今週はFM放送がないため、健康ネタはありません。日本でも大きく報じられたパリのノートルダム大聖堂の炎上に絡めて、旅行記ではなくて思いで話として書いてみます。
20代、30代は1年に1回海外旅行に行っていたのですが、大学病院から離れて30代後半から50代半ばまでは、年に1回の海外旅行も出来ないほど忙しくなり、本当に365日年中無休で働いていました。50代後半から思い切って海外旅行を復活させることにしました。病院の再建、移転と忙しく働いた仲間からも「行ってらっしゃい」と背中を押されて、ここ5年はヨーロッパに行っています(皆に感謝です)。
私がフランスに行ったのは1990年代ですので、随分と経ってしまいました。フランス各地を回るとフランスが農業国で各地方の文化度が高く、豊かな国だと言うことを実感しました。そしてその旅の最後が花の都パリの2日間でした。エッフェル塔からの夜景や運河からノートルダム大聖堂やオルセー美術館などを見学し、華やかなムーランジュールのショーも見学しました。本当に夢にような若い頃の旅行でした。
昨日、悪夢のようなノートルダム大聖堂の炎上のニュースをみました。本当はもう一度ゆっくりと観る計画を頭の中では考えていたのです。 気になっていたノートルダム大聖堂が炎上する光景を観ながら、パリ市民が涙を流し賛美歌を歌っている動画には思わず涙が溢れそうになりました。 私自身は全くの無宗教家ですし、キリスト教のことも知りません。 だだ世界の美しい景色や街並み、教会や美術館をみるのも好きなせいで、ヨーロッパを旅行するとキリスト教の文化には触れることがあり、学ぶことも多くありました。
パリのノートルダム大聖堂はゴシック様式の始まりであり最高傑作にも挙げられる教会です。宗教革命やナポレオンの時代、2回の世界大戦も生き延びた教会で、パリ市民にはなくてはならない存在、そして永遠に有り続けると信じていた教会だったと思います。その火災を目の当たりする喪失感は如何ばかりかと想像します。
久々に20数年前のアルバム(当時はデジタルではありませんでした)を取り出してみました。懐かしい景色ですが、もう無くなってしまった部分も多くあるのでしょう。 その写真の横に小さな文字で私が書いた解説がありました。 「ノートルダム大聖堂は十字架の形」だそうです。
折角ですので、記憶の整理に書いてみたいと思います。
ヨーロッパを旅すると聖母マリア信仰が根強いことを感じます。キリスト教文化ですので、キリストが一番でしょうが、マリア様の方が人気が高いかも知れないと思うことがあります。 一度そのようなことを現地で聞いたことがありました。キリストの教えは絶対的なもので、戒律なども厳しいそうです。それに対してマリアさんは慈愛の象徴で、何もかも受け入れて許してくれるそのような母親像のために、マリアさんは人気があるのではと・・・なるほどと納得した思いでがあります(きっと諸説あるのでしょうが・・・)
この「ノートルダム」と言う名の教会は世界各地にあります。 炎上したのはパリのノートルダム大聖堂とわざわざ「パリ」のと付いているのです。 ノートルダム(Notre-Dame)とはフランス語で「我らの貴婦人」という意味で、聖母マリアをさす言葉です(フランス語を知らなくてもマダム(Madame)は聞いたことがあると思います。語源は「私の (ma)婦人 (dame)」から来ていて、英語のミセスやミスに相当するそうです。Notre-DameのDameもこれと一緒です)
。 そのため世界各地にノートルダムと名を記した教会(聖堂、大聖堂)があります。(以前、教会の呼び方について書いてますので、一緒に読んで頂ければ嬉しいです→http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/88-4e57.html )
ノートルダム教会の基本的な形は上空からみると「十字架の形」をしています。教会の上部にはマリア御堂があり、中央の交差部分にイエスの十字架がおいています。ゴシック様式は空高く造られ、内部の空間の広々とし、ステンドグラスなどの光が美しいのが特徴です。そのために壁の外部にはそれを支える支柱が沢山建ち並ぶ構造となっているのです。
上の写真は20数年前に運河クルーズから眺めたシテ島にあるノートルダム大聖堂の威風堂々した姿です。私がノートルダム大聖堂を観てから随分と経ちましたので、もう細かなことは覚えていません。
若かりし頃は時間も永遠にあると思い、旅行に行っても写真も余り撮りませんでした。今思うとノートルダム大聖堂の写真を沢山撮っておけば良かった思います。マクロン大統領もすぐに再建する話をしていますし、既に沢山の寄付を出すという方も多いようです。 ただ残念ながら昔の資材は消失したのも多いかも知れません。 再建され形は同じでも同一ないのですね。
私が観た昔の内部の彫刻や美術品はどうなったのでしょうか? キリスト教徒でなくてもこの教会は永遠だと思えていたのですが・・・・・
永遠というのは実際にはないのでしょう。永遠はなくても継承は出来ると思います。同じ作り手や材料ではなくても、人類の財産はその歴史の継承と共に次の世代にもみて欲しいですね。
焼灼されてしまいそうな貴重な美術品や重要な遺産をフランスの消防士の懸命な努力で救われたものも多いと聞いていいます。フランスだけでなく全世界の遺産ですものね。お怪我をなされた消防士もいたと報道されています。御回復をお祈り致します。
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