コロナウイスル接種の手続きや副反応について
先進国の中で1番遅れて、新型コロナウイルスワクチン接種が始まっています。オリンピック開催の最低条件として国民の大多数が予防接種を終えていることだと思うのですが(本気で東京オリンピックを開催すると考えているのか不思議です)
それでも各地でコロナウイルスの予防接種が始まっていると思いますので、今日(2021年5月5日)までに私が分かる範囲内で説明致します。これから随時変わると思いますので、皆様方も情報を仕入れて下さいね。
現時点で日本で使われている、あるいはこれから使う予定の、ファイザー製もモデルナ製もmRNAワクチンです。それについては(→mRNAワクチンについて)を参考にして下さい。
そろそろ65歳以上の方には「ワクチン接種の案内」が届いているかも知れません。(これがないとまず始まりません)
こらからの一般的なワクチン接種の流れについて説明します。
・大まかな流れですが、お住まいの市町村から個人宛に「ワクチンの接種券」が郵送されるはずですので、待っていて下さい。時々、間違えるのが、65歳以上で65,70,75,80.85,90,95.100歳に送られてくる「肺炎球菌ワクチン」とは違いますので、新型コロナウイルスのワクチン接種であることを確認下さい。
・受け取ったらご自身で予約しなければいけません。ワクチン接種券が届いても、ただ待っていても市町村が手続きをするわけではありません(←実際間違っていた私の患者さんもいました)。接種券などに、お住まいの地域の予約をする電話番号があります。
今のところネットなどの予約ができる箇所は少ないと思います。書いてある電話で予約を取ります。電話が繫がらないなど苦情はありますが、繫がらないからと言って役場や病院に行っても無理ですので、電話を頑張っておかけ下さい。
・そこで予約が出来れば、何日の何時に、どの場所(接種会場)に出かけて受付をして下さい。この時に送って来た接種券以外に、本人の確認が出来る運転免許証や保険証などを持参して下さい。
・会場では問診票のチェック、その後医師による予診や接種が行われます。
ただし、これまでにアナフィラキシーという重篤な状態に有る方、重度な免疫不全などの受けられない方も出て来ます。 この問診票の記載の中にこれまでに心臓病や脳卒中などで通院中の場合に「主治医が接種してもよいかどうか聴きましたか」と言う欄がありますので、ワクチン接種までに主治医の病院に出かける時には、一言「私はコロナのワクチンを打っていいですよね」と聞いて下さいね。
その後に、接種会場で、健常状態、これまでの既往症、内服などの状況、接種可能かどうかを判断する医師の予診が行われます。これで問題なければワクチン接種となります。
・・・恐らくこの受付を開始して、医師の予診が終了するまでに時間がかかると思います。
・受ける場合には上腕の三角筋に打ちますので、接種の時には腕の付け根ぐらいまで、袖がまくれるような服装でゆくようにして下さい。ドックのように会場に着て着替えなどは出来ないと思いますので、注意下さい。
筋肉注射を打った後、気分不良や体調不良がないかどうか、もちろんアナフィラキシーショックが出ないかを会場や病院で30分程度待機して貰います。 その後はワクチン接種を受けたシールを貼った用紙と次回の案内も受けて帰宅となります。
<現時点で日本人の投与で分かっている副反応について>:(厚生労働省のホームページからご覧になれます。)要約を書いておきます。
<接種部位の反応>
- 接種部位の反応の頻度は、1回目と2回目の接種で大きな差はありませんでした。 このワクチンは筋肉注射ですので、上腕の三角筋の中に注射をします。この注射した部位の発赤、腫脹、硬結の反応があり、いずれも翌日と翌々日が多く出ています。最初の投与、その後3週間後に2回目の筋肉注射をします。 打った部位の発赤は、当日が4%、翌日が12%、翌々日が11〜13%となっています。 打った部位の腫れは最大で12%、硬結は最大で9%の方が訴えていますが、打った後の2日目からは徐々に少なくなります。
- 接種した部位の痛みについてですが、こちらは多くの方が訴えられています。こちらも1回目の接種と2回目の接種で頻度は変わりませんでした。
痛みはほぼ90%がありますが、翌日がピークで徐々に低下します。熱間は1回目が最大10%、2回目が14%、で翌日がピークです。痒みに関しては6〜8%ですが、こちらは打ってから2〜3日後が1番多くなっています。こちらも次第に低下いてゆきます。
<全身反応>こちらの方が気になるかも知れませんね。主に頭痛、全身倦怠感、鼻水などです。こちらは1回目よりも2回目が多く出ることが分かっています。
