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2021年11月 3日 (水)

爪周囲炎の病態と治療法

今日のFM放送は指のトラブルについて説明をしました。以前のブログには「突き指について」「腱鞘炎とばね指」を書いていますので見て頂けたらありがたいです。

今日は皆様方も時々経験する爪周囲炎(そうしゅういえん(爪囲炎:そういえん))について説明をします。急性の場合が殆どと思いますが、慢性化したり時には、指全体に感染が広がり治癒するまでに時間がかかったり、場合には指を切断することもある瘭疽という病態もあります。

急性爪囲炎は多くの場合は、さかむけ、爪郭の外傷などが原因で細菌が爪の周囲の皮膚に入り込み炎症を起こすことで発症します。子供の場合は指を噛んだり、しゃぶるなどの行為によってもおきます。 慢性的な刺激や急性の爪囲炎を繰り返すことで、爪の横にぶよぶよした肉芽ができる場合もあります(=不良肉芽)。

診断は簡単(?)で、爪の縁側に沿って発赤、熱感、痛みが出ます。指の先は皮下脂肪や周りに余裕がないために、腫れ出すと、ズキンズキンとした拍動性の痛みが強く出ます。進行すると爪の周りに膿が貯まり、ぶよぶよしたり、皮膚の色が白く変色したりしてきます。そうなると結構痛くて病院を受診すると思いますが、診察で皮膚の下に明らかに膿が貯まっている場合には小さなメスや注射針で穿刺して膿を出す(排膿:はいのう)処置をします。 もしも皮膚が一部分白くなりかけれいる場合は皮膚の壊死が始まっていますので、麻酔しなくてもこの部分は殆ど痛みを感じません。切開した部分から多くの場合は褐色状の膿が溢れて、痛みも軽減するはずです。急性の場合の起炎菌は皮膚の表面に多い「黄色ブドウ球菌」が殆どですので、それに効果のある抗生剤を一緒に処方することもあります。

何時ものように文書力がないために図を書いてみました(文書を書くより図を描く方が時間がかかりました・・😰)

Th__20211101183401
何度も炎症を繰り返していると、上の3段目の様に、爪の周りにぶよぶよしたピンクっぽい盛り上がった組織ができてしまいます(不良肉芽)。塗り薬や抗生剤で様子をみますが、なかなか改善しない場合には、爪の刺激が大きいのでその部分の爪を斜めに切ることがあります。爪が生える頃には炎症も治まっています。
これまでは外来でも皆様方も経験すると思いますが、もっと怖いのは4段目の瘭疽という病態です。菌が指の内部まで入り込んでしまい、指全体は大きく腫れて、色も悪くなります。 激痛と炎症反応も強くなり、指の腱や骨にも炎症が及ぶ場合もあります。 その場合には膿瘍が形成されていると分かれば局所麻酔を行って指を貫通させるようなドレナージ術が必要になることもあります。
最後に爪の周りの炎症ですので、どの科に行けばよいのかと質問されることも多くあります。 個人的な意見しては炎症が軽ければ、皮膚科、整形外科、外科、内科でも構いません。 膿瘍が形成されている場合には、外科>整形外科>皮膚科という感じです。 瘭疽になると、入院施設のある形成外科、整形外科、外科のどちらかで行うことになると考えています。  最近は細分化されていますので、整形外科でも指は得意でない場合もありますし、外科でも瘭疽をみたことのない医師もいると思うのです。 瘭疽の場合は早めに治療が必要ですので病院を必ず受診して下さいね(まあ、ここまで来ると我慢はできないと思いますが・・・糖尿病性神経障害などがある場合には特に注意が必要です)。
手の爪回りの炎症は多くの方が経験すると思いますが、ひどい場合には早めに病院を受診して下さいね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
午前は助手席に美女を乗せられドライブ🚘お楽しみだったのですね。
祝日でも午後から病院へ〜。
お疲れ様でございました。
FM放送拝聴させて頂きました。
ブログとは違う内容でしたが、
突き指など経験ありでやはり引っ張っていた記憶がありますよ!
爪周囲炎は存ぜずです。気をつけて過ごしますね。
年々、指先の力が衰え、
ペットボトル、瓶、缶等のフタが開けられず!
古いツールがあって使用中です。

タブレット、スマホはタッチペン使用ですが、
指の使い過ぎを感じておりますよ!

今日は大サービスで3曲も弾き語り🎸甘い歌声有り難うございました。
アイリッシュ・ケルト音楽は余り存ぜずで最後の「ダニー・ボーイ」だけでした。
今日も有り難うございました。

マコママさん、こんばんは。

今日は久々に朝からドライブをして世界遺産の1つの座喜味城跡を散策して来ました。晴天で気持ちの良い息抜きとなりました。

今日はいつもの休日と逆で、午後から出かけて患者さんを診て、18時からは1時間の生放送(まだ病院長室からのリモートでの放送です)となりました。
手指の障害についての話で、突き指や関節リウマチや腱鞘炎の話をしたのですが時間がなくて爪周囲炎については話せませんでしたのでブログで紹介となりました。

今日は視聴からの要望もあり、多めに私のギター弾き語りをかけました・・・次回からかける曲がなくなったら困りますが😅

アイリッシュ音楽はこれ以外にも沢山有名な曲がありますよね。いつか特集でもしてみたいです。今日も放送を聴いて頂き感謝致します。

こんにちは。M-Kachanと申し上げます。
半年前に爪囲炎を経験しました。丁度中指の付け根の部分が赤くなり、痛みが強くなりました。最後に書いてありますようにどの科に行けばよいか迷いました。取りあえず高血圧で通院中の病院で診察してもらいました。まだひどくないとのことで、塗り薬と抗生剤の内服を4日分頂きました。

その後改善して痛みも消えました。爪周囲炎は繰り返すことがありますか? 瘭疽などの重篤な状態にならないための予防法などございますか? 半年前の様な強い痛みはこれまで経験していませんが、私はこれまでに何度か爪周囲炎になったことがあります、予防法はございますでしょうか?

初めての頼りでぶしつけな質問ですが、ご了承下さい。 

M-Kachanさん、こんばんは。

爪囲炎は多くの方が1度は経験したことがあるのではないでしょうか? M-Kachanさんも何度か起こしたことがあるのですね。図に書いたようにひどくなければ抗生剤で様子をみますのでかかりつけの内科医でも大丈夫と考えます。 膿瘍が形成したりした場合には切開が必要となりますので外科に受診されて下さいね。

遺伝的な素因よりも手先を使う仕事や水仕事が多い場合には起こりやすくなります。 糖尿病や免疫不全などがあると起こしやすくなります。 また特殊の抗がん剤治療薬では爪囲炎が生ずることもしばしば経験します。

予防法の提示は難しいのですが、悪化しないうちに早めに受診をして治療をして下さいね。早いうちなら抗生剤入りの軟膏や内服薬で改善すると思います。

このような質問は嬉しいです。これからも宜しくお願い申し上げます。

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