2026年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 「貧血」とはどんな状態? | トップページ | コインブラ(大学以外の西地区)探索 »

2026年6月12日 (金)

サグラダ・ファミリア、祈りの塔が完成した日

(金曜日ですが、生け花クラブが休みだったようで生け花を記載できませんので、代わりにサグラダファミリアの記事を記載します)

1昨日、バルセロナから歴史的なニュースが届きました。サグラダ・ファミリアで最も高い中央塔「イエス・キリストの塔」の祝福と落成を記念する式典が行われたのです。

このニュースを耳にしたとき、私の胸には、これまで40年にわたる旅の記憶が鮮やかに蘇ってきました。

私にとってサグラダ・ファミリアは、単なる観光地ではありません。40年前、30年前、そして10年前。何度かの訪問を通して、この教会の変遷をまるで定点観測のように見守り続けてきた、人生の伴走者のような建築物です。

初めてその姿を見た40年前は、「完成まであと100年」と言われていました。自分が生きているうちに完成に近づく姿を見届けることはないだろうと、どこか遠い未来の物語のように思っていたことを覚えています。それが訪問を重ねるたびに「あと50年」と縮まり、ついに昨日、大きな節目を迎えました。

思えば、30年前までの訪問では、教会の内部にはまだ現在のようなステンドグラスの輝きはありませんでした。コンクリートと石がむき出しになった、静かで、どこか冷厳な未完成の空間。それが、10年前の訪問の際には、劇的な変化を遂げて私を迎えてくれたのです。


Th_dsc01226_2
Th_dsc01197

堂内に一歩足を踏み入れた瞬間、言葉を失いました。それまで光のなかった空間に、ステンドグラスを透過した暖かく鮮やかな灯りが満ち溢れていたのです。

Th_dsc01205

 

見上げれば、まるで大木のようにそびえ立つ列柱が天を支え、差し込む光によって神秘的な陰影を描き出していました。それは、人間の力をはるかに超えた圧倒的な美しさであり、理屈抜きに魂を揺さぶられる空間でした。

そのとき私が感じたのは、特定の宗教の枠を超えた、普遍的な「祈り」そのものでした。先の見えない霧の中を歩む人の足元を、静かに、しかし確かに照らし出してくれるような、大きな包容力に満ちた光。それはまさに、神様にしか作れない祈りの形のように思えたのです。

世の中にある多くの歴史遺産は、過去の偉業を伝える「過去の出来事」です。しかし、サグラダ・ファミリアは違います。幾多の困難を乗り越え、今まさに完成へと向かっている「現在進行形」の遺産なのです。


Th_dsc01136

人間が生きられる時間は有限です。天才ガウディも、礎を築いた職人たちも、すでにこの世にはいません。それでも、一人の人間が抱いた永遠とも言える祈りは、世代を超えて現代の技術者や名もなき人々に受け継がれ、今この瞬間も形作られ続けています。

ここで、もう一度問い直してみたいのです。

この教会の名前である「サグラダ・ファミリア(聖家族)」という言葉の本当の意味を。

宗教的な意味としてのイエス・キリストの家族を指すだけでなく、この言葉にはもっと普遍的なメッセージが込められているのではないか、と今の私は思うのです。

一人の人間が遺した祈りのバトンを、何世代にもわたる見ず知らずの他人が受け取り、我がことのように大切に育て、次の世代へと繋いでいく。140年以上もの間、名もなき人々の善意と祈りの石が積み上げられてきたそのプロセスそのものが、人類という名の大きな「家族」の姿ではないでしょうか。

有限の命しか持たない私たちが、時を超えて誰かを想い、未来へ希望を託すこと。その営みそのものが、最も尊い「聖なる家族の祈り」なのだと、サグラダ・ファミリアは現在進行形の姿で教えてくれている気がしてなりません。

Th_sagrada_familia_2017

10年前に私を魅了したあの光は、今も私の中で、未来へ向けて大切なメッセージを紡ぎ続ける静かな原動力となっています。全てが完成すると言われるその日を、この目で直接見届けることができるかもしれない。そんな大いなる希望を胸に、今日も一歩ずつ、自分の人生という旅を進めていきたいと思います。

 

« 「貧血」とはどんな状態? | トップページ | コインブラ(大学以外の西地区)探索 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

先生、こんばんは。
サグラダ・ファミリアについて長い間見てこられたのですね。Kは8年ほど前にバリ・バロセロナ、マドリードの3都市ツアーに行きました。私も内部に入った時に鳥肌がたった記憶があります。鮮やかな色彩で、他の教会では見ることがない眩さでした。1昨日の式典をニュースで見ました。40年前はあと100年かかると言われたのですね。そのニュースの中でも市民の寄付によって造られた教会で、技術の進歩で完成時期が短縮されたことを知りました。
先生も完成後に行くことが出来ますね。先生の書いてある文書がとても素敵でした。特に最後の言葉はKの胸にも刺さりました。ご多忙と存じ上げますが、これからも素敵なブログを続けて下さいね。本当にありがとうござます♡

院長先生
こんばんは。
きょうもお疲れ様でございました。

そして「サグラダ・ファミリアのイエスの塔」がガウディ没後100年を記念して完成したのですね!ローマ法王も完成を祝いミサも行われたそうですね!ガウディも喜んだでしょう♡
院長先生は3回も訪れて完成にすすむご様子をご覧になられましたね♡
10年前のブログ覚えております。ステンドグラスの輝きに感動されてましたね。私たちは20年前でしたから堂内は工事現場のようでした!それでもこれから多くの方々が携わって完成に向かうのだと思いました。
院長先生は完成のサグラダ・ファミリアを絶対!ご覧になられますよ。

きょうもありがとうございました🙇
おやすみなさいませ💤

Kさん、こんばんは。
以前あの旅行の写真を送ってくれてことがありましたね。もう8年前でしたか?あっという間ですね。

ステンドグラスが入った教会の内部に入った時の感動は今でも忘れません。Kさんも同じですよね。最初は生きている内には無理でしたし、2回目は生きているかも知れないがもうスペインに行く体力はないと思っていました。3回目からは現実味を帯びてきました。私も老齢者となりましたので、完成まで生きているかわかりませんがぜひ完成後のサグラダファミリアを見てみたいです。

人生そのものが旅の連続ですね。これからも良い旅を続けて行きたいと願っています。

マコママさん、こんばんは。

今日は朝から夕方まで仕事の連続でした。我ながらよく働くものだと思っています😅

ガウディ没後の100年でメインの塔のイエスの塔が中央に輝きましたね。一方向ではなくて全方向に十字架が照らされるように造られています。全人類の灯火になって欲しいです、

マコママさんが行かれた当時は内部はまだまだだったのですね。私も最初は外観だけでしたし、2回目も内部は工事中の状態でした。3度目に入った時には本当に感動しました。

サグラダファミリアが完成した時にはゆっくりとバルセロナを滞在しながら見てみたいです。ただこれ以上にオーバーツーリズムになったら規制がかかるかも知れませんね。 私の最後の夢もとっておきたいと思います。

いつも有り難うございます。それではお休みなさい💤

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「貧血」とはどんな状態? | トップページ | コインブラ(大学以外の西地区)探索 »