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2021年10月

2021年10月31日 (日)

世界を夢みて(265):ラシュケト村No2

ザグレブから世界遺産で有名な「プリトビチェ国立公園」へ向かう途中に、「小さなプリトヴィッツェ」と呼ばれる美しい村、ラストケがあります。プリトヴィツェ国立湖群公園から北に約30km、スルンチツァ川(Slunjčica)とコラナ川(Korana)の合流点に位置し、家々の中を川が流れる不思議な渓流の中の村でした。ヨーロッパの美しい村にも推薦されたことがある小さな村です。(前回のブログ→ラシュケト村No1Th__20210722132101村の家屋や公園などの回りを、多くの川が流れています。川の中に家々があるような雰囲気です。バスを降りた高台から村の中へと進んで行きます。 



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よく見ると家の中を川が流れています。とても不思議な光景を目にします。多数の滝や水に囲まれた可愛らしい村のようです。更に村の中心部へと歩いて行きます。緑と川の流れ、鳥たちのさえずりに水の音がマッチして癒されます。

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村の入口の中心部でしょうか、比較的大きな池の周りに可愛らしい三角屋根の家々が建ち並んでいます。


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少し奥に進むと、民宿や喫茶店(レストラン?)などがありました。時間がなくて入れませんでしたが、このような所でゆっくりとコーヒーでも飲んでみたかったです😢 上の写真の右下の三角屋根の家はBelkovi Rastokeと名前の宿泊施設(日本の民宿のような感じ)となっています。このような場所でのんびりと宿泊してみたいです✨️


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釣りも出来るようです。こんな所で1日釣り竿を垂らしてくつろぎたいです・・・本当に時間が欲しいです😄
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村の中は観光地だけあって、道も整地されていて家々の回りにも綺麗にお花が植えられています。池の中にはマスでしょうか?淡水魚が泳いでいました。
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昔ながらの水を利用した臼(水車小屋?)も見学出来ます。そこでは民族衣装を着けた綺麗な女性の方が案内してくれました。その方と一緒にとった写真もあるのですが、公開できません😊
 
日本における水車と違い、動力源はこの作業部屋の下の部分にあります。床に開けた場所から回転する柱が家の真下の川まで続いています。その川の水を利用して柱が回転し、上の作業部屋の臼を回して粉を轢いています。日本で見かける水車とは随分と趣が違います。水車小屋と言っても普通の家にしか見えませんでした。
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家の半地下の作業部屋にはいると、その下には写真のように川が流れています。その流れを動力源として利用して、製粉が行われる仕組みになっているのです。
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小屋から出て外から見てみると写真のようになっていました。ピンボケしていますが、原理は斜めになった水受けに水流が当たるために左回転の運動が生まれて、これが動力源となるように工夫されていました。



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村の中がお花畑のように沢山の花々が咲いていました。丁度9月の初め頃ですので、沢山のお花も咲いていてのでしょうか。ネットなどで見ると雪の降る冬の季節も幻想的で美しかったです。寒いのは苦手ですが、冬にも訪れたい風景でした。
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村を出て世界遺産の「プリトビチェ国立公園」に向かう途中で、昼食となりました。
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昼食はペカ料理(鉄の釜でむした料理)でした。クロアチアの伝統料理『ペカ』は素材を生かした料理で、作り方はいたってシンプル。 土鍋のような容器の中に肉・魚・野菜などを入れて、2~3時間ほど蒸すだけで出来上がります。私のキャンプ料理みたいな感じです😊 お肉とジャガイモがメインだっと記憶していますが、いつもの様に料理の写真は撮っていませんでした🙏

2021年10月29日 (金)

今週の生け花(令和3年10月第5週)

来週からは11月になってしまいますね。コロナに追われて何やってたんだろうと思うこの頃です😅 新型コロナウイルス感染症の新規感染者が減少傾向にあり、このまま減少を続けて欲しいと願っています。 減少すれば、日本の保健医療が得意とした発生源の追跡調査が可能となり隔離もしやすくなると思います。 感染爆発が起こった夏以降は、保健所も人員が足らずに個々の症例を追跡することも不可能になってしまいました。 この日本でも必要な方が入院できずに、自宅で待機したまま亡くなる悲しいケースもありました。思い出したくありませんが、そのような事態には2度と戻りたくありません。 緊急事態宣言解除後少し気が緩んで来ていることが心配です。 日本でも10月31日にハロウィーンを祝う人も増えています。 どうか今年までは大騒ぎせずに自宅で祝って欲しいものです。

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以前、竹で出来たカゴの花器を見たことがありましたが、カゴの暖かみと違い今日は金属製の黒い花器の登場です。 写真を撮りながら歪んでいるように感じたのですが・・・実際軸が歪んでいました😃
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長方形の土台に対して上部の花器が縦軸にも横軸にも少しずれた構造を持っています。この花器の金属と同調するかのようにレッドウイローの枝を弧状あるいは放射線状に配置しています。 その花器からは扇状のケイトウとマリーゴールが色彩を放っています。
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あまり見かけない不思議な形のケイトウです。これが大きかったらホウキとして使えそうです。ハロウィーンの飾りでもしましょうか😅

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最後は少ししっとりと、額に入れてみました。 これから穏やかな秋を楽しめる事を祈りたいと思います💖
<花材:レッドウイロー、ケイトウ、マリーゴールド、千年木>

2021年10月27日 (水)

正しい情報を元に治療法を選択しよう

今日のFM放送は10月が乳がん撲滅のピンクリボン月間となっていますので、10月の最後になりましたが、乳がんについてこれまでに何度が説明をしました。(以前のブログ→乳がん発生年齢に注意

今日のブログの方は「正しい情報を元に治療法を選択してもらいたい」との思いで記載しました。治癒切除が可能だのにビタミンC多量投与や不適切な温熱療法などの民間療法に移ったり、あるいは詐欺まがいなベストセラーの本を信じて、現在の標準医療を拒否してしまう方がいらっしゃいます。 最終的に手の施しようなくなったり、金銭的に続かなくなりもう一度病院に駆け込む例もあります。私の経験上も何度もあり悔しい思いをすることもありました。

