スギ花粉症:症状のメカニズム
このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com/)。
そろそそ、本土でお住まいの方はスギ花粉いい悩まされる方も増えたのではないでしょうか? 本来ならウイルスや細菌などが身体の中で増殖するのを防ぐのが免疫システムなのですが、花粉やハウスダスト、蕎麦など対しても抗原(アレルゲン)とみなして攻撃してしまう、過剰反応が起こることがあります。
また私達の体は異物を体外に排出するメカニズムを持っています。クシャミをするのも涙目になるものこれによるものなのです。
日本人の花粉症の約70%はスギ花粉症だと推察されます。日本の建築では木材を使うことが多く、室町時代以来、全国で植林され、いまでは全国の森林面積の18%、国土の実に12%は杉の木が占める面積となっています。
生息域の違いにて北海道にはスギ花粉飛散は極めて少なく、私の住む沖縄にはスギが全く生息しません。特に関東・東海地方では影響が大きく、スギ花粉症の患者さんが多く見られます。このことより、スギ花粉症に悩まされている方にとってはこの季節は「沖縄は天国」だと話す移住者も多くいらっしゃいます(私の患者さんの中にも、寒さを避けることとスギ花粉を避けるために例年12月から5月まで那覇市に移動する方もいらしゃいます)。
毎年1月後半から3月まで、杉の花粉が空気中にだだよって来ます。空気中にあるために否応なしに私達の体に接触してしまいます。どうしても呼吸はしないといけませんので、空気中の花粉も鼻(口)を通して入って来ます。それに目も開けないといけませんので、目にも花粉が付着してしまいます。鼻や目についた異物を除去するメカニズムが働いてしまい、様々な症状を引き起こします(花粉症)。ワクチンの話をした時にも書きましたが、一度抗原(この場合はスギ花粉)に曝されると私達の免疫システムは記憶していますので、より早く反応が起こるようになりますし、繰り返す異物の侵入は白血球の中の好酸球を増殖させて、更に鼻や目の症状の悪化を招いてしまいます。
何時ものように簡単にメカニズムを図にして観ました。
« 世界を夢みて(228): 世界遺産 ビスカヤ橋 (世界最古の運搬橋) | トップページ | 今週の生け花(令和3年2月第2週) »
「医療」カテゴリの記事
- 「バテる」とはどのようかことか?(2024.09.04)
- 尿管結石が出来やすい条件とは(2024.08.28)
- アニサキスの食中毒(2024.08.14)
コメント
« 世界を夢みて(228): 世界遺産 ビスカヤ橋 (世界最古の運搬橋) | トップページ | 今週の生け花(令和3年2月第2週) »
こんばんは。
もう飛んでいますね?
御地が羨ましいです〜。
私はここへ引っ越してから、
発症しました。マンションの近くに杉が植えられていましたね!
もう、杉林はすっかり住宅地に生まれ変わり
酷かった花粉症も歳のせいか?
楽になって来ました。
慢性副鼻腔炎もあり!ですから鼻詰まりも。
マスク😷は必要でしたから、備蓄のお陰で
コロナにも困らずでしたよ。
今日も詳しく教えて頂きありがとうございました。
投稿: マコママ | 2021年2月10日 (水) 20時26分
コロナがまだまだ収まらない中、インフルエンザ、そして今度は花粉症・・・マスクが二重・三重と必要ですね・・・俺も花粉症ゆえ辛い季節が控えています。仕事が農業ゆえ、外に出ない訳にもいかないので恐怖です。
こちらでもスギ花粉によるものが多いのですが、その後は牧草や稲による花粉症も発生しています。
雪がまだまだ降ったり止んだりの季節ですが、雪が消えるとすぐに花粉が飛来します。春を待ちながらも、このような春は・・・重症にならないように、対策を講じなければなりませんね。
投稿: でんでん大将 | 2021年2月10日 (水) 20時50分
マコママさん、こんばんは。
日本では室町以来多くの山が植林されて、その中でも多くなっているのが杉でした。杉の花粉量はかなり多量ですし、単一の木としては非常に多くを占めるために、切り取ることも困難です。
花粉の量とマスクなどの使用で花粉症もマコママさんは軽減されて来たのでしょうか?
