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2019年10月 2日 (水)

乳がん検診;日本人のマンモグラフィー検査の注意点

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com )。

 

今日のFM放送は乳がんについて説明をしました。乳がんは増加傾向があり、今では女性のがんになる確率(罹患率)の第1位、そして癌死亡の第5位となっています。

Th__20191002114001 30年前の乳がん検診は医師による視診と触診が中心でした。その後欧米のがん検診のデーターより、費用対効果のあるマンモグラフィーが導入され普及してゆきました。 現在の乳がん検診はこのマンモグラフィーを中心に行われています。 この検査が主流であることは間違いありませんので、皆様方がどれ程受けるかどうか(受診率)でがんの検出率も上がると考えています。

欧米人の大きな乳房の方々には放射線撮影のマンモグラフィーはがんの見落としが少なくより有効であることが統計上分かり、日本にも導入されるきっかけにもなっています。

しかし、日本人の乳房は欧米人と比べて、脂肪の割合が少なく、小ぶりで張っていることが特徴です(乳房の大きさは乳腺組織の大きさよりも脂肪の量によって変化します。ですので欧米の方や日本人でも乳房が大きい方は脂肪の比率が大きいことが一般的です)。

また、若い人ほど乳房内の乳腺の割合が大きく(これを高濃度乳房とマンモグラフィーでは呼んでいます)、特に授乳期前後では更に増大します。 人種を問わず次第に年齢と共に脂肪の比率が高くなる傾向が出て来ます。 

マンモグラフィーは乳房の厚さをなるべく均一にして撮影する必要があります。ですので思い切り乳腺を両方から挟んで厚さを統一して撮影する必要があります・・・・と言うことは、日本人のマンモグラフィーでは欧米人と比べて痛みを感じることが多いということになります・・・更に若年で生理前などは更に乳腺が張った状態での挟み撃ちをくらうと痛くて大変だったと言う方も多いのです。

・・・これで、日本人のマンモグラフィー検査では痛いこともご理解いただけたと思います(日本人のマンモグラフィー担当者の腕が悪い訳でも、意地悪な訳でもありません😊)

放射線の場合に脂肪は黒っぽく移り、腫瘍などの高密度のものは白く写る傾向があり、このコントラストを比較して、異常を判定してゆきます・・・・(ここからは少し考えて見て下さいね)・・・・日本人の乳腺は欧米人と比べて脂肪が少なく高密度の乳腺が多いのです(特に若い女性ほど)・・・と言うことは・・・マンモグラフィーで高濃度乳房として写ることも多くなり、腫瘍とのコントラストがつきにくく、判断が難しくなります。

この様な場合にはマンモグラフィー検査では、癌などと異常を指摘できなくても「高濃度乳房」と判断し、乳腺エコーを勧めることになるのです。 この様な高濃度乳房もエコー検査にては腫瘍を発見出来ることが多いので、「高濃度乳房」の方は念のため乳腺エコーを追加して下さい。

Th__20191002114101

これからすると、ではマンモグラフィーは必要ないのではとなりますが・・・・エコー検査は検査する側の技量で変化すること、一枚に全体を記録として残せないこと、これにより以前の検査と比較が難しこと、更に重要なのはマンモグラフィーでしか指摘できないようなごく早期の微小石灰化をエコーでは判らないことなど・・・

ですので、現時点では乳がん検診はマンモグラフィーを中心に、そこで異常を指摘されたり、あるいは高濃度乳房の場合はエコー検査を併用することで見落としが少なくなります。これらにより癌が疑われる場合はより精度の高い検査へと進めるのが一般的だと考えています。

乳がんを見つける1番は自己検診で、その次は乳がん検診を欠かさず受けるようにされて下さいね

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医療」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
 台風は被害がなくて何よりでした。

 マンモグラフィー検査は今まで2回だけ受けました。
それ以前はドクターの触診でしたね。
確かにマンモグラフィーは痛かったです!
確か?もう4、5年前に受けたきりです。
 末妹・従姉・伯母が乳がんでした。
末妹の乳がんはひょんなことから判明!(長くなりますので割愛させて頂きます)
左乳房全摘で10年経って胃・大腸・肝臓に転移、手術を受けています。
従姉はもう十数年は経っていますが、高齢乍ら元気ですね。
伯母は手術後、元気で過ごしておりましたが、
心不全で他界しております。
そう考えると私は乳がん検診必要ですね?
重い腰が・・・?
 今日も有意義なお話をありがとうございました。

ハイサイ、先生(^_^)/お疲れ様です。
今日はわりと仕事が早く片付きましたので、なんとかオンエアに間に合いました(^^;
そちら沖縄ではインフルエンザが既に流行中のようですがやはり早めの対策が必要ですね。

さて今日の放送では乳ガンについてのお話で、ついつい乳がんは女性のガンと思いがちですが、女性よりは罹患率が低いものの、実は男性も当然ながら乳ガンがあり、尚且つ悪性度が高いということを知りました。
つい検査に対し億劫になってしまいますが、乳ガンやその他のガンについても早期発見が大事なことは間違いない事なので、放送の中で先生がおっしゃっていたように民間療法に頼らず手遅れにならないうちにしっかりと検査を受けなければと再認識した次第です。

