずれも関節に関しての訴えが多く、腰痛が全体で一番多いことがわかります。                          

私達の腰回りは 体を支える大黒柱の脊椎(腰の部分は腰椎)、周りの様々な筋肉、神経、結合組織、皮膚などからなっています。 上半身を支え、前後左右の運動をしなければいけません。 腰は姿勢を維持するだけでも沢山の努力をしないといけないので、絶えず緊張(ストレス)を強いられている組織でもあります。人類が進化の過程で二足脚歩行を選んだ結果、人間にとっては腰痛が持病となってしまったと言われています。

腰痛は内臓疾患や婦人科、泌尿器科の疾患によっても起こりますが、それはその病態を正確に診断して治療する必要があります。

<では一般的な腰痛(筋肉や神経、骨から来る整形外科的な腰痛)に対して、冷やした方がいいのか温めた方がいいのについて書いてみます>

以前の突き指の時にも書いたのですが(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-878d.html )、急性期や炎症があれば冷やすべきですし、慢性期には温めた方が良いことが多いです。

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では、基本的に冷やすと温めるではどのような生理現象が起こるのでしょうか。

皆様方も経験上も分かると思うのですが、冷やすことによって、血管は収縮し血流は弱くなります。冬眠と同じで神経や細胞の活動も抑えられることになります。 この様なことから急激な炎症や打撲などでは止血効果や腫れを抑制しますし、炎症の波及を抑え、神経の感覚を鈍らすために痛みを取る効果が期待されるのです。→この様なことより、急性の腰痛(ギックリ腰、打撲)などでは2〜3日間は冷やす方が一般的です。

では「温める」とどうなるかと言うと、血管が広がり血流が増加します。神経や細胞も活発になり修復が早くなります。多くの慢性の腰痛など凝り固まった筋肉をほぐし、血流を良くすることで腰痛の改善をはかります。

・・・腰痛に限らず、この様に「冷やすこと」と「温める」ことのポイントを抑えておけば他の打撲や怪我や火傷、肩こりなどの際にも応用できるはずです。

2018年10月 3日 (水)

糖質制限ダイエットの注意点

今日のFM放送は中性脂肪について話をしました。中性脂肪と聞いて思い浮かべるのは肥満との関連ではないかと思います。
その為、ブログではダイエット特に、最近よく耳にする「糖質制限ダイエット」について記載したいと思います(専門ではないので間違っている所もあるかも知れません・・・ご容赦をcoldsweats01)。 私の基本的な考えは「何でも楽して手に入るものはない」とのことです。
 人間の体やエネルギーを作り出す大きな栄養素は 炭水化物、脂質、蛋白質で三大栄養素と言われています。それにビタミンとミネラルを加えると5大栄養素となり、全て私達の体になくてはならに栄養素です。
851996_2  ダイエットに重要なのはエネルギーを消費する運動と全体的なエネルギー制限を上手く組み合わせて痩せてゆくこと(特に内臓脂肪)にあります。
 人間のエネルギーを作り出すのは、炭水化物(=糖質)、脂肪、蛋白質であり、特に主食であるコメ・パン・麺類などは量的にも多く摂り、エネルギー量の大きな部分を占めます。
 そのことより、カロリーを簡単に減らそうとしたい場合はこの糖質(炭水化物)を制限すれば簡単に制限できて、より短期間にダイエット出来ます。 その為巷ではこの「糖質制限ダイエット」が人気があるのかも知れません(あまり詳しいことは分かりません)。                                  
しかしながら、ただ単に糖分を制限していいのでしょうか? 主食(炭水化物)を食べるのと砂糖などの糖分を摂るのと一緒になっていませんか? もっとも重要なエネルギー源を無駄にしていませんか? ・・・など私に取っては疑問が残るのです。                    
・主食を食べない等の極端な食事制限は短期間にダイエットは可能かもしれません。しかし主食には糖分以外におおくの繊維質、ビタミンも含まれています。そのことは排便の量の確保、腸内細菌巣の維持にも繋がります。便秘を防ぎ、コロコロ便意なるのも防いでくれます。ですので主食を減らす前に、甘いケーキや、お酒などをまず減らすべきです。           
・人間は基本的に雑食です。人間の生命の維持に必要なエネルギー源として炭水化物は非常に重要で、糖分がなければ短期エネルギーとし体を動かせませんし、脳は糖分しか受け入れてくれません。  ですので人間が炭水化物を摂らずに、脂肪や蛋白質のみから食事を摂って生命を維持するためには、体は無理をしますし、世界の食糧はすぐに枯渇するはずです。            
894839 ・さらに体の中で蛋白質と脂肪だけからエネルギーを確保すると、血中の中性脂肪やコレステロール値も上昇します。欧米を中心に糖質制限ダイエットによる死亡率の上昇を認める論文も多く出ています。  普通食と糖質ダイエット食で死亡率で1.3〜1.4倍、冠動脈疾患(心筋梗塞)で1.3〜1.5倍、癌に対しても1.3〜1.5倍多くなったと報告しています。
・この様な報告は色々ありますので、この報告が全てではありませんし、結論が出た問題ではありません。しかしながら糖質制限ダイエットにはこの様な側面もあることを知ることも大切です。                                                       
・私個人としては常々思うのは、人類は長年の間、色々な食事を摂り進化してきたのです。現代の飽食の時期は人間にとってもの凄く稀な時代、これまでにない環境で現代人は生きていることになります。  更にある偏った食生活や制限は短期間では良いデーターを出すのかも知れませんが、これから先何世代にも渡って経験しないと分からないことも多いと思うのです。    
・簡単に出来ることって余りないと思うのです。ダイエットも本来は時間をかけて全部のカロリーやビタミンなどのも考え、運動による消費を加えながら解決しないといけないと思うのです。
・様々なダイエット方法が出ていますが、ブームになったとしても多くはそのうち消えてしまいます。飽食の時期を私達人類がまだ経験不足だと言うことに他ならないのと考えてしまうのです。

