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今日のFM「いきいきタイム」は尿管結石について話をしました
ブログでは尿管結石が男性に多い理由や、原因や対策について書いてみたいと思います(泌尿器科医ではありませんのでおおよそです)
私達の尿をつくり、体外に排出する組織は,泌尿器系と呼ばれ、腎臓、尿管、膀胱、尿道から構成されます。尿を実際に作るのは左右にある腎臓で、腎臓以外の尿管、膀胱、尿道は尿を体外に排泄する通路ですので、ひっくるめて尿路と呼んでいます。この尿路に石ができたのを尿路結石と呼んでいます。
尿路結石が出来る場所により、腎臓・尿道など上部尿管結石、膀胱や尿道などの下部尿路結石に分ける場合があります。 尿路結石は95%は上部尿管結石で殆どを占め、膀胱や尿道に出来る場合は前立腺肥大や尿道の狭窄など特殊な場合に出来、症状も強くありません。
私達の尿は腎臓で血液を濾過して造られます。尿路結石の原因として、尿の成分が結石(結晶)を造りやすい状態になっていることが上げられます。
尿管結石は人種間で発症率に違いがありませんが、逆に食生活とは大きな影響があると言われています。日本人の尿管結石は増加の一途を辿っていますが、それは食生活の欧米化にあるとされています。
尿に溶ける成分が必要以上に高くなると、石の元となる、微小な結晶が出来ます。脱水になると尿は濃縮しますので、結晶が出来やすくなります。これが夏場に尿管結石が起きやすい原因となります。
尿管結石の成分はシュウ酸カルシウムが圧倒的に多く、その他リン酸カルシウム、尿酸などがあります。 男性ホルモンは結石の成分のシュウ酸を増やす作用があり、女性ホルモンは結石を出来にくくするクエン酸の増する作用があります。これが中年男性に結石が多い理由となります。また閉経後の女性は男性と同様な頻度で尿管結石が起こりやすくなります。
動物性タンパクは尿中のカルシウムの増加、尿の酸性化、尿中尿酸の増加を来します。また塩分や糖分を多く摂っても尿中のカルシウムの増加を来します。
一方、食事を分解吸収する腸の中の過程でシュウ酸はカルシウムと結合し便として体外に排出されます。しかし脂肪分の多い食べ物は消化管の中でカルシウムと結合しやすくなり、結果としてシュウ酸の吸収を増加させ、尿中のシュウ酸を増やして尿管結石の増加の原因となります。
この様な原因を考えると対策を取ることが出来ます。男性が女性に変身するのは可能ですが一般的ではないでしょうから・・・対策としては、水分を多めにとる、食生活を見直して、脂肪分、動物性タンパク、塩分、糖分を控えるとなります・・・・
何となくメタボリック症候群の予防と同じ気になりませんか。
尿管結石は日本国民の10%程度の方が持っています(必ずしも症状が出るわけではありません)。
もしもこれまでに結石の痛みを経験したことのある方は予防に心がけて下さい。尿路結石は再発率が高く、食事指導や生活指導が適切になされなければ80~90%が再発します。まずは水分を多めに取るようにして下さい。
今回の原因を考えると尿管結石の向こうにメタボリック症候群が潜んでいるかも知れませんので御注意下さいね(ちょっと脅かしすぎましたでしょうか・・・)
初めてのヨーロッパはウィーンでした。あの時の感動や今も忘れていません。ウィーンは今回4回目となりますが、必ず出かけたのがウィーン美術史美術館です。私に取っても4回訪ねた美術館はここ以外はありません。それだけ特別な美術館の1つです。それは建物自体の美しさ、作品の素晴らしさ、そしてこの美術館の中で一息つける喫茶室の存在があるからです。
コーヒーの模様も綺麗です。飲むのがもったいない気もします。口の周りに泡が付きそうで心配ですが、飲み方ってあるのでしょうか? どこから飲んだ方が良いのだろうかと妙なことを考えながらありがたく頂いた次第です。
それなりの値段になりますが、折角ウィーンに来たらカフェに入り一休みは如何でしょうか?