慢性副鼻腔炎は粘膜が肥大しますので鼻づまりになりやすいですね。 コラナ対策+花粉対策も重要ですね。
投稿: omoromachi | 2021年2月10日 (水) 21時34分
でんでん大将さん、こんばんは。
この季節は様々な感染症の対策が必要ですが、本土の方ではこれからの季節は花粉症にも悩まされる方が多いと思います。
大将さんの場合はどおしても屋外での作業ですので、花粉を浴びる機会が多いでしょうね。 マスクにゴーグルなどで顔の周りを塞ぐようにされて下さいね。
花粉症が目立ちますが、大将さんが書いてあるように牧草や稲による花粉もあります。沖縄は杉の花粉症はありませんが、イグサやその他の草、ダニなどによるアレルギーも多いです。
春を待ちながらも、また一苦労しないと楽しむことが出来ませんね。早く桜が咲く季節になって欲しいでしょうね😄
投稿: omoromachi | 2021年2月10日 (水) 21時40分
omoromachi様、ご無沙汰しております。
京都も少しずつ花粉が飛んできていそうです
時々クシャミや、目の痒みを感じるように
なっています。これから本格的な花粉シーズを
迎えます。既に病院で抗アレルギー剤や
目薬も処方して貰っています。今年はマスクは
十分ですが、流石に仕事ではゴーグルは
つけれませんので、気になる所です。
いつもの様にシェーマは分かりやすいですね。
出版したらいいのにといつも思います。
目も鼻も同じ様な原理で症状が出るのですね
なるほどです・・・
冬は沖縄に住みたいです。
投稿: ツクシンボ | 2021年2月10日 (水) 22時40分
ツクシンボさん、こんばんは。
京都もそろそろ花粉が飛散する時期になって来ましたか。これから本州は本格的な杉花粉の時期を迎えることになるのでしょうね。花粉症の方大変だと思います。
ツクシンボさんは既に病院等でお薬の処方もして貰って準備万全ですね。
確かに目にマスクする訳にはいきませんし、自分だけならゴーグルもいいと思いますが、仕事では使いづらいですね。目薬と内服で乗り切って下さい。
イラストはいつも適当ですので、これで出版したら間違いを指摘されるのがオチですので、このまま細々と続けてみます。
目の症状も鼻の症状も実は同じメカニズムが働いているのです。
投稿: omoromachi | 2021年2月11日 (木) 00時09分
こんばんは!
花粉症・・・これに苦しんでいる人を見る度に不思議に思えます。
私には全く症状がありません。
私は子供の頃から杉山だらけの場所で育ったので、だから杉花粉には強い身体なのだろうと思っていました。
しかし、そういう訳でもないようで、女房が花粉症で薬を飲んでいます。
女房の実家の隣は神社なので、杉が沢山植わっているわけで、そんなところで育っても花粉症には罹るようですね。
この花粉症って言葉を聞くようになったのは、せいぜい20年前くらいだと思いますが、それ以前に花粉症は無かったのでしょうか?
投稿: FUJIKAZE | 2021年2月11日 (木) 22時15分
FUJIKAZEさん、こんばんは。
FUJIKAZEさんは花粉に曝されても、それに対するアレルギー反応が出ていないのですね。同じ様に杉花粉に曝された奥様は花粉症なのですね。
人体はまだまだ分からないことがいっぱいです。同じ様な環境で育ってもその環境に対応する反応も皆違いが出ています。遺伝子の状態が克明に解明される時代では、個人の違いの遺伝子配列も分かるようになるかも知れません。
杉花粉によるアレルギーは昔からあったようです。最近多くなったと感じるのは2つの理由があると考えています。それは戦後、家屋などの資材として需要が伸びた為に、戦後多くの場所で杉が植林されてゆきます。それらの木が30年頃たって花粉を出すまでに生長したために、この2−30年で一気に花粉の量が増えたことです。 もう一つは他のアレルギー疾患にも言えることですが、寄生虫や色々な細菌などに出会わなくなった現代人の免疫細胞はやることが少なくなったために、花粉などに過剰に反応し易くなったとも言われています。
花粉症が日本で増えたのはやはり1番は、この2−30年で花粉の量が一段と増えたことにあると思います。
投稿: omoromachi | 2021年2月11日 (木) 23時22分