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2023年10月25日 (水)

乳がんのリスクファクター

2023年10月25日のFM放送「いきいきタイム」は乳がんについて1時間生放送で話をします。

乳がんは戦後日本でも増加している癌の1つで、今や罹患率(生涯でがんになる確率)は女性9〜10人に1人と最もかかる確率が高い癌となっています(高い順に、乳がん>大腸がん>肺がん>胃がん>子宮がん>膵臓がん)。 しかしながら手術や化学療法、ホルモン療法、放射線療法に反応しやすいため、日本人女性の癌による死亡率では第5位となっています(大腸癌、肺癌、胃癌、膵臓癌、乳癌の順)。


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これまで乳がん発症の色々なリスクファクターが検討されています。 よく知られている状態として 初経年齢が早い 閉経年齢が遅い(55歳以上) 出産経験がない 高齢初産(30歳以上) 長期間のホルモン補充療法 肥満・・・・・この様な文面を見たことがないでしょうか?

乳腺は二次成長期になり急速に発育します。 これには卵巣で主につくられるエストロゲンが関与します。 

乳房内には乳汁をつくり出す「乳腺組織」を含んだ小葉と乳汁を乳頭に運ぶ「乳管」があり、その周りを脂肪組織などが被い丸みを帯びた形になっています。 乳癌の90%は乳管から発症し、5〜10%が小葉から発症します。 

月経がある場合、生理に合わせて増減を繰り返しますがエストロゲンが比較的高い状態で経過します。また乳腺が発達する若い時期は、エストロゲンに対する反応が高いと考えられています。 妊娠や授乳中はこのエストロゲンは低下します(このため妊娠期間のない女性は高エストロゲンの期間が長くなることを意味しているのかも知れません)。  

エストロゲンは乳癌の発症や増殖に関与します。そのためエストロゲンに曝される期間が長かったり、若い時期には感受性も高まっていますのでこの時期の高エストロゲン状態は乳癌のリスクを高めます。 またエストロゲンは卵巣のみならず副腎皮質や脂肪細胞からも合成されます                        

このことを押さえて再度、リスクファクターをご覧下さい。 ①、②、③は高エストロゲン状態の期間が長いこと、①、④は乳腺のエストロゲン感受性が高い期間が長い、⑤は更年期障害などでエストロゲン製剤を補充したり、⑥の場合は肥満細胞が作り出すエストロゲンが増えます。 

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この様な状況を踏まえて、乳癌検診などの問診で、生理や妊娠・出産回数などプライバシーに関わる質問事項もあるのです(怒らないで質問事項に答えて下さいね)。

その他としては、血のつながりのある家族に乳癌になった人がいる場合はいない人と較べ2倍程度、癌のリスクが高くなります。これには研究段階も含めて複数の乳癌発症遺伝子が関与しています。

乳癌は自分で気づくとこもありますので、自己検診をして下さい。 他の癌と較べ予後のよい癌です。5年生存率も90%を越えています。 しかしまだまだ欧米と較べ、乳癌検診の受診者が少ないのが日本です。 また他のがんと比べて発症年齢が40歳代から増えるために、この年代は特に一番家庭の中心となっている30代〜50代の女性で検診を受けて頂きたいと考えています。どうか家族のためにも乳癌検診を受けて下さいね

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。

乳がんは私にとっては悲しいものです😰
末妹がかかり手術後、約10年過ぎて次々と転移。
何回手術した事でしょう😠
果敢にも挫ける事なく闘って遂に帰らぬ人に😰
従姉、叔母もかかりそれでも長く生存でした!
私はドクターに触診3回、マンモグラフィー2回だけ受けております。
10年以上前と思いますが、左脇下に小さいシコリを見つけ大学病院の外科で触診とエコーで結果は脂肪の塊でした!大きくなるようだったら
受診を勧められましたが、変化ありません!
以前、乳がんのサンプル触りとても固くてビックリでした。
院長先生は乳がんの手術をされていらっしゃいますね!
多くの患者さんに感謝されていらっしゃると思います💞

ギター🎸弾き語りは「空に星があるように」でしたね♬
BEGINは存じてますが曲は存ぜずですみませんm(_ _)m
沖縄ご出身のグループですね♡

今週も有り難うございました🙇

長々とお許し下さいませ。

マコママさん、こんばんは。

マコママさんの妹さんは乳がんでしたね。非常に気丈夫で良く頑張ってこられたと思いました。マコママさんも自分のしこりを見つけた時にはびっくりしたことでしょう。良性で良かったですね。

次第に日本も乳がんの啓蒙活動が浸透し、徐々に乳がん検診を受ける方も増えていますが、まだまだ欧米と比べて少ないのが現状です。

私は最後の何でも屋の外科医の生き残りです(笑)。私の時代までは多くの分野の手術を行うことが出来たのですが、今は細分化されて、消化器は消化器だけ、肺外科は肺だけ、心臓外科は心臓となってしまいました。

音楽は荒木一郎さんの曲をBEGINも歌ったいましたので、沖縄では比較的若い世代も知っているのかも知れません。

いつもコメント頂き感謝いたします。

こんにちは。
私は、乳がんになりやすい条件に、
ずいぶんたくさん合致していました。
親や祖父母には乳がんになった人はいないのですが、
がんになる人は多かったですね。
なるべくしてなったのかもしれませんが、
手術や抗がん剤のあとは、再発せずに来ていますので、
これからも気を付けて、予後のよいデータに加えていただこうと思います。

ふうちゃん組さん、こんばんは。

乳がんのリスクファクターに当てはまるのがあったのですね。ただ統計上の視点であってそれに当てはまらない患者さんの多くいらっしゃいます。

今は日本人の二人に一人は癌になりますので、早期の発見や治療を大切だと考えています。これからも元気で頑張って下さいね。

母方の叔母が乳がんになり2つの乳房を取りました。
私の母は一つも癌になりませんでしたが、脳梗塞で闘病2年。
叔母と母には乳房の形に違いがありました。
叔母は巨乳型(タンク式と言っています。)
母は小さくはないのですが、巨乳型ではありません。
乳房の形で癌になりやすい・・・事はありますか?。

マーチャンさん、こんばんは。

この質問はよく受けることがあります。結論から言うと乳房の大きさと発癌には殆ど関係ありません。
なぜかと言うとおっぱいの大きさの違いは乳腺組織の量よりも周りの脂肪の量によるものです。欧米人は日本人よりも胸が大きいのですが、乳腺よりも乳腺の周りの脂肪の量が多いのです。乳癌の90%は乳管から発症し、5〜10%が小葉から発症します。脂肪組織から発生はしませんので、胸の大きさと乳がんの発生はあまり関係がないのです。
あえて言えば大きいとしこりが分かりずらいかも知れません。しかし乳がん検診で重要なマンモグラフィーは脂肪が多い方がわかりやすく、日本人は乳腺組織が詰まった高濃度乳腺が多いので診断が難しいこともあるのです(この場合はエコーの併用で解決できます)。

日本人が戦後増えていますので、後天的な因子の関与も大きいのでしょうね。 

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