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2022年9月11日 (日)

世界を夢みて(311):イタリア・マテーラ観光No1

南イタリアの旅行では恐らくローマから南下してナポリからシチリアへ渡ったり、カプリ島で青の洞窟出かけることも多いと考えます。島に渡らなくてもポンペイからアマルフィ海岸それからイタリアのブーツの近いのかかと側にあるアルベルベッロとマテラの観光にでるパターンが多いと考えています。1989年の初めてのイタリアはローマから北イタリアでしたが、1996年と2014年の旅行ではこの場所を訪ねました。
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アルベルベッロの可愛らしい街並みと違い、マテーラは、廃墟のような佇まいの一風変わった観光地があります。旧市街地に広がる「サッシ」と呼ばれる住居群がそれで、石灰岩をくり抜いて形成されたことから洞窟住居という別名も。その名前の通り、少し奇妙な雰囲気を感じる街です。

マテーラは1993年に世界遺産に登録されましたが、それまではかなり放置された廃墟の街並みだったようです。初めて出かけた1996年の頃はあまり整地がされてない箇所も多かったのですが、2014年の時にはだいぶこぎれいな街に変貌していました。旧市街地区は、石灰質の岩肌に作られた「サッシ」と呼ばれる洞窟住居があることで有名となっていて「マテーラの洞窟住居」は1993年にユネスコの世界遺産に登録されていますし、2019年の欧州文化首都に選ばれたとのことですので、ここ何年かで街も整理され住みやすい環境に変わったのかも知れません。

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マテーラに来るとまず全体が見回せる展望台に上ることをおすすめします。正面には深いグラヴィーナ渓谷がありその山側に大小様々な凹みがあります。これが古代の居住跡のようです。マテーラの歴史は先史時代にまでさかのぼるそうです。グラヴィーナ渓谷の石灰岩の崖を削り取って洞窟住居が形成されて人々が住み着いたのが街の始まりと言われています。
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その後、街は少しずつ拡大してゆきます。当初は自然に作られた洞窟を利用していた住居のまわりにも、石灰岩を掘って道や階段が作られ、街らしい姿に整えられていきました。最盛期の17世紀頃には、マテーラはバジリカータ州の州都に選ばれるなど繁栄期を迎えたそうです。洞窟住居の多さからするとかなりの人口に達したのではないでしょうか。

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その後次第に谷に向かって左手に大々的に街が形成されてゆきます。上のような景色がマテーラ遺跡の象徴的な場所でしょうか。この日は天気も良くて青空と街が実に良く映えていました。
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廃墟となったマテーラのサッシですが、その後は次第にこの風景が文化遺産として見直され、街を保存・再生させる動きが生まれています。1993年には「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」として、南イタリアで初めて世界遺産に認定されます。私が最初に出かけた時には丁度そのような背景があったのかも知れません。しかしながら次第に拡張した街は衛生環境の悪化から富裕層は街を離れて、最貧民の街として没落してしまうようです。20世紀に入ると更に衛生環境は悪化の一途を辿り、とうとう行政も強硬手段に出てしまいます。なんとイタリア政府は1950年代には住民を強制移住させ、街は住む人のいない廃墟となってしまいます。これが逆に今の観光地になった要素にもなっていて皮肉な結果となり注目を集めるようになりました。

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今ではこの街が見直されて、芸術家などが洞窟住居をリニューアルして済む方も増えて来て、新しい情報の発信源に変わってきたのかも知れません。
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高台から行ながら旧市街地へと入って行きます。新しいサッシも入り人々が住みだしている様子が覗えます。
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このような可愛らしいお土産屋さんも見かけるようになりました。次回は街の中を紹介したいと思います。
**自宅のiMacが壊れてしまい、買い替えとなりますので、しばらくコメントの返事ができないかも知れませんがご了承ください**

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