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胃潰瘍の主な原因は、ストレス、ピロリ菌感染、痛み止めと考えられています。以前のブログにもストレスとピロリ菌感染は書きましたので、今回は痛み止めと潰瘍の関係を書いてみました。細かい所を飛ばして、かなり大まかに書きますのでご了承を・・😅
では、まず痛み止めなら皆同じか?と言うことになりますので、まずはその辺りから
痛み止めには、麻薬などのオピオイド系鎮痛薬と非オピオイド系鎮痛薬があります。非オピオイド系鎮痛薬の中で非ステロイド性鎮痛薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンがよく使われている薬剤です。
商品名で言った方が皆様方には理解しやすいかも知れません。
非ステロイド性鎮痛薬(NSAIDs)には、ロキソニン(R)(ロキソプロフェン)、イブ(R)(イブプロフェン)、ボルタレン(R)(ジクロフェナク)、アスピリン(R)などがあります。
アセトアミノフェンの代表名としてはカロナール(R)、ピリナジン(R)、アンヒバ(R)、アルピニー(R)などがあります。
市販薬にもこの成分が入っていることもあり、これまでに多くの方がよく飲まれていると考えています。
では、この2つの系統に違いはあるのでしょうか?・・・これまで同じと考えている方が多いと思いますので記載します。
<NSAIDsとアセトアミノフェンの違い>
①NSAIDsの薬理作用はアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、プロスタグランジン類の合成を抑制します。プロスタグランジンの中でも、特にプロスタグランジンE2(PGE2)は起炎物質・発痛増強物質です。NSAIDsは主にPGE2の合成抑制によって鎮痛・解熱・抗炎症作用を発揮します。
②アセトアミノフェンの薬理作用はNSAIDs同様にCOXを阻害しますが、その作用は弱く抗炎症作用はほとんどありません。そのためアセトアミノフェンはNSAIDsには分類されていません。非常に歴史がある薬であるアセトアミノフェンの作用機序は、中枢神経におけるCOX阻害と考えられていますが、実は未だに詳細な機序が判明していない薬でもあります。
プロスタグランジンの中でも細かな作用によって違いはありますが、胃に関して言えば、プロスタグランジンは胃の粘膜の血流を維持する作用や胃を保護する粘液を増加する作用があります。これが減ると、胃の保護作用が低下して胃潰瘍になりやすくなります(最初の上の図をご覧になって下さい)。
ですので、NSAIDsは胃潰瘍の原因にもなることが考えられますが、アセトアミノフェンは胃には余り影響を与えないと言う結果になるのです(もちろん長期に服用では腎障害などの副作用もあります)
<NSAIDsで胃腸障害を防ぐには中止か併用か?>
・実際の臨床でNSAIDsを止めれることが出来れば中止。中止出来なければ併用を考えることが多いです 。具体的には胃酸を抑えたり胃の粘膜の保護作用のある胃薬と併用することが多いです。またNSAIDsが直接胃の粘膜の刺激作用もありますので、空腹時の内服は避けて食後にとるようにするように指導しています。
NSAIDsの長期使用例で、消化性潰瘍の予防効果が証明されているのは、プロトンポンプ阻害剤、プロスタグランジン製剤、H2受容体拮抗薬と呼ばれるタイプの胃薬です。 NSAIDsを服用される方で元々胃が弱いとか長期間服用される場合には、胃を荒らさないために胃薬との併用を行うようにして下さいね。
薬剤師の方や専門家からは怒られそうですが、胃潰瘍と鎮痛薬の関連について書きました。
追記)・・・もう1つややこしくしているのは、皆様方がよく使っている市販薬のバファリンも実はどの分類になるのか判りづらいこともあります・・・私も覚えきれません😢
「バファリンA」はアスピリン(NSAIDs)、「バファリンルナJ」はアセトアミノフェン、「バファリンEX」はロキソプロフェン(NSAIDs)、「バファリンプレミアム」と「バファリンルナI」はイブプロフェン(NSAIDs)とアセトアミノフェンの両方・・・となっています。
・・・まあ、市販の薬のパッケージには書いてあると思いますので、一度ご覧になってみて下さいね。
**今ではNSAIDsと言っても、副作用を減らすような薬剤が開発発売されていますので、胃潰瘍になりにくいNSAIDsも開発されています**
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