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2021年11月24日 (水)

肺がんの分類と治療戦略

高齢化なども進む中で、日本人の死亡原因の1位ががんとなっています。今や日本人の2人に1人ががんに罹る率となっています。 その中でも1番多いがん死亡率のトップは肺がんとなっています。(2019年の全国統計では男女合計の死亡率は1位から順に、肺、大腸、胃、膵臓、肝臓となっていて男女別では男性では肺、胃、大腸、膵臓、肝臓の順女性では大腸、肺、膵臓、胃、乳房)。

今や専門家の間でも色々と新しい治療や統計が出るために、非常に細分化されているのが肺がん治療です。

難しいことを書いても分からないと思いますので、この2点は伝えておきたいと考えています。

まず1点は肺がんと言っても少なくとも4つの違う組織型が混在していること。また治療法が大きく異なることより小細胞がんと非小細胞がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)に分けていること。それぞれが進行の仕方や治療法が全く異なる肺がんが含まれていること。

2点目は「肺がん=喫煙=男性が圧倒的に多い」と考えていると思います。それは間違いではありません。しかし年々、肺がんの中で腺がんの比率が高くなっています。その腺がんでは女性で尚かつ非喫煙者の比率が高くなっているのです。ですから私は「タバコを吸わないから肺がんにはならない」は通用しないと言う点です。

現在に大凡の頻度や治療法を図にまとめて見ました。小さいですがクリックすると大きくなると思います。


Th__20211122172001

肺がんは、がん細胞の形や状態から、大きく非小細胞肺がん」と「小細胞肺がんに分けられ、非小細胞肺がんは「扁平上皮がん」と「非扁平上皮がん」に、非扁平上皮がんは「腺がん」と「大細胞がん」にわけられます。

上の図でも分かる様に肺腺がんは、最も多い種類の肺がんで、男女別でみると肺がん男性の40%、肺がんの女性70%を占める特徴があります。また、非喫煙者や女性の肺がんの多くは腺がんとなります。

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上の図は以前ブログに書いた図となりますが、肺がんの発生部位により、肺の入り口付近の太い気管支にできる「中心型(肺門型)」と肺の奥のほうにできる「末梢型(肺野型)」に分けられます。肺腺がんは肺の末梢に発生するため、血痰などの症状が早期には出ない特徴があります(検診で偶然発見されたり、症状が出た頃には進行している場合も多いと言う事になります)。

現在肺がんの治療の進歩は著しく、手術にしても開胸や胸腔鏡を用いた定型的な手術から、縮小手術、拡大手術などが行われています。従来の抗がん剤の化学療法も進歩し、更には分子標的薬やノーベル賞となった免疫チェックポイント阻害剤などが加わった多剤併用療法や、放射線療法に関してもより細かな照射を可能にする工夫もされています。

これだけ色々な治療法が出ると言うことは、逆を言えばまだまだこれ1つで十分というのがないのが肺がん治療の現状です。 やはり肺がんにおいても早期診断、早期治療に勝るものはないのです。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れさまでございました。

肺ガンと伺い胸が塞がる思いで拝聴させて頂きました。
種類も詳しく拝見でき、末妹はこの中の
末梢型と思われますが両方の肺に転移、手術2回、
そして今は又、小さいガンが見つかり
抗がん剤での治療が始まったものの、副作用が酷く中止に
なっているようです。勿論、喫煙無しです。
この2、3日、ラインもなく、
今日、体調は?と入れても返信無しで気がかりです。
どうにか乗り越えて欲しいです。

♬お歌はきっとこの「冬が来る前に」と思っておりましたよ。
甘い歌声を有り難うございました。

こんばんわ・・・
肺がんが死亡率では一番高い事、その肺がんも必ずしも喫煙が絡んではいない事等々
理解出来ました。その為にも早期発見、早期治療が肝要であるとなるようですね。
ところで当方は1年に1回は人間ドックを受けているのですが、胃や腸の検査の項目はあります。しかし、肺の検査はないように思いますが、人間ドックに肺がん検査は含まれていなかったでしょうか?これは一般的にはオプションとなるのでしょうか・・・

マコママさん、こんばんは。

肺がんは男性だけでなく女性でも多くなっていますし、残念ながら非喫煙者の抹消型の腺癌が増えているのも気になる所です。

妹さんの闘病生活は何度かマコママさんのブログでも拝見していますが、本当に大変だと思います。 是非頑張って欲しいです。

今日の放送は11月最後でしたので、今日「冬が来る前に」をかけないと冬が終わってしまいそうでかけることにしました。 夏の終わりの曲や冬の前の曲などはその時期にしかかけられません😓

いつも聴いて頂きありがとうございます。

でんでん大将さん、こんばんは。

肺がんは罹患率(かかる人)は第3位ですが、死亡率では1位となっています。 女性の喫煙者も増えたことより男女とも増加傾向があります。やはり気になるのは非喫煙者でも肺がん(特に腺癌)になることが多くなっていることです。

一般的な人間ドックでは胸部のレントゲン撮影はあると思いますが・・・オプションとして低線量(被曝量を少なくするため)の胸部CTを行っている施設も多いと考えます。 喫煙者だったり、咳や痰などの症状が記になる方は胸部CTも有効だと思います。CTの場合には5mm以上の腫瘤は見つけることが出来ますし、見逃しも殆どないと考えています。

恐らく胸部レントゲン撮影は人間ドックには入っているのではないでしょうか?

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