フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

« 世界を夢みて(181);ルルドへの道 | トップページ | 今週の生け花(令和2年2月第4週) »

2020年2月26日 (水)

空気感染と飛沫感染(+接触感染)の違いについて

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com )。

 

新型コロナウイルスの感染が広がり、その対策は封じ込めることより、拡散速度を遅くし、重症患者を救命することの目標がシフトした感があります。FM放送でも既に2月5日には新型コロナウイルス感染について説明しました(ブログにも書きましたので参考にされて下さい→http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-19ed85.html  )

私自身は以前より、手洗いの重要性を話をしてきました。マスクは自分が感染した場合に周りにうつさないために非常に重要な手段ですが、マスクをすることでの自分がかからないための予防効果に関してかなり低いのです(やらないよりはましな程度。現にアメリカの疾病対策センター(CDC)はマスクの有用性に疑問を呈して、予防マスクの着用を推奨していません)

いま、問題になっているのは新型コロナウイルスと冬場のインフルエンザです。どちらも飛沫感染であり、麻疹、水痘、結核などの空気感染ではありません。その違いを説明したいと思います。

<飛沫感染と空気感染の違い>

①飛沫感染とは: 飛沫(ひまつ)感染の飛沫は「しぶき」のことです。実際は咳やくしゃみあるいは会話によって「飛散する唾液」をさしています。

大きさの定義からすると「水分を含んだ直径5マイクロメートル以上の粒子」のことで、目にみえる様な唾液はすぐに地面や周りの机などに落ちます。小さい粒子は少しだけ空気中を漂いますが、暫くすると重力で下に落ちて行きます。 もしもこの飛沫の中にコロナウイルスやインフルエンザがいたら感染リスクになります。飛沫を直接吸い込んだら感染するリスクは高まりますが、わざわざマスクもしないで相手の顔をめがけてクシャミをする方はいないと思います(やる奴がいたら変な奴です😰)。

→ですのでマスクは咳をする方がつけることが重要ですし、クシャミの時にハンカチなどで口元を被う「咳エチケット」が大切なのです。

Th__20200226121501

**空気感染に入る前に「飛沫」と「飛沫核」について**

 飛沫は水分を含んだ直径5マイクロメートル以上の粒子と言いました。この大きさだと空気中に漂うよりも重力により地面(床やテーブル、ドアなど)に落ちて付着します。元々が5マイクロメートル以下粒子径だったり、あるいは「飛沫」の中の水分が蒸発することで、更に小さい粒子へと変化します(5マイクロメートル以下の粒子「飛沫核」と呼んでいます)。そうなると空気中を漂う場合も想定されます。

 →では、コロナウイルスもインフルエンザウイルスも乾燥して空気中を漂い、それを吸うことで「空気感染」になると思われるかも知れませんね <ANSWER>コロナウイルスもインフルエンザウイルスも乾燥する過程で水分を失うことで感染リスクが軽減すると考えられているのです。

②空気感染とは

 飛沫と違い「飛沫核」となるような5マイクロメートル以下の粒子は空気中を漂うことが多く、部屋中に拡散してゆきます。

ウイルスの中には「飛沫核」となっても感染力を失わないものがいるのです。この中で有名なのは「麻疹(はしか)」「水痘(水ぼうそう)」「結核」などがあります。 これらのウイルスや菌が漂うなかで、呼吸を介して感染するのが「空気感染」となります。 この場合は通常のマスクでは意味をなしません。よく医療現場で使っているフィルター径が細かくて、周りから空気が入らないような特殊なマスクが必要となるのです。 私達にやれることは、換気をすること、現場に近づかないことしかありません。

③接触感染と手洗いの重要性

・・新型コロナウイルス(インフルエンザ)対策に、手洗いの重要性の意味・・

今回の新型コロナウイルスも季節性のインフルエンザウイルスも飛沫感染です。飛沫ですので、机やドアノブ、電車での手すりなどには、ウイルスを持っ人が触った可能性があります。そして私達も見えないウイルスがついた周りのものを触って生活をしています。 そしてその手を介して今度は自分が感染してしまします。 この様に殆どはこの手を介して感染するのです(接触感染)。

