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2023年2月 8日 (水)

脳梗塞の病態と予防(再投稿)

(医療ブログは時間がないので更新する予定はないのですが、医療ブログも放送日に合わせて再投稿して欲しいとの要望がありました。今後は時々同じ内容ですがアップしたいと思います。統計などは新しく書き直しておきます)

今日のFM放送は脳卒中について話をしました。日本循環器学会の2019年の統計の発表によると年間27万人が新規または再発の脳卒中を発症して、病院搬送後、退院までに12万人(44%)の方が亡くなっているとのことです。現在の死亡原因の第4位となっています。介護が必要となった患者さんは46%に及び、寝たきりの一番の原因となっています。

日本では昭和25年から昭和55年までは脳血管疾患(脳卒中)が死因トップでした。 脳出血も脳梗塞も高血圧と関連が深く、国民運動として減塩に取り組んだことも功を奏していますが、やはり早期診断、早期治療が可能になったために、脳卒中による死因は減少し現在では第4位となっています。2021年の厚生労働省「人口動態統計」によると、死因別死亡率はがん、心疾患、老衰に次ぐ第4位となっています。

ただし降圧剤の普及や栄養状態の改善で脳出血は減少傾向にありますが、生活習慣の欧米化に伴い脳梗塞は増加の一途を辿っていて、全体とては発症は増えているのです。現在では脳卒中のなかで後者が約7割を占めています。

重要な点は死亡率が第4位に低下したから脳卒中が減少した訳ではないと言うことです。検査や治療法などが進んだために、死亡者数は減るもその後の後遺症の方は増えていると言うことです。安心は出来ることではありません。


増え続ける脳梗塞に対して今後ともメタボ対策、不整脈対策などが重要となります。

脳卒中にも異なる3つの病態に分かれることを以前に書きましたが、その部分を再度記載しておきます(日本では脳卒中のうち、脳梗塞が64%、脳出血が25%、クモ膜下出血が9%)。

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これまで特に何もなかった人が、急に倒れて意識がなくなったり、半身に麻痺が起こったり、呂律が回らなくなるようなことを、先人達の多くの方が経験してきた訳です。 当然以前はこれが脳の中の出血や梗塞で起きたことなど分かりませんでした。

この様な病態も見て、昔の方は「脳卒中」と名付けました。「脳」は名前の通り脳みそ(脳実質)のことで、「卒」は「にわかに」という意味です。また「中」は命中とか適中などと同じ意味で「あたる」とのことになります。

ですから、今まで一緒に過ごしていた方が急に麻痺や意識消失を起こしたため「脳がにわかに(邪気に)あたった病気」として捉えたのです。

医学の進歩する以前は、それこそ悪霊が取り付いたとして、邪気を払うために荒治療や拷問に近いようなことも行われたと記録には残っているそうです。

やっとルネサンス期になり、解剖が行われるなかで、同じ様な脳卒中を起こす病態(症状が似ていいる場合)でも、血管が破けた場合と血管が詰まって起こる場合もあるのが判ってきました。 更に脳の出血でも脳実質の中に出血する場合(脳出血)とくも膜下のスペースに出血する場合(くも膜下出血)があること、脳の血管が詰まる場合にも血管そのものが動脈硬化が強くなり血管が狭くなっている場合(アテローム性脳梗塞)と心臓でできた血の塊(塞栓物質)が飛んできた脳の血管を詰まらせて起こる場合(脳塞栓症:心原性脳塞栓症)も分かるようになりました。

現代のように画像器機が進歩するまで、死んだ後に解剖で判って来たことで、治療には簡単には結び付きませんでした。 出血と梗塞では同じ様な症状でも治療は全く異なることになります。

単純にいえば、出血していれば血を固めて出血を止めたいですし、詰まっているのであれば血をさらさらにして固まらないようにしないといけません。 もしもこの病態と逆の治療をすれば、何もしないより更に悪化させることになります。

脳卒中の治療に福音をもたらしたのは、頭部CTの開発で、その後MRIなどの医療器機も開発されました。それらのお陰で、硬い頭蓋骨の中で起こった病態を短時間に把握出来て、早期治療が可能となったのです。

私達にできることは、いつも言われているメタボ対策、不整脈などの循環器疾患、脳ドックなどでの動脈瘤の有無などのチェックでしょうか。 寒い時に脱衣所が寒い場合などはヒートショックを起こしますので、周りの環境の対策も重要ですね(→前回のヒートショックについて)。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。

ブログに載せて頂くと放送内容と併せて良く分かりますね!
ありがとうございます。

アリスはよく聴きました♪
ギター🎸弾き語りの「遠くで汽笛を聞きながら」は
中でも好きなので院長先生のお声がのびのびと響き
ウットリ拝聴させて頂きました♪

私は高血圧症、高脂血症ありで循環器内科でお世話になっております。
脳卒中には充分気をつけないとなりませんね。

頭を何度も打ちその都度、脳神経外科でCTで調べて頂いてますが、
頭痛、頭鳴りもあり神経痛かもと?お薬処方して頂き、切れたので整形外科でお願いしましたら、院長先生が肩と首を押さえレントゲン検査でした。何と結果は「頚椎の傾き」でそれが頭痛や耳鳴りに影響していると言われました!来週、耳鼻科通院ですのでよくお訊きしたいと思います。転倒した際、大学病院で肩や首も確か?レントゲン検査して頂いたのですが?私ごとを長々と申し訳ございませんm(_ _)m

マコママさん、こんばんは。

前回の終了を記載した後にラジオを聴いていてくれた方からブログがあると復習になり分かりやすいのでお時間があれば復活して欲しいとのメールを頂きました。
ラジオの放送ではおおよそ1〜2年に1回程度同じ話題を話しますので、前回のブログをアレンジすれば時間がなくともなんとなくなるかも知れないと今回記載いました。

マコママさんはそれなりに色々な病気をお持ちかも知れませんね(笑)。そう、年齢を重ねると色々とメンテナンスが必要になります。 私の患者さんともいつもこのような話をして盛り上がっています。

これからは医療ブログは書いたり書かなかったりすると思いますが、気楽に読んで頂けたら嬉しいです。

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