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2020年3月 1日 (日)

世界を夢見て(182): ルルドの泉

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com )。
トゥールーズからルルドに入り、ルルドの中心部の聖域と呼ばれる場所を歩き、最も観たかった夜の20時から始まるローソク行列のために夕食も済ませたまで記載しましたが、ローソク行列の前に「ルルドの泉」を説明したと思います。
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ルルドはフランス、スペインの国境に近いピレネー山麓とポー川に抱かれた紀元前から既にあった小さな村が原点だそうです。しかしここを有名にしたのが、1858年のルルドの聖母の出現以来、カトリックの最大の巡礼地となったことです。この村の貧しい家庭に生まれた14歳の少女、ベルナデッタ・スルビーの前に突然、聖母マリアが現れ、その後も17回にわたり同じ場所で現れます。そして聖母マリアが少女に「泉に行って水を飲み、顔を洗いなさい」と命じます。そこに行くも泉はなく、更に聖母はマッサビエルの洞窟を指したためそこを掘ると次第に水が溢れ出します。次第に清水となり飲めるようになったとのこと。これが「ルルドの泉」となります。


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そして、その水を飲んだ病人が治癒する奇跡が何度も起こり、これをカトリック教会が「奇跡」と認定します。次第にそれが世界中に広がり、カトリックの1大巡礼ととなったのです。 今では年間6万人の患者や病人を含めて600万人の巡礼者や観光客がこの地を訪れるそうです。 これを受け入れるためのボランティアや病院も整備されており、なんとホテルの収容人数ではパリに次いでフランス国内第2のホテルの町だそうです・・・・

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確かに小さな場所に、大きなホテルがひしめき合っている感じです。これだけの人を迎入れるためのレストランやカフェも一杯ですし、ずらっとお土産品店も並んでいます。他の地域の1大観光地と変わりません。

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聖域に入る正面の門にはベルナデッタ・スルビーの立て看板が立っています。聖女ベルナデッタはそれ程古い方ではありませんので、沢山の写真が残っているそうです。写真に撮られたカトリック教会の初めての聖人とのことです。

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この入口から教会に至る場所は公園のように左右が大きな通りがあります。その左側には羊に囲まれたベルナデッタ・スルビーの像が置いていました。彼女は羊飼いとして生計をたてていたからでしょうか?

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彼女は貧しいながらも熱心なキリスト教徒で毎日のように祈りを捧げていました。貧しい生活で学校にも行くことができず、読み書きも出来ず、フランス語の正確な言葉も十分ではなかったと言われています。 彼女は何度かの祈りの中で、後々では奇跡と言われる幾つかのことをなしてゆきます。 彼女が祈りを捧げたマサビエルの洞窟(Grotte de Massabielle)で祈りを捧げていた時に、お告げを聞いてその前の土を素手で掘り始めると次第に水が湧き出てきました。これが「ルルドの泉」となります。 この泉の水を飲んだり傷に当てると奇跡的に回復したということが起こります。それが次第に回りに伝わりローマ法王庁も奇跡と認定します。その後人々が参拝に訪れルルドはカトリックの一大聖地と変貌します。 特に病に冒された人々が訪ねるようになり、現在のようなルルドを形成していきます。

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聖堂の横より川沿いに洞窟へと向かうと、沢山の人々が列を作っていて泉の場所はすぐに特定出来ました。多くの方が泉に向かって行列を作っていました。感心したのは車いすを乗った方や身体の不自由な方に対して、担当のスタッフがいるのでしょう、この列の途中に割り込んで早めに参拝出来るような仕組みがちゃんと出来ているようです。

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この泉は現在でもこんこんと流れていて、その水は奥に造られた水くみ場で貰うことも可能です。この洞窟から流れ出す泉の部分は厳重にガラスのケースで被われています。流れの音も聞こえず、写真的にも残念でした😢

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しかしながらこの岩の壁からはあちらこちらで水がしみ出しており、多くの方がその壁の水を触れて祈りを捧げていました。カトリック教徒にとっては非常に重要な事かも知れません。これまでに本当に多くの方がこの岩を触って来たのでしょう。岩の表面がつるつるなのです。私も岩からしみ出す水を触りながら「皆様方の病気が治りますように」とお願いをしました。

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この場所から更に右奥に向かうと水汲み場があります。
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この洞窟を出て奥に進むと、この水を求めて来る方々のために、壁伝いに何列もの水汲み場があり、多くの方がミニボトルなどにルルドの泉から湧き出した「奇跡の水」を入れて持ち帰っていました。信仰心のない私は水は持ち帰りませんでしたが、これを汲む人々の祈りを想像しながら歩いていました。

祈りの中で何度も現れる女性(マリア様と言われています)に名前を尋ねたところ「Que Soy Era Immaculada Councepciou と答えたそうです。これは、ルルド地方のビゴール方言で「私は無原罪の御宿りです」の意とのことです。ベルナデッタは気管支喘息や結核により35歳の若さでなくなりますが、ルルドに聖堂を建ててローソク行列をして欲しいことを生前に伝えていました。この聖堂の名前も「無原罪のお宿り聖堂」となって、この泉のある洞窟の上に建てられました。

次回はルルドのローソク行列を紹介したいと思います。

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コメント

Oh-! ルルドの泉ですね。
由津子的には、信じてしまいますね。
でも、私達は病気を通して学ぶことが多く、被害者的になっては
いけないと思います。まさに今の状態です!
今までの生き方、流れを見直しなさい…というメッセージですね。

