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2021年6月

2021年6月30日 (水)

(世界を夢みて番外編):1989年エジプト旅行1(ギザの三大ピラミット)

(今日は6月の第5週水曜日でFM放送は医療ネタではなく音楽特集でした。医療情報のブログ記事はありません。これから第5週や生け花がない時には、昔の旅行記を載せたいと思います。既に私のHP上では載せてあることも多いですのでご了承下さい→ニライの夢

恐らく多くの方が1度は訪れたい場所の1つがエジプトだと思います。私自身は高校卒業まで沖縄の小さな島から出たことはありませんでした。世界の扉は子供の頃に見た兼高かおるさんの「世界の旅」とパーキンス教授の「野生の王国」という動物番組でした。両番組とも私の見たこともない世界をブラウン管に写し出してくれました。

何故人間はピラミットのような巨大建築を何千年前に作り出すことが出来たのか? どんな思いで、どんな人々が作ったのだろうか? どんな生活をしていたのだろうか? どんな資材を使って作られたのだろうか? ピラミットだけでも歴史ロマンが広がります。 古代エジプト女王のクレオパトラはどれ程の美女だったのか・・・子供の頃に観た映画「クレオパトラ」で女王を演じた「エリザベス・テイラー」のように本当に綺麗な人だったのだろうか? アレキサンドリアの大図書館が残っていたら、どれだけの多くの知の遺産が残され、その後の歴史が変わったのかも知れないと考えるだけでもわくわくします。

カーターが発見した少年王ツタンカーメンの発掘の歴史、まだ権力が小さかったツタンカーメンの墳墓に埋葬されただけでも凄い数の品々。これも実は他の所有者の副葬品を入れ込んだとのナゾも。 この小さな国王の墓でも莫大な財産なのに、エジプトの歴史に騒然と輝くラムセス三世の墳墓が盗掘にあわなければ一体どれだけの埋葬品が残されていたのだろうか・・・

私も1度は観てみたいと思い、1989年に南周りでエジプトに出かけました(どの航空会社に乗ったのか記憶に残っていませんし、飛行機の写真や畿内での写真も撮っていなかったようです😢)。当時デジタル写真はない時代でしたので、現像した紙の写真を今回スキャナーで取り込んでみました。画質は悪いのですが、紹介したいと思います。

まずは有名なギザの三大ピラミットから紹介します。

初めはもの凄く離れた砂漠地帯に建てられているとその時までは考えていました。ところが・・・

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この写真は当時宿泊したホテルの庭から撮ってものです。ギザ市内からピラミットが見えるのです。何時間もかけて砂漠の中を走って辿りつけると想像していた割にはあっさりと見えたことに愕然としたことを覚えています。
まずはギザの三大ピラミット紹介します。
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スフィンクスのある河岸神殿側からの写真では3つのピラミットが同時に入った写真はありませんでした。上の写真は街と反対側から撮ったもので、奥に僅かに緑がっかった部分がギザの街になります。(向かって右側がメンカフラー王、真ん中にカフラー王、左奥がクフ王のピラミットです)
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今度はナイル川からピラミット側に入った時の写真です。手前がスフィンクスのある河岸神殿群です。ナイル川からピラミットにゆく途中でピラミットを守っているかのように巨大なスフィンクスがありました。随分とナイル川から距離があると感じましたが、実はアスワンダム建設(1970年完成)の影響で、ナイル川の流れが変わったためで、以前はこの神殿の近くまでナイル川が流れていたのです。(上の写真で右がクフ王のピラミッド 、左がカフラー王のピラミット)
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上の写真では中央がカフラー王のピラミットで、左にメンカフラーのピラミットです。カフラー王のピラミットの東側には葬祭殿が創られ、そこからの参道がナイル川まで造られていました。その参道の入り口にピラミットを守る守護像としてカフラー王によって大スフィンクスは建造されたとのこと。

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メンカフラー王のピラミッドは頂上の部分が鏡石のようになっています。かつてはピラミット表面全部がこのように化粧石で被われていたとのことです。当時は光輝いていたのかも知れませんね。

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三大ピラミット中でも1番大きいのがクフ王のピラミッドとなります。高さが140m、底辺の長さが230mもあります。約270〜280万個の巨大な石灰岩を精密に積み上げて、内部の構造も設計段階から計算されて創られています。何年か前にも新しい空間が発見されて王妃のための部屋ではないかと報道されていました。 まだまだこれから解明される部分も沢山残っているのです。
上の写真はクフ王の入り口部分です。本来の入り口は上の方でしたが、ピラミット内に埋葬されて宝物を狙って盗掘者が開けた穴と言われています。 なんと観光客はこの穴を利用して見学するのです(笑)。内部は狭いため、1日限定で300人程が見学可能で、大回廊を上り石棺がある王の間を見学可能です。しかし当初あったであろう宝物はすべて盗掘されていっさい残っていません。一体どれ程の財産が残されていたのでしょうか?・・・それとも当初から別に箇所に埋葬されたのでしょうか?
エジプトはやはり世界中の人々を惹きつけるロマンを秘めた歴史の国でした。

2021年6月27日 (日)

世界を夢みて(248):不思議のメダイの聖母の聖堂

(ココログに書き留めた記事を自分が読みやすいようにHPを作成しましたよろしければご覧頂けると嬉しいです→「ニライの夢」
2019年9月のパリの旅行では丁度(その当時はコロナなどで世界中で旅行が出来ないことなど知るよしもなく)黄色いベスト運動により旅行がスムーズに行えるかどうかを心配していました。コロナで黄色いベスト運動も一蹴されてしまったのでしょうか?
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オルセー美術館を見学し、セーヌ川沿いを散策して、地下鉄に乗り込み、映画ダビンチコードにも出たサン=シュルピス教会に行くためにcharles Michels(シャルル・ミッシェル)駅に向かいました。


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地下鉄から地上に出ると、大きな百貨店のディスプレイを見るだけでも街歩きが楽しくなります。この笑えるセンスはパリらしいです。
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パリの老舗百貨店ボン・マルシェの近くを歩くと不思議のメダイの聖母の聖堂(Chapelle Notre-Dame-de-la-Médaille-Miraculeuse)の小さな入口が見えて来ました。この教会については全く知りませんでした。小さな入口から入ると中は奥行きがあり、長い回廊の先が聖堂となります。
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教会の中は想像した以上に沢山の信者さんや観光客がいました。

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「Chapelle Notre-Dame de la Médaille Miraculeuse(奇跡のメダイユ教会)」は1815から1930年にかけて造られた比較的新しい教会です。この教会の名前が世界中に知れ渡るきっかけになったのは、「奇跡のメダイユ」とよばれるメダルにあります。

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1830年パリではコレラの大流行が起きます。丁度その時に修道女カタリナ・ラブレがマリア様から「人々のために心を込めてメダルを作りなさい」というお告げを受け、メダルを作ります。そのメダルを人々に配ったところ、コレラが収束します。その為にメダルを手にした人に奇跡が起こる、幸福が訪れるということで「奇跡のメダイユ」が世界中で有名になった、というわけです。

