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2023年4月12日 (水)

急性アルコール中毒

4月12日になりました。新しい職場で少しなれてきましたでしょうか?

今年はコロナによる行動制限も殆どなくなり、多くの職場や大学などの歓迎会など飲み会が復活すると思います。ただこの時期に心配になるのが急性アルコール中毒です。急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生じるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されます。

急性アルコール中毒になると、意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。若年者・女性・高齢者などでリスクが高く、とくに大学生や新社会人ではこの時期や忘年会シーズンで一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。

日本において、コロナ禍での統計はまだ集計されなかったり、明らかに飲み会なども少なかったために、急性アルコール中毒の死亡者数は統計に載ってきていません。コロナ以前では年間で1〜7人以上の若者が急性アルコール中毒で亡くなっています。折角、希望に満ちた若者をアルコールで失いたくはないものです。飲んで楽しむことはよいことでしょうが、どうか「一気飲み」だけは避けましょう。

コロナ以前は東京消防庁管内で1年間に男性が9900人、女性が5500人の合計15400にもの方々が急性アルコール中毒により緊急搬送されています。 今年はこのような状況も復活するのかも知れません。 皆で注意したいものです。

ここで「アルコールの作用」についてお話します。アルコールは少量なら気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果があります。少量のアルコールが循環器疾患の予防になったりHDL(善玉)コレステロールを増加させたりの利点もあります。まさに酒飲みからすれば「百薬の長」となり、飲めるよりどころとなっています。

アルコールは分子が小さいので、脳にも入り込み、脳を麻痺させます。脳が麻痺することにより身体に変化が起きた状態が「酔い」です。お酒は脳を麻痺させるのです。 

酔いの状態は、血液の中のアルコール濃度により違います。アルコールの分解能は遺伝によって決定されます、後天的に強くなるのはありません。 脳の麻痺も①大脳皮質(私達の感情・思考・記憶を司る)、②小脳(平衡感覚)、次に③延髄(呼吸・心拍・体温)の順で一般的に進みます。

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ふだん脳は、必要に応じてブレーキをかけ、その人の言動を適度にコントロールしています。「歯止めが効く」のは、大脳がきちんと働いているからなんですね

でもお酒を飲んで①大脳が酔っぱらうと、人によってはそのブレーキが効かなくなります。普段考えられないようなことを言い出したり、必要以上にハイテンションになったりするのです。本人にとっては楽しい時期です。

次いで②小脳が麻痺してくると、運動・平行感覚の障害が起こります。千鳥足になりますが、足が麻痺するのではなく、平衡感覚を司る小脳が麻痺するのです。めまいや嘔吐も起こってきます。 

最終的に③延髄まで麻痺が来ると呼吸停止、心停止、低体温などが起こり場合によっては命を落とすことになります。

今回の説明は少々乱暴ですが、分かりやすいくすために書きました。

お酒は「百薬の長」と言われます。脳にとっても決してお酒は悪者ではありません。大切なのは(これが一番難しいのですが)“ほどほどに飲む”ということです。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。
拝聴させて頂き私は今はアルコール禁止🈲で残念です!
本当は好き🍷だったのですよ♡
シェーマでよくわかりますね!
コロナ禍前は一気飲みで新入生や新入社員の
悲劇が報道されましたね!
程よいお酒は良いのですね♡

みなみらんぼうさんはお名前もお顔も存じてましたが
お歌は殆ど存ぜずです。
ギター🎸弾き語りは「ウィスキーの小瓶」でしたね♡
素敵な歌声♪有り難うございました♡

お陰様で緊張でしたがレーザー治療、無事終りました。
よく見えるようになり感謝です♡

マコママさん、こんばんは。

FM放送でコロナ以前は4月のこの時期に急性アルコール中毒の話をしました。コロナ後はこのような飲み会も少なくなり急性アルコール中毒が減少しましたので話題にすることはなかったのです。今年からは救急車で運ばれる方の増加が気になります。

私もFM放送を15年以上続けていますが、みなみらんぼうさんを取り上げたのは初めてです。なかなか味のある歌い手ですね。

レーザー治療も無事終えてよかったです。いつも有難うございます。

お酒が善玉コレステロールを増やすんですか!!!。
お酒と言っても種類が沢山ありますが、どのお酒でも少量なら・・・、ですか?。
今 私は日本酒にはまっています。
ワインみたいに飲みやすいです。
飲めるのは、日本酒・ワイン・サワー・ビール(ローカルビール)ぐらいですが、
量は飲めません。ワインなら小さなグラス2杯、日本酒は1合弱、サワーは2杯。
これ一緒に飲むのではありません。
1回に1種類です。
この量を飲むと・・・体が受け付けなくなるのです。ですからほろ酔い気分で、
酩酊の経験なしです。
お酒って美味しいです!!!。

マーチャンさん、こんばんは。

アルコールには善玉コレステロールを増やす作用があります(ただし同時に中性脂肪も増加させます)。これはアルコールの作用ですので、お酒の種類での違いではなくて、アルコールの性質によるものになります。

どれほどが適量なのかは実は物凄く難しいのです。アルコールの分解能力が個人差が非常に大きいこと、男女差、年齢差も大きいために、この個人の適量を提示するのは困難となります。せいぜいほろ酔い期までに止めるのが良いと思います。

お酒が美味しくて楽しめたら最高ですね。

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