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2023年10月11日 (水)

急性腰痛症について

今日のFM放送は腰痛症について話をしました。以前慢性腰痛について書きましたが、慢性があるなら急性もあるので今回は急性腰痛ついて記載致します(私は外科医で整形外科医ではありませんのであくまで一般論として記載します)

厚生労働省の自覚症状の統計によると、日本人男性の場合の自覚症状は多い順番に①腰痛 ②肩こり ③咳や痰が出る となっています。女性では①肩こり ②腰痛 ③手足の関節が痛む となっています。いずれも関節に関しての訴えが多く、腰痛が全体で一番多いことがわかります。   

<腰痛の定義?>
結構簡単に「腰痛」と言ってしまいましたが、腰痛の定義ってあるのかと私の知識も曖昧でした😅 腰痛とはとなると、曖昧で明確な定義はないのです😃 一般的には「一番下のあばら骨とお尻の間に起きる痛み」となっています。

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<急性・亜急性・慢性腰痛とは>
発症してから4週間未満のものが急性腰痛と定義されています。そして発症から3カ月以上のものは慢性腰痛、急性と慢性の間は亜急性腰痛と分類されています。期間による違いで、原因や痛みの強さの程度による分類ではありません。
<急性腰痛の原因>
急性腰痛の原因は腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど明確な病態もありますが、慢性腰痛同様にはっきりとしない椎間関節性腰痛、筋・筋膜性腰痛、椎間板性腰痛、仙腸関節(せんちょうかんせつ)性腰痛などがあります。後半の部分は明確な診断に至らないための曖昧な診断名になります。これは解剖学的に腰の周りは筋肉、神経、骨、関節など様々なファクターが存在するために、いくつかの要因が関連し合って腰痛の原因になっていることが推測されます(あくまで老外科医の憶測ですが😅)

<重篤な腰痛には注意が必要>

 急性の腰痛症として有名なのが「ギックリ腰」と思います(そのことについては以前記載しました→ギックリ腰)。上記の様な原因がありますが、急性腰痛症で1番重要なのは重篤な病態を見逃さないことだと考えます。


まず、具体的には癌の脊椎転移、化膿性椎間板炎、椎体骨折、急性大動脈症候群といった重篤な特異的腰痛を見逃さないことが重要となります。ですから皆様の中にも何時ものギックリ腰だとか、シップを貼って様子をみようと考えずに、何時もと違うと思ったら病院へ行って欲しいと考えます。また診療する整形外科医もこのような患者さんには注意する必要があると考えています。

このような重篤な腰痛を見逃さないためには次のような方の腰痛は注意して検査をするめる必要があると考えられます。

①20歳以下または55歳以上  ②がんの既往や治療中の場合 ③時間や活動性に関係のない腰痛  ③胸背部〜腰部など広範囲の痛み  ④免疫抑制剤やステロイドなどの投与中 ⑤体重減少など他の不調を伴う場合 ⑥広範囲に及ぶ神経症状(主に下肢のしびれや痛み、脱力、排尿排便感覚などの異常)  ⑦微熱などを含む発熱の継続 ⑧AIDSなどの免疫力低下

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このような重篤な病態でないと分かれば、一般的に無治療であっても次第に改善することが殆どで予後良好と考えらています。整形外科医のアドバイスを貰いながら治療やその後のケアを行う必要があると考えています。

 <腰痛治療・その後の対策>

急性腰痛の多くは1カ月程度で急速に改善するといわれています。しかし約6割は1年経っても腰痛が残り、さらにそのうちの約6割の人は腰痛の再発を経験するとのことです。

最近の考えでは超急性期以外では安静は必ずしも有効な治療法ではないとされ、痛みに応じた活動性の維持は疼痛を軽減し機能を回復させるのに有効だったとのことです。ただしこれは専門のリハビリなどの施設だといいのですが、素人が無理に動かすと逆効果になるので注意が必要です。

病院で行う治療としては薬物療法については、急性腰痛では、非ステロイド性抗炎症薬・筋弛緩薬、解熱・鎮痛剤、弱オピオイド(鎮痛剤)が使われる頻度が多く、また椎間関節への注射や、脊髄後枝内側枝の神経ブロックは有効と考えられます。

急性でも慢性でも腰痛に関しては再発率が高く、その予防にはエクササイズ習慣を主軸とするセルフマネジメントが強く推奨されています。腰痛を持っている方は非常に多いと思いますので、ネットなどにも腰痛体操や予防法も載っていますので、生活の中に取り入れて腰痛を防ぐように心がけましょう。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました!

自慢じゃありませんが「ぎっくり腰・椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症」と経験者で今も痛みありです!
内蔵からも要注意なのですね?

レンタルの杖はマンション内だけの移動!
通院、お買い物はショッピングカート使用です。
しゃがめません😰姿勢にも気をつける必要ありですね?
死ぬまでのお付き合いです😰

ギター🎸弾き語りは詞が美しい「時のしずく」でしたね♬
素晴らしいお歌有り難うございました🙇

今週も有り難うございました🙇

マコママさん、こんばんは。

自慢じゃないと書いてありましたので、これらが無いと思いきや全部経験されていたのですね😂 そうなると皆様方にアドバイスできますね。でも痛みは嫌ですよね。

これからは転倒は骨折や寝たきりの原因にもなりますので、十分気をつけて欲しいと願っています。次第に猫背になってしまいますので姿勢に気をつけたいですね。

今日の放送内の音楽はビリーバンバンさんでした。聴いて頂きありがとうございました。

こんばんは。
再度お邪魔します。
自慢が1つ!骨密度が同年齢比124%!昨年暮れの転倒でもよく骨折しなかったと言われました!気をつけて過ごしますね!お休みなさいませ。

マコママさん、おはようございます。

骨密度が高いことは嬉しいですね。同じ転倒でも骨粗鬆症の方は骨折しやすくなります。実際大腿骨頸部骨折などで整形外科で手術を受ける患者さんの骨はスカスカなことが多いです。

これからの転倒は骨折のリスクになりますので、筋肉が衰えないように無理のない範囲で足腰を鍛えて下さいね。

40代の時、テニスのボールを拾っている時・・・かすかにグニャ程度の違和感が。
夜になると腰がおかしくなり歩行困難になりました。
それが最初でそれから30年間腰痛に悩まされました。
テニス友の紹介で健康保険は効かないカイロプラスチック通いが始まりましたが、
そこは1日だけ行くとすっかり腰が治り・・・「神の手」と感謝。
それでも定期的に腰に異常が。
余りに定期的に起こるので、
テニスをやった日にストレッチを始めるとあれだけ定期的に腰に来ていたのが噓のように
異常が起きなくなり現在に至っています。
腰痛には色々な原因があるのですね。
気を付けます。

マーチャンさん、こんばんは。

最初に感じだグニャ感が椎間板を痛めたか周囲の腱などを痛めた瞬間だったかも知れませんね。痛みだけでなく歩行困難となるとかなり強い傷害だったのかも知れません。

筋膜性の腰痛ならカイロプラスティックも効果があると思います。圧迫骨折や椎間板ヘルニアでは整形外科的な処置や手術が良いと考えます。

運動する前のストレッチはとても重要です。年齢をかされると運動そのものよりも準備運動に時間をかけるぐらいの方が体を痛めないでいいと考えます。 ネットでも色々とやり方を教えている専門家もいますので参考になされれてこれからもテニスを楽しんで下さいね。

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