- 頭痛に関しては1回目が13%で2回目は48%ですので、②回目の方が圧倒的に多いようです。これも翌日がピークで徐々に低下します。
- 風邪の初期症状のような全身倦怠感は1回は20%で2回目が70%でこれも圧倒的に2回目が多くなりますが、これも翌日をピークに低下します。
- 鼻水に関しては1回目8%、2回目12%となっています。
次に発熱に関してです。37.5度以上の発熱に関してはまず年齢差なども出ていますので全体の数を示します。1回目で数%で、2回目は多くなり約半数が経験します。これもピークは翌日のとなります。 反応の違いか何か分かりませんが、年齢別にみると若いほど頻度が高く、男女別にみると女性の方が多く発熱するようです。 もちろん推測ですが、若いほど反応が強いのは予想されますし、男女差があるのは、男女の体格差があるのかも知れません。これは分かりませんので推測ですが、男性より女性の方が体つきは小さいのですが、ワクチンの投与量は一律同じですので、この差が出ているのかも知れません・・_・分かりません😅
頭痛に関してですが、これも発熱と似た傾向があります。1回目より2回目が多く、若いほど、男女間では女性に多い結果となっています。1回目で平均で20%、2回目で63%の方が経験しますが、これも打ったと2日目をピークに減少します。
これらの反応は、ワクチンを打った後に、人間の体が反応して抗体を作り出している結果の表れでもあるわけで、ワクチンを打って全く反応がなければ、逆に抗体もつくられていないのかも知れません。
やはり気になるのは重篤な副反応で、アナフィラキシーとか死亡例に関してだと思います。
厚生労働省の統計によると4月25日までに日本で接種した271万回の報告で、アナフィラキシーだされたのが94件で死亡例が12件あるとされています。現時点で死亡件数に関しては欧米の報告と同じ頻度だとのことですが、アナフィラキシーに関してはやや日本人に多いとしていますが、現時点ではワクチン接種のメリットの方がリスクを上回ると結論して、日本においてもワクチン接種を勧める方向となっています。
死亡例が12件とすると、今日のリスナーの皆様もこれは大変だと考えている思い、ワクチンを辞めようと考える方も出るかも知れません。 死亡例は高齢者が殆どで、基礎疾患を有していますのでワクチンそのものが死亡原因かどうかが分からないのです。他の病気で亡くなったり、寿命だったかも知れないのです。
ただ、これから高齢者の接種が本格化しますので、注意は今後も必要と思われます。
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こんばんわ・・・
丁寧な説明を有難うございます。
どんどん広がっている感染に、早く接種をやりたいな、そう思いつつも不安が
ない分けでもありません。
それは既往症あり、また治療薬等を服用しているからです。一昨年は気管支炎で
入院もしました。
そんなことから不安を抱えています。
主治医の先生に一度伺ったことがありました。先生曰く・・・接種してリスクあっても、
しないで感染のリスクを考えれば、接種はした方が良いだろうとの事でした。
市から接種券が送られてきました。しかし、予約にあっては電話が繋がらず、その
うちに人数に達したとこと。対象者が9千人でワクチンは900人分でした。
この先どうなるのか、なかなか検討のつかないコロナワクチン接種です・・・
投稿: でんでん大将 | 2021年5月 5日 (水) 20時27分
omoromachi先生今晩は。
細かな説明文ありがとうございました。予診票についてもとても分かり易かったです。1つ質問ですが、私も高血圧で開業医を受診しております。高血圧の場合も予診票の主治医にワクチン接種の有無について確認が必要なのでしょうか? もしお分かりになりましたら教えて頂ければ幸いです。
これまで毎月でしたが、コロナウイルス感染後は蜜を避けるために2ヶ月分処方してもらっています。次は2ヶ月後になり、ワクチン接種と微妙なのです。
死亡例の報告があり、やはり不安感はありますが、それ以上のメリットが高齢者にあると理解しています。私も今後可能な限り早めに接種したいと考えています。
先ほどのニュース番組で医療者側からすると東京オリンピックは無理なような発言がありました。私もこの時期に緊急事態宣言で尚かつワクチン接種が遅れているのを考えると、無観客か中止が妥当と思いました。
医療機関の皆様方には本当に頭が下がります。先生もご無理なさらずにお体ご自愛下さい。
投稿: 信州の隠居老人 | 2021年5月 5日 (水) 20時55分
でんでん大将さん、こんばんは。
これからのことを考えると、ワクチンが早く全国民に行き渡ることが重要です。長くなればそれだけ感染が広がるとともに長引きますので、ウイルスの性格上、次第に新たに変異したウイルスが出現する可能性もあります。