乳がんなどは乳房を切除すること自体に精神的な苦痛を伴うことも多くあります。消化器の癌や呼吸器の癌に関しても手術への恐怖や術後の回復過程を心配して躊躇することも多いと考えています。 今ではネット上に多量の医学情報が溢れています。 例えば、手術が嫌な場合は手術を避けるための都合のよい情報を観てしまいがちになります。 中にはひどい詐欺や有害な情報を医療者として発している場合もあります(私からすると医師免許は取ったとしても医師ではなくて詐欺師や悪徳商人、あるいは盲目的な教祖としか思えません)。

人は苦しい時にワラをも掴みたくなります。そのような時にこのような悪質なサイトや本に捕まってしまうのです。1度捕まるとなかなか巧妙な罠から抜け出せなくなってしまいます。

私が考えている医療情報の信頼度とネットの情報での信用性の乖離が起きていることが一つの要因になっているのではと思うのです(下図)。

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詐欺療法の医師の発言レベルは、医学情報の信頼レベルでは1番下の赤い部分となりますが、ネットや書物の情報では図の右側となり、目にすることも多くなる傾向があります。海外などの論文も引用したりして自分の都合のよい記事に仕上げて、最もらしいことを主張して素人を欺すのです。多くの医療者(専門家)のチェックを受けた信頼度の高い論文になることは決してありません。この種の詐欺医師は本などの印税や、訳の分からない高額な治療費を請求して金儲けはしても、人の命の責任は取らないのです。

もしもがんなどと告知された場合には、できるだけエビデンスの高い情報を得て欲しいと願っています。今では日本でもがんセンターなどが一般向けに情報を発していますので、この辺りを参考に調べて欲しいと願っています(→がん情報サービス)。
今の日本の医療体制は標準医療を基本に行っています。日本のがん治療の標準治療は手術・放射線療法・薬物治療・緩和治療を組み合わせて行っています。 なかには治療の話をすると、もっと新しく、最先端の治療を選択できないかと相談する方もいらっしゃいます。 恐らく「標準医療=普通医療<最先端医療」と誤って認識していると考えています。最先端医療は有効なものもありますが、まだ確率された治療法ではなく、最終的な解析で無効と判断されることもあるのです。 
可能な限りの現時点のデータを元にした常にアップデートされた最良・最善の治療法として、副反応も許容範囲であるのが現在の「標準医療」だと考えています
正確な情報を元に救える命は救いたいと願っています。詐欺療法に飛びつく方々の中には医療への不信感から入り込んだ方もいると考えます。 それを防ぐには医療者として患者さんに真摯に向き合い、二人三脚で治療を行うことを地道に実践して行くことが求められています。医療は患者さんためにあることをもう一度肝に銘じなければならないと自分に言い聞かせているのです💖

2021年10月24日 (日)

世界を夢みて(264):妖精が住む水上の村ラシュトケ(ラストケ)見学No1

クロアチアの首都ザグレブを大忙しで観光し、ホテルで宿泊。少し夜の街を散策後、ホテルに戻りシャワーを浴びて爆睡😊
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ホテルを早朝に出るも、まだお天気は曇り空です。これから天気予報では次第に晴れて来るとのことでした😉

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戦争の爪痕が残るザブレブ郊外から妖精が住む水上の村ラシュトケ(ラストケ)見学へとなりました。道路の囲いも何となく戦争のイメージで恐怖を感じるような作品でした。
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ザグレブを出て郊外に出ると、少し前まで内戦があったことを知らされることになります。車窓から写真を撮っていると、農家と思われる一般的な家屋ですが、その壁には無数の砲弾の痕を観ることになります。 1軒だけでなく何軒もありましたし、恐らく戦争後建て替えたと思われる新しい家も何軒かありました。 長閑な光景の中にみる戦争の爪痕にはっとさせられる瞬間です。

ザグレブから世界遺産で有名な「プリトビチェ国立公園」へ向かう途中に、「小さなプリトヴィッツェ」と呼ばれる美しい村、ラストケがあります。妖精の住む村とも言われるそうですので、途中の戦争の痕跡をみて直ぐに妖精の住む村と言うのもクロアチアの持つ複雑な側面でしょうか?

スルニ村ラストケ(Slunj - Rastoke) はプリトヴィツェ国立湖群公園から北に約30km、スルンチツァ川(Slunjčica)とコラナ川(Korana)の合流点に位置し、家々の中を川が流れる不思議な渓流の中の村でした。ヨーロッパの美しい村にも推薦されたことがある小さな村です。Th__20210722132101


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村を見渡せる高台にこのような観光案内の看板がありました。マスなどの渓流釣りも出来るようです。
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バスを降りて、高台の案内板から村の中へと向かいます。とても緑豊かな村のようです
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緑の中から、川の水の音、小鳥たちのさえずりが聞こえて来ます。 先ほど見ていた戦争の後の生々しい風景を見て1時間もたっていない中で別の世界に迷い込んだように感じます。
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と自然の調和により生まれたラストケ村の風景は、三百年以上続いているそうです。大小様々なの滝や湖やせせらぎが、安らぎと自然の美を物語っています。

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緑と川に囲まれたこの村は世界遺産プリトヴィツェ国立湖群公園の北、約30キロにあるスルニ自治区に属する文化遺産となっています。 
写真が増えてしまいましたので、次回は村の中の様子を紹介したいと思います。

2021年10月22日 (金)

今週の生け花(令和3年10月第4週)

十月も後半となり、急に秋の気配が流れ込んだ日本列島です。地域によっては12月の気温ともなり、気温の変化に対応するのが大変かも知れません。 全国で新型コロナウイルス感染症の新規感染者の減少が続いていますが、あまりにも早急な社会生活の解除はこれから2週間程度してからのリバウンドが心配となります。もう少し段階を踏んで徐々に解除にして欲しいと思うのは医療側に居るからなのでしょう。

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今週も生け花クラブがあったようで、2階のいつもの小さなスペースにもお花が飾られていました。ここでは男性的なエニシダと女性的なカーネーションやピンクッションが共同して全体をまとめ上げています(ジェンダーの価値観ではこのような表現は不適切かも知れません。私は男女においては「(生理学的な意味で)区別はしても(人として)差別をしない」ことを心がけています・・😅)。