ウィーンは歩いて回れる距離に沢山の名所が並んでいます。街を歩くだけでもワクワクして楽しい街です。
(今回も書き上げた後に量が多くて間延びしたブログになったので、2つに分けて同日アップしました🙇前半で「王宮広場、モーツァルト記念像、ミノリーテン教会」、後半に「プラフッタでの夕食と聖ペーター教会」を分けました)
(今回も長過ぎたので2つに分けて同日アップしました→前回)ウィーンは歩いて回れる距離に沢山の名所が並んでいます。街を歩くだけでもワクワクして楽しい街です。
2023年の旅行もコロナの影響で渡航などの制限はなくなって来たのですが、帰国後直ぐに仕事になるために、少しでもコロナの感染を防ぎたい思惑があり、その為に部屋からの眺めが素晴らしい宿泊施設を選んでいました。 毎日のように観光の最後に地元のスーパーで夕食の食材を買って部屋で外の景色を眺めながらのスタイルが殆どでした。 この日はウィーン在住の日本の方にも勧められた為に予約をして入る事にしました。
今日の食中毒について話をしました。十数年ラジオ放送をやっていると何度も話したテーマですので、今回は発生頻度としては高いアニサキスの食中毒について初めてですので解説したいと思います。
アニサキスによる食中毒は、魚介類の生食が一般的な日本で特に問題となる寄生虫感染症です。以下に、日本での発生数、原因、症状、治療、予防についてまとめます。
日本ではアニサキス食中毒の発生件数が年々増加しています。線虫による食中毒となる感染のために、集団食中毒となることはないのですが、現在日本での食中毒の発生件数だけでみると、50%以上がアニサキスが原因となっています😲
特に刺身や寿司などの生魚を食べる文化が根付いているため、2010年代以降、年間数千件の報告がされています。近年では、観光客や訪日外国人の間でも問題視されることが増えています。
2.アニサキスの自然界での循環
アニサキスが線虫と呼ばれる寄生虫で、海の中で生活しています。私達がアニサキスが感染した魚介類を生で食べて感染するケースが殆どとなります。
アニサキス症は、アニサキスという寄生虫の幼虫を含む魚介類を生または加熱不十分な状態で摂取することによって引き起こされます。アニサキスの宿主となる魚介類には、サバ、イワシ、サケ、タラ、スルメイカなどが含まれます。アニサキスの幼虫は魚介類の内臓に寄生していますが、漁獲後(死後)は内臓から筋肉部分(食用部分)に移動することがあります。
アニサキスによる症状は、摂取後数時間から数日以内に現れます。主な症状には以下が含まれます:
・急性胃痛: 胃に到達した幼虫が胃壁に侵入しようとするため、強い腹痛が生じることがあります☞これが1番の症状です。本来なら人間に食べられることもなく自然界で循環していたと思うのですが、魚介類の刺身として一緒に人間に食べられると消化管(特に最初は胃)に入ります。 胃酸などの環境ではアニサキスはもだえ苦しみ、そのために人間の胃や腸の壁の中に頭から潜り込もうとします。そのために胃や腸に激痛を感じてしまうのです。 アニサキスもこんなはずじゃなかった(?)と思うのですが、私達人間も、美味しい刺身を食べただけなのにこんなはずじゃなかったと思うのです😂
・嘔吐、悪心: 幼虫が胃壁に侵入する過程で、嘔吐や悪心が引き起こされることがあります。
・アレルギー反応: アニサキスの体内成分に対するアレルギー反応として、蕁麻疹や呼吸困難が生じることがあります。
アニサキス症の治療は、主に症状に対する対症療法です。胃痛や嘔吐が強い場合、病院で内視鏡を用いて幼虫を取り除くことが行われます。
当院でも年間数人の方をアニサキスで検査治療しています。 内視鏡で観ると胃の壁に頭を数㎜突っ込んだ糸状の線虫を確認出来ます。内視鏡鉗子を挿入してそっと引き抜いて治療終了です。
アレルギーなどに対しては一般的な薬物治療としては、抗ヒスタミン薬やステロイドが用いられることがありますが、幼虫が体内に残存しない限り症状は自然に治癒することが多いです。
アニサキス症の予防には以下の対策が有効です:
アニサキス食中毒のリスクは、適切な知識と対策によって大幅に減少させることができます。安全な魚介類の消費を心がけ、食中毒のリスクを最小限に抑えることが重要です。
