今日(2025/06/25)のFM「いきいきタイム」は大腸癌について話をしました。 日本で胃癌は減少傾向にありますが、大腸癌は食事の欧米化と共に戦後一貫して増加を辿っています。 今日は折角ですので大腸癌だけに絞らず胃と大腸のポリープについて書いてみました。
バリウム検査や内視鏡検査でポリープを発見することはよくあります。 ポリープを指摘された場合「いよいよ駄目か」とびっくりする方や「な〜んだポリープ」かと平気な方まで反応が様々です。
では「ポリープ」とはどのようなものでしょう?
消化管や口や鼻あるいは女性の膣や子宮などの粘膜から発生する隆起性病変(盛り上がった病変)をポリープと呼んでいます。
胃や大腸のポリープ、子宮頸部ポリープ、鼻にできるポリープ(鼻茸)、声帯ポリープなどが有名でしょうか。
ポリープの原因は大きく炎症性と腫瘍性に分かれ、問題となるのは腫瘍性のうち良性なのか悪性(癌)なのかということになります。
ポリープも範囲が大きいので今回は胃と大腸のポリープの絞って説明します。
胃や大腸のポリープを指摘されたことがある方は多いと思いますが、同じポリープでも癌化の発現率に違いがあります。一般的に胃のポリープは大腸と較べて癌化率は低いです。
胃ポリープは①過形成性ポリープ、②胃底腺ポリープ、③腫瘍性ポリープがあります。①:胃過形成性ポリープはピロリ菌の感染や慢性の炎症のために粘膜が肥厚し隆起したもので大きさも形も様々です。大きくなって出血したり胃の出口を塞ぐようになると良性でもポリープの切除を勧めます。癌化率は1%程度です。 ②:胃底腺ポリープは胃底腺と呼ばれる組織が肥大化したもので、小さく多発するのが特徴で検診で最も多く指摘されますが、癌化することはなく大きくも殆どなりません。何もしなくてもよいポリープです。 ③:全体としては少ないですが粘膜が腫瘍化してできた腫瘍性ポリープは良性の腺腫が殆どですが癌のこともあり経過を充分行います。癌化率は10%程度ありますのでこの場合は胃のポリープの切除を早めに勧めています。
大腸のポリープは①過形成ポリープと②腫瘍性ポリープに分かれます。①:過形成ポリープは腸の粘膜の炎症でポリープ様になったもので一般的に経過観察のみとなります。 ②:腫瘍性ポリープは良性(腺腫)と悪性(癌)との鑑別が重要になります。 大腸の場合、平坦な粘膜がいきなり癌になることは稀で、多くの場合はポリープが徐々に大きくなり癌化することが一般的です。 このことより大腸癌の予防のためにはこのポリープを見つけて早めに処置をすることが重要となります。
ポリープの大きさと癌化率は大きさ4mm以下では0.05〜0.1%、5〜9mmで7〜8%、10〜20mmで20〜30%、20以上で30〜50%となっています。この殆どが粘膜内にとどまっている癌でポリープを切除するだけで根治が期待できます。30mmを越えると進行癌が多く内視鏡的切除の適応とならないのが殆どです。
上記に対しては多くの場合の治療は内視鏡で行うことが多く、単純の場合はポリープに輪っか引っ掛けて電気で切る「ポリペクトミー」、輪っかがかかりにくい場合は粘膜の下に液体を入れて浮き上がったところで輪っかをかけて切り取る「内視鏡的粘膜切除術」、早期癌や病変が大きい場合には粘膜下層に薬液を入れながら広範囲に切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術」などを行ってゆきます。
ちょうど良いイラストが「イラストAC」にありましたので拝借して貼り付けておきます。
今日この様なことを書きましたのは、患者さんから「ポリープをいわれたけど大丈夫でしょうか」とか「ポリープは癌にならないと聞いたけど本当」・・等の質問を受けることがありましたので書いてみました。 ポリープは癌にならないなどと極端なことを言う方も中にはいますが、正確な情報をもとに検査や治療をされたのがよいと思います。 極端な意見を発した方が注目されることはありますがその後の責任は負いません・・・不思議です。
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