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特に斜めから見ると、エニシダの上方に向かう無骨で太くなる幹は力強さを感じてしまいます

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今週の花材は色も形も全く異なった素材を選んでいます。まとめるのが難しいと思いましたが、やはり生け花クラブの皆様の美的センスの良さでまとまってくれています。
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<花材:エニシダ、ピンクッション、カーネーション、メラリウカ>

2021年10月20日 (水)

これからの選挙の先にあるもの

(今日は第3週水曜日ですので私のFM放送もありませんので、医療ネタもありません、悪しからず😃)

あまり個人的な意見は言わない方がよいのかと考える事があります。逆に自由な意見が言えないブログなら書かない方がよいのかとも考えてしまうのです🙏

この時期はどうしても政治のことを考えてしまうことが多くなります。私自身はこれまで中道のど真ん中をぶれずに歩いて来たつもりでいるのですが、私の知人からするとどうも左派的にみえてしまうようです。

男女平等であって欲しいし、貧富の差や教育の格差も小さい方がいいと考えていました。税率負担に対して「1億円の壁」などと言うのがあるそうです。普通に暮らせるのなら1億円でも十分すぎる金額です。これ以上儲けても、無駄に使っているだけだと考えるのです。 超高級自動車に乗ったりプライベートジェットを購入したり、値段の差も分からないような高級ワインを飲んで暮らしても生活の質は変わらないと思うのです。お金がなければ暮らせませんし、嫌な思いもすることが多いかも知れません。お金が余ってもお金で幸せを買うことは出来ず(見栄は多少買えるかな😅)。使いもしない「お金でお金を買って」通帳の「O」が一つ増えて満足しているだけだと想像します(私には理解出来ない世界です)。 

人はたいして能力差はありません。生活環境や教育環境でいかようにでも変わります。ある雑誌の長者番付で世界のトップの8人が全人類の下位半分の資産と同じだけ持っていると書いてありました。 なんか馬鹿げていませんか? タックス・ヘイブンなどという事も当たり前のように行われている世界です。 資産家はそれなりに頑張ったから今の地位や賃金をもらっていると思います(それを全く否定することはありません)が、その少しを社会基盤整備や教育に税として納めてくれたら世界はより豊かで、争いが少なくなると思うのです。

私の嫌いなアOノミOスなるもので、多量の紙幣が印刷されたはずですのに、先進国の中で実質賃金が上がらないのは日本だけなのです。この失敗を知らんふりしている方もいます。殆ど役に立たなかったアOのマスクの260〜460(?)億円あれば生活困窮者の方の食事をどれだけまかなえたのでしょうか?

30年以上前に北欧などを旅行しました。税率負担が非常に大きい国々です。当時それらの国々では富裕層は米国などに移住して国の財債は厳しくなるのではと言われていました。 しかしこの影響は殆どなく、今でも税金が高くても教育や医療、日々の生活や老後の心配をしないで済むので幸せだと国民が答えているのです。 野党はゴゾって消費税などを低くすることを訴えています。 「消費税が低い=幸福度の高い国」では必ずしもないことを考えて欲しいですし、使い方次第だと思うのです。 まっとうな意見を述べていることもありますが、まだ昔ながらの政党名に固着する党もあります。 しかしソビエトや中国、東欧などで行った共産主義の実験は失敗に終わったことは事実です。 本当に国民と共にありたいなら名前を変えるぐらいの覚悟がないといけないと思うのです。 

候補者の一本化を図った選挙に対して「野合」だと批判する勢力もいますが、タカ派の多い政党とかつて平和の党と名乗っていたのが選挙協力をしているのですから言えたものではありません。

電力に対しても原子力は安全で低コストと言われて欺されていましたが、これも利権がらみの人々の誤魔化しであって次の世代への責任放棄であることも分かって来ました。

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多くの問題を多面的に捉えて選挙に臨んで欲しいと願っています。いま世界では自由で開かれた民主主義国家は減少し非主流派となったとの事です。 民主主義とは自分の主張もしながら相手の意見も認める大人の世界観だと思うのです。

私が冒頭述べたように自分は保守的な人間だと思うことが時々あります。先日ある新聞に伊吹元衆院議長の記事が載っていました。「保守というのは、基本的には非常に謙虚な政治思想だと思う。人は間違うものだから、人が一人で決めたり、政党が排他的に決めたり、独裁者が一人で決めたりすることは極めて危険だ。他の意見に対して寛容であって、いろいろな意見を認めるというのは保守の必要条件だ」と書いてありました。ただ彼の所属した政党は次第にその理念と乖離してしまったのかと思えるのです。

民主主義は難儀をしないと作れません。自分は関係のないと思っている若い世代も責任を放棄した先に痛い目に遭うかも知れません。丁度コロナのワクチン接種と同じよう、難儀をしなければ平和な社会も作れないと考えるのです。選挙もワクチンも同じレベルで考えてしまうのはやはり医療人の嵯峨なのでしょうか😅

2021年10月17日 (日)

ヨーロッパ(教会)建築の変遷(旅の豆知識)

(前回ザグレブの教会について書いてのですが、ここで教会様式についてまとめてみたいと思います。今日はこの辺りを書きました。)

ヨーロッパ旅行をしていると絶対に見逃せないのは教会建築だと思います。無宗教家の私でもヨーロッパ旅行で教会内部の彫刻や絵画、或いは美術館などでキリスト教の主な人物達のことを知っていると理解しすいと考えています。以前そのことは記載しました(→教会の呼び名で混乱。→キリスト12使徒のシンボルがわかると・・  )

これと同時に宗教が中心的な役割を担ったヨーロッパ、イスラム圏ではその時代の建築の粋を集めたものが教会だったと考えています。ヨーロッパ旅行で教会を何度も廻って飽き飽きしたと言うことも旅行者の声としてよく聞こえて来ます。それでも建設様式や絵画や彫刻の意味が分かると少し教会回りも楽しくなるのではと思っています・・・まあ楽しみ方は人それぞれですので・・・😅

簡単にまず建築の大きな様式の変遷を図にしてみました。

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①まずはギリシア建築について・・・(もちろんそれ以前の古代エジプト建築もありますが)。恐らくヨーロッパで初めて建築「様式」の確立がなされたのがギリシャだと思います。紀元前7世紀ごろから建築され、紀元前5世紀ないし紀元前4世紀頃にその頂点を迎えます。有名なのがパルテノーン神殿でしょうか。

