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2022年10月26日 (水)

乳がんのリスクファクター

今日のFM放送「いきいきタイム」は乳がんについて話をしました。

乳がんは戦後日本でも増加している癌の1つで、今や罹患率(生涯でがんになる確率)は女性14人に1人と最もかかる確率が高い癌となっています。 しかしながら手術や化学療法、ホルモン療法、放射線療法に反応しやすいため、日本人女性の癌による死亡率では第4位となっています(大腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、胃癌の順)。

 

Photo_20221026082701 これまで乳がん発症の色々なリスクファクターが検討されています。 よく知られている状態として 初経年齢が早い 閉経年齢が遅い(55歳以上) 出産経験がない 高齢初産(30歳以上) 長期間のホルモン補充療法 肥満 飲酒量・・・・・この様な文面を見たことがないでしょうか?

 

乳腺は二次成長期になり急速に発育します。 これには卵巣で主につくられるエストロゲンが関与します。 

乳房内には乳汁をつくり出す「乳腺組織」を含んだ小葉と乳汁を乳頭に運ぶ「乳管」があり、その周りを脂肪組織などが被い丸みを帯びた形になっています。 乳癌の90%は乳管から発症し、5〜10%が小葉から発生します。 

月経がある場合、生理に合わせて増減を繰り返しますがエストロゲンが比較的高い状態で経過します。また乳腺が発達する若い時期は、エストロゲンに対する反応が高いと考えられています。 妊娠や授乳中はこのエストロゲンは低下します(このため妊娠期間のない女性は高エストロゲンの期間が長くなることを意味します)。  

エストロゲンは乳癌の発症や増殖に関与します。そのためエストロゲンに曝される期間が長かったり、若い時期には感受性も高まっていますのでこの時期の高エストロゲン状態は乳癌のリスクを高めます。 またエストロゲンは卵巣のみならず副腎皮質や脂肪細胞からも合成されます                         Th_

 

このことを押さえて再度、リスクファクターをご覧下さい。 ①、②、③は高エストロゲン状態の期間が長いこと、①、④は乳腺のエストロゲン感受性が高い期間が長い、⑤は更年期障害などでエストロゲン製剤を補充したり、 

⑥の肥満に関しては閉経前と後ではリスクが異なってきます。世界的な疫学調査において、閉経前の肥満は乳癌のリスクを高めませんが、閉経後の肥満は乳癌のリスクを高めます。閉経後の場合は卵巣からのエストロゲンは低下しますが、肥満細胞が作り出すエストロゲンが増える結果、乳癌のリスクが高まると考えられています。

また飲酒に関しては、日本でのデーターが十分でないために結論は出ていませんが、外国においての調査では飲酒量が多いほど乳癌になる確率が高くなる結果が出ています。

 

その他としては、血のつながりのある家族に乳癌になった人がいる場合はいない人と較べ2倍程度、癌のリスクが高くなります。これには研究段階も含めて複数の乳癌発症遺伝子が関与しています。

 

乳癌は自分で気づくとこもありますので、自己検診をして下さい。 他の癌と較べ予後のよい癌です。5年生存率も90%を越えています。 しかしまだまだ欧米と較べ、乳癌検診の受診者が少ないのが日本です。 特に一番家庭の中心となっている30代〜50代の女性で検診が必要です。どうか家族のためにも乳癌検診を受けて下さいね

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。

拝聴させて頂きました。
ブログでよく理解できました!
乳癌で末妹は左乳房摘出手術!
抗がん剤で毛髪も抜け落ちました!
それから約10年経て次々と転移して
何度も手術でした。
可哀想に癌に敗けて今年1月に亡くなりました😰
痛みから解放されて今は両親の元です!
遺伝性もあるのですね?
母方の伯母、従姉も〜!従姉は生存中ですが、
高齢で施設です。
私もここ10年ほどは健診受けておりません。
以前はドクターの触診、マンモグラフィーも
2回受けてそれっきりです!
高齢者でも油断はできないのですね?

ギター🎸弾き語りは「faraway」でしたね。
素敵な歌声、有り難うございました💞

はじめまして。
これまでも時々参考にさせてもらっています。私も経験者です。
いつもクリアで素人の私にも理解できる内容に感謝いたします。
私の場合に早期でしたが、しばらくホルモン製剤を予防的に
飲んでいました。その途中で閉経となり担当医から同じホルモン
剤ですが閉経後はこの薬が良いとのことで変更しました。
これまでもなんとなく違いが分かりましたが、今回の文面で
閉経後は脂肪細胞などから出るエストロゲンを抑える必要がある
と理解してよろしいのでしょうか? 副腎から出る場合も
同じことなのでしょうか? 少しこんがらがってしまいましたが
私が飲んでいたアルミデックは脂肪細胞からも副腎からも出る
エストロゲンを抑える効果があったのでしょうか?
現在手術後14年となり再発はないと言われました。
早期診断早期治療の大切さを身をもって感じています。
これからますますのご健勝を期待しております。ありがとう
ございます。

マコママさん、こんばんは。

いつもラジオ放送も聴いて頂きありがとうございます。妹さんのことは何度かマコママさんから聞いていましたので、本当に長い間の闘病生活ご苦労様でした。今はご両親と楽しく対談していると思います。

がんに関してなんらかの遺伝的な要因はあると思いますが、戦後の増加の具合からすると後天的な要因が大きいと考えています。

日本の乳がんは40代後半が多くその後低下したのですが、次第に高齢者も増加して来ており、その年齢曲線も欧米に近づくと考えています。私の最高齢者は90歳を過ぎた方でした。

今日は谷村新司さんの曲を4曲かけました。3曲目は私のギター弾き語りのFarAwayにしました。 いつも本当にありがとうございます。

ミノ木兎さん、こんばんは。

ミノ木兎さんも乳がんの経験者だったのですね。

乳がんは文面に書いたようにエストロゲンの影響を強く受けるタイプが多いです。閉経前は卵巣からのエストロゲンがほとんどですが、閉経後は副腎からのアンドロゲンが脂肪細胞などから分泌されるアロマターゼによりエストロゲンが産生されます。 そのために閉経前の乳がん患者さんでは卵巣の機能を抑えるホルモン製剤、閉経後は脂肪細胞や副腎からの影響で産生されるエストロゲンを抑える薬を使用します。
アリミデックス(←だと思います)はアロマターゼ阻害薬と言われ、脂肪細胞から出されるアロマターゼ(これが副腎などから出るアンドローゲンを代謝してエストロゲンに変換)という酵素を抑えることで最終的にエストロゲン合成を減少させることに繋がります。

乳がんは予後が良いがんの一つですが、5年から10年でも再発することが多いのも特徴です。ミノ木兎は完治ということですね。良かったです。

初めてのコメントを頂き、こちらこそ感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。

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