熱中症とコロナ感染症の併発で医療現場は混乱も?
今日のFMレキオは熱中症について話をしました。梅雨入りから初夏にかけては、湿度が高かったり、気温が急に上がる場合も多く、1年のうちこの時期は暑さ対策がより重要となります。
熱中症とは、私たちの体の中と外の「あつさ」によって引き起こされる、様々な体の不調の事を言います。 熱中症の臨床分類は①〜④となります。
①熱失神とは、暑い環境にいたり、作業やスポーツなどで体温が上がる状態になると体温を下げるために皮膚の血管が拡張します。そして脱水と相まって血圧が下がってきます。そのため脳へ行く血流が減って、気分不良、めまいや失神を起こす場合があります。
②熱けいれんとは、大量に汗をかくことで血液中のナトリウム(塩分)が汗と共に失われます。塩分を含まない水だけを補給すると、脱水状態の体は素早く水分を吸収します。更に血液の中のナトリウム濃度が低下してしまいます。 血液の中のナトリウムが正常より低くなると、脚や腕、お腹の筋肉がけいれんを起こしやすくなります。この様な原因でけいれんが起こることを「熱けいれん」と呼んでいます。熱けいれんと言いますが、体温がまだ上昇していない時に、けいれんが起こります(子供が高熱の時に起こる「熱性けいれん」とは違います)。
③熱疲労は大量に汗をかいて脱水になり、体温が維持できなくなり、体温上昇が始まり、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などが起こる状態となります。
④熱射病は熱中症の1番重傷となった病態で体温が40度以上に上がり、脳の機能(中枢機能)がマヒしてしまうために意識障害が起こり、さらには肝臓や腎臓などの多くの臓器がダメージを受けて、死に至る可能性が高まります。非常に危険な状態で一刻も早く救急車を要請し、その間とにかく冷やし続けることが重要となります。
これらの分類方法とは別に、「具体的な治療の必要性」の観点から熱中症の重症度分類もよく使われています。
熱中症の重症度分類のⅠ度:「熱失神+熱けいれん」の段階。涼しい場所に移動し、身体を冷やしたり水分補給を行って様子をみます。改善あればこのまま経過観察。
重症度分類のⅡ度:熱疲労の段階。水分補給が可能なら補給しながら病院へ搬送。
重症度分類のⅢ度:熱射病の状態。すぐに救急車を呼んで病院へ搬送。
この夏は恐らく、発症状況が分からない場合に発熱があり、気分不良や意識混濁などで救急搬送された場合に、熱中症なのかコロナウイルス感染症なのか現場の対応は難しいことが予想されます。熱中症で運ばれた患者さんの中にコロナウイルス感染も併発していることもあると考えます。
熱中症で重症度Ⅱ度や特にⅢ度は時間との闘いとなります。早く処置をして病棟などへ移動させたくても、もし万が一コロナウイルス感染症だったり、あるいは同時に併発している場合を考えると迅速な対応が出来かねない事態も予想されます。更に怖いのはコロナ抗原検査やPCRも100%の感度ではありませんので、もし検査をすり抜けた場合には、この方を介してクラスターが発生する危険性もあるのです。
特にこれから東京を中心にする救急医療はこの夏、熱中症、新型コロナウイルス感染症、東京オリンピックへの対応を余儀なくされるため大変な負担がかかると想像しています。
どうか国民の皆様、1人1人がギアをワンランク上げて、コロナ対策、熱中症対策を講じて欲しいと願っています。
<熱中症予防とコロナ感染予防>のパンフレットが「環境省」「厚生労働省」が出していましたので、比較的分かりすいたために添付して起きます。
ワクチンは任意接種ですが、若い方もどうかアレルギー反応等がなければ、自分を守る為、周りの仲間や家族を守る為、社会を守る為にワクチンを接種して欲しいと願います。そのためにも国はワクチンのスムーズな提供と入荷予想を早めに示して欲しいと願っています。
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コメント
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こんばんは。
今日もお疲れ様でした。
拝聴させて頂きました。
男性アナウンサーさんでしたね。
途中、音声が途切れてご心配だった事でしょう!
早くコロナから開放されて生スタジオからの放送が出来ますように〜!
チューリップの曲は「心の旅」しか存ぜず!
弾き語りのお歌の「青春の影」も聴き応えございました。
青春♥の色濃い?歌詞が多いですね!
今年の夏はコロナでマスク😷生活!
熱中症が心配ですね!
仰ってらしたように屋外で人との距離が
ある時はマスクそっと外します。
エアコンは必ずつけて過ごしておりますが、
寝る時は、切って扇風機2時間設定です!
室温、湿度が高い時はつけて寝ております。
梅雨が明けて風があれば網戸からいい風が通り抜けるにですが〜!
