世界を夢みて(311):イタリア・マテーラ観光No1
アルベルベッロの可愛らしい街並みと違い、マテーラは、廃墟のような佇まいの一風変わった観光地があります。旧市街地に広がる「サッシ」と呼ばれる住居群がそれで、石灰岩をくり抜いて形成されたことから洞窟住居という別名も。その名前の通り、少し奇妙な雰囲気を感じる街です。
マテーラは1993年に世界遺産に登録されましたが、それまではかなり放置された廃墟の街並みだったようです。初めて出かけた1996年の頃はあまり整地がされてない箇所も多かったのですが、2014年の時にはだいぶこぎれいな街に変貌していました。旧市街地区は、石灰質の岩肌に作られた「サッシ」と呼ばれる洞窟住居があることで有名となっていて「マテーラの洞窟住居」は1993年にユネスコの世界遺産に登録されていますし、2019年の欧州文化首都に選ばれたとのことですので、ここ何年かで街も整理され住みやすい環境に変わったのかも知れません。

廃墟となったマテーラのサッシですが、その後は次第にこの風景が文化遺産として見直され、街を保存・再生させる動きが生まれています。1993年には「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」として、南イタリアで初めて世界遺産に認定されます。私が最初に出かけた時には丁度そのような背景があったのかも知れません。しかしながら次第に拡張した街は衛生環境の悪化から富裕層は街を離れて、最貧民の街として没落してしまうようです。20世紀に入ると更に衛生環境は悪化の一途を辿り、とうとう行政も強硬手段に出てしまいます。なんとイタリア政府は1950年代には住民を強制移住させ、街は住む人のいない廃墟となってしまいます。これが逆に今の観光地になった要素にもなっていて皮肉な結果となり注目を集めるようになりました。
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