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教会に入る前のこの通路の左側に聖カタリナの記録や銅像、右側にメダルが販売されている部屋があります。メダル以外にも色々な物を売っていますので、覗いてみたら如何でしょう。信者でなくても楽しめるかも知れません😅(この教会でしかメダルは買えないようですので、希望する方は買って帰った方がよいかも知れません。私は買いませんでしたので、フランスの方にメダルの写真を送って頂きました。何種類かあるようです)

不思議のメダイの聖母の聖堂の入り口は、余り目立ちませんので、気づかずに通り過ぎてしまう方も多いと思います。信仰心のない私でも楽しめました。宗教的なことはわかりませんが、ヨーロッパ旅行ではこの奇跡の話は時々各地で聞こえて来ます。今回の旅行のルルドを旅した時(→ルルドの泉)と同じ様な印象を受ける教会でした。

2021年6月25日 (金)

今週の生け花(令和3年6月第4週)

東京オリンピックが1ヶ月を切る中で、予想通り東京での新規感染者が増加傾向に転じています。私個人としてはこれまで頑張ってきたアスリートの皆様や純粋に会の成功に携わった方々のことを思うと、東京オリンピックは開催して欲しいと祈っていました。 開催するにしても、感染が拡大するようなら「無観客」で行って欲しいと希望します。 政府や東京都、IOCが希望するように「東京オリンピックは海外からも来賓を招いて、開場も有観客で行うけど、人々は自粛して、学校の遠足や運動会などの行事や各地の伝統行事も中止して感染を抑えて下さい」「会場でも静かにマスクをして盛り上がって下さい」・・・なんて矛盾だらけの政策では誰も実行しません。 今は交信手段が発達していますので、側に必ずしもいなくても感動を共有出来る手段は沢山あると思うのです。会場にいなくても各自が自宅で応援をすれば盛り上がると思います。

・・・毎回のように「ブツブツ」といいながら喋っている私に対して、今週もお花達が「まあ落ち着きなさいよ、自分の仕事をちゃんとやりなさいよ」とささやかれている気が致します😅

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今週の生け花を最初に見た瞬間に頭に浮かんだのは、有名な坂本龍馬の写真でした(右の写真をWikipediaから借用)。
何となく今日の生け花が、肩で風を切るようなイメージを受けてしまいました。 坂本龍馬についてはあまり知っている訳ではありませんが、やはり魅力ある男性です。 
このように花を観てあることをイメージしている時には大凡私の方も疲れ気味となっていることが多いので、コロナに振り回されているせいかも知れません😢
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余計なことを書くと、生け花クラブの皆様から怒られそうです。真ん中にある赤い植物はトーチジンジャーという多年草植物でマレーシアなどの熱帯アジアが原産だそうです。確かにトーチ状に見えますが、見えている箇所は苞で、これが開くと中央に赤い菊のような花が咲きます。私は知りませんでしたが、東南アジアでは煮物やカレー料理の臭味野菜として使われるそうです。
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<花材:カークリコ、トーチジンジャー、姫ヒマワリ、スプレーカーネーション>

2021年6月23日 (水)

コロナワクチン接種に対するQ&A

(今日は76回目の沖縄慰霊の日ですね。24万人以上の尊い命が失われた戦争でした。戦争の風化が進む中でもう一度不戦の誓いを立てなかればならないと感じています。私の叔父さん2人も今の中学・高校生の時期に沖縄戦で鉄血勤皇隊として、無謀な戦闘に駆り出されてなくなりました。 戦争は政治家が起こす最も馬鹿げた解決方法ですが、犠牲を払うのは何の罪も無い若者や非戦闘員であることを、私達は歴史から学ぶ必要があると考えています。) 

さて、今日のFM放送はこの番組でも既に2〜3回は話したかも知れませんが、もう一度コロナワクチンの意義や正確な情報の重要性を説明したいと思います。

この番組を続けて14年ほどになると思いますが、1番気をつけているのは話す内容が「医学的な根拠に基づいているかどうか、多くの教科書にも記載されている事実」になっているどうかです。 テレビやラジオ、インターネットで健康情報が溢れている社会です。 コメンテーターの中には、個人的な意見や考えをあたかも一般的な教科書に書いてあるように話をする方もいます。 面白おかしく話をするのはいいのですが、本当に根拠があるとすれば、学術的な医学論文や世界的な教科書に書いてあることから逸脱してはいけないと考えます。 この場合はあくまで「個人的な意見ですが」と断るべきです。

高齢者にもワクチンが始まり、大規模接種会場や、職域接種も始まっていますが、皆が正確な情報を得ていないことも気になりますので、私が気になったことを今日はお伝えしたいと思います。

今でも多くの方はワクチンを本当に打った方がいいのか、よくないかの疑問を持ちながら、周りに流されて、ワクチンを打ったり、逆に1部の新聞報道などをみて、ワクチンは怖いと勘違いをして、打っていない方も多いと考えています。

私の結論から言うと、これまでワクチンなどでアナフィラキシーを起こしたことがあったり、今現在、肺炎とか急性の感染症でなければ、新型コロナウイルスのワクチンを打った方が良いと考えています。

物事に対して全て100%ではありません。 例えになるかどうか分かりませんが、皆がある場所にたどり着く必要があります。2つの選択肢があります。1つは大きく舗装された道路で、それなりに交通量も多く、料金所でお金も払わないといけません。もう1つは急なゴツゴツした山道を登りますが、お金も払わないで済みます。 大きな道路ですが、交通量が多いので事故に遇うことが2万回に1回あります、山道の方は100名に1人が崖から落ちたりして怪我をします。どちらも100%の保証は出来ませんが、あなたならどちらを選びますか・・・実はコロナのワクチン接種もこれに近いかも知れません。100%はありませんが、正しい情報を得て、自分で決めなければならないのです。

勿論、ワクチンは任意接種ですので、受けたくないなら、受けなくても良いし、受けないからと言って社会や会社などで差別や冷遇を受けてはなりません。正しい情報や根拠を元に各自で判断すべきです。

今日は私自身がここ2ヶ月ほど患者さんや職員と接して疑問に思っていたり、あるいは質問を受ける中からもう一度、コロナワクチンの内容を整理しながら話して行きたいと思っています。

Q-1:ワクチンとはどのようなものなのか?

Q-2:新しいタイプのmRNAワクチンは遺伝子から出来たと聞いているが、私達の遺伝子に関与して、後々人類が違う生き物に変化するような危険はないのか? 急に開発されたワクチンがそもそも本当に安全なのかどうか・・・

Q-3:私は鼻炎などのアレルギーがあるから副作用のアナフィラキシーが心配で打ちたくないけどどうしたらいいの? 心臓病や腎臓の病気などがあり血をさらさらにしている薬ものんでいるし、高血圧などの治療薬も沢山飲んでいるけどワクチンは受けていいの?

Q-4:ワクチンを打ってから死んだ高齢者が県内でも2〜3名いると新聞に書いてあったけど、こんな危険なワクチンを打っていいの? ワクチンを打って死んだら元も子もないじゃないか?

Q-5:打った後、高熱などで休まないといけない人もでているのを聞くけど、自分は若いし自粛もしているからワクチンを打たなくてもデメリットはないのでは?

