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2022年12月 7日 (水)

お酒と肝臓

1年はあっという間に過ぎて行きますが、今年も忙しい師走に突入致しました。

私にとっては12月は落ち着かない季節なのですが、皆様はどうなのでしょうか? コロナ禍で大規模の忘年会などはないかも知れませんが、内輪や家族での食事会なども増え、食べ過ぎ飲み過ぎにが気になる季節に変わってゆくと思います。

若い頃の12月はクリスマスや忘年会において楽しくて対は目を外して翌日の二日酔いが心配かもしれません。 少しお歳を召してくると、「忘年会行ってみれば老人会」と自分だけ若いつもりでいても、周りからみると五十歩百歩だったりするわけです。 年齢と共に忘年会の話題も、恋人から、子供や仕事について変わっていき、ついには健康談話へと移っていくのかも知れません。

年末ジャンボも発売され、忘年会の飲み過ぎにかけて「当たったら、肝臓も弱る宝くじ」・・クリスマス・忘年会→飲み過ぎ→肝機能障害となることもありますので、この時期注意が必要です。

 

ここ何年かは細かなことを記載しましたが、原点に返って肝臓の位置や役割とアルコールの代謝について説明したいと思います。

では、まず肝臓の位置はとなると、お腹の右上、主に右の肋骨の下に収まっています。見た目は人間の肝臓も、スーパーで売れている豚や牛などレバーと殆ど同じです。(ブタの肝臓などは大きさ的にも人間に近いために、異種間の臓器移植の研究が早くから行われている程です 

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肝臓の機能をまとめると、次の3(+α)項目の働きに分けることが出来ます。 (括弧内に肝機能が障害を受けた時の症状)

①消化管で吸収された栄養を体内で活用できる形に分解・合成。凝固因子の合成(→栄養障害、腹水などの貯留、出血傾向)。

②有害な物質の解毒作用<アンモニア・薬物・毒素など>(→アンモニアの上昇(意識障害、錯乱)、薬物の影響が遅延)。

③消化機能を補助する胆汁の産生(→脂肪の吸収障害、ビリルビンの代謝異常(黄疸出現))。

④女性ホルモンを分解作用(→男性で女性化乳房の出現)。

 

続いて、特にこの時期・気になる「お酒と肝臓」について簡単に記載します。

 日本人では、肝臓病というと、C型、B型などの肝炎ウイルスによる肝炎、肝硬変、肝臓がんが多いのですが、日本人のアルコール消費量の増大とともに、アルコール性肝障害が増えています。

 肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、肝障害が余程ひどくならない限り症状がでないのです。健診などで肝機能障害、脂肪肝を指摘された場合はしっかりと検査を受けて欲しいと思います。

<アルコールの体内での代謝>

アルコールは胃と小腸から吸収されて肝臓へと運ばれ、アセトアルデヒドへ分解され、さらにアセテートへと分解、代謝され、最後は炭酸ガス(息として)と水(オシッコ)になって排出されます。

・アルコールの分解能には個人差も人種差もあり、「日本人は欧米人に比べてアルコールに弱い人が多い」のです。日本人ではアルコールを分解、代謝する酵素の能力が高い遺伝子を持つ人が6割、低い人が3割、分解能力がない完全な「下戸(げこ)」が1割だといわれています。

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アルコールの強さは遺伝で決まっていますので、鍛えて飲めるのでありません 
分解能力の低い人が無理して飲む場合は注意が必要です。 このような人はアルコールの中間代謝産物で毒性の強いアセトアルデヒドが長い時間血液中を巡回することになりますので、その結果、頭が痛くなったり、吐いたり、“悪酔い”が長時間持続します。

宴会などで“一気飲み”して、急性アルコール中毒で急死するのもこうした人に多いのです。 

また、もともと酒が飲めない体質なのに、“鍛えて”飲めるようになっても、喜べるわけではありません。 なぜなら直接アルコールを代謝、分解する酵素が増えたわけではなく、肝臓の別の酵素が代役を務めるようになっただけのことなのですね。 実際には、アルコールの弱い人が、頑張ってお酒を飲めるようになっても、肝臓に負担がかかり、代謝能力が良い人に比べて、アルコールによる脂肪肝、肝線維症、肝炎、肝硬変へと進行する率が高いのです。 