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 ②古代ギリシャ建築を引き継いだのは古代ローマ建築でしょうか。ローマ建築ではギリシャと違い神殿だけでなく、神殿やバシリカなどを全てを包括したフォルム(フォールム)として建造されています。またコロッセオに代表される様な円形闘技場、公共浴場、水道橋などの公共施設が有り、これはローマの属国となったヨーロッパの多くの国々で現在も見られる遺跡群として残っています。

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③この頃よりローマでもキリスト教が国教と認められるようになりますが、教会もどちらかと言うと古代ローマ建築を改修して使われることが多い時代です(多神教だった古代ローマ帝国で正式にキリスト教が国教化となったのは392年で、それ以降はキリスト教以外の宗教、宗派を禁止となっています)。

④4世紀頃になるとローマ帝国が西と東のローマ帝国に分裂します(西暦395年)。経済的に恵まれた東ローマ帝国では、教会もビザンティン建築」として独自に造られて行きます。現在の西ヨーロッパ地域を支配した西ローマ帝国は次第に衰退します。

⑤東ローマ帝国の首都は今のトルコのイスタンブール(コンスタンティノープル)で、イスラム圏の優れて建築様式が加わることになり一気に発展します。これがビザンティン建築となり、東ヨーロッパ、イスラム圏にも影響を与えることになります。教会の代表作としては、トルコ、イスタンブールのアヤソフィア(ハギア・ソフィア大聖堂)で、その後このキリスト教会はイスラム教のモスクに利用される様になり、その後のイスラム建築もこの要素が含まれていますし、東ヨーロッパやロシアではロシア建築の要素も加わり新たな建築様式として発展します。

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⑥勢力が衰えていた西ローマ帝国内においては逆に教会の権力が次第に増大し、教会建築も新たな段階を迎えます。これがロマネスク様式となります。時代区分としては、おおよそ1000年から1200年の教会建築で使われ、主にフランス、ドイツ、イタリア、イギリスなどで見ることが出来ます。 この時代の建築はまだまだ未発展で繊細さがありません。大きな教会を造るためには、壁を厚くして支えなかればいけませんし、窓も大きく造ることが出来ません→壁が分厚くて、窓が小さい感じとしては「がっしり、どっしり」で内部は「暗い」「柱も太く、天井も丸い」と言った感じです。つまり繊細さがないのです😀

ロマネスクとは「ローマ風の」という意味ですが、美術史・建築史において、繊細さがないために当初は「堕落したローマ風の建築」という蔑称で使われたそうです・・・単に建築技術が追いついてないだけですのに、これは言い過ぎでしょって思ってしまいます😅

フランス:ル・トロネ修道院、サント・マリ・マレーヌ教会。イギリス:カンタベリー大聖堂。イタリア:ピサ大聖堂、サン・ミニアト・アル・モンテ教会。ドイツ:アーヘン大聖堂、シュパイアー大聖堂、ロルシュ修道院、マインツ大聖堂 など


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建築史における大進歩と言えるのがゴシック建築と言われています。当初フランス北部のゴート地方で造られたために「ゴード風の」と言う意味でゴシック建築と呼ばれるようになっています。フライングバットレスという、外部の柱で建物を支える技術が出来たために、教会そのものの壁を薄くすることができ、窓も大きく取れるようになり、大きなステンドグラスが利用でき内部に光が届く明るい教会となっています。また高さも確保出来るようになったために、垂直方向により高くより尖った印象の教会となっています。

フランス:サン=ドニ大聖堂、パリ・ノートルダム大聖堂、シャルトル大聖堂、ランス大聖堂、アミアン大聖堂。イギリス:カンタベリー大聖堂、ウエストミンスター寺院、ソールズベリー大聖堂。ドイツ:ケルン大聖堂、聖エリザベート教会、マルデブルグ大聖堂。チェコ:聖ヴィート大聖堂。 イタリア:ミラノ大聖堂、サッサリ大聖堂。

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高くて、尖った尖塔があればゴシック建築と考えても結構当たる確率は高いと感じます😅
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ルネサンス建築は、ゴシック建築を引き継ぐ感じでイタリアのフィレンツェで1420年代に始まります。この時代には余りに宗教的な価値観に被われて時代に反撥して文芸復興「ルネサンス」がイタリアで始まります。この時代に絵画を中心に芸術が一気に花開きます。建築においても人体比例と音楽調和を宇宙の基本原理とし、教会建築においても外観も内部も整然、均等比率、左右対象、水平指向、全体的にも正方形となったり丸形のドームが好まれるように変化します。またこの頃より地方の貴族や王族なども財力を持つようになり邸宅や礼拝堂などもこの様式で建てられる様になります。

イタリア:サン・ピエトロ大聖堂、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(フィレンツェ)、サン・ロレンツォ聖堂

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⑨ヨーロッパにおいて1590年頃からバロック建築は始まり、盛んになった建築様式である。バロック建築の背景には、宗教改革によって著しく低下したローマ・カトリック教会の権威の失墜を、芸術活動によって補おうと企んだローマ教皇シクストゥス5世、パウルス5世等の活動により16世紀末から17世紀初期にかけてローマで始まった。このような背景によいてより教会を神秘的な空間として表現する必要になったのです。、「バロック」と言う語の語源はポルトガル語の‘Barocco’(歪んだ真珠と言う意味)と言われています。建築の特徴としては外観はうねり、ねじれ、ダイナミックさが重要視され、内部においては豪華な彫刻、彫像、レリーフがふんだんに配置され、壁も直線ではなくて凹凸うねりのあることが多くなっています。またこの時代は柱を2つに並べるダブルコラムの様式もよく見られるようになります。 要は一見ににして豪華絢爛、綺麗ですがゴチャゴチャとした印象を受けるのです。 教会のみでなく、ハプスブルク家の支配したヨーロッパなどの館や広場などでもこの様式を見ることが出来ます。「バロック」と言う語の語源はポルトガル語の‘Barocco’(歪んだ真珠と言う意味)といわれ、元々は余りに装飾が行き過ぎてグロテスクにみえた装飾美術に対する蔑称であったそうです。