Q-6:妊娠しているからワクチン接種は出来ないと思うし、でも生まれてくる子供が心配・・どうした方がいいの?

Q-7:色々な変異型がでているのを聞くとワクチン打っても効果がなければ、打っても仕方内じゃないですか? 本当に効果があるの?

Q-8:もう既にコロナウイルスにかかったけど、ワクチンを打つ必要があるの?

・・・このようなことに対する答えを今日はFM放送で説明しました。

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A-1:これまで皆様方が摂取してきたワクチンには、主に3種類がありました。生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドです

・生ワクチンの例として、結核、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)、黄熱病。不活化ワクチンは、百日せき・ポリオ・日本脳炎・インフルエンザ・A型肝炎・髄膜炎菌感染症、狂犬病 など皆様方に取っても馴染みが深いワクチンです。もう1つがトキソイドでジフテリア、破傷風(はしょうふう)などがあります。

これまで使われてきたワクチンはこの3種類ですが、原料となるのは生きたウイルスや細菌です。例えば毎年打っている「インフルエンザのワクチン」を作る過程で、卵などの細胞を使ってインフルエンザを多量に作る必要があります。

A-2:しかし今回の新型コロナウイルス感染症のワクチンで注目されたのが、これまでと違う製法でウイルスの遺伝子を使ったmRNAワクチンです。

・コロナウイルスのmRNAワクチンは、どの従来型ワクチンにも属さない全く新規のものです。ただしmRNAワクチンの技術は、何もコロナウイルスの感染が起こったから開発を進めたのではなくて、既に10年以上前から開発されたバイオテクノロジーを用いた最新医療技術のひとつに過ぎません。

コロナウイルスを認識出来る遺伝子を特定出来ると、この部分だけを分離して使うことで私達はウイルスに対して免疫を作り出すことが出来ます。 ウイルスの遺伝子の中から、必要最低限の部分だけを抜き出しますが、この部分だけでは遺伝子としては何も働きません。 名前が悪かったのかも知れませんが、mRNAワクチンと言っても、遺伝子と言うよりも、単なる塩基配列でしかなくて、これから新しいウイルスが出来る訳ではありませんし、私達の遺伝子に影響を与えることもありません。

例えば、私を認識する場合に、なにも私の全身を全て確認する必要もありません。私の顔写真があれば、初めてあった人でも、これが私だと認識出来る訳です。ですからウイルスの遺伝子の中で、コロナウイルスと認識出来る一部分を抜く出すことが出来たら、これで抗体を作ることが出来る訳です。 ワクチンを造るのに遺伝情報を持ったDNAは必要ないのです。

ついでに話をすると、このmRNAは作り出してしまった後、不安定ですぐに失活してしまいます。この不安定な状況では、いくら作っても人間に注射する時には既に効力がなくなってしまいます。 そのためにこのmRNAを包みこんで安定させるコーティング技術が重要となります。 

コーティングした後に更に安定するために作成後、すぐにファイザー製はマイナス50度に凍結する必要がありますし、モデルナ製もマイナス20度で長期保存できます。 モデルナ製のよいところはマイナス2〜8度でも最大3ヶ月有効に使えるとのことで、ファイザー製よりはやや扱いやすいのが特徴です。ファイザー製は原液を使う時に生理食塩水に薄めて0.3mlずつ注射する必要があり、解凍して、液を加えて、それから0.3mlずつ抜く出すなど、手間ひまがかかります。 ワクチンを接種する皆さん方は気がつかないでしょうが、その準備に裏方では大変な作業があるのです。

A-3:アレルギー反応にかんしてもこのワクチンの製法と関わりがあります。鼻炎などのアレルギー体質だけどこのワクチンを打っていいのと言う質問も多く見受けます。

mRNAをコーティングする技術が開発され、注射剤として既に使用されています。コーティングをする物質が色々あります。いわゆる注射としては「添加剤」にあたる部分です。 この添加剤の主なものに「ポリエチレングリコール」があります。

ワクチンのmRNA自身はアレルギー反応をおこしませんが、この添加物によるアレルギーは起こる事があります。これまでに、添加物の「ポリエチレングリコール」などにより重度のアレルギー反応を起こしたことがある方は、ワクチン接種の対象外となります。

「ポリなんとかとか」と言われても分からないよと言う方が殆どだと思います。

しかしこの「ポリエチレングリコール」は色々な場所で使われている成分です。例えば軟膏剤や化粧品、乳化剤として色々な食品にも入っていて、多くの方は既に日常的に使っている成分です。

またポリエチレングリコールから派生する「ポリソルベート」は様々な薬の添加物に加え、インフルエンザワクチンや13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、ロタウイルスワクチン、ポリオワクチンなど様々なワクチンの添付薬として既に多くの方に使われています。

ですからこれまでインフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどを受けて大丈夫なら、今回のmRNAワクチンの接種も殆ど大丈夫と思います。ですので、高血圧の薬を飲んでいる、血をさらさらにする薬を飲んでいるとか、鼻炎などのアレルギーを持って居る方も、ワクチンを打ってはいけない範疇には入らないのです。

統計上はこのワクチンによるアナフィラキシーよりも、皆様方が薬店で買う風邪薬や頭痛薬の方がアナフィラキシーの確率は高いのです。

皆様方が心配で注射をためらっていることの多くに、副反応、それも死亡例があることが心配で打ちたくないと考えて方も多いと思います。

A:4:最近、沖縄の新聞にも「沖縄県は16日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した後、副反応が疑われる症状が表れた人のうち、2人が死亡していたことを公表した。接種と死亡の因果関係は不明としている」などの記事が出ると、ワクチンを打って死んだら元も子もないじゃないか?と思いませんか?・・私もこれだけ読めば、恐ろしくてワクチンなんか打ちたくありません😅

しかし、新聞にも書いてあるように「接種と死亡の因果関係は不明」となっているのです。 マスコミの方は読者の目を引くように、見出しに「接種後2名死亡」なんて書いていますが、何の根拠もありません。もちろん否定も出来ませんが、もう少し丁寧に書かないと皆の心配を煽るだけの記事になります。

「因果関係は不明だがワクチン接種後2名死亡」との記事について私なりに説明したいと思います。

・・沖縄県を例に例えると、1年間におおよそ12500人がなくなります。1日平均で35名が亡くなっている計算です。癌、心疾患、脳血管疾患が1番多い死因となっていて、当然高齢者が多いと考えます。 沖縄県の死亡原因の中であえて高齢者に多い死因だけ抜き取って考えてみます。 老衰が948名、肺炎641名、誤嚥性肺炎362名だけでも、それだけでも1日5名から6名が亡くなっています。 沖縄県で高齢者のうちワクチンを打った方は1回目で14万人、2回を終えた方が5万にとなっています。高齢者施設などでも接種が行われています。 

