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2022年5月 3日 (火)

憲法記念日とウクライナ危機へのジレンマ

毎日毎日ウクライナの惨状を目にするにあたり心を痛めている方も多いと思います。 一方的に普通の生活を破壊され、多くの難民を出し、多くの死傷者が出ています。非人間的な行為に対して怒りも込み上げて来ます。怒りの向こうにロシア人に対する憎しみも生まれかねません。被害妄想から冷静さを失ったプー(プーチンとも言いたくない程です)が一方的に侵攻を命じました。戦争は人を恐怖にそして残酷にします→アウシュビッツ・ビルケナウ収容所)。ロシア兵の多くも好きで人を殺してないはずです。ロシア国民もプロパガンダを信用したり、恐怖のために声を上げれないことを私達も冷静に判断をしなければいけないと思います。  

徹底的に破壊されたマリウポリの中でも世界中がアアゾフスタリ製鉄所に閉じ込められた子どもを含めた避難民の安否が心配だと思います。 殆ど常任理事国の拒否権で機能しなくなった国連の努力によりロシアとウクライナの同意で一部の方々が救出されたのは嬉しいニュースでした。 救出された方の中に子ども達や乳児も含まれており、その子らの笑顔に涙が止まらない状態です。

私のココロブの旅行記でも様々な国のことを書いています。丁度今はノルウェーの旅行記をアップしています。その中で2014年のクリミア危機で西側諸国の飛行機がロシア上空を飛べないことに関して、記事を書いたりしました。その時は遠い国の話のように感じていました(→アンカレッジ経由)。そしてバルト三国やポーランド旅行などを介して自由がどれ程重要かも知っていたつもりでした(→バルト三国自由への願い)。

2014年の危機に私はもっとウクライナのことを知るべきだったと反省しています。そして国際社会がもう少しこの重要性を共有していれば今のロシアの無謀な侵略も阻止出来たのかも知れないと考えています。

ロシアの侵略が成功すれば「自由や人権を含め国際法の秩序」が失われる危機があるこを知っています。ウクライナに勝って欲しい。しかしその為には戦争が長引き、死傷者が増え続ける現実を受け入れないといけない矛盾を解決出来ずに悶々とした日々を送っているのです。  

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戦争は愚かなリーダが起こします。そのリーダーを作り出す人間社会の未熟さも現実にあるのです。答えのないなかで最良の方法を捜し続けるしか方法はないのかと悩む朝です。

今日は憲法記念日です。世界で随一の平和憲法です。ロシアの一方的な軍事力の力で破壊されるウクライナの危機で日本の軍事力を高め憲法を改定しようとする機運が高まっています。私はこのような危機的な状況で物事を安易に進めるべきではないと考えています。 人間がパニックになりかけた時には冷静になる時間が必要です。 国連が機能することで日本国憲法は輝きます。 そのための努力がいま日本に求められています。 

もう既に日本の軍事力は世界第6位です(米国、ロシア、中国、インド、フランスに次いで6位)。 軍拡競争を行っても行く着く先は戦争以外ありません。 恐らく軍拡で安心するためには日本の防衛費を高め世界一(少なくともロシア、中国より上)の軍事力をもつ国にならなければなりません。  

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年々GDPの世界比率が落ちてくる日本において国防費の増額のためには福祉や年金、日々の生活を犠牲にすることが必要です。今ウクライナ問題でガソリン代や燃料費、食糧品の値段が上がっただけで、生活苦を感じる国民が世界一の軍事力が必要かどうかを考えるために冷静になる時間が必要だと思うのです。 

「力対力」を信奉する政治家のプロパガンダに乗る必要はありません(なにも自衛のため軍事力を否定する気はありません。既に世界第6位の軍事大国ですので運用を考える必要はあると考えています)政治家に取って平和の維持より戦争する方が簡単だったのは歴史が証明しています。 地道に福祉とか平和や幸せを追求する政治家は目立ちませんが、勇ましく隣国と対決姿勢を示す方が政治家に取っては点数が簡単に稼げるのです。 しかし実際の戦争になると、死んで行くには政治と関係のない若者や子ども達です。

大変な時にこそ冷静に考える必要があります。憲法は政治が暴走する抑止力になることを今一度立ち止まって考えたい憲法記念日です。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんにちは。
今日も病院で待機なのですね?
お疲れ様です。

戦争は絶対イヤです!
軍事力ももう、これ以上、必要ないでしょう!
行使されたら、世界戦争でこの世は終わりですよね?
ウクライナの幼気なお子様達が救出された画像には本当にホッとしました。まだまだ多くの方々が製鉄所に避難してますので一日も早く救出できますように〜。祈らずにはいられません。
至らぬ言葉ですみませんm(__)m

狂ったプーはどうにかなりませんかね?