サンピエトロ寺院のコロネード(列柱廊、バチカン)、聖カルロ教会(ローマ)、メゾン・ラフィット(パリ)、スペイン階段(ローマ)、トレヴィの泉(ローマ)、シェーンブルン宮殿(ウィーン)、ヴェルサイユ宮殿(パリ郊外)

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⑩やがてイタリアでのバロック建築は衰退するが、ブルボン朝フランス王国に継承されてルイ14世太陽王の支配する宮廷に於いてバロックは絶頂期を迎えることになります。バロック様式は隣国のヨーロッパの各王国にも波及し、われ争って豪華な建物うが造られます。バロックの行き着いた建築様式としてロココ建築が有ります。その様式はロココと同じく女性的な曲線を多用する繊細なインテリア装飾などが特徴となります。しかし、あくまでも後期バロック建築の傾向を表現する用語であるため、この様式は独立した建築様式ではないと書かれていました。主な建築物には、サンスーシー宮殿などが挙げられる。
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 人の感覚は不思議なもので、ゴチャゴチャ感も行き過ぎると、見ただけで満腹になります。フランス料理のフルコースを何日も食べると(食べたことはありませんが・・😅)、きっとお茶漬けやカップヌードルが食べたくなるのと同じ?(←想像力がない😭)

 

⑪バロックまで行き着いた18世紀後期には、新古典主義建築が花開くことになります。この建築様式はもう一度原点に返り、古代ギリシアや古代ローマの古典建築にある荘厳さや崇高美を備えた様式に戻ろうと試みたのです。

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⑫バロックの後はヨーロッパ全体に及ぶ建築は少なくなり、その国が主だったり、その建築家(ガウディなど)の特色があわれれた建物が多くなっているようです。バルセロナのガウディ建築のように、それぞれの建築者の個性が溢れる建築が多くなった気がします。

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ヨーロッパの旅行では・・至る所で「何々様式の教会、何々様式の宮殿」などと説明を受けますので、旅のマメ知識としてまとめてみました。

服装でも同じですが、時代と共に進化しては元の形に回帰し、また新たな要素を加えて発展するような気がします。いま最先端と思っていたのがいつのまにか古くなり、古いと思っていたのが最先端に置き換わって行きます。技術は進んでも人間の感性はあまり変化しないのでしょうね😃

2021年10月15日 (金)

今週の生け花(令和3年10月第3週)

2021年も10月中旬となり、次第に日本列島も夏から秋に変わろうとしているようです。全国的な緊急事態宣言解除後2週間程度たつ中で感染の再拡大が起きないかどうかがこの10月後半に向けての心配ごとです。諸外国の例をみても気を緩めると感染の再拡大が起こっています。ワクチンを2回打ってもブレイクスルー感染なども起こりえますし、ましてやワクチンを打っていない方は常に緊急事態宣言下に置かれた状況だと身を引き締めて欲しいと願っています。

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天井からの光が入らないように斜め上から写真を撮ったのですが、百合の大輪が目立っています。ピンクに縁取られた綺麗な百合です。
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斜めから眺めると、籠のような丸い花器に目がいってしまいます。陶器で出来た花器と違い、柔らかさが伝わって来ます。葉を落として真っ直ぐに伸びたピラカンサの赤い実の下には、紫の球状な小花をつけたエリンジューム、後方に向かって林道の青い葉が目立っています。籠の周りの赤い実もピラカンサだと思ったのですが、この方は「野バラの実」となっています。全体の構成として重心が低くなって安定感がある作りです。
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今回の生け花は、花自体も独特ですが花器の籠も重要な役割を演じてくれているようですね。
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ではではよい週末を!(・・・と言っても私は明日の午前中は仕事ですが・・😃)
<花材:野バラ、百合、ピラカンサ、千年木>

2021年10月13日 (水)

出血した方に同じ血液型だからと言っても直ぐに輸血しない理由(輸血後移植 片対宿主病 (GVHD)について)

今週のFM放送は、血液型について話をしました。一般の方では「血液型と性格」などが多くの方が関心があるのかも知れませんが、医学的な意味ではあまり興味がありません(笑)。 これまでにABOの血液型についてはお話しましたので(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-5820.html )、今回は輸血製剤の種類や輸血の際の検査法について少し記載します。

私がこの正月にハマった韓国ドラマの「愛の不時着」(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-e3ca5e.html)では銃で撃たれ出血した主人公を助けるためにお互いが輸血し合うシーンが出て来ます。実際に私のように手術を担当していると「何かあれば同じ血液型ですので私の血液を使って下さい」と親戚や友人から申し出ることがありました・・・・では実際は使うかとなると・・・丁重にお断りをしています。もし輸血を行ってもいいとなれば赤十字血液センターで皆のために献血して下さいと話をしています。

私の外科のスタートは心臓血管外科でしたが、当時35年以上前には心臓の手術日の朝には5〜10人程度の方(家族や同僚など)の献血を行い手術に備えたのです。そのため私も最初の数年間は朝6時には大学病院に着いて、手術に使う輸血の準備をしていたのです・・・今では脱血した血液をこのまま使う(=全血輸血)ことはなく、献血してとった血液をそれぞれの成分に分離した製剤を使用します(主に赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤の3種類に分けています)

皆様方から頂いた血液は血液センターで当然ですが、ABO血液型検査、Rh血液型検査、不規則抗体検査、HLA検査(一部)などをチェックすることになります。 実はそれ以外にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、HIV、HTLV-1抗体、ヒトパルボウイルスB19検査の検査などを行っているのです。折角献血して頂いてもウイルスなどがあれば輸血に回されず破棄されます。

私達の血液は血球成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿成分(アルブミン、免疫グロブリン、凝固成分など)に分かれます。白血球は好中球、リンパ球、単球などが含まれています。 現在の輸血は成分輸血と書きましたが、白血球製剤はないのに気がつきましたか? ・・・白血球は免疫の司令塔的な役割です。そのためには自分と他人(異物)を見極め排除する作用が高いのです。 輸血をするにしても白血球が入っていると、輸血された患者さんの中で免疫反応のトラブルが起こり、最悪の場合は死亡することが分かっているのです。

