飲酒(アルコール)の全身への影響
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いつもは12月に入ると忘年会シーズンによるアルコール性肝障害について話をしてきました。今年はコロナの影響で忘年会は少ないかも知れませんが巣ごもりによる「アルコール摂取量」の増加を来す方も多くなっています。
今日は飲酒(アルコール)がもたらす全身への影響について簡単に書いてみました。
①アルコール性肝障害:アルコールと肝障害についてはこれまでに何度か書いてきましたので、もしよろしければこちらを参考になされ下さい→ http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-5dec.html、 http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-8738.html 、 http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-f73c.html
今日は肝臓以外にアルコールが与える全身の影響について記載します
②アルコール性膵炎: 膵臓もアルコールにより急性膵炎と慢性膵炎となる場合があります。特にアルコールの常時摂取による慢性膵炎は膵臓が出す消化酵素(主にアミラーゼ)の不足による消化不良などを起こす原因となり、インシュリンの分泌低下による糖尿病を起こしてしまいます。
③アルコールによる精神疾患: アルコール依存とうつ病との相関は高い傾向が有り、相まって自殺率の上昇を起こしてしまいます。慢性飲酒者(アルコール依存)および多量飲酒者は脳細胞の破壊が早く進み、認知症の増加や認知機能の著しい低下を来す方が多くなります。
④アルコールと発癌: 現在WHOがアルコールとがんの発症で関連が認められているのは、口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸・乳房のがんとなっています。
⑤アルコールとメタボリックシンドローム:皆様方も経験上、アルコールを飲みながら食事も普段より多く、それも油っぽいものや塩辛いものも多く摂る機会があると思います。それにより、高血圧・高脂血症・糖尿病などの疾患が増えてしまいます。
⑥アルコールと痛風(高尿酸血症):飲酒をしながら食べる食事はプリン体が多いことがあったり、アルコールによる尿酸量が増加することで高尿酸血症とそれに伴う痛風発作を起こる可能性が高くなります。
⑦アルコールと痔疾患:日本人の1/3人が持っている痔疾患で、特に多いのが痔核(イボ痔)です。痔核の本態は静脈のうっ滞によるもので、飲酒はこの血管の拡張を来し痔を悪化させます。飲酒後突然の下血で病院に来る方も多いのです。
⑧アルコールと外傷・トラブル:アルコールの酩酊状態にて外傷の頻度が25倍以上になる研究発表もあります。これは大学生を中心にした研究結果ですが、恐らく年齢別にもその外傷も変化があると思っています。これは私の経験上ですが、若者から中年まではお酒を飲んで転倒以外に喧嘩や飲酒運転による事故が多く、高齢になると転倒、骨折や硬膜外血腫などのリスクがが高まると予想しています。
・・・12月で美味しくお酒を飲みたい方には、申し訳ないのですが🙇🙇🙇・・・楽しく、身体にとっても負担をかけない飲み方をしましょう💖・・・
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コメント
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こんばんは。
はや師走に入りましたね。
例年ですと忘年会にクリスマスとお酒を頂くことが多いですよね!
今年は籠り生活でお酒が進む方も多いかもしれません。
私はもう10年以上アルコール禁止となっておりますので、
その点では大丈夫でしょうか?それまでは赤ワインが好きで頂いておりました。
今年の夏はオールフリーで楽しみましたが、お寒くなってからは頂いておりません。
夫は全くの下戸でした!
コロナ感染者数が依然として減りません。怖いです!
勝手にスクロールしてすみません。
投稿: マコママ | 2020年12月 2日 (水) 21時53分
マコママさん、こんばんは。
救急手術があり今帰って来ました。そうですよね、もう師走ですよ・・・コロナ以外何もしていないのに1年が過ぎようとしています😭
マコママさんも余りお酒は飲むことがなくなったのでしょうか? ご主人はタバコはですが・・・お酒は呑めなかったのですね。 日本人の1割弱は飲めない遺伝子です。世界的には珍しいことですよ😄
感染拡大が止まりません。東京都では65歳以上とか基礎疾患のある方はgo-toトラベルの対象にはならないとか・・・疫学的に意味があるかどうかよりお互いが責任をとらないための政治的な決着のような気がします。
これから関東も寒くなると思いますので、風邪をひかないように体調管理されて下さいね💖
投稿: omoromachi | 2020年12月 2日 (水) 22時19分
こんばんは・・・
自分に言われたようで、何度か読ませて頂きました。確かに、今月は忘年会等あり飲酒の機会が多くなります。節度を保って楽しみたいと思います。と言っても、飲酒が予定されているのは2日のみ、仕事をリタイアすると付き合いも少なくなって、飲酒の機会も減少です。ただし、今季はコロナも心配されることから、皆さんの飲酒の機会も例年よりも少ない事でしょう(?)
俺の場合ですが、先日の法要でビール少々のみましたが、稲刈りからほとんど酒をやっていません。良い事だと妻は言います。確かにそうですし、しばらく呑まないと呑みたい気持ちも失せるようです。今、のんでいる薬には飲酒を控えて下さいとありますので、それで呑まなくなっているんです( ´艸`)
投稿: でんでん大将 | 2020年12月 2日 (水) 23時16分
でんでん大将さん、こんばんは。
呑めるタイプの大将さんには耳に痛い部分もあったかも知れません😣
今年は外で飲む機会は皆様方減ったようですが、逆に家飲みが普通になりこれまで週に1〜2回が毎日飲むようになった方もいらっしゃるようです。
大将さんは呑めるための十分なアルコールの分解酵素を持っていると思いますので、翌朝に響かなければ肝機能が正常なら良いと思います。ただ薬剤によっては薬の作用を強くしたり弱くしたりと影響を与えますので、飲酒の機会は減らした方がいいのでしょうね。
私の父は酒豪で、母は下戸です。私は少し呑めますが弱い方です。あれほどお酒に強い父でしたが、晩年は私が高いお酒を持っていっても昔のようには飲めなくなったと残念がっていました。
大将さんも人様以上にお酒は飲まれたでしょうから、余り飲まなくなっても悔いは残らないのではないでしょうか(^0^)
投稿: omoromachi | 2020年12月 3日 (木) 00時13分
こんばんは。
勉強になりました。
私はどちらかというと下戸で、飲み会は嫌いではないのですが
家ではほとんど飲みません。ですから今年はかなり健康な生活を
送っているのですが、たまに家で飲むと缶ビール1本でそのまま
撃沈です。
そういえば去年の今時期は沖縄でオリオンビールを飲んで
いました。たった1年で激変ですね。
投稿: いかさま | 2020年12月 4日 (金) 00時28分
いかさまさん、おはようございます。
いかさまさんは私と同じ様に日本人でお酒に弱いタイプの3〜4割のアルコール分解酵素が低い遺伝子を持っていると思います(全くアルコールを受け付けないのが1割弱います)。 私の方は酒豪の父と下戸の母の遺伝子を継いだようで、少し飲めますが、直ぐに赤くなります。
この1年で世界はコロナウイルスに支配されてしまった感がありますね。これがなければ私も旅行に行けたのかも知れません。いかさまさんも昨年は沖縄旅行記を書いていらしていましたね。 来年後半からは何も制限されずに沖縄旅行が出来ることを期待しています。
投稿: omoromachi | 2020年12月 4日 (金) 07時48分