なぜ私が長々とこのようなことを話をしたかと言うと、癌や心筋梗塞、脳梗塞などを除いて老衰や肺炎、誤嚥性肺炎で毎日5〜6名が亡くなっている状況で、ワクチンを打っても打たなくてもある程度の死亡数が出ると言うことです。ワクチンを打った後に因果関係ははっきりしないが2名が亡くなっていることの新聞報道をみて、ワクチン接種が怖いという根拠にはならないのです。勿論、医療者として過小評価してはいけないと考えますし、死因との因果関係を調査公表することが重要だと考えています。

 もしもワクチンを打った後に誰も死ななかったとなると、逆にこのワクチンは人間の命を救える薬となってしまいます。 ですので新聞初め報道機関は、きちんと背景も説明して記事にしないと社会不安をあおることにしかなりません

A-5:次はワクチンを打った後の副反応について説明します(既に以前ブログに書いています)。

現在日本でのコロナウイルスのワクチンは、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを使用しています。どちらもmRNAワクチンです。ただ先ほど説明した、mRNAを包み込み基剤によって、副反応や、投与間隔にも違いがあります。

ワクチンですから接種後、身体の中で免疫を作るために色々な反応が起こります。まずは打った後の肩の部分の筋肉痛が多くの方に起こります。微熱から38℃台の高熱になる方もいます。頭痛や風邪症状がでる方もいますが、殆どは2〜3日で軽快します。 若いほど、また男女間では女性の方が副反応が多く出ます。それはやはり若いほど反応が強いことに起因していると考えられます。4〜5日以上続くなら副反応ではなくて他の病気を疑いますので医療機関を受診して下さい。

若いほど接種後の反応が強くなること、若い人は高齢者よりもコロナにかかっても無症状や重篤にならない方も多くいます。 ですから医療関係者でもこのことを心配してワクチンの接種をためらう若い方も多くいます。 

特に若い人にはワクチンは自分を守る手段ですが、同時に家族や同僚、社会を守る役割があることを理解して欲しいと思います。 そして会社の経営者もワクチンを打った後は、2〜3日休んでもいいような勤務態勢を取って欲しいと願っています。

A-6:次は妊婦さんや妊娠を考えている方に対しての答えです。妊娠しているからワクチン接種は出来ないと思うし、生まれてくる子供が心配・・どうした方がいいの?との意見を聞きます。

すでに厚生労働省や産婦人科学会も声明を出しています。妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方でも、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを接種することができるとされています。妊娠後期に新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高くなるという点においては、ワクチン接種のメリットが考えられます。

日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会は、特に人口当たりの感染者が多い地域の方、感染リスクが高い医療従事者、保健介護従事者、重症化リスクの可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方については、積極的に接種を考慮することとしています。 

また、妊娠を計画中の方については、可能ならば妊娠前に接種を受けるようにして下さい。既に妊娠している場合には、妊娠12週以降にワクチン接種を検討下さい。授乳中の女性については、現時点で特段の懸念が認められているわけではなく、海外でも接種の対象とされています。妊娠中の方は産科の医師と相談しながら決めて欲しいと思います。

A:7これまでのデーターでワクチンを2回接種後の感染の予防効果は95%以上あることが確認されています。イギリス型の変異株に対しても同様で、インド型に関しても2回目以降は感染のリスクを下げることはわかっています。これも順次分かってくると考えます。

A:8次の質問もよく受けますが、もう既にコロナウイルスにかかったけど、ワクチンを打つ必要があるの?・・・・コロナにかかっても重症度によって変わりますが、重症者ほと、症状が長引いた人ほど抗体は十分作られているようです。 実際にコロナウイルスに罹った人でも、時間と共に抗体価が低下して来ます。特に軽症や無症状で住んだ人は3ヶ月ぐらい経つと低下して、再感染のリスクが高まって来ます。ですので、実際に新型コロナウイルスに罹った人も、3ヶ月後をめどにワクチンを打った方が良いといわれています。

新聞や雑誌、ネットなどでもワクチンに対する危険性などを書いてあるものが沢山あります。しかし、危険性などを述べるには正確なデーターが必要で、これが発表されるのは世界的にも通用する「学術論文」です。個人的な意見をあたかも正しいと考えるならば、まずは「医学論文に投稿すべきことです」皆様方も正常なデーターを元にワクチン接種に臨んで欲しいと希望します。

・・・と言うことは「私の書いたものも違うかも知れません」ので皆様方も正しい情報を調べて下さいね😅

 

2021年6月20日 (日)

世界を夢みて(247):パリ市内散策(黄色のベスト運動の影響)と窃盗集団

大好きなオルセー美術館を出て、パリ市街の散策に出かけます。

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オルセー美術館の出入り口付近にも沢山の彫刻な並んでいます。奥がセーヌ川となります。
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オルセー美術館を出て、セーヌ川を左に歩くと直ぐに、レオポール・セダール・サンゴール橋が見えて来ます。
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この橋を渡ると向こう側に大きなチュイルリー庭園があり、その中にモネの睡蓮が有名なオランジュリー美術館があります。今回の旅行ではオランジュリー美術館は訪問しませんでしたが、後ほど26年前に行った時の古い写真をブログにアップするつもりでいます。この橋のところまでは、何事もないように普通に渡れるようです。
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橋を渡らずにこのままセーヌ川に沿って歩くと200メートルほどすると立派な建物が見えて来ます。ブルボン宮殿です。現在は国民会議の議事堂として使用されています。

・国民議会(こくみんぎかい、フランス語: Assemblée nationale)は、フランスの下院に相当する議会です。フランスは国民会議と元老院の両院制で国会を構成しています。名称はフランス革命時の国民議会(フランス語: Assemblée nationale)に由来するとのことです。

ちなみに元老院はリュクサンブール宮殿を議事堂として使用しています。


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←これに対してもう1つの元老院はここから少し離れていますが、リュクサンブール宮殿を議事堂として使用しています。

2つの行政府は場所は少し離れていますが、こちらも立派な建物です

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話を戻して、ブルボン宮殿からコンコルト広場に向かうセーヌ川の橋がコンコルド橋となります。今回の旅行の2019年当時は毎週のように土曜日は黄色いベスト運動がフランス各地で活発に行われている状況でした。時々デモ隊の1部が街を破壊する行為もあり、取り締まりが次第に強化されている事態となっていました。 コンコルト広場から有名な凱旋門を結ぶ大通りが有名な「シャンゼリゼ通り」となっています。明日土曜日の大規模な「黄色いベスト運動」を封じ込めるために、パリ警視庁はシャンゼリゼ通り周囲でのデモを封鎖すべく、シャンゼリゼに向かう通路も金曜日の午後から原則通行止めの処置を取っているようでした。
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セーヌ川沿いを散策していると明日の「黄色いベスト運動」に備えて、シャンゼリゼ通りを封鎖するとのことで、シャンゼリゼ通りと交差するコンコルド広場に向かうコンコルド橋も通行禁止となっていました。橋の入り口は警察によって金網が設置され、車も人も完全に出入り禁止となっていました↑。 当然私達観光客も通ることは出来ません。
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コンコルド橋を更にセーヌ川沿いに沿って200m程歩くと、セーヌ川にかかる橋で1番綺麗な橋の1つと言われるアレクサンドリア三世橋が見えて来ました。対岸に見えている大きな建物はプティ・バレで今では市立の美術館などが入っています。