ですので、頻回な手洗いが重要なのです。マスクは全否定はしませんが、マスクをしていてそのマスクの付け方も十分理解していない方が多いので付け方や処理法に注意して下さい。

 

<追記>

・現在の日本の対応としては4日以上37,5度以上の発熱があり、倦怠感などが強い場合は「帰国者・接触者相談センター」に連絡後、対応機関に行くよう指針で決められています。

これは恐らく通常の風邪ならよくなる時期に改善しないために新型コロナウイルスを疑う経験値から勧めたと考えます。

丁度2月19日に発表された雑誌(The New England journal of medicine. 2020 Feb 19; doi: 10.1056/NEJMc2001737.)に実際に感染した患者さんの鼻と喉にどの程度ウイルスがいるのかを調べた結果が報告されていました(SARS-CoV-2 Viral Load in Upper Respiratory Specimens of Infected Patients.)。
それによると発症後3日以内が一番ウイルスの活性が高そうですので、この時期に色々な所に出歩くと周りにうつす可能性が高くなります。そういったことも考えれると4日以上発熱が続く(当然重症者は除きますが)場合としたのは理にかなっているかも知れません。 また感染も喉よりも鼻でウイルス量が多いことより、同じコロナウイルスであるサーズやマーズよりも通常のインフルエンザウイルスに近い感染部位かも知れません。 新型コロナウイルスがサーズやマーズよりもインフルエンザウイルスに感染力や致死率などが近い原因かもしれません。

« 世界を夢みて(181);ルルドへの道 | トップページ | 今週の生け花(令和2年2月第4週) »

医療」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ・・・
毎日の報道に恐々としています。きょうも亡くなられた方が
おいででした。政府は基本方針を発表しましたが、遅いな
と感じました。今が一番重大な局面であったら、思い切って
国内でのイベント等に中止を要請すべきでしょうし、効果が
ほとんどないと言ってもマスク不足は、不安を抱かせています。
先手先手で対応すると言いながらも、思い切った決断で対応策を
実行に移してほしいものです。第一、この大変な時期に総理が
出ない関連の会議、総理の対応にも批判が出ているのは当然
でしょう・・・
ウイルスなので、降雨があれば少しは拡大にブレーキがかかるのでは?
そうも思っていましたが、きょうのomoromachi先生のブルグを拝見すると
そうではないようですね・・・俺は昨春気管支炎で入院したこともあり
また、花粉症持ちでもありますから、恐い春になっています。

こんばんは。
院長先生の解説で感染の仕組み?が分かりました。
ありがとうございます。
何より手洗いが重要なのですね?
つい忘れがちなので励行します。
玄関にはジェルタイプの消毒用を置いて帰宅後はまず使って、
コートを脱いでから洗面所へ〜を心がけます。
大型スーパーも行かず、ネットスーパー利用です。
今日は直近のスーパーでお買い物でした。
出入り口に消毒用が置いてありましたよ。
花粉症もあるのでマスク😷は手放せません。
これ以上、罹患される方々、お亡くなりになる方が増えませんように。
コロナウィルスの早い終息を願います。

でんでん大将さん、こんばんは。

今回の新型コロナウイルス感染症の国の対策は、全て後手後手に回っています。 以前FM放送でも話したことがあるのですが、新型コロナウイルス感染が起きた場所が中国の中心部であった点、そして春節の前に終息出来なかった点の二つで、今後世界中でこのウイスルの影響が出るかも知れないと説明しました。

その時までに経済に影響は与えるかも知れないも、感染地域からの人や物の流通をしばらく規制すべきだと考えて話もしました。「ダイヤモンド・プリンス」における感染において、大変だったことは想像しますが、検疫の1番最初にやらないといけないのは、感染者と非感染者(判断は難しいんですが)の動線を完全に分ける必要がありますがその対策が全くなされていませんでした。

