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2021年3月 3日 (水)

骨粗鬆症の原因と治療薬

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com/)。
骨粗鬆症についてはこれまでにも何度か書きました(高齢者では男性も骨粗鬆症に注意 骨粗鬆と宇宙飛行士。 骨の構造と役割とカルシウム。

今回は骨粗鬆症の治療薬についてまとめたいと思います

人間の身体は加齢と共に骨密度が低下してゆきます。骨粗鬆が進んだ高齢では、僅かな外力でも骨折を来しやすくなり、その後に寝たきりとなり生活の質を損なうことも多く認められます。ですので特に高齢者の骨粗しょう症治療の目的は、骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。 骨粗しょう症の発病には、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。まずは日頃から食事の改善や日頃の運動を取り入れることが治療の大前提となります。食事療法や運動療法を行い、足りない部分を治療薬で補強することが基本となります。

昔からカルシウム製剤や活性型のビタミンDなどが一般的でしたが、最近は様々な病態に合わせた治療薬が開発されて、臨床で使われるようになりました。投与法も飲み薬や注射製剤もあり、それぞれが患者さんに併せて投与間隔も選べるなど様々な種類が増えて来ました(その分より複雑となってきた感じがします)

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骨は常に生まれ変わっています。骨芽細胞と破骨細胞のバランスが崩れると骨粗鬆症となります。年齢と共に骨芽細胞よりも破骨細胞の方が相対的に強くなります。特に閉経後の女性は顕著にでます。非常に単純に言えば(←私の単純な頭ですが😢)骨粗鬆症の治療は、骨の原料となる栄養素を補充するか破骨細胞の力を弱めるか骨芽細胞の力を強めるかになります。そのことを考えながら治療薬を列挙してみました。

<骨粗鬆(そしょう)症の治療薬>

骨粗鬆症の薬は大きく3つに分類されます。

(1) 骨が壊されるのを抑える薬

①女性ホルモン製剤(エストロゲン);女性ホルモンの減少に起因した骨粗しょう症に有効です。閉経期のさまざまな更年期症状を軽くし、併せて骨粗しょう症を治療する目的で用いられます。

②ビスフォスフォネート製剤:破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑えることで、骨密度を増やす作用があります。 経口剤、注射剤などがあります。服用の仕方として4週間に1回、1週間に1回、1日に1回などがあります。

③SERM(塩酸ラロキシフェン、バゼドキシフェン酢酸塩):骨に対しては、エストロゲンと似た作用で骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。

④カルシトニン製剤:骨吸収を抑制する注射薬ですが、強い鎮痛作用も認められています。骨粗しょう症に伴う背中や腰の痛みに対して用いられます。

⑤デノスマブ(抗ランクル抗体薬):破骨細胞の形成や活性化に関わるたんぱく質(LANKリガンド)に作用して、骨吸収を抑制します。6ヵ月に1回の皮下注射のため、継続しやすいというメリットがあります。

 

(2) 骨が作られるのを促す薬

①活性型ビタミンD3製剤:以前からカルシウム製剤と同様に処方されていた薬です。活性型のビタミンD3は食事で摂取したカルシウムの腸管からの吸収を増す働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。カルシウム製剤と併せて出すことが多い薬です。

②ビタミンK2製剤:骨形成を促進する作用があり骨折の予防効果が認められています。

③テリパラチド(副甲状腺ホルモン):新しい骨をつくる骨芽細胞を活性化させ、骨強度を高めます。骨密度が非常に低いなど骨折リスクが高い患者さんに適した薬です。現在、1日1回患者さんが自分で注射をする皮下注射剤と、週1回医療機関で皮下注射してもらうタイプとがあります。

(3) その他(骨を作る栄養素を補う)

①カルシウム製剤:古くから骨粗鬆症の治療として使われていますが、吸収されやすい工夫やビタミンDと併せて飲む機会が多いです。骨粗しょう症患者さんでは食事の摂取と薬の摂取量をあわせて1000mgが望ましいとされています。


②これらの薬以外にも、イプリフラボンタンパク同化ホルモン製剤などが処方される場合もあります。


骨粗鬆症の治療薬には最近様々な投与法、投与間隔の違いがある新規の薬も開発されて効果が出ているようです。 どの薬がいいのですかと、外来で質問を受けることがありますが、まずは専門家の意見を聞くように促しています。男性や閉経前の女性ならエストロゲン製剤を投与する必要はありませんし、閉経後日が浅い女性や中高齢男性で破骨細胞がまだ活発でない時にビスフォスネート製剤を投与しても効果が期待出来ません。飲み忘れが多い場合には毎日がいい場合もありますし、逆に毎週何曜日とか毎月何日と管理できれば、週1回や月1回の方が便利な場合もあります。通院が難しい方や認知症のある方などは半年に1回の注射が便利な場合もあります。

専門外の私のまとめですので、それぞれの個人の使い分けは、整形外科などの主治医の先生と相談して決定くださいね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
今回も私に大きく関わるお話を
ありがとうございました。

骨密度は同年齢比は130%ありますが、
若年成人比が82%程です!
骨密度は正常ですが、4週に一回のボノテオと
毎朝1錠のエディロール服用です。
この所、筋肉量も少し増えていますが、
歩きが少ないですからね?

