4月10日になりました。新しい職場で少しなれてきましたでしょうか?
今年はコロナによる行動制限も殆どなくなり、多くの職場や大学などの歓迎会など飲み会が復活すると思います。ただこの時期に心配になるのが急性アルコール中毒です。急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生じるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されます。
急性アルコール中毒になると、意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。若年者・女性・高齢者などでリスクが高く、とくに大学生や新社会人ではこの時期や忘年会シーズンで一気飲みとして飲酒させられ、救急搬送される若者がたくさん出ます。
ここで「アルコールの作用」についてお話します。アルコールは少量なら気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果があります。
その実態はアルコールは分子が小さいので、脳にも入り込み、脳を麻痺させる効果です。 脳が麻痺することにより身体に変化が起きた状態が「酔い」です。お酒は脳を麻痺させるのです。
酔いの状態は、血液の中のアルコール濃度により違います。アルコールの分解能は遺伝によって決定されます、後天的に強くなるのはありません。 脳の麻痺も①大脳皮質(私達の感情・思考・記憶を司る)、②小脳(平衡感覚)、次に③延髄(呼吸・心拍・体温)の順で一般的に進みます。
ふだん脳は、必要に応じてブレーキをかけ、その人の言動を適度にコントロールしています。「歯止めが効く」のは、大脳がきちんと働いているからなんですね
でもお酒を飲んで①大脳が酔っぱらうと、人によってはそのブレーキが効かなくなります。普段考えられないようなことを言い出したり、必要以上にハイテンションになったりするのです。本人にとっては楽しい時期です。
次いで②小脳が麻痺してくると、運動・平行感覚の障害が起こります。千鳥足になりますが、足が麻痺するのではなく、平衡感覚を司る小脳が麻痺するのです。めまいや嘔吐も起こってきます。
最終的に③延髄まで麻痺が来ると呼吸停止、心停止、低体温などが起こり場合によっては命を落とすことになります。
今回の説明は少々乱暴ですが、分かりやすいくすために書きました。
最後に「急性アルコール中毒の対処法」について追記しておきます。
一緒に飲んでいる人が次のような状態になったら、急性アルコール中毒の可能性があります。次のように対処してください。
(A)反応がない場合は救急車を手配して
お酒を飲んで次のような症状になったときは、命にかかわるおそれがあります。すぐに119番に通報して救急車を呼んでください。
・意識がない。ゆすっても、呼びかけても反応しない。
・全身が冷えきっている。呼吸がおかしい。
・大量の血や、食べ物を吐いている。
・倒れて口から泡を吹いている・・・このような状態は緊急事態ですので、直ぐに救急車を要請して下さい。
(B)もし周囲に急性アルコール中毒が疑われる人がいる場合
「1番重要なことは、1人にせず、誰かが必ず付き添う」こと。その時から周りは酔っ払っている状況ではないと認識する必要があります。興醒めるかも知れませんが、誰かがしっかりとしないといけない状況なのです。
必ずだれかが付き添い、一人にしないようにしてください。呼吸をしているか、脈があるかを時々確認しましょう。
- 衣服をゆるめて楽にする。
- 体温低下を防ぐため、毛布などをかけて暖かくする。
- 吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる。
- 吐きそうになったら、抱き起こさずに横向きの状態で吐かせる。
素人考えで(毒物と同じ様に)、吐けば酔いが覚めて状態が改善すると思いがちですが、酔いつぶれた人を無理に吐かせようとすると吐物が逆流してのどに詰まり、窒息する可能性が出てきます。 1〜4のことを考えながら見守って下さいね。 心配なら救急車を呼びましょう!
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