今日の音楽はBBクィーンズ特集でしたね。先生の弾き語りもいつもながらやさしい歌声を聴かせて頂きました。
B.B.クィーンズのギター、近藤房之助さんはブルースシンガーであり、私も好きなミュージシャンの一人です。
4年程前に亡くなったブルース界の巨人、B.B.キングをもじって付けられたバンド名が
B.B.クィーンズという事でいかにブルース好きかがうかがえます。(あくまでも個人的な印象ですが)
しかし放送でB.B.クィーンズ特集と聞いて少々ビックリ、先生の音楽の幅の広さに驚きです(^_^)♪

これからも、お身体をご自愛頂き、ミミグスイとなるお話や音楽などをお聞かせ下さい。
それではまた、にふぇーでーびる(^_^)♪

マコママさん、こんばんは。

35年程まえには乳がん検診は医師の触診が主な検査でした。海外でマンモグラフィーの有用性が指摘(欧米人は乳房が大きく触診では難しい反面、脂肪が多いためにマンモグラフィーでは癌が発見しやすい)され、日本にも導入されました。
日本人の乳房は小振りで乳腺がびっしりと詰まった状態で時々マンモグラフィーでは高濃度乳腺としてわかりずらいことが多いのです。

乳がんは遺伝的な要素もありますので、マコママさんは時々乳がん検診を受けて下さいね。

mosaさん、こんばんは。

忙しい中FMラジオの「いきいきタイム」を聴いて頂きありがとうございます。インターネットの時代は神奈川でも沖縄の生放送を同時に聴くことが出来る便利な時代となりました。ありがとうございます。

10月1日からは今期のインフルエンザの予防接種も始まりました。今年の沖縄のインフルエンザの発生状況は異常なほどでした。この冬の流行がどのようになるのか予想がつきにくくなっています。

今日は乳がんの話ですが、私達男性にもれっきとした乳腺がありますので、女性の乳がんの100分の1以下ですが、罹ることもあり、罹ると重症なことが多いです。

BB,クィーンズは皆が実力者が揃っていますので、聞き応えがありますね。ええ、私も近藤さんが好きですよ。

彼らが唄う「上を向いて歩こう」はブルージィーでカッコ良いですよね。

第3週を除いて私が担当します。お時間があればまた聞いて頂ければ有難いです😊。

ご無沙汰しております
今回のことはとても興味深く読ませて貰い、と
ても判り易く納得出来ました。
今年の人間ドックにてマンモグラフィーを初めてやりました。
聞いてはいましたが凄く痛かったです😢
そして私の結果は先生の説明通りマンモグラフィーでは
異常がありませんとのことでした。
しかし高濃度乳腺でエコー推奨とのことでした
意味が分かりませんでしたが乳腺外来を予約し、
エコー検査にて腫瘍はないとのことでひと安心

・・今回のことで私にも理解出来ました。
先生のように説明してくれると有難いのですが。

このブログはいつも発見があります✌️
いつもありがとうございます??✨️

yumitanaさん、おはようございます。

マンモグラフィーは乳がん検診には欠かせない検査ですが、日本人の乳腺の特徴として、欧米人と比べて乳腺組織の濃度が高いことから、判定が難しいことが多くなります。

特に高濃度乳腺の場合は全体が白く写るために、細かな癌組織を見つけることが困難となります。それでエコーの検査をするで、この欠点をカバーできて判定がつきます。 最初からマンモグラフィーとエコー検査がセットになっていればいいのですが、現実的には多くはありません。

もしもyumitanaが高濃度乳腺なら次回からはエコーを中心に乳がん検査を行った方がいいと思われます。ご検討下さいね。

こんばんは!
私の母は43歳で亡くなりました。
妹は35歳だったかな。
どちらも乳癌です。
特に妹は看護師だったので、母を乳癌で亡くしていたことから、自分でいつも気にして触診し、本当に初期の早期発見だったのですが、全て切除しても助かりませんでした。
怖い癌ですね。
我が家は癌の家系のようですから、私もそのうち何らかの癌に罹るのかなぁ・・・。

FUJIKAZEさん、こんばんは。

そうでしたか、お母さんと妹さんを乳がんで失ったのですね。
ブログでも書いたように乳がんは他の癌とくれべて比較的治りやすい癌の範疇に入ります。

しかし妹さんは気をつけていて、尚かつ早期であったのに治癒出来なかったのですね。
若年乳がん(一般的には34歳以下を指しますが、妹さんはそれに当たるのかも知れません)

乳がんの中でも若い方に多く、治療に難渋するトリプルネガディブ乳がんというタイプがあり、その予後は一般的に不良です。

私もこれまで20代の女性の方を3人ほど診ましたが、いずれも進行が早かったです。

癌の遺伝子はその疾患によって異なります。今や二人に一人は癌になります。FUJIKAZEさんもこれからも気をつけて検診などを行って下さいね。

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