低温やけど
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今日のFM放送は冬場に増える病気について説明しました。今年は新型コロナウイルス感染症のために、例年の季節性の呼吸器感染症や胃腸関係の感染症が激減しているように感じられます。ブログでは寒い時期に起こし易い「低温やけど」について記載してみます。
まず熱傷(やけど)について説明しますが、やけどと言うと熱湯などの高温に触れた時に起こる病態と考えている人が殆どだと思います。間違ってはいませんが、やけど(熱傷)は高温物質だけでなく低温物質や化学物質が皮膚に付着することで生じます。医学的には様々な外因に触れることで起こる皮膚や粘膜に障害を及ぼす外傷の1つです。
やけどを起こす原因:一番多く経験するのは高温による障害です。お湯や高温の油、アイロンや火事などがあります。高温でなくても(44〜50℃)長時間接触することで「低温やけど」になることがあります。特殊なものとして落雷や高圧線の電流による傷害、酸やアルカリ性の薬品による傷害などがあります。
やけどの状態や一般的な症状や程度、治り方などを下記の図にしましたので、参考にされて下さい。
ここで今日のタイトルの「低温やけど」について記載します。
熱傷の程度はおおよそ、<発生源の障害の強さ×接触時間>で決まります。高温や蒸気などではものの数秒で水ぶくれ状態になります。45℃の温泉に入ってもやけどは普通起こりません。しかし、45℃ぐらいの温度でも6〜10時間で、50〜60℃なら1〜2時間でやけどの状態になってしまいます。
冬場に低温やけどの患者さんが増えるのは、湯たんぽや電気毛布やヒーター、ホッカホッカカイロをつけたまま眠ってしまったり、家族が足が冷たいと寝たきりの方の足を長時間温めたりすることで起こることが多いからです。
次の方は低温やけどに注意しましょう(家族の方も)
・知覚鈍麻や麻痺がある障がい者・寝返りがうてない方・糖尿病などで手足の知覚低下や循環不全の方・皮膚の薄い高齢者・泥酔している方・睡眠薬を多量に飲む方・寝返りが出来ない乳児など・・・熱さや痛みを感じにくい方や自力で体勢を変えることが出来ない方には注意が必要です。
<低温やけどの注意点>
・やけどの一般的な進行度や治り方は上記の表で示した通りですが、低温やけどの場合にはゆっくりと熱が伝わるために皮膚の奥(皮下組織)まで障害が及んで進行してしまうケースが多くなります。また元々の状態が悪い方もいらっしゃるために治癒が遅れ、移植をしても治り難いこともあります。低温やけどもあることを覚えておいた方がいいかも知れません。
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コメント
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こんばんは。
寒い時期はよく聞く?低温やけどですね?
ホカホカロンや電気毛布。湯たんぽもでしょうか?
私は寝る前に電気敷毛布をオンして
寝るときにオフしております。
とても気持ちがよく、冬の間は利用しております。
幸い、今まで大きなやけどの経験は
ありませんが指先など熱いお湯や油がはねたりです。
すぐに氷水で冷やしております。
今日もありがとうございました。
投稿: マコママ | 2021年2月 3日 (水) 20時50分
こんばんは・・・
聞いた事はあった気がしますが、”低温やけど”怖ろしいですね。俺は割合に体温が高いようで、電気毛布などは使用したことがありません。布団に入って深呼吸を20回ほどすると、からだが温まってきます。それに、寝るときも自家製のマスクをして寝ていますので、なおさら温かいです。ただ、集落内では湯たんぽで火傷したって聞いた事があります。それに俺の友人は、数年前の夏に培土機の下になって、これも長時間発見されなかった事から低温火傷だったらしく、九死に一生を得ました。以後、快復したものの歩行も大変になり、農業をやめました。
今の時季は北国では暖房は必至です。我が家の暖房は危険なものではないのですが、孫が来たりすると火傷させないことに気を使います。
投稿: でんでん大将 | 2021年2月 3日 (水) 21時25分
マコママさん、こんばんは。
熱湯などによるやけどは身近に起こりますが、低温やけども時々外来で見ることがあります。 やはり多いのは糖尿病などで動脈硬化が進んで足先が冷たく、更に知覚障害も出るためにやけどがひどくなって来院するケースです。
ホカホカロンや電気毛布に湯たんぽも原因となります。電気毛布もこの時期いいと思いますが、余り強くしないことと、寝返りなどが行える状態で使った方がいいと思います。
お湯や油がはねた時には、直ぐに冷やすことが一番大切なことですので、マコママさんが実践していることを今後も続けて下さいね💖
投稿: omoromachi | 2021年2月 3日 (水) 21時38分
でんでん大将さん、こんばんは。
低温やけどは結構悪化することも多くて、基礎疾患がある中で治癒するまでに時間がかかる事が多いです。
大将さんは体温が高めで、布団に入って温かくなるようでしたら、血流もいいと思います。この時期は乾燥もしますので、息苦しくなければマスクもいいと考えます。
湯たんぽによる熱傷は以前はよく見ましたが、最近は電気毛布などによることが増えたでしょうか?
夏に培土機の下で長時間となると、熱中症による筋肉の障害と皮膚の低温やけどが同時に起こったのかも知れませんね。大変だったと考えます。
北の国では暖房がなければやって行けませんね。確かに暖房器具は小さな子供たちには注意が必要です。 今の子供たちは電気での生活が多くて、灯油による暖房などを知らない子供も多くなったようです。
寒い時期はお風呂場やトイレ回りが寒くないように気をつけてお過ごし下さいね。
投稿: omoromachi | 2021年2月 3日 (水) 21時50分
こんばんは!
私の右足首には、直径5cmくらいの丸い低温火傷の跡があります。
幼稚園に上がる前に負ったものですが、未だ残っています。
原因は当時の湯たんぽでした。
昔あった金属製で熱湯を入れてタオルを巻くヤツですね。
朝、母が火傷を見て、しきりに謝っていたことを微かに憶えています。
なぜ謝るのだろうって不思議な気持ちでしたよ。
この記事を見るまで、すっかり忘れていた遙か昔の記憶です。
投稿: FUJIKAZE | 2021年2月 4日 (木) 22時21分
FUJIKAZEさん、こんばんは。
FUJIKAZEさんは足首に体温やけどの痕が残っているのですね。お母さんはFUJIKAZEさん以上にずっと記憶に残っていることかも知れません。
多くの方は、よかれと思って暖めていたのに、この知識がなかったためにやけどをさせてしまうのです。
予期せぬ瘢痕でしょうが、子を思うがゆえの傷ですので逆に母の愛情を思い出させる印と捉えて下さいね。
投稿: omoromachi | 2021年2月 5日 (金) 00時02分