二つ前の段に戻ると、以前の心臓手術では手術の直前に多くの方に献血してもらい、手術時に使うことが行われていました。なぜなら時間が経つと血小板や凝固因子が減少するために、出血の多い(人工心肺の回路を使うため)心臓の手術では止血の意味も含めて全血輸血が使われていました。 しかし手術は上手くいったのに、1〜2週間たってから肝機能障害や下痢、汎血球減少が起きて出血や感染で亡くなる方(GVHD(Graft Versus Host Disease:移植片対宿主病))が、1980年代の胸部外科の手術では660例に1例の割で発症したことが報告されていました。その前の年代ではこのような病態も判っていなかったのです。

現在ではGVHDは輸血された血液(移植片)に含まれる細胞障害性Tリンパ球であることがわかっています。 そこで、このGVHDを予防するために、輸血用血液に放射線を照射し、リン パ球の増殖機能を壊してから輸血することで防ぐことが分かるようになりました。平成12年からGVHDの確定例の報告はなくなりました。

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・・・ここまで真面目に読んで頂ければ、余程の状況下でなければ、例えドラマのように銃で撃たれて緊急の輸血が必要になってもヒロインから直接輸血をすることはないと言うことなのです。

 

2021年10月10日 (日)

世界を夢みて(263):ザグレブ市内観光(聖マルコ教会ほか)No3

ザグレブの市内観光も後半となりました。恐らくクロアチアのザグレブの観光案内などではこの聖マルコ教会が出ているのではないでしょうか? カラフルな屋根が特徴的です。


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聖マルコ教会はカトリック教会で、旧市街のグラデツの中心の聖マルコ広場にあります。13世紀にロマネスク様式で建てられ、14世紀には礼拝堂とアーチがゴシック様式で建設され、19世紀にネオ・ゴシック式に改築されたそうです。屋根に有名なカラータイルのクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国の紋章とザグレブの紋章が置かれた。聖マルコ教会は聖マルコ広場に面していて、そこには国会議事堂(上の写真の右側の建物で国旗が掲揚されている建物)、首相官邸(広場の左側の建物)、最高裁判所(教会の裏側)があり、クロアチアの国葬などの重要な行事は聖マルコ教会で行われるそうです。

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側面は至ってシンプル。後で見返して違う建物かと思った程です(笑)。 内部の写真がなかったので入らなかったようです。後で調べたら、一般公開は期間限定であるようで、観光客は入れないようです・・・どおりで見返しても私のパソコンに教会内部の写真が一枚もなかったのですね。

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左の紋章の右上の部分に3匹の動物が描かれています。これはダルマチアの勲章で冠をかざしたヒョウ(豹)とのことですが、なぜヒョウなのか分かりません😅 またこの下にある黒いダックスフンドのような動物は、実は犬ではなくて「テン」だそうです。テンの毛皮は貴重価値があり、昔はテンの毛皮を貨幣と同じ様に扱っていたために、現在のクロアチアの貨幣の単位は「クーナ:HRK・クロアチア語でクーナは動物のテンのことです」となっています(1クーナ=17〜18円)。

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聖マルコ教会から下って行く街並みを歴を感じさせる建物が沢山ありました。ヨーロッパの街並みは看板だったり、外灯などがいちいち素敵なのです😊 ぼ〜としていると見逃す風景が沢山あります。
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写真を撮りながら歩いていると、建物の壁に銅像が埋め込まれレいるのがありました。これは偶然とった写真の一枚でした。何と私は旅行を帰ってきてから見直した時に、その人物の名前をみて思わず「ヒエ〜!」叫んでしまいました。
この銅像の人物はニコラ・テスラ」だったのです。 ニコラ・テスラはクロアチアの出身だったのですね。セルビア人の両親の元1856年に現在のクロアチアの西部に生まれ、クラーツ工科大学に学んだあと東欧では飽き足らず、1884年に渡米しエジソンの元で1年間働くも、直ぐに独立します。何と彼は8ヵ国語(セルビア・クロアチア語、チェコ語、英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、ラテン語)を話せたそうです。
・・・テスラと言ってもピンとこない方も多いと思いますが、現在の電気の交流発電は彼が発明して今の世界の電気が使えているのですね。それ以外にも無線操縦、蛍光灯も発明しています。
LIFE誌が1999年に選んだ「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれて、テスラが遺した技術開発にまつわる資料類はユネスコの記憶遺産にも登録されているそうです。皆様方も出かける時には見逃さないようにされて下さいね。
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世界一短いケーブルカー66m片道4クーナで高台まで登ることが出来ます。可愛い青いケーブルカーです。側に遊歩道もありますので、歩いても問題なく登れます。
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ザグレブ市内を見渡せる高台に建て長いロトルシュチャク塔があります。この塔の一番上の窓枠から毎日正午には大砲(もちろん空砲)を撃って市民に12時の時報を知らせてくれるそうです。今回は残念ながらこの塔の上から市内を眺めることは出来ませんでした。時間がある人は是非訪ねて欲しいです。ザグレブの美しい風景がみれるそうですよ。

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確かにザグレブ旧市内には高い建物は制限されてきたようです。遠くには近代的なビルが沢山あるようです。
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昇りは世界一短いケーブルカーでしたが、帰りはこのような坂を歩いて下りてゆきました。
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宿泊ホテルが近くにある街の中心にあるイェラチッチ広場に向かいました。広場にそびえるのは、国民的英雄と言われるイェラチッチ1801~1859)の騎馬像です(これも聖ゲオルギオス像かと思いました😅・・・足元に龍はいません)。彼はオーストリア帝国時代の政治家で軍人だったそうです。
この広場は17世紀ごろから「調和広場」としてあり、1886年にイェラチッチ総督の騎馬像が設置されたころからイェラチッチ総督広場と呼ばれるようになったそうです。 しかし旧ユーゴスラビア時代の1947年には騎馬像は取り払われて、「共和国広場」と名称も変わったそうです(歴史的にこのようなことはよく耳にしますね)。1991年のクロアチアの独立と共に騎馬像も広場へ戻されて、名称もイェラチッチ広場に戻ったとのこと。 英雄も祭られたり引きずり下ろされたりと忙しいです😅
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イェラチッチ広場には噴水もあり、奥の可愛らしいトロッコ列車で旧市街を観光するのもいいかも知れません。今回の宿泊ホテルはSHERATON ZAGREB HOTELで、夕食は肉料理だったようですが、相変わらず食事の写真はありませんでした😅。