2018年9月26日 (水)

減塩と腎臓病

今日のFM放送は尿検査と慢性腎臓病について話をしました。
腎機能障害の予防の大きな柱が高血圧の対策と減塩、水分の適切な管理です。              
夏に汗をかく場合に塩分摂取の必要性が言われていますが、多くの日本人では塩分は取り過ぎていますので気にかける必要はありません(もちろんスポーツや屋外の作業などで多量に汗をかく場合には摂取が必要ですが・・・)。 Th__2
 
 そのこともあってか日頃減塩で味気ないと感じている方が「先生、夏は汗をかくので塩分を多めにとっても大丈夫ですよね」と期待を込めて質問をしてくることが時々あります。      
高血圧と減塩は密接に関連があります。血液の浸透圧の柱となるのが血液の中のナトリウム(食塩=塩化ナトリウム)です。食事の塩分が多いと、血液流のナトリウムが増える結果となります。ナトリウムが高いと、血管の中に水分を引き込みます。それによって血管の圧が高くなります。これが高血圧です。         
 戦後、日本人の塩分摂取量が高いことに対して、様々な啓蒙活動が功を奏して少しは下がっています。戦後日本人の1日当たりの摂取量は12g程度でしたが、現在は全体で9.9g(男性10.8g、女性9.2g)と減少しています。若い人ほど塩分摂取量は少ない傾向がありますが、特に60代は男女とも1番高い摂取量で男性で11.4g、女性で9.8gとなっています。        
Th_1179269 血圧が高いと直接循環器系に影響を与えますので、脳卒中や心臓病の危険度が上がりますし、腎臓の血管系や腎臓のネフロンにも悪影響を与え腎機能低下や腎結石も増加します。 それ以外にも胃がんの増加もあります。
 現在厚生労働省は男性で8g/日以下、女性で7g/日以下を目標にしています。さらに現時点で高血圧のある方は6g以下を推奨しています。
日本人は塩分の高い食事になれていますので6g以下の食事は味気なく感じることも多いと思います。ここは慣れるしかありません。                                   
何故かと言うと人間が生きてゆく上で必要な塩分量は1日1〜2gで十分なのです。
私のブログでも熱中症対策でまず水分、次に食塩、その次にカロリーを摂ることを書きましたが、それは汗には塩分が含まれているからです。 しかし多くに方は必要以上に塩分を摂っていますので、極端に汗をかかなければ無理して塩分を摂る必要はありません。        
以上のことより夏場でも高血圧の方は減塩の方が正しいことが多いのです。

2018年9月12日 (水)

軟膏とクリーム製剤の違い

今日のFM放送は白癬症について話をしました。白癬の治療薬は主に塗り薬となりますが、少し吸収率や浸透率に違いがあります。

病院で出される塗り薬は主に「軟膏」と「クリーム」があります(その他に液剤やスプレータイプもあります)。

同じ成分でも軟膏とクリームでは塗った感じも違うと感じるはずです。 今日はこのクリームと軟膏の違いについて説明したいと思います(何時ものように専門ではありませんので適当ですが・・coldsweats01)。

クリームと軟膏の違いはその成分の中に水分を含んでいるか否かによっての違いです。

Th_ まずクリームは「水を含んでいて、油と水が混ざり合っている状態です」。普通は油と水は混ざらないのですが、乳化する(油と水が乳化剤の作用により結合する)ことで、綺麗に混ざり合った状態で安定します。 「乳」とつくのは文字通り「おっぱい」のことで、おっぱいには脂肪など油の成分(栄養分)と水分が混ざっていますが分離はしていませんね。

