日本被団協のたゆまぬ努力に感謝する
2024年のノーベル賞が次々と発表されるも日本の受賞者がいない状況に寂しい思いでいました。職場からの帰りの車の中で「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」がノーベル平和賞を受賞したニュースが飛び込んできました。びっくりと共にこれまでの実績を考えると当然だと目頭が熱くなりました。
私は2017年のノーベル平和賞を核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が授与すると聞いた時に「それはないだろう」(決してICANを否定している訳ではありません)と思ったのです。その方々より先にもらうべき組織があるだろうと釈然としませんでした。 佐藤栄作総理のノーベル平和賞には疑問が残りましたが、今回のノーベル平和賞の発表を聞いた時に「そうか、その団体のノーベル賞があったんだ」と本当に嬉しく思えたのです。
日本政府からの後押しもないまま、草の根運動として被爆者が「もう2度と自分たちのような被爆者をつくってはだめだ」という使命感や正義感でこれまで訴え続けたことは賞賛に値する活動だと思うと共に、彼らの地道な活動がなければICANをはじめ核廃絶の運動はなかったと考えるのです。
この受賞を踏まえて日本政府は猛省して欲しいし、方向を転換して欲しいと希望します。アメリカの核の傘の下に入っているから核兵器禁止条約に参加しないのは根拠がないと思うのです。核の傘に入っていても「悪いものは悪い」と言える国であって欲しいし、矛盾があっても唯一の戦争被爆国として堂々と正論を述べればいいだけだと思うのです。だって外交なんて矛盾だらけです。中国と敵対と言っても貿易ではお互いに交友関係を深めようと言っているではありませんか。 核兵器禁止条約の先頭に立って米国にも中国にもロシアにも核兵器は人類と共存出来ないことを訴えればいいのだと単純に思うのです。
被団協の活動のお陰で世界中の誰もが人類と核兵器は共存出来ないと感じたはずです。広島、長崎の原爆の惨状を見て核爆弾は究極の非人道的で無差別多量破壊兵器であることを世界の指導者は知っているはずです。それが抑止力につながると期待しているかも知れません。
ただ愚かなリーダーが追い込まれた時に核使用に踏み込む危険もあり、核の連鎖が起こることも容易に想像がつきます。正常な感覚を持ったリーダーだけなら核は抑止力になるかも知れません。しかし誰がその保証が出来るのでしょうか? 核兵器があるが故に1人の狂人の手で80億人の人類(地球そのもの)が滅びる可能性があるのです。
核廃絶が簡単ではないことは百も承知です。しかしまずはお互いに半分減らしましょう、その次また半分ねと世界が核保有国にプレッシャーをかけ続けることが大切だと思うのです。この受賞がそのきっかけになってくれたら嬉しいです。
今回のノーベル平和賞のもう一つの大きな意義は被爆者が次第に少なくなる中で新しい担い手の若い人々へのバトンタッチが容易になるのではないかと期待しているのです。改めて感謝と共に今後の活躍の広がりに期待をしたいと考えています。
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こんばんは。
本当に日本被団協の皆様方がノーベル平和賞を授与されたことを嬉しく思います。私も先生と同意見でこの団体こそが先にノーベル平和賞を受けるに値する活動を地道に行ってきたと思うのです。私は戦後生まれですが被爆された方々が戦後何度も手術を繰り返して行った苦労も知っている年代です。学生時代に広島や長崎で見た当時の被災地の写真は原爆の恐ろしさ伝えるもので衝撃でした。
この文面で書かれていることは多くの国民が賛同することだと考えております。日本政府も唯一の被爆国として原爆の非人道性を世界に訴えてゆければよろしいかと思います。米国の原爆の傘の下という状況で矛盾を指摘する方がいれば、世界で核がなくなれば米国の傘の下にも当てはまることはなくなるのですから。
若い世代が被爆者の思いを引き続ける良いきっかけになれる受賞だと考えます。日本の若い世代も捨てたものではないです。もうすでに頑張っている若い人たちがたくさん居ます。彼らに日本の将来を期待をしたいと思います。本当に嬉しい受賞でした。
投稿: 信州の隠居老人 | 2024年10月12日 (土) 20時35分
信州の隠居老人さん、こんばんは。
今回のノーベル平和賞については正直日本が取れるとは全く予想していませんでした。しかしその発表を聞いた時にこの協会があったことを思い出し納得しました。日本政府の賛同もない状況下で「2度と被爆者をつくってはならない」という使命感で被爆者は活動したと理解しています。本当に地道に自分の生涯をかけて取り組んでいたと記憶しております。これまで佐藤栄作が取れてこの協会が取れないことにノーベル財団の公正さも疑う事態でした。今回はまともな判断をしてくれたと考えています。
私も大学の時に訪ねた広島、長崎の原爆資料館で原爆の恐ろしさを実感しました。沖縄における地上戦とはまた違う戦争の恐ろしさでした。
歴史は繰り返します。政治家は自分の立場を上げるために敵を作り上げます。これが自制が効かなくなると戦争が起きてしまいます。核を抑止力として考えているようですが、1人の狂人がその発射ボタンを押してしまうと世界は取り返しがつかない事態になることは容易に想像がつきます。
世界はなんのために核を持ち続けるのでしょうか? 人類と共存出来ないことを改めて世界に訴える力になれる今回のノーベル平和賞だと思います。
投稿: omoromachi | 2024年10月12日 (土) 20時50分