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橋の欄干の彫刻や入り口に立つ塔も綺麗な装飾となっています。夜は更に美しい姿を見せてくれます(後日紹介致します)。4ヵ所の橋の先端部分には金色のペガサスを上に頂いた17mの高さの塔があり、眩い光を放っていました。橋の中央にはセーヌの上流にいるニンフとネバの下流にいるニンフを表した銅像があり、橋の欄干には32本の燭台が連なって綺麗です。
パリの橋だのにいかにもロシアらしい名前と思いませんか?・・・その通りの由来です。
この橋はフランス共和国とロシアの間に結ばれた友好の証として、ニコライ2世により1900年のパリ万国博覧会にあわせて建設され、その後パリ市に寄贈されています。そのため橋の名前はニコライ2世の父の名前をとって「アレクサンドリア三世橋」と名付けられています。パリ市内にロシア皇帝の名前の橋がある所以です。
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アレクサンドリア三世橋は車輌は完全に通行禁止となっていますが、人間の往来は可能のようでした。恐らくこの辺りに住んでいるか、仕事を持っている方なのか警察のセキュリティーチェックの後に橋の通過が認められているようです。私としては欄干の上から写真を撮ることが出来なかったのが残念でした😂
しばらく歩きながら対岸に渡りながら歩いていると、パリ名物?の窃盗集団に囲まれそうになりました。

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今回の観光の途中で若い女の子達(窃盗集団です)から「Do you speak English?」とか単に「English?」と囲まれそうなった事が2回ありました。今回の旅行中に広場で上のイラストのようなことが実際ありました。 その時はなんとジョギングをしていた若い女性がわざと私と女性軍団の間を体当たりしながら通り抜け、私の方には「バックは前に持つようにと」ジェスチャーで注意して走る抜けてくれました。お陰で彼女たちは退散し難を逃れることが出来ました。感謝、感謝です。(ただ若い女性だけや子供の場合は、近くに仲間の男性達がいますので気をつけた方がいいです)

海外では、見知らぬ人から声をかけられたら「まずは注意することが大切です」。命とパスポートは守り抜く必要があります(笑)。

黄色いベスト運動のお陰で、バスなどのダイヤが大きく乱れたり、シャンデリゼ通りなどの閉鎖のために、いつもの通路が違う、または運休状態なども経験・・・これも旅の醍醐味なのです😃

2021年6月18日 (金)

今週の生け花(令和3年6月第3週)

緊急事態宣言が発令されていた沖縄を除く都道府県で解除となるようです。まだ感染が収まっていない状況での解除は次の第5派を既に予想されています。東京オリンピックを開催するためには、緊急事態宣言はまずいと政治判断したのでしょう。政治家の常套手段である「専門家の意見を踏まえて・・・」ですが、実際は「専門家の意見は聞きましたが・・程度です💢」。ワクチンしか対策ありませんので、早く年齢制限や接種券などを取っ払ったほうがワクチンが加速すると考えます。時間とお金をかけて接種券を配布したり調整する自治体の職員もこの業務がなくなれば、人的余裕も出来て、接種会場の係などに回せるのであればよりスムーズに済むと思うのですが・・・。

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今日の生け花を見ながら、スペイン・バロセロナのサグラダ・ファミリア教会の工事現場の風景を思い出してしまいました。いまバルセロナでは急ピッチで中央の尖塔が作り上げられています。 今回の生け花の中央にある黄色の花が朝夕観ていると上に向けて開花している様子が覗えました。
・・・・と言う訳でサクラダファミリア教会の公式ページからの2026年完成予定の動画がありましたので、貼り付けてみます。
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動画の最後の方で中央の尖塔がニョキニョキと仕上がって行く過程が、私の頭の中では生け花の中央にある黄色のエルムルスと重なってしまったのです。 毛私の方は旅行渇望状態になっているかも知れません😅
このブログをアップする直前の写真を撮って来ました。比べてみるとサクラダファミリア教会のようにエレムルスの開花が上方に伸びているのが分かります。こちらはあと少しで完成に近づきそうです(笑)。
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<花材:エレムルス、ひめ水木、ヘリコニア、スプレーカーネーション>

2021年6月16日 (水)

海洋博公園:熱帯ドリームセンター

今日は第3週の水曜日ですので、私のFM放送はありませんので、医療ネタもありません。折角ですので、昨年6月に出かけた海洋博公園内の熱帯ドリームセンターを紹介致します)
沖縄県観光の目玉である海洋博公園は、1975年に沖縄復帰(1972年)を記念して開催された沖縄国際海洋博覧会のメイン会場となり、その後も整備をされています。 最も有名なのが巨大水族館だと思います。私の方は海洋博開催時にも出かけましたが、その後10回程度は訪ねたと思います。何度かリニューアルされ規模も拡大し更に進化を遂げています。 その公園内に、もう1つの隠れた(?)観光スポットの「熱帯ドリームセンター」があります。
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昨年の6月にこの公園を訪ねました。私は仕事以外では人と接触しないように心がけ、勿論、飲食店などの屋内に入ることは避けています。
 コロナ禍では当然海外旅行も行けず、昨年は自宅と病院以外に出かけたのは今回と夜の植物園の計2回だけの完全自粛生活を続けています。
朝早く那覇を出て高速に乗り、沖縄本島北部にある海洋博公園には開園まえに到着しました。恐らく人気のある水族館にはそれなりに観光客が来ていると思いますが、この熱帯ドリームセンターにはまだ誰もいません。

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1番乗りで開園と共の入場しました。このセンターでは年間を通して常設展では2000株以上のランが展示されています。
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大規模な公園内には数名の関係者は見かけましたが、まだ誰も入園者はいませんのでゆっくりと写真が撮れました。

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見たこともないような美しい色や形態の世界中のランが展示されています。

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1年を通じて花を絶やすことのないよう世界的な規模の温室を設け、ランや熱帯果樹・花木等熱帯性の植物を演出展示しているとのことです。流石に国立だから出来る規模だと感じます。

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↑グラマトフィラム スペシオスム。(Grammatophyllum speciosum

熱帯雨林の大木の幹や岩に着生する大型のランで、花の模様が虎柄模様なので、タイガーオーキッドとも呼ばれています。
茎が3mに達するものもあり、その草姿から「世界最大のラン」とも称されているようです。上の写真が世界最大級のランだそうです。美しさは普通ですがやはりデカいです😅
2020年6月の時期に出かけようと思ったのは、沖縄県のローカル新聞に世界最大級のランが開花したとのニュースが載っていたせいです。朝早くドライブしながら出かけて、もしも来園客が多いようならこのまま那覇にUターンするつもりでいました。
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上の写真で木からぶら下がっているものが何だと思います(大きさは長さが12〜25Cmで直径が15Cm程度です)?・・・・正解は「ココアの実」です。1個の実の中に30〜40粒のカカオ豆が入っているそうです。 それ以外にも南国の果実の木も色々と観察出来ました。
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奥に見えるテーブル状の大きな葉はパラグアイオニバスで世界最大のハスの仲間です。直径1m以上あり、葉の上に人が乗ることも出来ます。

