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2020年8月 5日 (水)

閉経後は骨粗鬆症と尿管結石、高コレステロールにも注意を

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今日は夏場に多くなる尿管結石について放送しました。非常に痛みを伴うことが多い尿管結石は30〜50代の年齢に多く、女性より男性が2.5倍ほど多く罹患します。その年代の男性は特に暴飲暴食で肉類やアルコールの摂取も多く、尿酸結石の原因となる尿中のシュウ酸カルシウムが高くなる傾向があるからです。一方女性ではエストロゲンの作用により尿管結石は発生しにくい状態となるために、壮年期で男女差が出てしまうのです。

以前尿管結石につては記載(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-2e4c.html )しましたので、今回は閉経後には女性も男性と同じ様に尿管結石が出来やすくなることや、骨粗鬆症、高コレステロールにもなりやすくなる仕組みを書いてみたいと思います。

女性ホルモンには大きく卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。主にこのホルモンは卵巣で作られます(副腎でも作られますので閉経後エストロゲンがゼロにはなりません)。 思春期前になると、脳の中にある視床下部で性腺刺激ホルモンが分泌されて、それが刺激になって今後は脳下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)が分泌されます。このFSHとLHが卵巣を刺激して、エストロゲンとプロゲステンが分泌されます。それによって生理が始まってきます。 20代から30代にかけてホルモンの安定期からピークに達して、一番妊娠しやすい状態となります。その後40代から徐々に落ち始め、50前後から閉経となり、一気にエストロゲン、プロゲステロンも激減します。

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エストロゲンには骨にカルシウムをくっつける作用があり、閉経後の女性は急激に骨からカルシウムが抜け出てしまいやすくなります。そのため閉経後は骨粗鬆症が進みます。骨から出たカルシウムは尿のカルシウムの増加とともに尿管結石も出来やすくなり、閉経後は女性の方も尿管結石が男性と同率で出来やすくなります。閉経後は骨粗鬆と尿管結石はセットで考えて方がいいかもしれません。

閉経後の女性は脂質異常症(高脂血症)が起きやすくなります。エストロゲンの低下により血液中の総コレステロールの増加(LHLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加とHDLコレステロール(善玉コレステロール)の低下)が起きてきます。閉経前の女性はコレステロールが高い人は1〜2%程度ですが、閉経後は50代で11%、60代で23%、70代以降で34%となって行きます。

中性脂肪も同様に閉経前は男性よりも低い人が多いのですが、閉経後は女性の方が高くなる傾向にあります(ただしエストロゲン自体がどのような機序で中性脂肪の上げ下げに直接影響するかは不明です)。 

そのため65歳以上の女性の方は(悪性腫瘍もですが)心筋梗塞や脳卒中などの循環器系疾患にも注意が必要となります。

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医療」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
初めて教えて頂きありがとうございます。
女性でも尿管結石ができるのですね?
凄い痛みなのですよね?
夫が経験者!運良く?空の上で出ましたが〜!
コレステロール値も確かに高く高脂血症で
お薬服用中です。
骨密度は同年齢比は120程ですが若年年比は80程で
ボノテオとエディロール服用です。
整形外科と循環器内科でお世話になっております(^_^;)
ババには色々ありで心配です。

マコママさん、こんばんは。

尿管結石は壮年期の男性に多く、外来でも冷や汗や顔面蒼白で救急車で来られる方もいます。初めての経験の場合は医師でも非常に怖かったと同僚が言っていたことを思い出します。

ご主人は、自然排石されて良かったですね。大きいと今では超音波破砕装置がありますが、以前なら開腹や経尿道的処置しかありませんでした。

女性は閉経後、骨粗鬆症と尿管結石が増えますが、以外と多いのが高脂血症です。若い時は低かったのに段々上がって来ていますと話される患者さんが多いですね。

骨密度はこの値なら十分ですね。ポノテオはこのまま続けられて下さいね。 
年齢と共に色々な科にかかる事になると思いますが、ゆっくりと労りながら過ごして下さいね💖

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