2021年10月 8日 (金)

今週の生け花(令和3年10月第2週)

昨夜の関東地方の地震のニュースはビックリしました。皆様方の地域では被害はございませんでしたか? 東京23区で震度5強以上の地震があったのはあの2011年の東日本大震災後初めてだそうです。 マグニチュード6.1ということで、いわゆる皆が心配している首都直化型の地震ではないとの報道でした。 改めて地震の規模を示すマグニチュードについて調べると単位が「1」違うとそのエネルギーは32倍の違いとなるとのことです。すなわちマグニチュード6が7になると地震のエネルギーは32倍となり、マルニチュード8となると32×32で1024倍にもなります。今後やはり心配です。東日本大震災はマグニチュード9.0ですからもう考えたくもありません(32×32×32倍・・😢)

大都市圏は特に地震に弱いインフラとなっています。どうか今のうちに出来るだけの対策を国も個人もたてて行動して頂きたいと思います。食糧や水分も1週間分程度の確保し、もう一度避難場所なども確認して欲しいと願っています。 

 

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先週は生け花クラブがお休みだったようですが、今週はいつもの2階の小さなスペースにも生け花が飾られていました。今週の生け花はナナカマドの実がどさっとあり迫力満点です😃 
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斜めから見ると勢いよくナナカマドが前方に出ていることがよく分かります。左右からの見方で随分と印象も変わってきます。
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紫のリンドウに、細い葉を出したアスパラガス、ナナカマドのまとまった実の連なり、右上の源平葛が愛らしい赤い花をつけています。正面から見ると後方にちょこっと源平葛の赤い花が顔を覗かせているのも可愛らしいです😃
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今回は金色の目立つ額の中に入れてみました。どうにか許容範囲ですのでこのまま載せたいと思います。見て頂きいつもありがとうございます。
<花材:ナナカマドの実、リンドウ、源平草、?>

2021年10月 6日 (水)

腰痛症と神経ブロック

今日のFM放送は腰痛について話をしました。私は外科が専門で整形外科やペインクリニックが扱う腰痛については素人ですが、多くの国民が感じている症状ですので、説明をしました。

厚生労働省の国民生活基調調査のデーターによると自分が普段感じている症状について、男性の場合は多い順番に①腰痛 ②肩こり ③咳や痰が出る となっています。女性では①肩こり ②腰痛 ③手足の関節が痛む となっています。        

2021年のノーベル医学生理学賞を皮膚の痛みや熱さ冷たさ(温度センサー)と皮膚の圧力を感じる(触覚センサー)基本となる「温度・触覚受容体」の発見を行った、米国のジュリアス教授と、パタプティアン教授の2人に決定されました。 そのセンサーは様々な組織に存在し、オシッコが溜まったり、食事が胃に入り満腹を感じたり更には呼吸の気管の空気量を調整することにも一役かっていることが判るようになったそうです。

今日の話題とした痛みのメカニズムの解明にも役立ち、慢性疼痛など様々な病気の治療法にも貢献できたそうです。

さて話を戻して、腰痛についてですが、まだまだ解明がされていませんが、悩んでいる国民は非常に多いことだと報告でも分かっています。(以前のブログに記載は→「ギックリ腰」頸椎症について

今日は神経ブロックにについて記載します。私の専門ではありませんので、日本ペインクリニック学会に神経ブロックのことが書いてありましたので紹介致します。

神経ブロックとは主に末梢神経(脳脊髄神経や交感神経節)に直接またはその近傍で局所麻酔薬を注入したり、高周波熱凝固、パルス高周波通電を利用して一時的あるいは長期間にわたり神経機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療法とのことです。

神経ブロックの意義は、「知覚神経をブロックすることで(痛みの伝達を除外することで)痛みが低減」、「交感神経ブロックによる血行改善効果(血管を収縮する作用のある交感神経をブロックすることで血管が拡張し血行が改善)」、そしてこれらの作用に基づく「痛みの悪循環を遮断する効果」にあります。

神経ブロックの効果は、飲み薬や点滴と違い全身に影響を与えず病変部位に限局して発揮できる点も特徴的です。また、痛みを起こしている神経を遮断することにより痛みが本当に軽減するかを確認することにより、その神経が痛みの発生に関与しているか否かを判定するための診断的ブロックとしての役割もあります(痛みの発生部位の原因追及になります)。

素人の私がまとめた一般的な神経ブロックの種類は適応についてまとめました。ご参考にされて下さい。

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なかなか改善しない痛みの場合には専門外来(ペインクリニック)などで神経ブロックを受けるのもよいかも知れません。

急性腰痛など大凡1週間程度で痛みは改善すると考えますが、長引けば無理せずペインクリニックや整形外科の専門医の診察を受けて下さいね。

 

2021年10月 3日 (日)

世界を夢みて(262):ザグレブ市内観光No2

雨のスロベニア共和国の首都リュブリャナからクロアチアの首都ザグレブへ移動し観光開始。先にザグレブで最も大きな聖母被昇天教会を見学後、市内観光の続きです(→ザクレブ市内観光No1ザグレブ・聖母被昇天大聖堂)。

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旧市街の建造物に対して、奥に見える大きなビルはバン・イェラチッチ広場に面して建てられたオフォスビルで1957年頃建てられたようです。実は1970年から1980年代にザグレブでは高層建築物がいくつか建てられたようですが、その後は高層建築物は一時的に制限されて、都市景観が保たれているそうです。
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この看板をみて分かる人もいるかも知れません。私は旅行まで知りませんでしたが・・・。クロアチアはネクタイ発祥の地だそうです。もともとクロアチアでは、若い男女が信頼の証に相手の首にスカーフを巻く習慣があったそうです。ヨーロッパ30年戦争の頃(1618年-48年)にクロアチアの軽騎兵団がパリに到着します。その時にクロアチア兵は自国の伝統的な衣装の一部として、様々な色鮮やかなスカーフを首に巻いて入場します。流行に鋭いパリの貴族達を虜にし、一気にパリで広がったそうです。フランス語でネクタイは「Cravat」、クロアチア人を意味する「Croat」に由来していると他の方の旅行記に書いてありました😅。ちなみに、日本人ではじめてネクタイを締めたのはジョン万次郎なんだそうです・・・確かにあり得る話かも知れません。