憲法改正の機運が一部政治家たちの間で高まっていますね。
「日本にも他国が攻め入るかもしれない。だからその前に敵基地を攻撃する能力が必要なのだ」と。
敵基地を攻撃する=日本から戦端を開くことになることをわかって言っているのでしょうか?
そもそも戦争にならならようにするのが外交であり、政府が腕を磨くところです。なのに銃や戦車を磨いてどうするのでしょう?
「75年経って、今の憲法は時代にそぐわない」と岸田首相は言います。
第二次大戦の敗戦を経て、75年かけても政府は日本を真に「他国から攻められない国」にできなかった、ということになります。
彼らにとって「他国から攻められない国」とは、「戦いを挑まれても負けない国」であり、それはすなわち軍事力が強大な国、ということです。
「どの国ともうまくつきあえる国」ではないのでしょうね。それは日本に外交力がないことの証左です。
悲しいですね。

こんにちは。素晴らしい記事に感銘を受けながら読まさせて頂きました。先生のこれまでの幅広い経験や知識から導き出した文書だと思います。 若い方々にも読んで頂きたい記事です。

世界中の心ある人々がウクライナにおける人道危機にたいして心を痛めていると考えますし、私も自分の子供や孫があのようの事態になったら恐ろしいと感じています。 先生のジレンマという気持ちとても良く分かります。 戦争をやめさせる手段が見つかりません。 今の戦況をみると次第にウクライナが有利になると考えるのですが時間が経てば戦死者も増えるのが現実です。 本当に歯がゆいです。

今日の新聞にも改憲が必要と答えた国民は56%となったそうです。今のウクライナの状況をみると納得出来る数字でもありますが先生が述べているように、今は冷静になる時間が必要かも知れません。 確かに軍事力で勝負なら行き着く先は戦争しかないですね。

素晴らしい記事の内容が多くの方の目に触れて欲しいと願っております。ご多忙の折どうぞお体をご自愛されて少しはお休み下さいね。いつもありがとうございます。

マコママさん、こんばんは。

今日の発熱外来はもの凄く沢山の方が殺到しました。これ以上の受け入れは困難で12時からは受付をストップしました。それでも先ほどまでかかっていました。外科の対象なる患者さんは出ませんでした。内科の先生や外来看護師や検査、検査、薬局に事務も休みを返上して外来を開いてくれました。

狂った人間以外戦争は嫌だはずです。軍拡を叫び出したら天井がありませんので、国防費で予算はなくなります。自衛とは言え、日本の軍事力は既に世界第6位です。ですから近代の戦争に合わせて組織を編成する必要はありますが、予算をこれ以上増額する必要はないと考えています。

マリウポリの製鉄所から小さな子供たちが救出されたのは涙が出ました。この赤ちゃんが大人になったときには「あんな酷い戦争もあったんだよね、平和が一番だ」と言える世界になって欲しいです。

いつも本当にありがとうございます。

ケーンさんこんばんは。返事が遅れてすみません。

ウクライナの問題が出て、政治家を初め国民も憲法改正に前のめりになっている気がします。

ミサイル戦争の時代になり、発射される前に攻撃をして守るという話が出ています。まだそれだけなら理論的に理解は出来ます。この際だから必要なら他も攻撃できるように解釈するような話まで出ています。これは今のロシアと同じです。理由さえ付ければ他国を侵略してもよい理論になります。

以前ノーベル平和賞に輝いたマララさんが「なぜ戦車を造るのは簡単で、学校を建てることは難しいの」と世界の大人達、政治家達に投げかけました。 外交をおろそかにして軍備増強に走ればもと来た道を歩むことになります。 まずは日本は国連を立て直すことを全力ですべきだと思います。

