深部静脈血栓症と急性肺塞栓血栓症について
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今年は元旦から地震が起こり、自宅が住めなくなり車で過ごされたり、避難所の狭い中で暮らせざるを得ない方も多くいらっしゃると思います。また寒い冬場に高齢者の方々も外出を控えて室内ですごさられいる方も多いと考えています。
今日のFM放送は主に深部静脈血栓症やそれに伴う急性肺血栓塞栓症について話をしました。以前にもブログで書きましたので重複することもありますがご了承下さい
皆様方の多くも「エコノミークラス症候群」と言う名前を聞いたことがあると思います。エコノミークラスに多い例えなのですが、何もエコノミークラスに限ったことではありません。要は長い時間同じ様な姿勢で座ったりすると、足(特に下腿)の静脈の流れが腰も曲げて膝も90度曲げた状態も重なり停滞してしまいます。ビジネスクラスでもおこりますし、長距離のバスや列車の中、あるいは地震などで車の中で寝泊まりをした方の中でも起こっています。 どれも静脈の流れが悪くなった原因で起こっています。
もともと静脈は流れが緩やかなのですが、それが長い間血液が停滞すると、血管の中で血液が固まってしまうことがあります(静脈血栓)。
長期間のフライトなどで足を動かさずにいると、いつの間にか足の血管の中で血の塊が出来上がってしまいます。そして到着してやっと窮屈な姿勢から解放られて、動いた時などに足の静脈で固まった凝血塊が血液の流れに乗って心臓に向かって流れてしまうことがあります。
下大静脈から右心房→右心室にながれ、最後は肺動脈の中に移動します。 肺の中で血管は徐々に細くなるために、この凝血塊(血栓)が肺動脈に引っ掛かり詰まってしまいます。 これが肺血栓塞栓症で、大きな血管に引っ掛かる場合は急に呼吸困難や心不全となり急死することもあるのです。
時々、「血の塊が出来たら頭に流れて脳梗塞になる心配があるのでは」と質問を受けることがありましたので、上の図を書いてみました(余りにも簡単すぎて怒らないで下さいね😅)。 足や手に出来た血栓などは頭には行かずに肺の動脈を閉塞さえてしまいます。 一方で心房細動などの不整脈の時に、左心房の中に小さな血の塊が出来ることがあります。それが心蔵の拍動と共に胸部大動脈に流れて、それが脳動脈へと流れて行くと脳塞栓となることもあります。
→足の血管にできた血栓で脳梗塞になることはありません。
足は心臓からの距離もあり、座った場合や立ったりする時には一番うっ血してしまう場所になります。 横になっていても足を動かさないでいると静脈の流れは滞ります。
このような血栓を防ぐには、適度に足を動かした方がよいのです。
その理由を左の図の<筋肉のポンプ作用>見ながら考えてみて下さい。
足には見えませんが深い場所に大きな深部静脈が流れています。
足の筋肉を動かすと中を通っているこの深部静脈も影響されてます。
静脈弁もあることより、この静脈が筋肉の運動により停滞した血液の流れが押し出して移動しやすくなります。
この筋肉の作用を心臓のポンプ作用になぞらえて筋肉のポンプ作用と呼んで、第2の心臓とも言っているのです。
では予防策はとなると、皆様方も飛行機に乗ると、上のような足の運動の絵が入ったパンフレットを見ることがあると思います。
上記の心蔵のポンプ作用が分かればなぜこの様な運動をした方がいいのか、もう分かったと思います。
寒くなると外出を控えたり、今年のように地震などで車内で生活したり避難所で動き難い場合でも、定期的に適度な運動や行って下さいね。
足の運動を適度に行って深部静脈血栓症を予防して下さいね。
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