マコママさん、こんばんは。

骨粗鬆症は日本人で1000万人いらっしゃると考えられます。マコママさんもこの1人だったのですね。マコママさんの骨密度の成績は良好ですよ。

今、1ヶ月製剤と毎日の内服を行っているのですね。主治医の先生の意見を聞きながら治療を続けて下さい。運動することも骨の刺激になりますので、コロナ禍ではありますが、少しでも運動するように心掛けて下さいね。いつもありがとうございます💖

いつも素晴らしい記事ありがとうございます。
ホームページもお作りになり拝見致しました。
旅行記や音楽、医療を大変興味深く読まさせて
貰っております。
現在のところ私の妻もこの種の薬を飲んでおり
ます。一昨年足の甲の骨を折ってしまい、その折
骨粗鬆症が判明し、内服を続けております。
妻からの質問ですが、この種の薬はいつまで続け
たほうがよいのでしょうか? 専門外と思いますが
分かる範囲で教えて貰えたら有難いとのことです。
(何分、主治医にはいつまでとは聞きづらい
ようです)

信州の隠居老人さん、こんばんは。

ホームページも読んで頂きありがとうございます。 私の老後の楽しみに作ってみました。 もしも読んでくれる方がいらっしゃると嬉しいです。

奥様の方が骨粗鬆のお薬を飲まれているのですね。内服をどれぐらい続けるのかは難しいところだと思います。もちろんカルシウムやビタミンDなどは長期に飲まれた方がよいと考えます。

新規のお薬はまずは5年程度が目安になると考えています。これ以上続けると逆に骨が硬くなり過ぎて病的骨折を起こすことも報告されています。続けるかどうかの色々な検査もあるようですので、専門の整形外科の先生とご相談されて欲しいと思います。 まだまだ主治医に聞きにくい環境が日本にあるようですね。 医療者として反省致します。

こんにちは。
ちょうど、この間、骨密度の測定をしたところだったので、
興味深い記事でした。
まだ抗がん剤の副作用が抜けていなくて、体重が10キロくらい
重かったりするのですけど(利尿剤で少しずつ改善中です)、
ホルモン剤を復活したので、骨密度の状態を調べておこう
ということなのです。
結果は次に病院に行ったときに聞くのですが、日ごろの運動や
食生活でどのくらいの値が出るのか分かりませんが、もし薬が出るなら、どんな薬になるかなど、参考になります。
ありがとうございました。

ふうちゃん組さん、こんばんは。

いま治療を頑張っていらっしゃるのですね。利尿薬も効果があったようで安堵しています。
ホルモン療法で骨粗鬆症が進行することがあります。現在はその様な時にはビスフォスフォネート製剤が有効と考えますので、もしも低くなるようならご相談下さいね。

骨粗鬆症の最も基本になるのは運動や食事療法と思いますが、それ以外にも多くの原因がありますので、対策を講じて下さい。現在は昔より色々な薬が出て助かっています。

こんばんわ・・・
先日に読んだ南杏子の「いのちの停車場」の主人公の訪問診療医の医師であるおとうさんも、踏み台から足を外して転び骨折・・・それがきっかけとなり体調の悪化をたどるのですが、高齢になると骨折は大変な事になる場合が多いようですね・・・
俺もあまり急がず慌てずにと行動にようじんしています。妻が歯の治療とともに、SERMを飲んでいます。それで、きょうのこの記事、妻にも見せたところです。丁寧な説明を有難うございます・・・本記事を印刷して後日、また読ませて頂こうと思います。

でんでん大将さん、こんばんは。

南杏子さんの小説のなかで骨折後に体調が悪くなる高齢者を描いていたのですね。 日本でいわゆる寝たきりになる原因の4、5番目が骨折があります。 12%程度だったと思いますが、高齢者の骨折は注意が必要です。

奥様も骨粗鬆症のお薬を飲まれているのですね。ビスフォスフォネートは歯の治療では顎骨壊死という危険性もありますので、SERMが無難だと思います。 私は外科医ですので専門の分野はいいにしても、それ以外は時々このようにまとめないと自分の知識がなくなってしまいますので、ブログにも書かせて貰っています。難しいことは分かりません・・・😢

いつも読んで頂きありがとうございます。

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