*自宅などで購入した刺身を食べる場合には、再度切り分けたりしながら、アニサキスがいないかどうか目視で確認するのも予防になります。流石に外食の場合にはそうは行きませんのでお店と運を信じるしかありません😅*
追加:時々民間で聞かれるような「わさび、醤油、酢を使えば大丈夫」は間違っています。よく噛めば大丈夫?・・・これもまず駄目です。たまたまアニサキスを綺麗に噛みきることが出来ればですが? 普通は刺身をこのように食べませんヨネ😅
近年、わが国における細菌性食中毒としては、カンピロバクター食中毒が発生件数が増加し、年間300件、患者数2000人程度で推移しています(これは厚生労働省が把握している数であって実際は何倍も多いかもしれません)。(厚生労働省の統計によると令和5年の日本全体での食中毒件数は1021で患者数は11803名となり、死亡は4名となっています。ノロウイルス、カンピロバクター、ウエルシュ菌が上位を占めています。件数の多さでは刺身などの魚類で感染するアニサキスが1番多く注意が必要です。)
これからの夏場の細菌性食中毒の三大起因菌として、カンピロバクタ、サルモネラ、腸炎ビブリオが有名ですが、近年カンピロバクター食中毒が増加傾向にあります。 主に肉類(鶏、牛など)の調理不十分で起こる場合がおおく、屋外などでも飲食店やキャンプなどでも提供されているために、肉類を介して食中毒が起こる機会が増えたのではないかといわれています。平成5年の統計でカンピロバクター食中毒は前年から大幅に増加(26件増、1,267人増)したのですが、これは2023年8月に石川県で発生した飲食店の事例(原因食品は「湧水を使用した食事」)において患者の数が1件で892人発症したのが原因と考えます。
そもそもカンピロバクター菌は普通に動物達が持っている菌で、特別な菌ではありません。ニワトリや牛などの家きんや家畜はもちろんののこと、ベット、野鳥などの野生生物など多くの動物が保菌しています。
これを書くと皆恐れてしまうかもしれませんが、厚生労働省の研究によると、鶏肉(通常の食肉用として流通している状態)がどれぐらいカンピロバクターに汚染されているかと調べた調査があります。 鶏レバーで66%、砂肝67%、鶏肉40〜100%という結果でした。
さて皆様方はこれを聞くともう食べられないと思っているかも知れませんが、何も心配することはありません。
カンピロバクターは熱に弱いのです。ですから食べるときに中心部まで火を通しすと死滅します。75度で1分あれば死滅します。 普通に火を通しさえすれば完全に死滅します。心配しないでいいのです。
食肉を扱う時の基本中の基本ですが、生肉をとったりするお箸を食べるお箸は分けること、肉を切った庖丁などで,サラダなどを野菜を切って使わないことなど・・・肉類は感染しているかもと考えて処置すれば大丈夫です。
屋外で折角のキャンプなどで楽しんだあと、1〜7日(カンピロバクター食中毒は潜伏期間が長いのも特徴です)して下痢、腹痛、嘔吐などが来たら、折角の楽しみもおじゃんになりますので、気をつけて楽しんで下さいね。
2023年のオーストリア旅行の最後となるウィーン観光です。私が初めて出かけたヨーロッパがウィーンでした。その時の衝撃が今でも私をヨーロッパへと向かわせているのかも知れません(→華の都ウィーン)。その後ウィーンへは4回ほど立ち寄ったことがありました。 毎回この整然とした美しい街には感動します。 世界は美しい場所や見るべき場所が沢山ありますのでここが1番と言える場所は私にはありません。しかし少なくともウィーンは訪ねた方が良い場所に絶対上げる場所だと思っています。
今年もとうとう8月に入りました。今年の夏は特に暑くて大変だと感じます。 またパリ・オリンピックが開催され、日本人選手の活躍も相まって連日寝不足の方も多くいらっしゃるのかもしれません。熱心に応戦しているとアドレナリン全開で眠さも忘れてついつい夜中まで覚醒してしまい・・・その反動で昼間に眠気が来なければ良いのですが😅
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