太陽光線が与える影響(日焼け・シミ・シワなど)
2022年7月13日のFM放送「いききタイム」は直射日光が与える障害について説明しました。9年ほど前にもブログに書きましたが、私も忘れかけていますので改めて書き加えたいと思います。
夏は特に太陽が気になる季節と思います。 地球上で暮らす生物にとっては太陽のない生活はあり得ません。太陽光線は食物連鎖の始まりである光合成を産み出し、骨を作るために必要なビタミンD3の合成、最近話題の自然エネルギーに至るまであらゆる方面で恩恵を与えてくれています。一方、光生物学の研究より発癌性や光老化に代表されるデメリットも明らかになってきています。
そもそも「光」とはいったいどのようなものなのでしょう?
「光は粒子なのか?それとも波なのか?」この問題は20世紀前半まで大きな問題でした。 光には波長があり長い短いがあります。波ですので伝わって行きます。それも驚異的なスピードです。私達が「い〜ち」と数える間に地球を7周半出来ます。想像を超えています。 光ぐらいの乗り物があれば、私の一番欲しいアイテムの1つのドラえもんの「どこでもドア」は必要なくなります(笑)
光が粒子であることは蛍光灯などの光電効果で判ります。波だけならぶつからずに通りすぎてしまい発光しません。
ですので光は周波数特性を持った小さなエネルギーの塊(フォトン=光量子(光子))なのです。これを最初に提唱したのがアインシュタイン博士で、光が波としての性質と同時に粒子としての性質を示すことを説明するためにアインシュタインが最初に導入した概念だそうです。
エネルギーを持っているので日光を浴びたら色々な反応がでるわけです。 重さがあるので敏感の人なら光に当たってあっちこっち痛くなります(冗談です 信じないで下さい)
日光は波長の長い順に赤外線、可視光線、紫外線に大別されます。人間の目で認識できるのが可視光線で虹の七色です。目で見える最も長い光は「赤」ですので、それより外の見えない光を「赤外線」といい、目で見える一番波長の短いのは「紫」でそれより外の光を「紫外線」と呼んでいます。
波長により私達に与える影響は異なり、赤外線は熱として感じますが体に害は及ばしません。可視光線のお陰で私達はものを見ることが出来ます。紫外線は波長の長い順にA、B、Cに別けますが、体表の組織(皮膚・目)に影響を与えます。
多くの場合波長が長いと遠くまで達します。波長が長い順にA,B,Cに分けられ、それれぞれ皮膚に対する影響が異なります。
①A波(UVA 320 ~ 400 nm) は皮膚の中のまで通り、真皮のメラニンを誘導させ、黒くなってシミなどの原因になります。
②B波(UVB 290 ~ 320 nm) は皮膚の表面までしか到達せず日光を浴びると皮膚が赤くヤケド状態になります。
③C波(UVC < 290 nm) は地上のオゾン層で吸収され地上には降り注ぎませんが、オゾンが少なくなるとC波も地上に降り注ぎ皮膚癌の発生を進めます。(紫外線は波長が短いほど生体への障害性が強く、その理由は細胞 DNA の吸収スペクトルが 240 nm ~ 300 nm の波長であり,DNA がこれらの波長の電磁波を吸収し変性すると細胞は障害を受け続けることで癌化が始まると考えられています)
(余談ですが紫外線より短いX線やガンマ線は波長が更に短くて、ここまで来ると物質を構成している分子に当たる確率が少なく、物を通過してしまうことが多いのです。そのため医療器機のレントゲンやCTなどで使えるのです)
Q:「さて質問です」 シワの原因となるのは紫外線A・B・C 波のどちらでしょう?
・・・・・・正解は波長の長いA波です。それではご機嫌ようまた来週(何のこっちゃ・・・)
A:皮膚の表面より深い真皮や皮下組織にはコラーゲン繊維や弾性繊維があり、皮膚の弾力や張りを作っています。この繊維が日光を浴びてダメージを受けて弾力を失いシワの原因となるわけですね。
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院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。
拝聴させて頂きました。
ブログでは放送内容より詳しく載せて
頂き有り難うございます。
私は外出せずとも毎朝、手遅れですが?
UVカットの乳液を塗っておりますよ✌️
寄る年波には勝てずシミ、シワ増える一方です😭
お歌はチューリップでしたね♪
ギター🎸弾き語りは「青春の影」でしたね!
存ぜずでしたが心に届きましたよ😍
今日も有り難うございました。
コロナ感染者数急拡大でとても心配です!
医療従事者の方々には広がりませぬように〜。
投稿: マコママ | 2022年7月13日 (水) 20時55分
マコママさん、こんばんは。
今日もFM放送を聴いて頂きありがとうございます。まだまだ大丈夫ですよ、しっかりと対策を取ってお出かけ下さいね。 最近は色々とUVカットの商品が出ていますので、強度なども確かめて使用して下さい。
私達の年代ではよく聴いていたチューリップの曲をかけました。「青春の影」はその中でも好きな曲です。
沖縄県は更に感染者が過去最高を記録しています。回りはコロナだらけだと考えながら仕事を続けています。早く政府も医療従事者は年齢に関係無く4回目のワクチン接種を打てるようにして欲しいです。
投稿: omoromachi | 2022年7月13日 (水) 21時24分
omoromachi様、こんばんは。長〜い間😅無沙汰しております。
折角感染者が低下して、久々にライブなどに行けたのですが・・・これからまた大変そうです。
今週もとても分かり易い解説ありがとうございます。今の時期私も気になっていたところでした。紫外線にも3種類あり、それぞれが違う影響を与えるのですね。オゾンと紫外線の関連も分かりました。
ご質問に関して下の図に書いてありましたので、Kも正解でした・・・みんなこんな試験問題なら嬉しいですが😊
私の友人にも看護師がいて、また医療現場は大変そうです。頑張り屋の彼女ですが電話で聞いていて心身共に負担がかかっているようです。使命感で働き続けている医療者の皆様方の待遇の大幅な改善を国は図ってして欲しいと願っています。
いつも分かりやすい解説ありがとうございます。
投稿: Shiroyama.K | 2022年7月13日 (水) 23時47分
Siroyama.Kさん、こんばんは。お元気でしたか?
本当に感染者が低下して行きそうでしたが残念な結果になっていますね。国は社会活動の制限よりも、感染状態を野放しにしてしまっています。せめて希望する人にはワクチンを3回目だろうが4回目だろうが、前回接種から4〜5ヶ月経っていれば全員に認めて欲しかったです。
予防効果は多くは期待出来ませんが、重症化リスクは減りますし、感染した場合も軽症で済みますので、回復が早いようです。
今医療現場は感染者増に対して、医療従事者も濃厚接触者や感染者になるために人員を確保出来ない状況となっています。オミクロンは重症化しないということだけが浸透して、コロナの予防策が疎かになっています。
コメント頂きありがとうございました。早く音楽活動が普通に再開して欲しいですね。
投稿: omoromachi | 2022年7月13日 (水) 23時57分