世界を夢みて(196): バスク・バイヨンヌ歴史博物館(バスク文化を判り易く展示してあります)
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マルシェを訪ね、ニーヴ川を渡る位置にバスク・バイヨンヌ歴史博物館があります。他の方のブログで日曜日は無料で入場出来ると書いてありましたが、それ以外の曜日の入場料は7.5ユーロでした。バスク地方の歴史や文化、人々の生活の営みを知る事が出来るように展示されています。常設展以外に、特別展も開催されているようで、訪ねた時にはゴヤなどの美術展の特別展も開かれていました。バスク語やバスク地方の民族衣装や踊りや信仰の様子、文化などがヨーロッパでも特殊な位置にあることが出来ました。とても古い民族のようです。
外観は昔の建物を利用していて、中に入いると思ったより大きなスペースがありました。受付で何処から来たのかを訪ねられ「日本」と話すと、日本語で書かれたA4サイズの20ページほどにまとめられた案内本も貸してくれました(販売はしていません)。入口のベンチに座って、さっと目を通すと館内の内容が分かりやすいかも知れません。
昔のバスク地方の家と人々の生活の写真が展示されています。この家の中には人間や家畜などの動物、道具等も一緒に入っていたとのことが書いてありました。昔読んだ柳田国男の「遠野物語」に出る、人と馬が一緒に暮らすL字型の農家のことを思いだしてしまいました。
バスクの踊りの衣装などがとても特徴的で、他のヨーロッパ諸国で見たことないようなスカート状の艶やかな衣装の踊り子を描いています。今回バスクの踊りを実際は見ることはありませんでしたので、今でもこのような衣装が使われているのか判りません。
バスクの言葉も文字も独特で、非常に古い歴史があるようです。今でもバスク語の表記とフランスやスペイン語の表記が並べられる場合もありますが、全然違う場合もあるようです。バスクの地方を歩くと教会と隣接する墓地にある円盤状の墓石も特徴的です。もちろん今では多くの方がキリスト教徒ですが、キリスト教が定着するまでバスク地方は「太陽崇拝」の宗教だったとのことで、その当時から墓石は太陽神を表す円盤状だったとの事です(エジプトみたいですね)。今でもバスクに見られる十字ではなくて円盤状の墓石は人々に使われているとのことでした。
バスク地方を旅すると、必ずと言っていいほど教会とこのバスク・ベロタを競技する広場を見かけますした。この起源は古代ギリシャや古代文化にあると言われるほど歴史がある競技のようです。現在のテニスの原型とも言われているようです。子供達から上級者・プロの方々まで、ボールの種類や素手やラケットなども色々とあるようです。
バスク織はバスク地方で織られている伝統的な織物で、とても目立つ7本のストライプ色合いが特徴です。7本のラインはバスクの7地方を表すそうですが、きっとそれは今の7州に分けられてからでしょうから比較的新しい考えなのでしょうね。それ以前から基本は赤・白・緑の色を使い、縦のストライプは「海の波」を表現していて、バスクが海の民であることも象徴しているとのことです。

この博物館の絵画の中にも、また街並みを歩いている時に、男性の方がよく被っているのがバスク帽で、いわゆるベレー帽です。何となく私などは画家などの芸術家の帽子のように思えましたが、「ベレー帽」はバスクが起源なのですね。
昔からこの地方で、日よけ、風よけの実用品として使われていた帽子が全世界に広がったとのことです。
短時間でしたが、見応えのある博物館でバスク地方の事を知る事が出来ました。はやりここを訪ねる時には、受付で日本語の説明を読んでから回った方がいいと思いました。 やはりバスク民族はヨーロッパの中でも歴史のある民族で、ヨーロッパだけでなく、スペインやフランスの主要民族と比べても特徴ある文化圏である事が理解出来ました。はやり単純に「バスク=美食」だけではないと味音痴も私も安堵しました(笑)。
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こんばんは。
見応えのある歴史博物館だったのですね?
それにしても日本語のパンフレットが用意
されていたのは嬉しいおもてなしでしたね!
ベレー帽がバスク地方で被られてそれが
ヨーロッパ各地の画家の方々や一般の方にもに普及したのは
素敵です!
日本でもごく?普通の方も女性も
被ってますね!
