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2021年10月27日 (水)

正しい情報を元に治療法を選択しよう

今日のFM放送は10月が乳がん撲滅のピンクリボン月間となっていますので、10月の最後になりましたが、乳がんについてこれまでに何度が説明をしました。(以前のブログ→乳がん発生年齢に注意

今日のブログの方は「正しい情報を元に治療法を選択してもらいたい」との思いで記載しました。治癒切除が可能だのにビタミンC多量投与や不適切な温熱療法などの民間療法に移ったり、あるいは詐欺まがいなベストセラーの本を信じて、現在の標準医療を拒否してしまう方がいらっしゃいます。 最終的に手の施しようなくなったり、金銭的に続かなくなりもう一度病院に駆け込む例もあります。私の経験上も何度もあり悔しい思いをすることもありました。

乳がんなどは乳房を切除すること自体に精神的な苦痛を伴うことも多くあります。消化器の癌や呼吸器の癌に関しても手術への恐怖や術後の回復過程を心配して躊躇することも多いと考えています。 今ではネット上に多量の医学情報が溢れています。 例えば、手術が嫌な場合は手術を避けるための都合のよい情報を観てしまいがちになります。 中にはひどい詐欺や有害な情報を医療者として発している場合もあります(私からすると医師免許は取ったとしても医師ではなくて詐欺師や悪徳商人、あるいは盲目的な教祖としか思えません)。

人は苦しい時にワラをも掴みたくなります。そのような時にこのような悪質なサイトや本に捕まってしまうのです。1度捕まるとなかなか巧妙な罠から抜け出せなくなってしまいます。

私が考えている医療情報の信頼度とネットの情報での信用性の乖離が起きていることが一つの要因になっているのではと思うのです(下図)。

Th__20211025184601
詐欺療法の医師の発言レベルは、医学情報の信頼レベルでは1番下の赤い部分となりますが、ネットや書物の情報では図の右側となり、目にすることも多くなる傾向があります。海外などの論文も引用したりして自分の都合のよい記事に仕上げて、最もらしいことを主張して素人を欺すのです。多くの医療者(専門家)のチェックを受けた信頼度の高い論文になることは決してありません。この種の詐欺医師は本などの印税や、訳の分からない高額な治療費を請求して金儲けはしても、人の命の責任は取らないのです。

もしもがんなどと告知された場合には、できるだけエビデンスの高い情報を得て欲しいと願っています。今では日本でもがんセンターなどが一般向けに情報を発していますので、この辺りを参考に調べて欲しいと願っています(→がん情報サービス)。
今の日本の医療体制は標準医療を基本に行っています。日本のがん治療の標準治療は手術・放射線療法・薬物治療・緩和治療を組み合わせて行っています。 なかには治療の話をすると、もっと新しく、最先端の治療を選択できないかと相談する方もいらっしゃいます。 恐らく「標準医療=普通医療<最先端医療」と誤って認識していると考えています。最先端医療は有効なものもありますが、まだ確率された治療法ではなく、最終的な解析で無効と判断されることもあるのです。 
可能な限りの現時点のデータを元にした常にアップデートされた最良・最善の治療法として、副反応も許容範囲であるのが現在の「標準医療」だと考えています
正確な情報を元に救える命は救いたいと願っています。詐欺療法に飛びつく方々の中には医療への不信感から入り込んだ方もいると考えます。 それを防ぐには医療者として患者さんに真摯に向き合い、二人三脚で治療を行うことを地道に実践して行くことが求められています。医療は患者さんためにあることをもう一度肝に銘じなければならないと自分に言い聞かせているのです💖

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
こんばんは。
今日もお疲れ様でございました。
FM放送、拝聴させて頂きました。
仰せの通り、今はネット上にも新聞広告にも様々な医療関係の
記事や本など目にしますね?
えっ?本当?って思いがちですが、
十分に気をつけたいと思います。

乳がんの検診、暫く怠っております。
以前、2回マンモグラフィを受け、痛かったですよ😭
以前、自分で触診で小さい粒?気になり
大学病院外科を受診!触診後、エコーで乳腺の粒?で異常無しでした。