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園内には大きな池もあり、珍しい水草やこのように巨大なアロアナも沢山泳いでいるのが観察出来ます。
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熱帯のジャングルのような場所もあり、森林浴を楽しみながら運動不足の解消にもなります。
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公園内にはらせん状の塔があり、ここからの眺めがまた最高です。
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沖縄本島の本部港から伊江島などの離島を結ぶフェリーなどが見えます。奥の平らな島は水納島です。人口50人程の有人島で、砂浜が美しいビーチがあり、観光客にも人気のスポットとなっています。
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海洋博公園から見える中央に尖った山が見えるのが伊江島です。例年ですとゴールデンウィークなどの時期に咲く「百合祭り」ではあたり一面が白い百合に被われ美しい風景をみせてくれます。
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1時間弱の散策を終えて帰途に、私が出る頃にやっとポツポツを来園者の姿が見えて来ました。これから高速に乗って病院のある那覇市には午前中に到着しました。病院で回診を終えて、昼過ぎには自宅に戻りました。久しぶりにリフレッシュ出来る1日でした。
 コロナの感染が収まり早く緊急事態宣言も解除になってほしいですね。残念なことに今現在は緊急事態宣言中の沖縄県ではこの大規模な国立公園も休園中です😢

2021年6月13日 (日)

世界を夢みて(246):オルセー美術館見学No5(その他)

何度かに分けて私の好きな美術館のパリ・オルセー美術館を紹介しましたが、まだまだ紹介したい作品がいっぱいあります。余りに多くの魅力ある作品があり、建物自体が美術品のような美しい美術館(かつての駅舎)です。

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最上階に上がると円筒状の天井がすぐ近くに感じます。
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ジャン=バティスト・カルポー作の「天球を支える世界の四方位」(1867-72年)。4方位は「ヨーロッパ」「アフリカ」「アメリカ」「アジア」のことで、それぞれ4体の女性像であらわされています。
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左側にある彫刻はカルポー「ラ・ダンス」(1868年)。これはオペラ座のファザードの右の入口にある彫刻のオリジナルとのことでした・・・これまで何度かパリ・オペラ座(ガルニエ宮 Palais Garnier)の側を通り、写真も沢山撮ったはずですが、このことを知りませんでした。

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オルセー美術館で「ラ・ダンス」の説明をみて、改めてパリ・オペラ座の写真を観たら1階のファザードの部分に同じ彫刻が写っていました。オペラ座の方が古そうですが、オペラ座の方がコピーでオルセー美術館に飾られているのがオリジナルだそうです(初めて知りました😅)

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どの芸術家の作品かわかりませんが、この彫刻が誰なのかは「以前の私のブログ」を見たら判ると思いますが、翼に剣を持っていて悪魔を足で踏み潰しているのをみたら、これが誰だかは直ぐにわかりますね・・・ヨーロッパで大人気の「大天使ミカエル」様です😊
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大きな美術館だけあって、時間帯によってはこのような大きな空間を独り占め出来るのも贅沢なことだと感じてしまいますね。
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3階、4階は、このようにイギリスとオーストリアのアール・デコラティブのコレクションが展示されたフロア。アール・ヌーヴォー様式で装飾が施された家具や陶器などは、うっとりするほどの美しさです。
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アンドレ・ドラン:チャリング・クロス橋
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アンリ・エドモン・クロス:自画像
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ヴラマンク:ブージバルのレストラン マシーヌ
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セザンヌ:コーヒー沸かしの横にいる女1890−1895年

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フレデリック・バジール:家族の集い(中央)、1867年

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ポール・シニャック:井戸の女性たち

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印象派の有名な女流画家のベルト・モリゾ(Berthe Morisot)の「読書をする少女」です。モリゾは印象派の大御所エドゥアール・マネのモデルを務めながらマネから絵についても多く学んでおり、マネとは1時的に恋愛的な感情を持っていたとも言われています。その後画家としてお互いに影響をしあいながら作品を描き続けます。それでもマネの弟と結婚し、娘も出来て死去するまで精力的に印象派の作品を残しています。柔らかいタッチは女性ならではないでしょうか。
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・・・今回の旅行で撮ってきた写真の10分の1も載せることが出来ませんでした、それ程魅力ある沢山の作品があり、とても一日では堪能出来ません。またいつの日か是非訪れたい美術館です。

2021年6月11日 (金)

今週の生け花(令和3年6月第2週)

沖縄県の新型コロナウイルス感染症の新規発生者数がなかなか減らず、病院でもコロナウイルスに翻弄される日々が続いています。どんなことがあっても情熱と愛情を持って淡々とこの仕事をしないといけないと思うのですが、時々心が折れそうになることもあるのです。まあ若い頃と比べると図太くなったせいで簡単に折れることはないと思い込んでいるのですが・・・😅 こんな時には楽しい旅行などを思い返してリセットしようと考えています。

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今週も2階のいつものスペースに生け花が飾られていました。金属製の花器の上に個性的な花が乗っています。宙に浮いているような丸い黄色の花(頭状花序)は「クラスペディア・ゴールドスティック」で、オーストラリア原産の多年草で、5月頃開花します。
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今週の生け花は通常では単独でも目立つ、ひまわり、ガーベラ、ゴールドスティックですが、相乗効果でそれぞれが上手く調整されているように思います。空間を上手く利用したせいか広々とした印象を与えてくれます。
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2種類のひまわりはゴッホの作品でも出て来ますが、同じひまわりでも随分と違う気がします。何となくイメージとしては右上のひまわりはインカ帝国の太陽神のように感じますし、左下のひまわりは「菊」のような印象を受けます(笑)。
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ゴッホのことを考えていたら、思わず生け花もゴッホ風にアレンジしてみました😅。 何となくゴッホの作品に見えませんか😃
<花材:ゴールドスティック、ひまわり、ガーベラ、千年木>

2021年6月 9日 (水)

円形脱毛症について

今日のFM放送(FMレキオ+FM21)は久々に脱毛について話をしました(脱毛については調べてみたら2013年6月に放送したようです・・もう覚えていません😢) ・・エステなどの脱毛ではありません。内容は男女の脱毛バターンの差、病的な脱毛(円形脱毛、抗がん剤、膠原病など)について話をしました。

脱毛の悩みは中年男性の特有と思われがちですが、約6割の女性の方も悩んでいるそうです。多くの場合は健康上の問題ではなくて、美容上の問題と思いますが・・・以前もブログは「脱毛について」(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-a366.html)をご覧下さい。

今回のブログは円形脱毛症」について記載したいと思います。まあ私は禿げていますが、専門家ではありませんので調べた範囲内で簡単に記載します😅

髪の毛は自然に抜け代わるヘアサイクルがあって、その周期は男性で3〜5年、女性で4〜6年と言われています。個人差はあるでしょうが、何もしなくても3〜6年で抜け落ちてしまう訳です。 そのような自然な抜ける髪ではなくて、まだまだ成長出来る毛根から何らかの原因で髪の毛が抜けてしまう場合があり、それがある範囲で起こることより、円形脱毛として確認されるのです。一部分が抜けてしまうこともありますが、全体に抜けてしまう例もあります。頭髪だけでなく、眉毛やマツゲなどの他、全身の体毛の部分でもこのような現象が起きることも分かっています。