たまに?よくお似合いに方をお見かけした事がありますよ。
続きを楽しみにお待ち申し上げております。
投稿: マコママ | 2020年6月14日 (日) 18時56分
マコママさん、こんばんは。
建物は間淵の広さよりも奥行きがあって、かなりスペースも取れていました。チケットを購入したら、どちらからですかと聞かれて「日本」と答えたら、20ページぐらいの日本語で出来た案内用の冊子を渡してくれました。館内の案内図もありましたので、入口近くのソファーに座って、一通り見終わってから館内を歩きました。 日本語で書いてあったので展示のことが分かりやすかったです。
ベレー帽はバスク地方で日常で使っていた帽子が世界中に広がったとのことです。私もここに来るまで知りませんでした。
バスク地方はやはり独自の文化を持っている事が分かりましたし、これからの旅行の参考にもなりました。
いつもコメント頂き心より感謝申し上げます。
投稿: omoromachi | 2020年6月14日 (日) 19時12分
こんばんは😉
バスク・バイヨンヌ歴史博物館はバスクの文化や
歴史などがコンパクトにまとめられているようですね
やはりバスクは独特なのですね。フランスと違うし
またスペインとも違う文化圏なのですね
踊りの衣装やスタイルも変わっています
ベレー帽がこの地から発展したのはビックリです
私の知り合いの方にもベレー帽が似合う方が
います。
東京では今日また47人の感染者が出ました。
私もしばらくライブに行けずに気をもんでいます
早く昔のようになって欲しいです😢
投稿: shiroyama.K | 2020年6月14日 (日) 21時23分
shiroyama.Kさん、こんばんは。
この博物館を訪ねて良かったと思います。漠然とバスク地方は違うと考えていましたが、改めてフランスやスペインとも違う文化なのだと確信できました。
バスク地方の方々がこだわりを持っているのも頷ける、山も海の幸も豊かな地域です。 博物館でしかみませんでしたが、今でもこのような踊りの衣装があるのでしょうか? 確かめれば良かったですが・・😅
ベレー帽はバスク地方からだと言うことを私も初めて知りました。何となく芸術家のイメージの帽子でしたが、風にも強く日射を遮る力もある帽子のようです。
東京都で感染が再度爆発しないかが心配です。コロナウイルスに対する解除のやり方が少し早すぎるのではないかと思っています。Kさんもしばらくライブハウスでの音楽活動は難しいですね。。広がらない事を祈りたいです。
投稿: omoromachi | 2020年6月14日 (日) 22時56分
こんにちは!
バスク=紛争=テロというイメージしか持っていませんでしたが、実際は豊かな固有文化が根付く場所なんですね。
歴史博物館では、あの紛争に関して、どの様な展示だったのでしょうか?
投稿: FUJIKAZE | 2020年6月15日 (月) 15時13分
FUJIKAZEさん、こんばんは。
スペインの旅行以外でもピカソの「ゲルニカ」やヘミングウェイの「誰がためにも鐘は鳴る」でスペインの内戦やバスク紛争についても以前より見聞きはしていました。「バスク=美食」よりも「バスク=独立紛争」の方が記憶に残っています。
歴史博物館にはこのような話題の展示はなかったと思います。紛争が正式に終了したのは2011年ですので、まだ歴史的に日が浅いので歴史博物館には展示されてないのではないでしょうか。 きっと当事者も生きていると思いますので、後50年や100年すると展示されるのかも知れませんね。
投稿: omoromachi | 2020年6月15日 (月) 20時03分
こんばんは。
バスクの踊りの衣装はユニークですね。
スカートのような物を身に付けているのは男性ですよね?
このスカートを翻しながら躍動感あるダンスをしていたんでしょうか。
テニスのルーツであるベロタが盛んだったり
ベレー帽の起源であるとか伝統工芸のバスク織など
貴重な文化を持った地域だったんですね。
また興味深いお話をありがとうございます。
投稿: sharon | 2020年6月19日 (金) 20時23分
sharonさん、こんばんは。
バスクの踊りの衣装がユニークですよね。実際の踊りはみていませんが、博物館にあった絵画ではこの男性のスカートなような衣装が他にも描かれていましたので、実際にこのように踊っていると思います。
バスクベロタは今回の旅行の村々を回ってもそれが行える施設がありました。今でも盛んに行われているようです。スカッシュに似た感じがしました。
ベレー帽もこの地の発祥ですし、バスク織りも色合いが綺麗でした。美食を知らない私でも十分に魅力のあるバスク地方でした。しばらくバスクが続きますがご覧下さいね。
投稿: omoromachi | 2020年6月19日 (金) 21時12分