末妹は乳がん発症後、
10年経って転移!転移!数回!今も肺に小さい癌で抗癌剤の副作用で苦しんでおります。もう、本当に可哀想でなりません。
少しでも楽になって欲しいと願うばかりです。

谷村新司さん、久しぶりでした。
院長先生の弾き語り「faraway」素敵でした😍
いい日旅立ちは何時になったら?実現できるのでしょうね?
アリスは結構、聴きましたが、「遠くで汽笛を聞きながら」が
好きでした。♪
長々と失礼お許しくださいませ。
今日もありがとうございました。

マコママさん、こんばんは。

今日もFM放送「いきいきタイム」を聴いて頂きありがとうございます。
今はあらゆる所に医療情報が溢れています。今日のブログで書かせて貰ったのは、どうしようもない医師の本を信じたり、民間医療に流れて医療を受けずに、転移だらけになってこられた患者さんを何例も診た悔しさからです。

診断された時点で治療を受けていればと本当に悔しい思いがします。そのような人の生き死にに関わる記事を書いても、信じた方が悪いのであって罪に問われることがないのです。 医療者から非難されても印税が入れば丸儲けなのです。

マンモグラフィーはレントゲンの性質上、乳腺の厚さを一定にする必要があるために挟み込みますので、結構痛いそうです。 その場合はエコー検査で十分だと思います。マコママさんはエコーで経過観察されたらいいのではないでしょうか。

妹さんは長い闘病生活で大変だと感じております。これからの治療はバランスを取りながらになって行くと考えています。余り苦しくなければ良いのですが。

放送内で2曲目にかけた「いい日旅立ち」は、今の私にとっても旅に出たくなる気持ちを表しています😄

いつもコメント頂き、本当に感謝致します。

こんばんは。
臨床現場の第一線で活躍された外科医の先生の意見ですので、本当に納得します。先生の「悔しい」気持ちが伝わってきました。
今回の図もとても理解し易い内容となっています。いつも思うのですが、先生は本を出版されては如何でしょうか。医学が私達にとっても身近になれるような気が致します。
私も最新医療とか先端医療と言われているのが優れた医療とばかり思っていました。なるほど標準医療とは今の医療制度の中で最も選ぶべき治療法なのだと理解出来ました。
いつも有意義な医学情報をありがとうございます。
私の住む信州はこの前0度になり、暖房なしには過ごせなくなりました。しばらく長い冬が続きます。

信州の隠居老人さん、こんばんは。

折角、1〜2年前に手術の目的の紹介状を貰いながら、他の治療法を試して、最後はお金が尽きたので保険診療の治療を希望されてこられた患者さんもいます。殆ど末期の状態で診療をしないといけないのは本人にとっても私にとっても辛いことです。

私は偶々、FM放送を担当するようになり(本当は2ヶ月程度で終了するだろうと考えてました)、その内容をブログに書き留めることにしたのです。分かりやすければ私も書いた甲斐があります。本を書いても10冊程度しか売れないでしょうから止めておきます😄

医学情報は医者だけでなく、等しく国民のものでなければならにと考えています。しっかりとした統計を元に治療の有意差をつけて、どれを選択するかを決める必要があります。 それこそが大切な国民の財産ともなるのです。 

信州は寒いでしょうね。寒さに弱い私はこの時期になると沖縄に住んでいてよかったと感じています。 コメント頂きありがとうございます。

omoromachiさん、おはようございます。
長く床に就いていました、すっかりご無沙汰しました。
先生のお話は詳しく分かりやすくて、とってもためになります。
世間の情報の多さと正確さは正に反比例だと思っています。
自分で情報を昇華して信頼できる医師と共に治療するのが一番ですね。
ただ、地元では医療設備やドクターの関係で対応できないことが多くて困ります。
私の脊髄もしかりです。
ただようやく安定して、日常生活を取り戻しつつあるので共存していきます。
長文ですみませんでした。

EOSのパパさん、こんばんは。

体調が少しずつ戻って来たようですね、嬉しいです。時々パパさんのブログにアクセスしていたのですがなかなか更新されずに心配しておりました。 今さっきパパさんのブログも拝見させて貰いました・・・本当に嬉しいです。

パパさんから私のブログの内容が分かりやすいと言って貰えてホッとしています。独りよがりの記事ではないかといつも心配しているのです。
今は医療情報がネットや本などに溢れています。 目立つタイトルをつけて注目を集めることも多く、そのようなものの多くが誤情報も多いことが気になります。