私が医者になった30数年前は「円形脱毛症=ストレスが原因」と考えていました。ストレスと言っても精神的なものだけではありません。病気や事故、手術、疲労、睡眠不足、出産などもストレスに含まれています。

しかし現在では、徐々に病態も解明されつつあるようです(完全ではありません)。円形脱毛症はストレスが原因ではなくて、ストレスが発症のきっかけになり得るということなのです。

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現在では、上の図に書いた様に、円形脱毛症が起こった部分を調べると「頭髪に自己免疫反応」が起こった結果ではないかと推測されるようになっています。 本来なら免疫システムは体内にウイルスや細菌など異物が入ってきた時に、自分とは違うものを排除する防御システムです。 これを行っているのがTリンパ球という白血球の仲間です。これが何らかの原因(ストレスも誘因となり得る)で、自分の正常な毛根を攻撃してしまう「自己免疫反応」を起こしてしまう結果、まで寿命が尽きる前に毛髪が抜けてしまうのです。

治療法は異常な免疫反応を抑制することが主眼となっています。この辺りになると私の知識の範疇を超えますので、お調べになって下さいね(→無責任?、ネットで書いてある以上の知識はありませんので💨(逃げます)😃

2021年6月 6日 (日)

世界を夢みて(245):オルセー美術館・ルノワール作品

フランスの旅行はいつも短い滞在ですのでもしも生きている間に時間が作れたらノンビリとパリを散策したいと願っているのです。 バリには素敵な美術館が沢山あり、時間が許せがもう一度訪ねてみたいです。

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前回はオルセー美術館のゴッホの作品を説明しましたので(→ゴッホ作品)、今回はルノワール(ピエール=オーギュスト・ルノワール:Pierre-Auguste Renoir ;1841年〜1919年)の作品を紹介します。

ルノワールは、1841年にフランス中西部の町に生まれました。13歳で磁器工場で働き始め、陶磁の絵付け職人として才能を発揮します。20歳の時に画塾に入り、印象派の絵画制作を始めます。また、1862年には国立美術学校にも入学しました。作品を出してゆきますが、しばらくは売れない時期がありますが、1879年のサロン・ド・パリでは高評価を獲得し、画家としての地位を確立します。ゴッホと違い1919年に亡くなるまでの長い期間にわたり絵画を描き続けました。


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Youg Girl at the Piano:ピアノに寄る娘たち1892年
印象派の大御所ルノワールの作品もオルセー美術館の目玉に1つです。前回のゴッホの作品の後にルノワールを載せると、同じ画家でも表現が全く違うことが分かります。どちらが優位かではなくて、絵画での人間の表現能力の可能性をみせてくれます。「ピアノに寄る娘たち」はルノワールの真骨頂ともいうべき、柔らかい光に包まれた甘くて優しいタッチの作品です。ルノワールもこの「ピアノと少女」を描いた作品を5点ほど残しています。


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ルノワール:ムラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会(1876年)
ムラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会を描くにあたり、ルノワールはこの絵の背景となる場所が見える、ダンスホールで絵を描くことにしたそうです。現在、オルセー美術館にある絵は「131×175Cm」の大きい方の作品です。実はこの絵を描く時にダンスホールのこの大きさのキャンバスを持ち込むのは困難であった為に、半分ほどのキャンバスを持ち込んで、ダンスホールで絵を描いたそうです。それを元に自身のアトリエでオルセー美術館にある大きさの絵を描いたとのことです。
ですから同じ絵が「大きいサイズ」と「小さいサイズ」の2種類が存在することになっています。
前回のブログで紹介したゴッホの「医師ガシェの肖像」の第1バージョンとルノワールの「ムラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会 」の小さい方の作品も実は1時期日本にあったのですよ・・・大昭和製紙(現・日本製紙)の名誉会長の斉藤了英氏がバブル全盛期の1990年(平成2年)5月フィンセント・ファン・ゴッホの「医師ガシェの肖像」を125億円で、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会(小さい方)」を119億円で落札して話題となっていました。 その後バブルの崩壊で手放すことに・・・第1バージョンの「医師ガシェの肖像」はサザビーズで非公開のオーストリア出身の方が落札しましたが、現在実際何処にあるのか不明だそうです。小さい方のルノワールの作品はスイス人と言われる海外のコレクターに売却されています・・・両作品とも非公開のようです・・・大金で落札したでしょうが、これらの作品は人類の宝物ですので、公開するのが人としての責務だと思うのですが・・・*

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ルノワール:都会のダンス(左)・田舎ダンス(右)
ルノワールの「都会のダンス」と「田舎のダンス」は似たような構図で描かれています。この2つの絵とも画商デュラン・リュエルの家の装飾用に作成された作品です。男性のモデルは親友であった画家のポール・ロートが務めています。女性の方は違う人物です。「都会のダンス」のモデルを務めたのは社交的であったシュザンヌ・ヴァラドンで髪型や身につける衣服や装飾も都会的で洗練されています。 一方「田舎のダンス」のモデルは田舎娘のアリーヌ・シャリゴ が勤めています。 帽子や手袋や衣装で都会のそれと比べると鈍くささが残っています。 絵を描いた当時ルノワールはタイプの違うショザンヌとアリーナに心ひかれたようです。 描かれた作品を観れば、ルノワールが最終的に心を奪われた女性が分かります。 さてどちらに心を引かれたのでしょう?😊

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ルノワールは都会のダンスでは洗練されたショザンヌの後ろ姿を描いていますが、田舎娘のアリーナに関しては彼女の穏やかな表情を正面に描いています・・・そう、ルノワールは穏やかで癒やし系のアリーナに心が奪われて行きます。その後ルノワールはアリーナと結婚することになるのです。この作品はルノワールの当時の心を映し出す作品でもあったのでしょうか😊
韓国ドラマが好きな方ならこの田舎のダンスはきっと興味がある人がいると思いますので、次いでのこれも載せておきましょう😸

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韓国ドラマの「彼女は綺麗だった」で、ルノワールの「田舎のダンス」のパズルが使われます(私はこのドラマを観るまでは「田舎のダンス」のこの部分のことを知りませんでした)。男性の主人公のチ・ソンジュンがニューヨークへ旅立つ時に初恋の相手のキム・ヘジンにこのパズルの1つのピース(丁度上の写真の右側の部分)を渡して旅立ちます(いつか再開した時にこの1つのピースを繋げて絵を完成することを期待して)。 このドラマではルノワールの左隅にいる女性(=ドラマでは「のぞくお姉さん」と呼ばれています)が「ダンスをしている男性を片想いしている」と推測しています。 今回の旅行でのこの作品を拡大すると、女性だけではなくて帽子を被った髭の男性もいますので(私にはそのように見えます)、その村の男女が自分達も踊りながら憧れを持って絵の中で踊る二人をみていたのかも知れません。
・・・作品を色々な角度から想像してみるのも楽しいものですね💖

2021年6月 4日 (金)

今週の生け花(令和3年6月第1週)