大将さんは喘息発作などもあったようですが、逆に言えば呼吸器が弱い方が新型コロナにかかる方が何十倍もリスクが高くなると考えています。 喘息があってもこれまでワクチンや薬でアナフィラキシーなどがなければ打った方がよいと思います。
ただし供給量が限られていますし、電話窓口の混雑と対応の悪さでこれからもしばらく大変だと思います。
どうにか諦めずに、連絡を取って予約が出来るようにして頂きたく思います。
投稿: omoromachi | 2021年5月 5日 (水) 21時01分
信州の隠居老人さん、こんばんは。
ワクチン接種券が届いたのでしょうか? 基本的に高血圧なら予診票の欄の主治医に聞く必要はないと考えます。 受診の時には、これまでのお薬手帳を持参すれば、何を飲んでいるか直ぐに伝えることも可能です。
現時点ではワクチンと死亡例の因果関係は分かっていません。これぐらいの大規模な予防接種になると、必ずこの観察期間に亡くなる方が出ます。今のところ接種をする方がメリットが高いと考えています。これから日本の高齢者のデータも次々と出るはずですので、注意してご覧になって下さい。
連日報道されているように、医療機関は大変な状況も多いのです。私は1年以上前からワクチンの重要性を話していましたし、東京オリンピック主催国としては世界で最速でワクチン終了をしないとホストとして世界中の人々を迎入れることは出来ないと考えて、ブログなどでも書いていました。
選手の為を思うと無観客でも行って欲しいですが、IOCがどう結論を出すかどうかですね。
投稿: omoromachi | 2021年5月 5日 (水) 21時11分
先生、お疲れ様です!
貴重なことを沢山教えていただき感謝しています。
私は、アレルギーが色々あるし、頭痛になっても飲む薬も無い?
みたいなので、ワクチンしないと思います。多くに方々に、受けて頂けるのを待つのみです。
アメリカ、オレゴンにいる友人からメールが来て、13歳くらいの子どもにも接種が済んでいると聞いて驚いています。日本はどうなの?と聞かれましたが、
これからオリンピックを開催しようとしてる国なのに、恥ずかしい思いです。(-_-;)
相変わらず、記事を更新できない忙しい日々を送っていますが、
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。(^^)/
投稿: 由津子 | 2021年5月13日 (木) 13時45分
由津子さん、こんばんは。
由津子さんは、色々な薬にアレルギー症状や合わないようですので無理して接種する必要はないと思います。 大変ですが、日本で感染が終息するまでは感染予防を徹底されて下さいね。
世界は経済の再開や夏のバカンスシーズンに向けて、予防接種を加速化させています。夏にオリンピックを迎える日本は情けない状況で世界に向けて恥ずかしいです。 由津子さんの友人のいる米国では対象者を子供にまで広げるぐらいになっていますので、本当に羨ましいです。
記事は時間が出来たり、体調がいい時に更新されたらいいと思います。これからも体調管理に気をつけてお過ごし下さいね💖
投稿: omoromachi | 2021年5月13日 (木) 21時16分
先生、お疲れ様です。
しかしながら、mRNAワクチンは、初めてのタイプだということで、
副反応だけでなく、数年後…今後どういう形で私たちの身体に変化が起こるのか
恐れている人も多いと思います。
抗体依存性感染増強(ADE)が発生するかも…とか??
それよりも、今は、感染者数を減らすということでしょうか?
素人なのにスミマセン。
投稿: 由津子 | 2021年5月15日 (土) 17時19分
由津子さん、こんばんは。
mRNAというネーミングでなんとなく遺伝子に影響を与えると考えている方もいるようです。mRNAですが、単に抗体を生み出す物質と考えた方が正解だと思います。これが残って私達のDNAに影響を与えることはありません。
抗体依存性感染増強(ADE)ですか? 随分と稀な現象を考えているようですね。確かにいわゆる免疫の暴走が起きて、かえって危険な状態になることもあります。 ただ世界中でこれまでもの凄い数のワクチンが接種されていますが、私の知る限りADEが起こりやすいことはなさそうです。
もともとウイスルは変異を短期間に起こしてゆきます。世界で感染が長引けば長引くほど、これまでと違うウイルス変異株が出てくることを心配しています。ワクチンを含む集団免疫が出来て、このウイルスをいったん沈静化させることは重要だと考えています。
投稿: omoromachi | 2021年5月15日 (土) 20時32分