人って、恐怖を作るほうが上手みたいです。どっかで読みました。
だから、買えなくなったらどうしよう…と買いだめして、無くなっていってしまう。
経済の落ち込みを、自ら作ってしまうのですね。
医療関係の方が一番知ってらっしゃるのだから、政界はお医者さんに
従ったほうがいいかも。
勇気を頂いた記事でした!ありがとうございます。

由津子さん、こんばんは。

そう!ルルドの泉です。今回はまさかこの場所を訪ねるとは思っていませんでした。偶然バスクに行く過程で見つけたルルドの街です。

由津子さんが言うように、私達はあるものを無くした時から多くを学びますね。健康も無くした時にその有りがたさが分かると考えます。 それを解決する方法として祈ることもあるのでしょう。

恐怖は人間を支配する力があります。 不安は不安を助長して行きます。冷静になれば分かることですが、周りの皆がそのような行動に走ると自分も取り残された恐怖に駆り立てられると思います。

第一線で感染症のことをやっている医療者の意見を汲み上げるようにして欲しいと願っています。医者の中でもちゃんと忖度をしない方を採用しないと行けないでしょうね(笑)。

こんばんは。
いよいよルルドへ〜!
クリスチャンの方々には大聖地なのですね?
TVで観たことはありますが、実際にこの地へ
行かれて感慨深いものがあった事と思います。
私達の為にお祈り頂きありがとうございました。
次回も楽しみにお待ちしております。
院長先生もご多忙の日々と存じます。

コロナウィルスの終息が待たれます。
デマに惑わされないように心がけます。

マコママさん、こんばんは。

ルルドの街は色々な意味でよかったです。私のような無宗教家でも学ぶことは多くありました。
カトリック最大の聖地ですので、本当に多くの方々がこの地を訪れていました。ルルドの泉では多くの方々の病気がよくなることをお祈りしました。

次回にルルドの夜のローソク行列の動画を載せたいと思います。観て頂くと嬉しいです。

何度も書いていますが、日本ではインフルエンザにて毎年3000〜5000人が亡くなっているのですね。 冷静に対応してパニックにならないで欲しいです。 兎に角手洗いを頑張って行きましょう💖

こんばんは。

キリストにまつわる奇跡のお話は、マリア様や他の聖人のお告げで
何かを成し遂げると言うのが良くありますが、
このルルドの泉によって現実に多くの人々の傷や病が癒えたので
これ程沢山の人達が訪れるようになったのでしょうね。
またそれが洞窟の傍と言うのも神秘的な印象があります。
ただこの泉を掘ったベルナデッタは救われなかったんですね。
その辺が報われない感じが否めませんが、彼女の遺志を継ぎ
聖堂を建て、ローソク行列が行われているのは皆彼女に感謝しているんでしょうね。
そしてそれが伝えられ、守られているのは信仰の力なんでしょう。
興味深いお話をありがとうございます。
次はいよいよローソク行列ですね。楽しみにしています♪

sharonさん、こんばんは。

宗教的な奇跡は色々と受け継がれていますね。ルルドの泉もその1つとなります。 この泉のお陰で多くの方々が癒されたと思います。 ルルドが他の聖地とやはり違うと思えたのは、車椅子やストレッチャーなどで移動する方が多く見られたこととと、それを受け入れる設備が完備されていることでした。

彼女の意志が引き継がれて今日のルルドの街が出来上がっていると感じました。 

ルルドのローソク行列は写真では伝えきれない部分がありましたので、動画にして編集しました。次回観て頂き感じて貰えたら嬉しいです。

いつもありがとうございます💖

こんばんはです。
ルルドの泉については私も知っていましたが
カトリック最大の聖地とは知りませ
でした。
このように世界中から病気の治癒のために
不自由な身体を押して参拝されるのですね
omomachi様の写真が素晴らしいせいなの
でしょうか、ルルドが聖域であることが
伝わって来ました。
次回の動画を楽しみにしています。
やはり京都の薬局にはマスクはありませんでした

ツクシンボさん、おはようございます。

ルルドの泉については映画などにもなりました。この名前は知っている方も多いと思いますが、実際までは信者でもなければなかなか判らないと思います。
カトリック最大の聖地と言われてもピンときませんでしたが、ローソク行列を観るとなるほどと思われる節がありました。

ルルドはピレネー山麓から吹き下ろす風に「気」を感じることができる地域でした。部外者の私でもルルドが宗教的な意味合いを持ったことを感じてしまうのです。

なにもパニックにならなければマスクなどはなくならないと考えますが、心配が心配を呼んで自分も買わなければと余分にかってゆくことが多いのでしょうね。 政府も説明上手にならないといけませんね。

こんにちは。
ルルドのお水を叔母から母がいただいて、
「飲んだらだめよね」といっていたのを思い出します。
カトリックなので、できたら飲みたいと思って
いたのだとは思うのですが。
もしかしたら、煮沸したら飲めたかもしれませんが、
なかなか微妙なおみやげでした。
ルルドがどんなところかよく分かりました。
いつか行ってみたいです。
どうもありがとうございました。

ふうちゃん組さん、こんばんは。

叔母さんのお土産だったのでしょうか? ルルドのお水として市販されているのもありますし、町中で売っているマリア像の水入れにこの泉の場所からルルドの水を入れてお土産にしている人もいます。

泉の横の水飲み場の水は直接飲むことも出来ますし、ホテルなどではペットボトルとなっているルルドの水もありました。 

大丈夫と思いますが、お土産の水は飲めるかどうか判りませんね。 まあルルドからのお水ですのできっと御利益があると思います😃

やはり一見の価値はある場所だと思います。機会があれば行って感じて下さいね。コメントありがとうございます💖

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