私自身は感染症の専門ではありませんので、批判的なことは余り書きませんでしたが、政府の対応の遅さには呆れてしまっています。現場に丸投げの状態で、現場は動くにも動けない状態です。

国は国民への対応をもう少し判り易く説明する義務があると考えます。正しい情報を流してパニックにしないようにして欲しいと願います。

私達の病院でも、特に症状がなかったり、軽症で本人が新型コロナウイルス感染と考えないで受診したり、逆に心配して来院するケースもあるだろうと対策を練っているところです。

現時点では、手洗いが重要で、外出先で手で何かに触れた場合には、手を口や鼻に持って行かないようにして欲しいと思います。先に手を洗ってから行動して下さいね。

花粉対策にマスクは必要と思いますが、なるべく正しい装着をするようにして下さい。

マコママさん、こんばんは。

今回の新型コロナウイルス感染症に関して、国民が感染の仕組みを理解していない方も多いと考えて記載してみました。

先日、電車内でマスクをしていない方が咳をしていると「電車の緊急停止ボタン」を押した乗客もいたニュースもありました。 マスクについても店頭から消えて、ネットで高額で売られている事態です。 直接飛沫を浴びる可能性のある医療現場でもマスクが手薄になっています。2009年の新型インフルエンザの騒動と同じ状況となっているのです。

手洗いの重要性を国民が理解出来たら、感染の拡大のスピードを遅らせることが可能と思います。 これは患者数をが急激に増えることで医療機関が機能停止になることを防ぐ手段で、今の状況では1番重要な項目となります。

マコママさんも頑張って手洗いを行って下さいね💖

omoromachi様、こんばんは。
ご無沙汰しております
はやりここまで感染が広がって
しまいましたね。来月の東京
出張は見合わせることになりました

いつもながら判り易い解説ありが
とうございます
このような説明を政府がしてくれると
納得出来るのですが・・・・

クルーズ船の対応は神奈川県が行って
国の対応は後手後手とのこと・・・
本当に情けないく思います
現政権は桜の件と、中国の習近平が
来賓するための忖度で、中国への
対応が遅れているように感じます
もう少しきちっと対応しておれば
水際対策で防げたかも知れませんね

今となってはどうしようもありませんので
手洗いをしっかりと行って予防出来る
ことは自分なりにやって行きたいと
考えています。
京都では今もマスクがありません
情報ありがとうございます。

ツクシンボさん、おはようございます。

連日のように新型コロナウイルス感染症のことがトップニュースで伝えられています。マスクが品切れになるような状態はやはりちゃんとした情報が伝わっていないことの表れと思い、今回記載してみました。 判りやすいと言って頂き嬉しいです。

今回の新型コロナウイルスに関しては未知の対応を求まられるため、初期の段階での対応策は難しいと思っています。
ただツクシンボさんも書いていますように、政府は初期は非常に軽く考えていたのではないかと思いますし、感心も少なかったと考えます。 と言うのはクルーズ船にしても、人の武漢への往来の件にしても、地方の自治体や企業に丸投げの状態です。

いよいよ国民の生活や東京オリンピックにも影響が懸念されたために、今度は慌てて、全ての国民へのお願いとして(半強制ですが)、イベントの中止などを突然発表しています。 一貫した対応がなされていないのがよく判ります。

ともあれ、私達に出来ることは、可能なだけ感染リスクを減らすことしかありません。手洗い頑張って下さいね。

先生、お疲れ様です。
先程のニュースで、来週から全国の小中高校が休校ということになりました!
私の仕事も、ずっとお休みになるかも…。

石鹸だけでは不安なので、アルコール60%の商品が欲しいけど、
普通の人は、もう全く手に入らない分けです。
それで、次亜塩素酸水が、濃度を50ppm (0.005%)にして指先と消毒したりできるという記事をネットで見つけました。
これは、ピューラックスなどの次亜塩素酸ナトリウムとは違うようですが、
その違いは理解できませんでした。