水分を含んでいる分、クリームは軟膏と比べて、皮膚に塗りやすくて、べとつきが少なくて済みます。乳化していますので皮膚からの吸収も速くなりますので、軟膏よりも早く効果も出ます。 

その反対に軟膏は水分を含んでいないため油の成分が多く、べたつきがあり吸収もゆっくりですが、長い時間効果があります。また汗などでも流れにくい利点があります。 

このような利点や欠点を考えて、使い分ける必要もあります。冬場は軟膏はやや硬くなりますが、ゆっくりと手の平で広げて塗ると効果が長持ちします。逆に夏場などクリームを塗る前後で汗をかいてしまうと流れてしまいますので、クリームを塗った後はクーラーのある室内で過ごす方がよいのかも知れません。

病院で出される処方で同じ成分の薬でも基剤の違いにより軟膏やクリーム製剤があるのです。

2018年9月 5日 (水)

乳がんについて:自己検診の重要性

先日、「ちびまる子ちゃん」で有名な漫画家のさくらももこさんが53歳の若さで乳がんで亡くなったニュースがありました。本日のFM放送は急遽乳がんについて説明をしました。ブログでは自己検診の重要性やリスクについて書いてみたいと思います。
乳がんは女性がかかる癌の中でトップとなっています(死亡率では第5位)。
乳がんは乳汁を作り出す組織の乳腺の小葉上皮に出来る「小葉がん」と乳汁の通り道である乳管に出来る「乳管がん」の2つが主な種類になりますが、特殊な乳がんとして乳頭や乳輪に湿疹状のただれを主症状とするパジェット病と乳房全体が赤く腫れ上がる炎症性乳がんがありますが、炎症性乳がんは短期間で全身転移を起こしやすく予後不調ながんとなります。
                                                         Th_ 癌がその発生部位から回りに飛び出して行かず、小葉内や乳管内に留まっている場合を非浸潤がんと呼び、癌が周りの血管やリンパ管に浸潤しているのを浸潤癌と呼んでいます。当然、非浸潤癌の方が予後がよくなります。                                                                
乳がんの多い欧米などでは非浸潤性の小葉がんは悪性疾患とは扱わずに、このまま様子を見ることが原則となっています(日本では部分切除が殆どです)。                                                       
乳がんの90%は痛みのないしこりとして気づくことが多いのです。全くの自覚症状なしで検診のみで診断がつくのは数パーセントと言われますので、如何に自己検診が重要であるかが伺えます。
お風呂上がりにでも毎日チェックをして欲しいと願います。 その時に鏡に映して正面、斜め、前屈や背屈、さらには両手を挙げたり下げたりして全体をチェックして下さい。
①皮膚の状態:色、表面の窪み、盛り上がりなど
②左右差、形や大きさのチェック(経時的な変化)
③えくぼ兆候:おっぱいの一部が引っ込んでいる様な状態
④乳頭の変化:乳頭の形や湿疹、痒みや乳頭分泌液のないかどうか
⑤陥没乳頭:昔から陥没してたのでした問題ないのですが、次第に陥没した場合
それ以外にお風呂で石けんをつけながら乳房にしこりがないかどうかチェックして下さい。   
→このようなことで多くの乳がんが発見されます(もちろんしこり=癌ではありませんので心配するより、まずは病院を受診されて下さいね)。                             
また乳がんの危険度も報告されています。少し古いデーターですが平均の女性と比べて何倍乳がんになり易いかの指標になりますので記載しておきます
①乳がんになったことがある人6倍 ②母親、姉妹、娘が乳がんになっていた方2.8倍 ③初潮が12歳未満 1.9倍 ③30歳以上の未婚女性3.0倍 ④初産年齢が30歳以上1.7倍 ⑤閉経が55歳以上1.6倍 ⑥閉経後の肥満1.4倍 ⑦高度肥満(BMI30以上) 2倍
その他身長が高い方(身長160Cm以上は148Cm 以下と比べて閉経前1.5倍、閉経後で2.4倍)、飲酒量が多い方(1.75倍)、喫煙習慣のある方(1.9倍)は増加します。<色々な研究結果から抜粋しましたので、正確さは多少変動する場合があります>
一番忙しい年代の女性が多く罹患するがんですので、忙しいからではなく忙しいからこそ検診を受けるように、そして毎日の自己検査をしてくださいね。

2018年8月29日 (水)

夏バテ予防に豚肉はいかが

今日のFM放送は夏バテについて話をしました。以前夏バテについてはブログで記載しました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-75ee.html