omoromachiさん、お久しぶりで申し訳ありません。時々読ませていただいていますが、コメントできずにいました。でも、この記事にはコメントせずにはいられません。omoromacuiさんの書かれているとおり、このノーベル平和賞は日本にとっても世界にとっても、とてもうれしい評価であると思います。そして何より被団協のみなさんにとってどんなにうれしく力強い励みになるものであるかと思います。この地味で日本の中でも忘れられたようになっている活動が、今こそ切実で誰もが願う平和へ向かって世界を変えてくれるのではないかと希望をもたらしてくれました。その内容は、omoromachiさんが書かれている通りでよくわかるように書かれていますから多くの人たちも共感されると思います。このことをすぐ取り上げて記事にしていらっしゃることに感謝とomoromacchi さんの人間性のすばらしさに感動しました。私たちの今日の短歌の会でもこのことを歌にした人がいらっしゃいました。そしてそれをきっかけに核のこと平和のこと今の戦争のこといろいろ話がでてきました。みんないろんな思いや疑問や願いを持っているのです。もっともっと理不尽なことから命を守る話が広くできるようになっていくことを願っています。
投稿: はるか | 2024年10月13日 (日) 00時10分
はるかさん、こんばんは。
私もはるかさんのところにコメントを差し上げることが出来ず申し訳なく思っています(今年は色々な医療改革があって他のお世話になっているブログの皆様にもコメントをしていない状況です🙇)。
今年のノーベル平和賞の受賞はビックリしました、しかしある意味当たり前の受賞だと感じました。日本被団協の活動をどうしてノーベル財団が正当に評価しないかがこれまで不思議でなりませんでした。大きな国の政治的な影響があるのかと疑うことがありました。今回の受賞は日本だけでなく世界の叡智のある人々に勇気を与えるものだと考えています。
私は単純な人間ですので核兵器が人類と共存出来ないし、使うのが人間である以上間違いが起こると考えているのです。取り返しがつく間違いなら修正すればいいのですが、核のボタンの間違えは人類全てにとって取り返しがつかない事態になると想像するのです。
こんな危険で酷い兵器を作り続けている核保有国に気づいて欲しいと願っています。今回の受賞がその一助になってくれることを期待するのです。
はるかさんからこのようなコメントを頂けるだけで勇気が出ます。ありがとうございます。
投稿: omoromachi | 2024年10月13日 (日) 01時23分
お早うございます
ノーベル平和賞を日本被団協が受賞したことは本当に嬉しい事です
世界で唯一の被爆国日本
私達が声をあげずして平和はないのではと思うくらいです
世界ではまだまだ戦争が絶えず核に対する恐怖は常にあります
そんな中日本は強い気持ちで平和を訴えていかないといけないと思っています
投稿: ゆめちゃん | 2024年10月13日 (日) 08時22分
院長先生
おはようございます。
今回のノーベル平和賞は地道に核廃絶に取り組んで来られた日本被団協が授賞されて本当に良かったと思います。
院長先生の記事で私も理解が出来ました!
絶対に核廃絶に少しでも進みますように願わずにはいられません!
有り難うございました🙇
投稿: マコママ | 2024年10月13日 (日) 08時48分
ゆめちゃんさん、おはようございます。
ノーベル平和賞が日本被団協に贈られたことを本当に嬉しく思いましたね。唯一の被爆国が核廃絶を訴えて世界をリードしないといけないのですが政府が動かない中で、地道に核の非人道性を訴え続けた諸先輩方が頑張ってこられたお陰で世界の人々からも信頼を得ているのだと考えます。
世界中で戦争が絶えません。しかしその中の1人のお陰で地球上の何も関係のない80億の人類の命が危険にさらされています。そのことについてもとても憤りを感じてしまうのです。
日本が世界に誇ることができたノーベル平和賞だと思いました。
投稿: omoromachi | 2024年10月13日 (日) 09時19分
マコママさん、おはようございます。
今回のノーベル平和賞が日本や世界で核廃絶を考えている人々に与える影響はICANよりも大きいと考えています。
先ほども書きましたが、なぜ私たちが核を持っている国のリーダーに自分たちの命さえも握られているのかと考えると頭にくるのです。
愚かな戦争で若い人々が死んでゆくのは見たくありません。今回の受賞が日本の若い人たちにも平和を考える機会になって欲しいです。
投稿: omoromachi | 2024年10月13日 (日) 09時23分
こんばんは。
非常に考えさせられる出来事と思いました。
先ほども各党党首の皆さんがニュース番組に出て討論されておられましたが、アメリカの「核の傘」の下にいるという現実は現実として、唯一の被爆国としてどう振る舞い、訴えかけていくかは非常に重要だと思います。政府レベルでこのことを真剣に考えていかなければならないということを、今回の被団協の受賞は示唆しているのではないかと感じました。
若造の素人考えで申し訳ありません。
投稿: いかさま | 2024年10月14日 (月) 23時45分
いかさまさん、おはようございます。
選挙の前になると各党とも理想的なことを訴えますが、その後どれぐらい果たされているかを常に検証する必要があると思っています。
原爆については私は現実を踏まえながらも理想を求めて欲しいと願います。特に唯一の被爆国として、同じ日本人が被曝を受けて長らく大変な思いをしてきた被爆者を代弁して世界に核廃絶を訴えるのが国の責務だと思うのです。
いかさまさんの意見に私も賛同しています。有難うございます。
投稿: omoromachi | 2024年10月15日 (火) 07時59分