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2020年2月 2日 (日)

映画『杉原千畝 スギハラチウネ』を観て思うこと

昨夜、杉原千畝の映画を観た。2015年作品の『杉原千畝 スギハラチウネ』と言う映画です。

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その映画の中でこれまで私が疑問に思っていたことがいくつか解決した気がします。 今日はそのことを少し記載したいと思います。

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杉原千畝のいわゆる「命のビザ」については以前から知っていました。そのこともあり、2016年にバルト三国+ポーランド旅行の際にはリトアニアのカウナスにある旧日本領事館(現:杉原千畝記念館)を訪ねました→http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/56-e6bc.html。丁度、私が訪ねた時に、記念館内に「この映画のポスターや関係者も訪ねた写真」が貼ってありました(一番上の写真)。

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その記念館では彼の仕事ぶりや、短時間の千畝氏の紹介動画も上映されていました。彼が実際に描いたビザや助けられた多くのユダヤ人からの感謝の手紙も展示されていました。杉原千畝氏が命のビザを発給した机も当時のまま保存展示されていました。私もその机に腰掛ける事も出来ました。彼はどのような思いで決断したのでしょうか・・・

今回この映画を観ることで、私がずっと疑問に思っていることも解決出来ました。私の疑問の1つは「運良くシベリア鉄道でウラジオストックに行けたとしたも、どのような手段で船に乗って日本に上陸できたか?」でした。日本の外務省の意に反して杉原氏がリトアニアにてビザを発行しても、ビザを貰ったユダヤ人達がウラジオストクに到着する頃には日本の外務省も詳細を把握していたはずです。 外務省は彼らが日本に入る時に「ドイツと同盟を結んでいる日本政府は彼らの受け入れを拒絶するのではないか」と考えていました。 この映画の中で杉浦千畝の「ハルピン学園」の後輩だったウラジオストック総領事代理の根井三郎氏の存在が大きいことを知りました

この二人やユダヤ人の関わりをみると、「人は偶然にも何処かで繫がって理解出来る存在なのだと」改めて思えたのです。

根井は杉原のことを理解していました。根井は外務省のお役所仕事を逆手にとって「一度日本の政府のリトアニア領事館で発給したビザを携え、ここまでやって来た人々を追い返すのは、日本の外務省の権威に反する」と権威に弱いお役所に訴えて、彼らが日本に渡るように手配したのです。 命を賭けて逃げて来たユダヤ人の必死の訴えと、杉原、根井という博愛精神を持った外交官がいた偶然が重なって生き延びることが出来たのだと知りました。

もう1つこの映画の中で杉原千畝を動かす原動力なる、ハルピン学園の「自治三訣(さんけつ)」の言葉が何度も出てきました。これは杉原、根井の両氏が通ったハルピン学園の初代校長の後藤新平の言葉で「人のお世話にならぬよう 人のお世話をするよう そして、報いを求めぬよう」という精神でした。今で言う校訓みたいなものでしょう。ここで若い頃に学んだ杉原、根井の両外交官の思想の根底がこの校訓にあったのではないかと想像しました。

日本人の中に流れる武士道精神や、様々な世界の宗教おいても、我々人類の心の中には脈々と「正しい行いを善とみなすこと」が受け継がれているのだと考えるのです。人間の歴史は殺戮の繰り返しだったのかも知れませんが、その都度「善」がその修復を行ってきた気がするのです。

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彼らのお陰でナチスからの迫害を逃れて日本通過ビザで命を救われたユダヤ人は6000人を超えると言われています。私は2016年の旅行で「アウシュビッツ収容所」「ビルケナス収容所」も訪問しました→http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/65-5983.html。もしも彼らのビザがなければ、この6000人の中には私が訪ねたアウシュビッツ収容所の毒室で虐殺された方がいたかも知れません。そのことを思うと本当に杉原千畝氏が書いたビザは「命のビザ」と思えるのです。

私は杉原千畝さんや昨年亡くなられた中村哲さんや緒方貞子さんのことを同じ日本人として誇りに思っています。しかし同時に私は彼らにはなれないと自覚しています。もしも当時のドイツで私が生まれていたら、時代に流されてユダヤ人を虐殺する側になっていたのだろうとその旅行は教えてくれたのです。