日本は全てが東京一極集中です。医療も全てが東京や大都市を中心に回っています。東京と地方で設備投資が違うために、医療面に関しても特殊な装置は東京に行かねば行われないこともあります。 格差も凄いのですが、もしも地震などで東京が麻痺したら日本はいったいどうなるか心配です。

脊椎を専門にする医師は比較的少なくて、地方ではなかなかいないのが現状だと理解しています。

パパさんも、無理をしないでまず現状を維持しながら活動を再開して下さいね。 コメント頂き本当にありがとうございます。

こんばんは!
癌に関しては、本当に色んな情報が溢れていますね。
私はビッグコミックを愛読しており、「医者を見たら死神と思え」という作品も興味深く読んでいました。
妻も癌であり、母、妹は乳癌で亡くなっていますからね。
人ごとではありません。
この作品を読んでゆく中で、主人公のモデルが近藤誠という医師であることを知りました。
近藤医師は、癌の放射線治療の専門家であり、なんでも「癌は放置」という考えの方で、手術、抗がん剤で治るという医師らを批判しています。
乳癌に関しても、乳がん検診で受けるマンモグラフィは有害とまで言っています。
確かに、母も妹も癌が見つかってすぐに、手術による乳房全摘と抗がん剤治療を受けましたが、結果、痛くて苦しい思いをしただけで、癌はあちらこちらに転移して術後4年位で亡くなってしまいましたので、近藤医師の主張されるように放射線治療を主にしていれば、たとえ死んだとしても苦しみは少なく、余命も延びたのではって思ってしまいます。
妻は標準医療でやってますが、とりあえず上手くいっている?様です。
近藤誠医師を批判する医師も多いと聞きますが、さて、どうなんでしょうか?
先生はどうお考えですか?

FUJIKAZEさん、こんばんは。

FUJIKAZEさんは癌患者の当事者として関わってこられたのですね。 まともな医学教育を受けた医者からは全く相手にされない近藤氏のことですね。 私からすると医者でない(医師免許は持っているのでしょうが)のに癌の放射線治療の専門医を名乗っている事態が詐欺師なのです。 彼のお陰で治るべき患者が癌で亡くなっています。 彼はわざと現在の標準医療を否定することで注目を集めています。 時々医学論文みたいなものもデーターとして出していますので、素人は本当かも知れないと欺されてしまいます。 彼は著書の印税や講演で何億も稼いでいるはずです。

私は35年以上癌の治療に関わって来ました。 折角治る可能性の高いステージで見つかっても近藤氏のような悪質なデマに惑わされて、2〜3年後に苦しくなって病院に来院されることがあります。手の施しようがない患者をこれまでに看取って来ました。 このような方は全国各地にいます。 しかし本を書いているだけで結果の責任は負いませんし、裁判で責任を問われることはありません。それが医師として悔しいのです。

日本で全部の癌の5年生存率は65%程度です(早期の場合は80〜90%)・・・・と言う事は全体では35%の方は治療の有無にかかわらず亡くなっているのです・・・そのようなことにつけ込んで、癌は治療をするなと自分の話を正当化しますし、早期で治癒した人には、今度は「癌」ではなく「癌もどき」と説明をするのですから・・・もう手の施しようがない確信犯なのです。

乳がんはマンモグラフィーにより早期に発見されることもあり、早期であれば90%以上の生存率です。 お母さんも妹さんも治療をしても亡くなり本当に辛かったと思います。 しかし治療しない乳がんの末期を近藤氏にも見せたいです。 癌が乳房の皮膚から破れて皮膚がただれ、出血と悪臭と痛みの中で亡くなるのです。

私は外科医ですが、全て手術をしようとは考えていません。どの方法がその人にとって1番良い選択肢かどうかを常に考えて治療方法を選択するのです。がんを発見しても、年齢や他疾患で亡くなる可能性が高い場合には無治療で様子をみることもします。それが本を書いて金儲けをする人と臨床医の違いだと考えています。

私の患者さんが死ぬ前に訴えられた言葉です「あんな本を信じたのがバカだった」と・・・これが私の答えです。

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