ザグレブ旧市街の坂を上った場所に、クロアチアの超老舗ネクタイ店「クロアタ:KRAYATA」があります。かなり有名なお店らしくお店の前では多くの観光客が写真を撮っていました。老舗らしい上品な店内で、ネクタイは品質の高さに定評があり、1柄に対して32本しか生産せず、希少価値の高いものになっています(←ネットに書いてあり、後で知ったことです😅)。 私も自分用に2本のネクタイを買って帰りました👍

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このような看板をみながら歩くのも楽しいですね。 ラディチェヴァ通りと石の門近くの看板と標識です。

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ラディチェヴァ通りを北に行くと石の門の前に聖ジョージ(聖ゲオルギオス、聖ユライ)の騎馬像がありました。最初馬で踏みつけているのは大蛇かナマズかと思いましたが、これはドラゴンです😅 ラディチェバ通りにある銅像です。 このモチーフは基本的に「聖ゲオルギオスと竜退治」の伝説から始まっています。竜が定期的に人間の生け贄を要求して、応じぬと村々に危害を加えていたそうです。次ぎに生け贄として選ばれたのは王女で、聖ゲオルギオスはドラゴンを退治して王女を救ったという伝説で、東西ヨーロッパ(中東も?)で色々な所でモチーフとなっています。以前訪ねたポーランドのクラクフでは聖ゲオルギオスは靴職人の若者でドラゴンを欺して退治し、王女と結ばれる物語でした(→ポーランド:クラクフ市内観光
この銅像についてネット上で「聖ゲオルギオス」とか「聖ジョージ」いやいや「聖ユラユ」が正しいとそれぞれの方が書いてありました。要は同じ人物なのです。古代ギリシャ語では「ゲオルギオス」、アラビア語では「ジルジス」、英語では「ジョージ」、イタリア語では「ジョルジョ」となり、クロアチアでは「ユライ」となっているだけです。

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石の門は13世紀に作られ、18世紀に現在の姿となりました。もともとザグレブはザグレブ大聖堂を中心とした聖職者の町「カプトル」と、聖マルコ教会を中心とした商人の町「グラデツ」というふたつの町に分かれていたそうです。それぞれも中世の街と同様に、異民族の侵入から守るために石の壁で囲まれていました。以前はグラデツに入る門は6ヶ所あったそうですが現在は壁も取り壊され、現存している門もこの「石の門」だけとなってしまったそうです。                        
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中世の頃より門の中には聖母マリアを祀る礼拝堂があったそうですが、18世紀のザグレブ大火災でもこの礼拝堂は奇跡的に損傷を受けることがありませんでした。よりそのことがマリア信仰を強めたのかも知れません。私の写真は鮮明ではありませんが、鉄の扉の向こうに小さな礼拝堂の空間があり、正面には聖母子像の祭壇画が描かれていました。今でもたくさんの市民がお祈りしています。

2021年10月 1日 (金)

緊急事態宣言解除後の自制

全国的に緊急事態宣言解除が解除となりました。特に沖縄県では随分と長い間、緊急事態宣言が施行されていました。徐々に新規感染者が減少したとは言えまだ高止まりの状況です。

何度も宣言の「発令と解除」が繰り返えされ、繰り返す度に人々の慣れや諦めのせいで自粛や自制が利かない状況となっています。 やはり全体としてみえることはパレートの法則262の法則のように、コロナに対しても自粛する人は自粛するし、しない人はしていないと言うこと。 

全国的な緊急事態制限解除はコロナ禍で観光関連産業、飲食業、イベント開催関連など非常に大きなダメージを受け必死に耐えて来た方々に朗報だと思いますし、どうか生活が元に戻って欲しいと願っています。

ワクチン2回接種後もブレイクスルー感染があることも分かっていますが、世界のどのデーターをみても、ワクチン接種2回終了者で感染率も死亡率も低いのは明かです。 ワクチン未接種者への差別(デメリット)ではなくて、熱などの副反応を耐えて接種した方へのメリットを社会が示す必要があると考えます。 もちろんアレルギー反応などでワクチン接種出来ない方もいますので、その方にとっては接種証明と同じ「接種不可証明(仮)」などを出して誤解を解消する必要もあると考えます。 このようなメリットを示すことで、ワクチンに関心のない若い世代の人々も接種する機運が高まるのではないかと期待するのです。

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旅行が好きな私にとっては昨日、全日空や日本航空がワクチン接種者に対して、国内の往復航空券が当たるようなキャンペーンをするとのことを知りました。 いいアイデアだと思います👍 ワクチンを2回終了し、マスクや手洗い、アルコールによる手指消毒をした場合、飛行機に乗り込んでも感染リスクが高くなるとは考えられません。最近の飛行機の換気は凄く良く出来ていて、機内の空気を介して感染が広がることはないと考えます。

緊急事態宣言解除を見据えて多くの自治体の首脳から「リバンド」をどう抑えるかが今後の課題だと発表がありました。本当にそうだと感じます。 まず予防接種可能な方のワクチン接種2回目を早期に終了すること。ワクチン接種者も感染の可能性があることを自覚すること、除=自由」ではないことを国民全体が共有することが必要と思うのです。ここで大騒ぎして感染が拡大すると元も子も在りません。

緊急事態宣言解除が正しいかどうか(感染抑制と社会経済活動のバランスが保てるかどうか)は私達国民1人1人の行動にかかっていると思うのです・・・皆で頑張ってこの危機を乗り越えて行きましょう💖

 

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3年前の当院からみた写真を思い出して追記します。コロナ感染のパンデミックが起こる前は大型クルーズ船が頻回に寄港し、那覇飛行場からの飛行機の離着陸がみえて、旅への憧れが増した風景でした。旅が好きな私にとっては、飛行機やクルーズ船から降りた人々がどんな旅に出るのかと想像したものです。早くこの日常が戻って欲しいです😃

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