コロナの感染が蔓延した沖縄県ではとうとう高校が休校を余儀なくされ、恐らく小・中高校、幼稚園も休校になるのかもしれません。緊急事態宣言が発令されても、東京を初め大都市圏で思うように感染の低下が認められていません。 緊急事態宣言の発令や解除に対してはっきりとした基準を示さなかったり、国民には我慢を要請しながら、生活の支援を行わない。 こんな状況、それも50日を切った東京オリンピックの開催についても、はっきりとしたことを言い出せない政府に対して、国民は不信感を持っているのだと感じてしまうのです。

分科会の尾身会長が緊急事態宣言(=非日常)下で開催はあり得ないことを話をしたら、今度はこれは公式な話ではないと厚生労働省大臣が横やりを入れる事態。 私達多くの医療者や研究者は、日々のデーターを参考に学問的に正しいと思われる意見を言っているだけです。 しかしそれを嫌に思うIOCや政治家は「状況がどうであろうと、五輪開催しかない」と考えている訳です。 知識を元に理論的に考える意見と利得で物事を考える意見では全く違うことも出てくるはずす。 私の様なヤブ医者でも、今の状況では五輪開催は難しいと考えます。 しかし医療者と言うのはどのような事態になっても国民を含めた人間の命を守ることに徹するのが義務と考えています。 東京オリンピックまであと僅かしかありません。中止なら中止と、もし開催するのであれば、何が1番感染を広げずに安全・安心の大会を開催できるかどうかのロードマップを示すべき時期です。もう待ったなしです。 どちらにせよ腹をくくって宣言すべきだと思うのですが・・💢

 

私のイライラをよそに、2階のいつもの場所にも生け花クラブの皆様がお花を飾ってくれていました😀・・観ながら心を落ち着かせましょう・・💕

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丸いお椀のような赤い花器と上方にアンスリュームの赤が連動しているように感じます。ヘリコリア、リューカデンドロン、シャクヤクの茎や葉はとても力強く、生け花全体としても難攻不落で丈夫な要塞の様に感じてしまいます😅
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アガパンサスは南アフリカ原産のユリ科の多年草です。茎がスッーと伸びて、てっぺんに花火が開いたように球状に紫の花を咲かせます。学名のAgapanthus(アガパンサス)は、ギリシャ語で愛を意味する「agape」と花を意味する「anthos」が語源となっているとのことです。それだけでも愛らしい感じがしますね。和名では「紫君子蘭」と呼ばれ、日本語でもやはり綺麗な花をイメージしますね😃

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まだ蕾の状態のリューカデンドロンもアガパンサスと同じ南アフリカ産だとのこと。ヤマモガシ科の低木で、葉や花も独特で花が咲き始めるとまた違う印象が出て来ます。まだ花が十分開いていませんが、シャクヤクはアジア原産の多年草で昔から親しまれていますね。 これが花開くと似ているのが「牡丹(ボタン)の花」で、私も時々間違えますが、ボタンは落葉低木で「木」として扱われますが、芍薬(シャクヤク)」は「草」として分類される違う植物となります。

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コロナなんかに負けずに頑張ろう!
<花材:ヘリコリア、アガパンサス、リューカデンドロン、シャクヤク>

2021年6月 2日 (水)

鼠径ヘルニアについて

今日のFM放送(FMレキオ、FM21:18〜19時)で放送したヘルニアについて話をしました。以前書いたヘルニアの特集を再編集しました。

「ヘルニア」って 聞いたことがありますか? 恐らくよく聞く病名と思います。 ヘルニアと言っただけでは、人によって全く違う病態を考えてしまうだろうと、私は想像しています。

実は色々な名前のヘルニアがあります。まず「ヘルニア」という言葉の定義を述べてみます。

 ヘルニアとは臓器またはある組織が、元々あった場所から、直接その横から飛び出すことを言います。 ですから、実際に「○○ヘルニア」など沢山の病名が存在します。 それを区別するため、飛び出した臓器や場所を頭につけて「○○ヘルニア」という病名にして区別している訳なんです。 

 たとえば足の付け根のところは医学用語では、鼠径部(そけいぶ)と呼びますので、その場所にお腹の腸などが飛び出すことを「鼠径ヘルニア」と言っています(俗に言う脱腸です)。

 腰椎には椎間板という腰の骨と骨の間のクッションの役割をする軟骨組織があり、それが重いものを持ったときなどに飛び出してしまい、神経を圧迫して痛みを生じる場合があります。 

ではこの場合は Q:何ヘルニアと言うのでしょう?。・・・・A:そうです。「腰椎椎間板ヘルニア」といいますね。 皆様方も急に医学用語を使いこなせた気になりませんでしたか?(*^m^) 

外科の日常診療で一番遭遇するヘルニアは鼠径ヘルニアです、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。

脱腸と俗に言われている鼠径(そけい)ヘルニアは子供の病気と思われていますが、実際は子供よりも成人に多くみられます。しかしその発症のメカニズムも治療・手術方法も子供と大人の場合では異なってきます。

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<鼠径ヘルニアの症状は? >

 初期のころは、立ったり、お腹に力を入れた時(子供の場合は泣いた時など)、鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかい腫れができます。しかし力を抜いたり、指で押さえると引っ込みます。

 また 鼠径部に何か出てくる感じがしてきますが、それはお腹の中から腸や腹腔内の組織がはみ出てくるために起きる症状です。腸が脱出することが多いために「脱腸」と呼ばれるようになったのです。必ずしも飛び出してくるのは腸だけでなく、お腹の大網や腸の脂肪部分だったり、女性だったら卵巣だったりと様々です。

小児期の一時期を除いて、自然に治ることはなく、手術が必要となります。

 いつもは出たり引っ込んだりするのに、この腫れが急に硬くなったり、押さえても引っ込まなくなると、お腹が痛くなったり吐いたりします。この状態になってしまうと、飛び出した腸が次第に腫れて、更に引っ込まなくなります。 経時的に入り込んだ部分の腸の血液が流れなくなり腸が腐ってきます。この様な状態では発症から5〜6時間で急いで手術をしなければなりません。放っておくと、お腹を開けて、腐った腸を切除しつなぎ直さなければならなくなり、場合によっては命にかかわることになります。 鼠径ヘルニアと診断されたら治療法は手術しかありませんので手術の次期のご検討をされて下さい。

おおよそ、小学校入学までに起こる小児の鼠径ヘルニアは先天的に鼠径部のヘルニアの通り道が通常より大きいために起こります。それに対し大人ではヘルニアの通り道の筋肉を含めた周囲組織が緩んできてヘルニアとなります。子供の場合はヘルニアの出口を縛ってしまえば手術は終了で、筋肉をよせたり補強する必要はありません。

大人では基本的にメッシュという補強用の布を使用して、広がった穴(ヘルニア門)を修復する手術を行います。そけい部の皮膚を切開して、直接上方から腹膜の上まで剥離してから補強する方法と、腹腔鏡を使って、お腹の中からヘルニアの入り口を塞ぐ方法が主流です。それぞれ一長一短がありますので、担当医と相談して方法を選択されたらいいと考えます。

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