フォト

« 世界を夢みて(310):魅惑的な夜のアルベルベーロ散策 | トップページ | 世界を夢みて(311):イタリア・マテーラ観光No1 »

2022年9月 7日 (水)

夏バテなのに夏太り・・理由は?

2022年9月7日のFM放送「いきいきタイム」は夏バテについて話をしました。

そもそも「夏バテ」とはどのような状態でしょうか? 

実はその定義は難しくて、多くの場合は夏場に起こる疲労、倦怠感、無気力、めまい、食欲不振、不眠などを称して定義されます。夏バテは医学用語ではありませんので、強いて言うなら「暑熱性障害」とか「熱衰弱」が近いかも知れません。

人間は体温の維持に沢山のエネルギーを費やしています。暑いと体に貯まった熱を逃がすため、体表の血管を広げ、汗をかいて体温の維持に努めます。そのため莫大なエネルギーを必要とすると共に自律神経にも負担がかかります。

クーラーなどがなかった時代は熱の放散のためエネルギーを費やされ、食欲も落ち、暑さのため眠れなくなり体の衰弱として現れました。いわゆる「夏負け」の状態で、夏に体重が落ちていく原因となりました(最近は外来で患者さんと話をすると「夏バテしているけど食欲だけはある」と言う方が多いです・・Why?😸)。

・・・では夏痩せではなく「夏太り」になる原因があるのでしょうか?

現代社会ではクーラーの不適切な使用により、更に自律神経に負担がかかり異常を来します。 クーラーのかけ過ぎた室内と暑い屋外を出入すると人間の体は夏なのか冬なのかわからない状態となってしまうのです。いわゆるクーラー病の状態で体温を調整する自律神経のリズムが乱れて、体全体の不調となります(暑い屋外で体表の血管や毛穴や汗腺が開き汗がでやすいようにしますが、急に冷えたクーラーの中に入ると血管・汗腺・毛穴などが閉まります、この調整をしているのが自律神経です。これが1日に何度も繰り返されると自律神経は疲れ果ててしまい、「もう勘弁して」となるのです)。

昔のクーラーなどの冷房施設がない高温多湿の日本では夏バテは、①エネルギーの消費増大と②自律神経の不調が大きな要因となっていました。疲労蓄積、カロリー摂取量の低下で夏の時期は痩せる原因となりました。 

Photo_20220822155001

短期間に冷房のある室内と暑い屋外を出入りすると②の自律神経の不調が前面に出ているのが現代人です。 しかし夏でも昔のように汗をかきながら働いたり運動をすることが少なくなることで①のエネルギーの消費が余り起こらなくなりました。更に夏の方が気温が高いために基礎代謝も低下する傾向があります。

ところが昔と比べて食事時になると(一日の大半は?)クーラーのある部屋で食べるために余り食事の量も減りませんし、逆に夏バテしないために何時もよりカロリーの高い食事を取る方も増えています。

夏バテの諸症状は「全身の疲労感」「無気力」「イライラする」「熱っぽい」「立ちくらみ、めまい、ふらつき」「食欲不振?」「下痢・便秘」「不眠」などなど・・の自律神経失調状態は残ったのに、カロリーの消費以上に食べてしまうことで「夏痩せ」ではなくて「夏太り」になる方も多いようです。

まあ、毎日体重計に乗って、微調整をしながら食事管理を行った方がよいかも知れませんね。

**自宅のiMacが壊れてしまい、買い替えとなりますので、しばらくコメントの返事ができませんので「閲覧のみ」にしました。ご了承ください**

« 世界を夢みて(310):魅惑的な夜のアルベルベーロ散策 | トップページ | 世界を夢みて(311):イタリア・マテーラ観光No1 »

医療」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 世界を夢みて(310):魅惑的な夜のアルベルベーロ散策 | トップページ | 世界を夢みて(311):イタリア・マテーラ観光No1 »