明日はエアコンクリーニングお願いしてあります。
今日もありがとうございました。
投稿: マコママ | 2021年7月14日 (水) 20時30分
こんばんは。
熱中症の段階が①〜④まであることや救急医療でのⅠ〜Ⅲ度の分け方など大変分かりやすく解説して頂き感謝です。昨年の8月、外で庭入りをしたあとめまいや気分不良が出現し、近くのクリニックを受診しました。熱中症でしょうと言われ点滴を受けたことがありました。私の場合は熱失神の段階だったような気がします。
沖縄県もずっと感染者が多い状況で先生もご苦労なされていらっしゃると感じております。これから本当に東京が心配ですね。今日東京では1000人超えの感染者。専門家が指摘していたようになっています。
ご指摘のようにこれから東京オリンピック、熱中症、新型コロナと東京の医療がますます心配になりました。
私は2回目の接種を終えましたが、早く現役世代の方にワクチンが行き届いて欲しいです。
投稿: 信州の隠居老人 | 2021年7月14日 (水) 21時53分
マコママさん、こんばんは。
今日もラジオ放送を聴いて頂きありがとうございます。もう1年以上リモートでの放送ですので、ネットの回線が不安定になると音声が途切れてしまうことがあるようです(特に18時〜19時の間はこの新都心エリアはネットが混雑するとのことです)。音楽も聴いて頂き感謝です。
マスクははやり身体には負荷を与えますので、外出などでソーシャルディスタンスを保てるのであれば、外して良いと思います。 他人の視線が気になるかも知れませんが、耳にでも片一方をかけていればマスクなしとは思わないと考えます。そして屋内に入る時や会話の時にはマスクときちんと装着したらよいと考えています。
クーラーなしに日本の夏を乗り切るのは困難と思います。熱中症は暑くて湿度の高い状況で起こりやすいですから、クーラーを上手く利用して下さいね。
いつもありがとうございます💖
投稿: omoromachi | 2021年7月14日 (水) 22時02分
信州の隠居老人さん、こんばんは。
熱中症という医学用語はなく①〜④の段階で考えています。①と②では救急医療では大きな違いがないために、熱中症の1度にひっくるめて分類されているのです。
暑さに慣れてない時期に少しの運動(庭いじり)でも熱中症になる方もいらっしゃいます。症状からすると熱失神の状態だったと推測致します。
東京が予想以上に速く1000人越えの感染者となっています。政府への不信感が自粛に対する頑張りを削いでいると思います。 コロナ対応、初期の段階でのワクチンの重要性の欠如、東京オリンピックへの決断の遅れなどが一気にこの7月8月に吹き出すのではないかと心配しています。
兎に角ワクチンの接種率を上げることしか対応はありません。政府は頑張って欲しいです。
投稿: omoromachi | 2021年7月14日 (水) 22時11分
ご苦労様です・・・
暑い時季になりました・・・きょうの秋田は東京よりも高い気温になったようです。
真夏日になりました。熱中症に注意とのことでしたので外に出るのを控えて
いましたが、農作業は待ってくれませんから、午後には田んぼに入って草取り
しました。作業中はマスクは外しています。俺の友人が田んぼで培土機を持って
倒れたことがありました。九死に一生を得たものの、以後、農業を止めて今は
ほとんど外出もなく、会う事がありません・・・だから、俺も用心しながら作業して
います・・・コロナも熱中症も怖いです。
コロナと合わせて熱中症に気をつけたいと思います。
明日午後から、1回目のワクチン接種をうけることになりました。
投稿: でんでん大将 | 2021年7月14日 (水) 22時28分
でんでん大将さん、こんばんは。
秋田の方が東京より暑かったのですね。この頃の気温は真夏になると沖縄より本土の方が気温が高い時もあり、ゲリラ豪雨など気候が急変することもありますね。
農場は本当に待ったなしで、大きく気候にも左右されますので大変なことだと日頃から感謝しております。 外での仕事はしっかりと水分をとるように、汗もかくようでしたら塩分と糖分の補給も行いながら、時間が来たら手を休めて少し休憩をするようにされて下さい。 屋外で家族以外と会話しないのであればマスクは害はあっても価値はありませんので、しないようにされて下さい。マスクは無くても帽子はかぶって下さいね。
私どもの病院でも入院時にPCR陰性でもその後陽性が確認されて方もいらっしゃいます。ただ熱がありましたので、個室で隔離管理していましたので広がることもなく無事終了しています。 恐らく東京ではこれから大混乱が起こるだろうと予想しています。東京の医療が持ちこたえて欲しいと祈るばかりです。
明日1回目のワクチンですね。頑張って来て下さい。
投稿: omoromachi | 2021年7月14日 (水) 22時46分
こんにちは。
熱中症について、興味深く拝見いたしました。
うちは、去年、おじいさんと教師をしている家人が、
熱中症で救急車で運ばれているので、
今年は注意しないといけないと思っております。
おじいさんについては、96歳と高齢の上、
寒いといっては勝手にエアコンを切ってしまうので、
一昨年も熱中症で運ばれており、気を抜けません。
水分の補給も含めて気をつけたいと思います。
マスクについては、外では外すようにしていますが、
施設内でつけたときに、身体が熱かったりすると、
ちょっとしんどいなと思うことがあります。
病院でMRIや骨密度など、寝てじっとしていなければ
ならない検査だと、マスクでパニック障害のように
なることが多くて、なかなか大変です。
お医者さんは、密度の高いマスクを着用されているので、
普通の不織布マスクくらいで、音をあげては
いけないのですけどね^^
投稿: ふうちゃん組 | 2021年7月15日 (木) 14時12分
ふうちゃん組さん、こんばんは。お返事遅れてすみませんでした。
昨年、お二人が熱中症で救急搬送されたのですね。毎年のように気温が上昇する日本ですので、昔より起こりやすい気候に変化したのも要因と思われます。
高齢の方はクーラーが苦手という方が多いです。暑さを感じにくかったり喉の渇きを訴えにくいこともあり、熱中症となってしまうことも多くなっています。おじいさんは今年も注意が必要かも知れませんね。
マスクを着けることはやはりしんどくなることがありますね。ただでさえMRIなどの閉鎖空間では空気を吸うことが出来ないようなパニックに陥ることも考えられますし、マスクだと尚更と考えます。 MRIなどに入る時には少し精神安定剤を内服してから検査を受けた方が楽かも知れません。
私の場合は内視鏡の検査の時にしかN95などのマスクは着けませんので、1日中装着はキツいと思います。 早くマスクからも開放されたいですね。
投稿: omoromachi | 2021年7月15日 (木) 22時49分