私が若い頃に旅行をして日本が多くの国から敵対されずに尊敬を集めていることに誇りを持っていました。それは政府ではなくてNGOや海外協力隊などが非軍事で多くの国々を応援していたからなのです。 日本は十分な軍事力はもうあるのですから、世界中の国々から期待と応援をされる国に注力すべきだと考えます。

世界の平和に寄与する難しい課題に日本として力を発揮して欲しいですね。

信州の隠居老人さん、こんばんは。

長い文書を読んで頂き、お褒めの言葉もかけて頂きありがとうございます。

連日のウクライナの報道を観ると心が痛みますね。民間人が居住するアパートが破壊されています。絶対あってはならない病院、特に小児や産科病棟にミサイルを撃ち込んだことは絶対に許すことは出来ません。

ここまで人を虐殺し、街の破壊を続けるロシア軍をみていると絶対にウクライナは負けて欲しくありません。しかしそうするためには更に多くの犠牲者が出ることも分かっています。 ですから苛立ちが募ってしまうのです。

ロシアがウクライナに攻めることは、ロシアと日本も接しているので起こり得るかも知れません。中国が台湾に攻めてくるかも知れないと危機を煽って居ます。 でもウクライナで戦力を消耗しているロシアが日本にせめてくるのでしょうか? 世界の情勢をみている中国が直ぐに台湾に侵攻するのでしょうか? 

そんなことは冷静に考えたら少なくともここ数年は起こらないはずです。今は冷静に分析をする時期で、簡単に動く時期ではありません。 

日本やヨーロッパをよく知り尽くしている信州の隠居老人さんからこのように声をかけられ恐縮致します。

こんばんわ・・・
omoromachi様の考え方はもっともであり、多いに共感出来ますね。
きょうでしたか?総理は”こんな時期だからこそ”改憲を積極的に論じ、それに
向かってチャレンジしなければならないというような主旨の挨拶をされたようです
が、改憲論者にはロシアの侵攻を良いチャンスと捉えている節を感じています。
でも、”この時期だからこそ”むしろ改憲に向かう事は怖ろしい気がします。
先日、秋田県知事のインタビュー記事が月刊誌に掲載されました。「遺憾で国は
守れない」というものでした。この中で、”日本人を平和ボケ状態にした憲法9条
は、今すぐにでも改正すべきだ””核兵器保有も含め、防衛政策の在り方の議論を
始めてほしい”とも・・・これに対して議会等から批判や懸念が出ていることに、知事
は「保守系の方から良く言ったと褒められた、ダメだという意見は私にはひとつも
寄せられていない」との発言がありました。どんなものなんでしょうね~俺は大いに
疑問を持っています。

でんでん大将さん、こんばんは。

分別をわきまえている大将さんから共感いただけて嬉しいです😊

これまで改憲したくうずうずしていた勢力に取ってはまたとない機会と捉えていることだと思います。この場の乗じて「台湾問題」を持ち出す方もいます。 今は日本の軍事力を増強するより、ウクライナを支援して力での現状変更を世界が認めないことを示すことが、中国への抑止力になると考えます。

核兵器の使用をチラつかせていますが、もし核戦争になれば地球を何百回破壊出来る核爆弾が世界中にあります。使用すれば世界が確実に破滅に向かいます。 そうなればプー太郎を止める軍人もロシアには残っていると思います。回りの組織の人々にも当然家族もいますのでプー太郎も殺される可能性が高いと考えます。

文面にも書きましたが、力対力の信奉者にとっては、自分が一番になれると考えています。しかし世界中が軍事増強、核弾頭の保持にすすめば、いずれ人類は誰も生き残れなくなるは容易に想像がつきます。

戦争をしたいのであれば、政治家の皆様方が自ら敵地に乗り込んで戦って欲しいです。 将来ある若者たちや子供たちは巻き込まないで欲しいです。

もし憲法改定があれば、戦争を決断した政治家やその家族は戦争の最前線で戦うことを義務づける法案も付記して欲しいです・・・そうしたら世界一の「平和憲法」に変えるできると期待します😊

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