酒は心身をリラックスさせてくれますが依存や肝障害などの原因ともなります。お酒は量の勝負ではありませんので、楽しく、ゆっくりとマイペースで飲んでいきましょう👍

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医療」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しております。
確かに日本人のアルコール消費も
随分と増えて来たようですね。
最近はコマーシャルでも肝炎
ウイルス訴訟で見かけるB型
C型ウイルス以外にアルコール性
肝障害が増加しているのもわかる
ような気がします。会社全体での
忘年会はありませんが、部署での
5〜6人での忘年会は復活しました
私の遺伝子は飲める方に
入っているようです。
ご多忙の中いつも貴重な情報を
発信されて尊敬いたします。
院長先生に言うことではないで
しょうが、どうぞお身体ご自愛
なされて下さい。

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。

師走ですから院長先生も走ってお忙しい事でしょう😅
コロナ禍で大規模な忘年会等は自粛されるでしょうが、
内輪ではクリスマス等、年末年始にお酒の席も
増えますね🍷🍺下戸は遺伝的に飲めない体質ないですね?
夫がそうでしたは。私はイケる口ですが、病発症から
残念ながら禁酒です。赤ワイン🍷大好きでした😋

ギター🎸弾き語りは好きな「酒と泪と男と女」聴き惚れましたよ💞
今週も有り難うございました。

私の胃の不調は逆流性食道炎は無いとの事でお薬2種類処方されました!
お若い女医さんでちょっと失礼ながら頼りなげ?でした!
来年、大腸内視鏡検査を受けたいと思います。

年内、歯科、耳鼻科、補聴器点検、かかりつけ医、ワクチン接種と
モリモリ沢山で1年が暮れそうです😰

ツクシンボさん、こんばんは。

日本人の飲酒量も年々増えているようです。コロナ禍で多少は落ちたと思いますが、今度は家飲みが増えたのではないでしょうか? それに伴いアルコール性肝障害は増加傾向にあります。日本はウイルス性の肝炎から、肝硬変、肝がんへとなる方が多いのですが、ヨーロッパはアルコール性肝硬変、肝がんになる方が多いのです。日本もウイルス性からいずれアルコール性へ逆転するのではないでしょうか。

コロナ禍では会社を挙げての忘年会はやりずらいでしょうが、各部署での忘年会や友人たちとの飲み会は復活の兆しがあるようです。感染拡大期は気をつけて行動して欲しいです。

気にかけて頂きありがとうございます。医療情報は私がお世話になっている皆様方への恩返しのつもりで記載しています。これからもよろしくお願いいたします。

マコママさん、こんばんは。

師走はやはり何かしらと忙しくなりますね。色々とやり残したことや年末の様々な行事も増えますので、時間がいくらあっても足りないです😂

当院もそうですが、大学病院などの各科の忘年会にも顔出ししないといけないのですが、今年は途中から忘年会が中止となっています。何ヶ所かはズームでの忘年会を予定しています。

お酒が全く飲めない下戸がどんなに頑張っても飲酒は出来ません。ご主人さんは飲めなかったのですね。マコママさんもご主人に遠慮してあまり飲まなかったのかも知れませんね。

若い医師はどうしても経験不足ですが、逆に新しい知識は豊富ですので、心配しなくても良いと思いますよ。

マコママさんは忘年会ではなくて、病院の梯子で忙しいですね。頑張って乗り越えて下さいね(笑)。

こんばんわ!
今年も残る日数がどんどん減っていますね~
大変ご多忙な日々かと存じます。
12月は忘年会シーズンですね、今年は去年までほとんど行わなかった方々も
解禁し、居酒屋等が流行るのではないでしょうか・・・俺も2回あります。
しかし、ここにきてコロナ感染者が激増しています。秋田県でもこの6日に過去
最高の感染者が出ました。忘年会も気をつけてやらねばなりませんね。
アルコールの強さは”遺伝”なのですね。確かにそう言われれば納得できます。

でんでん大将さん、こんばんは。

毎年9月になると後半の3ヶ月が速く感じますし、12月に入るとあっという間に正月ですよね。今年は行動制限がないために個人的な忘年会は復活しているのではないでしょうか。

病院での公的な忘年会は中止ですが、若い職員の私的な忘年会まで禁止する権限はありませんので、兎に角感染の機会を減らすようにと院内にも掲示しています。 これからは北国から順にコロナの感染やその他の感染症が増えると思いますので、注意が必要ですね。

大将さんは呑める口ですの、きっと両親(少なくとも一方は)呑める方だったのでしょうね。私は父方が呑める方で、母方はあまり飲めない家系となっていました。母は嫁ぐまでは周りは飲まない方だったのに嫁ぎ先ではことあるごとにお酒が出てびっくりしたそうです。 大将さんはこれからもお酒を楽しまれて下さいね。

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