家にあるピューラックスの濃度をかなり薄めて、指先に使える消毒液に
ならないでしょうか?野菜などを10分くらいつけて消毒して水洗いして配膳している
くらいですから。いつも難解な?質問をしてスミマセン。
よろしくお願い致します。m(__ __)m

由津子さん、こんばんは。

今回の新型コロナウイルス感染に関しては政府は全くの後手後手で対策に行き詰まった感があります。それで全く計画的なプランも立てることもなく、突然、全てのイベントの自粛や学校の休校を発表しました。今回の全国一律の休校に対しては、遅きに失した場所もありますし、まだ感染者が出てない場所では混乱を生じさせることにしかならないと考えています。

さて由津子さんが心配されてることに対しての答えです。
まず何をそこまで恐れているのでしょうか? 手洗いは通常の石けんで十分です。しっかりと時間をかけて流水で流せば何も問題ありません。

次亜塩素酸を手指の消毒に使用するのは勧めません。手荒れするだけで意味のないことです。
もしも心配ならドアノブなどを薄めた次亜塩素酸ナトリウムで拭き取るのはノロウイルスにも使用しますので、やっても構いません。

新型コロナウイルス感染の患者がいる病室などと由津子さんの自宅では全く異なる対応でいいのです。 普通に手洗いをして、時々窓を開けて換気するだけで十分です。

現時点で野菜も水洗いで結構ですし、それでも心配なら加熱してから召し上がって下さい。 

新型コロナウイルス感染はまだ分からない点があるのですが、基本的に飛沫感染です。パニックにならずに対応をお願い致します。ひと呼吸おいてゆっくり考えてみては如何でしょう。この季節がら予防接種を行けたとしてもインフルエンザにかかる率が遙かに高いはずです。日本ではインフルエンザで毎年3000人から5000人が亡くなっているのです。新型コロナウイルス感染の死亡者だけをニュースで取り上げているのも問題なのでしょう。

塩素系の消毒液の作り方調べてたら、なぜかペニシリンの作り方の話に飛んで偶然このブログ見つけました!
コロナはまだまだ感染拡大してく途中だと思いますが、収束していくにはどれくらいの年月かかるんですかね。
素人感覚ですけど5年くらいは続きそうな気がします汗
季節性があればまだよさそうな気もしますがどうなんでしょうか?

マスクが無くて困ってる人さん、こんばんは。

色々なところを経由して辿りついてくれたのですね。初めまして、宜しくお願い致します。

私は外科が専門ですので、専門外のことを色々と調べながら経過がどのようになるかを考えています。

現在の新型コロナウイルス感染については、世界中で押さえ込むのは無理だと考えていますが、世界で拡散する時間を半年1年と延ばせるのであれば、簡易キッドも出来るでしょうし、その間に効果のある薬もでるかも知れません。 

コロナウイルスは自然界に何十種類もあるのですが、人間の風邪の原因をなるのは通常型の4種類です。これは普通の冬場の風邪の原因の大きな部分を占めています。 希望的観測からすると元々のコロナウイルスの性質を有しているのであれば、夏に向けて感染率は低下すると考えています。 逆に怖いのは人間の間を感染する中で遺伝子変異が起こり毒性が強いウイルスの発生です。

現在の新型コロナウイルスはサーズやマーズのような致死率はありません。季節性のインフルエンザとそれ程大きく変わらない程度だと考えます。

兎に角、完全に抑え込めなくても、感染の頻度を遅くすることで、医療機関も私達の日常もある程度保ちながら対策が立てられる環境をつくるのが大切だと思います。 まあ、しばらくは終息しないはずです。日本だけ押さえ込んでもまた世界中から入って来ますので、世界の動向も注視が必要ですね。

季節性のインフルエンザの予防と変わりませんので、手洗い頑張って下さい。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 世界を夢みて(181);ルルドへの道 | トップページ | 今週の生け花(令和2年2月第4週) »