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2019年6月26日 (水)

江戸わずらい(ビタミンB1欠乏症=脚気)

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com )。

 

今日のFMレキオはこれまでにも何度か放送したビタミンについての第1弾と言うことで話をしました。

今回はビタミンB1欠乏症の脚気について説明します。脚気は今では殆ど診られなくなりましたが、ビタミンB1が欠乏すると、手足のしびれ、動悸、むくみ、食欲不振が現れ、進行すると歩行困難となり最終的には心不全で死亡します

今では誰もが知っていて、毎日のように見かけるビタミンについてはその存在が発見されてまだ100年しか経ちません。 昔は脚気は日本人にとって結核と共に不治の病と言われていました。 当時ビタミンについては誰も知りませんでしたので、脚気による死亡者が莫大でも、その原因は不明のままでした。 有史以来あった病気でしょうが、皮肉にも脱穀技術が進んだ江戸時代以降急速に増え国民病とまで言われました。
江戸時代、食生活は副食も殆どないのに、ビタミンを始め色々な栄養素を含んでいた玄米の糠や胚芽の部分を取り除き、白米にすることが出来る様になったため悲劇(脚気の蔓延)が起こったのです。

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江戸時代の一般的な食事:江戸の初期は1日2食で、中期からは1日3食へと変化しますが、食事の内容は粗食で、一汁一菜でたまに汁に鰯(イワシ)が入る程度で、主食の米に偏った食事となっていました。現代のような栄養素のことなど考える訳でもありませんので、炭水化物偏重でその他の蛋白・脂質・ビタミン・ミネラルは不足している状態でした。それでも玄米や雑穀米のためその中のビタミン等にて救われていました。

江戸時代中期になると脱穀の技術が進んでくるも、当初は一般人ではなく、やはり位の高い人しか食べられませんでした。地方ではまだお殿様でも玄米(胚芽米)でしたし、副食はそれ程多くはありません。 

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江戸幕府による「江戸上り」が行われると、地方から大名や武士なども江戸の屋敷で生活するようになります。 江戸では、これまで食べたことはない「白米」を主食とすることも多くなります。 それでも副食はタクアンなど質素なものです。 すると次第にビタミンB1が不足しだして「足元が感覚なくなり、食欲低下、全身倦怠感」などどうも体の不調が現れるのです。勤務を終え地方に戻り元の食事を摂ると体調が良くなり、また江戸にゆくと体調が悪くなる・・・ですので当時は「江戸わずらい」と呼ばれるようになったとのこと・・・「恋わずらい」は聞いたことはありますが「江戸わずらい」は聞いたことがありませんでした・・・どうもこれは脚気による症状だったのです。

ビタミンについても知らない時期に白米食が次第に全国に普及し、江戸後期から大正にかけて「脚気」は急速に増大し国民病とも言われるようになります。脚気は明治から大正にかけて日本人の死因の上位を占め、特に日露戦争では戦闘による死者の10倍以上の兵士を脚気で失います

脚気は昔のことと思われるかも知れませんが、インスタント食品など非常に偏った食生活の学生さんなどで脚気になる方もいますので、今でも気をつけなければならないのです。

 

 

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医療」カテゴリの記事

コメント

ハイサイ、先生(^_^)/ お疲れ様です。

沖縄は大雨で避難勧告が出ている地域もあるようですね。また令和初の台風が近づいて来ているようですからくれぐれもお気を付け下さいませ。

さて、今回はビタミンについて歴史をもとにお話頂きとても興味深かったです。
江戸時代各大名が江戸屋敷に来るとビタミンB1不足により脚気となり地元へ帰ると回復する。これを「江戸わずらい」と言うのは知りませんでした。
またビタミンB1が発見されてまだ100年しか立っていないというのも以外ですね。

またビタミンにはビタミンCなどの水溶性とビタミンAなどの油溶性があり特に油溶性のビタミンは過剰に取ると逆に体に悪い影響を及ぼすので食べ物でバランスよく栄養を摂ることが大事であるということも分かりました。

今日のラジオ放送では山本潤子さん特集でしたが彼女の声はとても魅力的な声で素敵ですよね。
先生の弾き語り「青い夏」も相変わらず優しい歌声で聴かせて頂きました。
2曲目の「海を見ていた午後」は荒井由実の曲ですが山本潤子さんの声にピッタリな曲ですね。
若かりし頃のユーミンが歌にしたこの曲に出て来る『山手のドルフィン』の景観は今もなお健在ですよ。
歌詞にもなっているソーダ水(ドルフィンソーダ)はやはり一番人気のようです。「ドルフィンソーダ」が到着する間際には、お店のサービスでユーミンが歌う「海を見ていた午後」が店内を流れます。ユーミンファンにはたまらないかも知れませんね♪

ひとつ質問なんですが、先生の番組の最初と最後に流れる曲(テーマ曲?)で
  「♪この大空に 翼を広げ この悲しみを乗り越えて行く~ 」
という歌詞の曲名を差し支えなければ教えて頂けますでしょうか?いい曲ですね。

YOKOHAMAも徐々に「かりゆしのシャツ」が似合う季節が近づいて来ました。
それではまた、にふぇーでーびる。。。♪

こんばんは。
 御地は大雨のようですね。
くれぐれもお気を付けてくださいますように・・・。
台風の進路も気がかりです。
逸れてくれますように!
 脚気の事を「江戸わずらい」とは存じませんでした。
白米ばかりはダメですよね?
拙宅では以前は夫用に白米、私は16穀米を頂いておりました。
友人たちが「二人だけなのに面倒でしょ?」なんて言われておりました。
夫はどうしても白いご飯がいい!ですから、今は交互に炊いております。
ビタミン不足も過剰もいけませんね!

mosaさん、こんばんは。

今日は予想以上の大雨で、外来の患者さんも予約時間に間に合わない方も多かったです。職員も遅刻の方も多かったですね。私は7時すぎには病院に到着していますので混み合わず到着しました。

ビタミンB1の欠乏による脚気は国民病、東洋に多い地域病と考えられていた時期がありました。ビタミンが発見されてまだ100年程度です。それ以前はビタミンの存在も欠乏症のあることさえ知らなかったのです。

学生時代、神奈川に旅行の時にドルフィンを訪ねました。やはり皆ユーミンファンでした。 今でもこのお店は健在なのですね。 「ソーダ水の中を貨物船が通る」なんてカッコ良すぎる歌詞ですよね💖

私の番組のテーマソングの「翼」は上新功祐さんが唄っています。この番組を始めた時に、使っても良いことになったためにそれ以来使っています。ステキな曲ですよね。

横浜も次第に夏らしくなったのでしょうか? 山手のドルフィンでのむソーダ水が美味しい季節になったのでしょう✌️

マコママさん、こんばんは。

今日は本当に大雨でした。私はいつものように7時頃には病院についていたから良いのですが、特に8時頃からは道路も冠水した場所もでて大渋滞となったようです。

「恋わずらい」は分かりますが「江戸わずらい」は私も知りませんでした😊

白米は甘みもあり食感も良いのでしょうが、一番大切な栄養部分を取り除いてしまっていますから栄養学的には勿体ないですね。16穀米などは繊維成分も多くなるので腸にも良いのでしょう。

ビタミンは普通に食事を取っていれば事足りるのですが、何故か日本人はビタミンが大好きです(^_^)。 水溶性ビタミンは取り過ぎてもオシッコに流れるだけですが、脂溶性ビタミン(A,D,E,K)は過剰症もありますので気をつけたいですね。

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