夜中から観た映画『杉原千畝 スギハラチウネ』を見終え、布団の中で色々な思いが交差しました。もしご覧になっていなければ観てみたら如何でしょう。今の自分が不自由で満足出来ないとしても、自分の運命、自分の命を自分自身で決めることができるのは本当に幸せなのだと言うこことを再認識させられた映画でした。

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コメント

omoromachi先生ご無沙汰しております。
私もこの映画を観ました。杉原千畝がどのようなことをやっていた人間だったのかもよく解説していると思いましたが、決断するまでの苦悩についてはあまり凄みは感じられませんでした。実際はこの辺りが非常に重要だったのではないかと思いました。 彼の名前をはじめから正確に「チウネ」と呼んだのは後に奥様となる方だけで、そのためか映画の中でも自分のことを「チウネ」ではなくて、「センポ」と紹介しています。 そのことも戦後彼を捜し出すユダヤ人達がなかなか見つけきれない原因にもなったのでしょうか?

特に後半の先生の言わんとしていることがひしひしと感じています。日曜日に私も色々なことを振り返ってみたいと思います。信州はやはり例年よりも暖かです。

信州の隠居老人さん、こんばんは。

映画をご覧になられたのですね。私は昨夜11時頃から観ました。確かに仰るように私も、ビザ発行の悩みについて、もっと自身やご家族に危機が迫る中で苦渋の決断をした部分が強調される方が観る私達もリアルに引き込んだと思います。 まあ余りやり過ぎると嫌みになってしまいますが・・

戦後、助かったユダヤ人がイスラエル建国にも携わった方もいて、日本政府に「センポ」の名の外交官を捜すように求めたにも関わらず、そのような外交官はいないと返事が来たとのこと。 もしかしたら「チウネ」で聴いていたら直ぐに分かったのでしょうか? 

最後は偉そうな事を書いているかも知れませんがご了承下さい。 今日の沖縄は南国にしては寒いです。まあ信州の春の陽気でしょうが・・・

コメント頂きありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。

こんばんは。
残念ながら私はこの映画は観ておりませんが、お名前はTVなど紹介されて存じておりました。
先生の疑問も解けて良かったですね。博愛精神に満ち溢れたお二人に誇りを抱きました。
ありがとうございました。
 「戦場のピアニスト」を思い出しましたが、今夜、放映されますね!

マコママさん、こんばんは。

私は以前より気にはなっていたのですが、上映されて5年後に観ることが出来ました。観たお陰で疑問が解けた部分がありました。

どんな時代でも人間らしさがきっと残るのだと思いますし、それを絶やさなかった二人の外交官のお陰で6000人のユダヤ人が虐殺から免れたかも知れません。

「戦場のピアニスト」を丁度BSでやっていますね。私は以前2回程観ました。その時に破壊されたワルシャワの街がでてきます。
以前のブログで「驚異的な復興を果たしたワルシャワ」として記載しました。宜しければご覧下さいね→http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/58-7078.html

いつも本当にありがとうございます💖

こんばんわ。
杉原千畝さんの事、表面的なことしか知りませんでした。
これから勉強したいと思います。

先生は、アウシュビッツ収容所に行かれたのですか。
始めは、障害者たちを実験にしていたのですよね。
本当に残酷な話で苦しくなります。
今でも、形を変えた悲しい話が沢山ありますね。
どうか、気づいてほしいです。

由津子さん、こんばんは。

杉原千畝氏については、色々な見方があると思いますが、あの当時の日本の外交官も立派だと思いました。やはり世界的な見識を持って日本を見ていたと思われます。偏狭的な愛国心だけで世界情勢を知らない軍部とは違い、どうすれば日本がよくなってゆくのかを考えていた方でもあったと感じます。

アウシュビッツの見学は辛いのですが行って本当によかったです。他人を認めない、違いを認めなくなるとどうなるかをアウシュビッツで学びました。障がい者への偏見や差別など今でも根強くあります。 私達にとって違うことが当たり前だということで相手を認めて欲しいと願っています。

アメリカの大統領さえ、自分が1番、自分達が全て正しいと勘違いしている方が多くいます。 気がついてくれたら世界はとても住みやすくなると思いますね💖

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