「バテる」と言う言葉を調べていたら、「バテる」とは、 すっかり疲れてしまう、くたびれて動けなくなる、へたばる、といった状態をさす言葉です。Th__2

夏バテは夏にバテることですが、「バテる」そのものは短期間の消耗からきている語源の様な気がします。

夏の暑さのために汗などで体温調整のために多量のエネルギーを消費し、夜間も寝苦しい状態が続いたり、冷房と外気温の違いを行き来するために、体が順能出来ず自律神経失調状態となり、次第に体がバテてしまうのです。

後者の部分は生活習慣を立て直したり、冷房を上手く使ったり、セーターなどを使ってオフィスの寒さを防いだりして自律神経を休めないと行けないと思います。

ではカロリーの消費ではどうなのでしょうか? 夏の多量の汗でエネルギーを沢山使います。ビタミンなども消費されています。

昔から、夏バテ予防に豚肉がいいと聞いたことがありました。昔の人の知恵は正しいのでしょうか? ・・・それにはある程度の根拠があるようです(外科医の私の知識ですのであてにならないと思いますが・・・coldsweats01)。

Th__3 ・夏バテになると食欲が湧きませんし、あまり多くも食べられなくなると思います。ウナギや肉などは夏でも食べる気が湧いてくると思います。 特に夏場はビタミンCビタミンBが消費され少なくなりますし、カロリー源の糖分の吸収にもビタミンB群は役に立ちます。

豚肉には牛や鶏よりも糖分を細胞内に取り込むために必要なビタミンB1やナイアシンなどが豊富に含まれいます。また蛋白質や脂質もバランス良く含まれています。

そのようなことを考えると、やはり先人達が経験値で実行していたことは、栄養学的にみても夏バテの予防に豚肉料理は理にかなっているかもしれません。 改めて、昔の方々の教えが正しかったのだと思いますね。

私は料理は作れませんので、料理作りの上手な皆さま方は夏バテ予防に豚肉を使ったレシピを実行されてみてはいかがでしょうか?(今日は医療よりも料理教室の様になってしまいましたhappy01

2018年8月22日 (水)

ヘルパンギーナとヘルペスは違います

今日のFM放送は夏かぜについて話をしました。風邪は冬のイメージがありますが、夏も結構流行るために「夏かぜ」と総称して呼んでいます。風邪の原因はウイルスが多いのですが、ウイルスにも寒いのと暖かいのを好む違いがあるため、夏と冬に流行る原因ウイルスには違いがあります。
Th_ 私達の病院は小児科はありませんので、余りヘルパンギーナの感染を診る機会は少ないのですが、全国的には主に小児の間で流行る夏かぜの一種のヘルパンギーナの感染が流行しているとのことです。                          
ヘルパンギーナとは・・・以外とこんがらかって難しいのです。                
まずインフルエンザウイルスのように1つのウイルスかと言うとそうではありません。多くはエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスによるものなのですが、他にもエコーウイルスなど幾つかのウイルスが原因となります。               
・・・・と言う事は、ウイルスの名前から来た病名ではなさそうですcoldsweats02                      
ヘルパンギーナ(Herpangina)の語源は、水ぶくれを意味するTh__3 「ヘルペスHerpes」と喉の炎症を意味する「アンギーナ Angina」の2つを合わせた疾患名となっています。 昔はウイルスの存在さえ分かりませんでしたので、急に喉が赤く腫れ、一部は水ぶくれにもなり、熱や喉の痛みが強く、飲み込むのさえ困難になるような病気をひっくるめて「Herpanginaヘルパンギーナ」と呼んだのでした。
我が国ではおおよそ5月頃より9月まで流行しますが、特に7月8月が流行期を迎え、ニュースでも話題になったのですが、今各地で流行していて留意が必要とされています。
病状は2〜4日の潜伏期を経て、突然の発熱に続いて、喉の痛みが出現し、咽頭粘膜がとても赤くなり、口の周りに1〜2mmの小さな水ぶくれが出ます。喉の痛みは強く、水分も飲み込みにくいこともあり、特に夏の時期は脱水になることもあり、点滴のため入院が必要な小児も多くいます。熱も38度以上の高熱が出るため、小児期の子供が熱性けいれんを起こすこともあります。
多くは数日で症状が改善しますが、ウイスルは2〜4週間は便から排出されますので、他にうつさないようにすることも重要となります。
基本は手洗い、うがいの予防を行います。
 
Th__4
よく疲れた時などに口の周りに小さな水疱を作るヘルペス(口唇ヘルペス:他に性器にも起こすため性器ヘルペスもあります)という病気はヘルペスウイルスによるもので、語源が似ていますが、全く違うウイルスとなります。

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