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2019年2月24日 (日)

世界を夢みて(119); 真珠の耳飾りの少女

このブログの記事をまとめたホームページを作りました。見て頂くと嬉しいです😃(ニライの夢:https://dreams-nirai.com )。
今回の旅で、出逢いたい絵画がありました。世界的にも有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」と言う作品です。
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私が物心ついた時には既に、自宅にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」が壁に飾られていました。表彰状を入れるような薄い額に飾ってあった記憶さえ鮮明に残っています。この作品がフェルメールのものだと知ったのは中学生の美術の時間だったように思えます。その後、高校の頃にフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を知りました。それ以来、彼女の虜になっています。
アムステルダムからデン・ハーグへ電車で移動し、その日はデン・ハーグ宿泊としました。マウリッツハイス美術館はアムステルダム美術館ほど混んではいませんが、世界的な名作の宝庫ですのでそれなりに来館者も多いと聞いています。それで閉館時間に合わせて美術館を訪ねるために宿泊地にしたのです。        
その他の作品に関しては前回のブログ(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-6b30.html )に書きましたので、ここではフェルメール特に彼女を中心に話をします。
世界で37(35?)点ほどしかないフェルメールの作品のうち、この美術館には3つの作品が収蔵されています。
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ディアナとニンフたち」(1655-1956年)はフェルメールの最初期の作品とされています。この当時の神話の中の女神はもっと派手やかに描かれていることが多いと思うのですが、既にフェルメールは初期の作品に現実に周りにいる女性達の姿を投影して穏やかに描いています。 フェルメールが次第に「静謐(せいひつ)の画家」と呼ばれる片鱗がこの作品には読み取れます。

 

 

フェルメールは日常の生活の一コマを切り抜いたような作品が多いのですが、彼が生まれ育ったデルフトの風景を2作描いています。1つは以前紹介したアムステルダム美術館の「小路」(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/105-cab0.html )で、特に有名なのがこのマウリッツハイス美術館の「デルフトの眺望」ではないかと思います。
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デルフトの眺望は1660年から61年に書かれて作品と言われています。マウリッツハイス美術館を訪れる方で、この作品を目当てに来られる方も多いと思われます。

 いよいよ「真珠の耳飾りの少女」です。1665年から1666年に描かれたフェルメールの代表作です。もう359歳の少女ですが、350年以上世界の人々を魅了し続けている少女です。青色のターバンを巻いていることより「青いターバンの少女」「ターバンを巻いた少女」とも呼ばれています。また「北のモナ・リザ」とか「オランダのモナ・リザ」とも評されいます。

 

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私の狙い通り、17時過ぎになると入館者もまばらになってきました。17時半頃には独り占めの時間帯でした(上の写真の柵がある場所に少女が居ます)

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なんと贅沢な時間なのでしょう。暫く彼女の目を見つめながら過ごす時間帯です。

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彼女は何を訴えようとしているのでしょう。彼女のまなざしは何を見ているのでしょうか? 幽閉された音のない張り詰めた世界から淋しげな瞳で見つめて助けを求めているのでしょうか? それなのに、この艶やかな唇を少し開ける姿は少し微笑みかけているようにも思えるのです。 戸惑い、驚き、あきらめ、喜び、ほのかな恋心・・・頭が混乱しそうになります。 でも目を離すことなく見つめていたいのです。 まるで初恋の人に逢ったかのような気持ちです。

フェルメールならではの光の捉え方がこの少女をより一層輝かせているのかも知れません。
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彼女の瞳をご覧下さい。右目の瞳の中に小さな白い点が見えるはずです。そして左の瞳にも白く欠けた部分が見て取れます。少女の立ち位置の左上から彼女に向けて光が入ってきていることが分かります。この小さな白い点が彼女の瞳をより輝かしているのです。なんと透き通った瞳なのでしょう。 本当に虜になってしまいます

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彼女の左の耳に飾ってある大きな真珠の耳飾りです。これにも左の上から光が差し込んできて、反射しています。更に下の部分にもかすかに白い部分、これは光が彼女の襟元の白い服に反射していることを表しています。フェルメールはとことん光の当たり具合を研究したのだと考えるのです。

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この艶やかな唇、まるでリップでも塗ったかのよう、あるいは舌で唇を湿らせた後なのでしょうか? 何故フェルメールはこの様な艶やかさを出したのでしょう。 フェルメールと彼女の関係にも想像が広がります。 やはりこの唇にも光の反射があります。それによって唇がより生き生きと浮かび上がって見えてくるのです。

 

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フェルメールの「青」と呼ばれる色です。この時期のオランダでターバンが流行ってもない時代(?)に、何故フェルメールは異国(?)のターバンをまとわせたのでしょうか。  少女の髪の毛を描くことにより、髪にも視線が行くことがないようにターバンにしたのでしょうか? 黒い無地の背景とこのターバンにより一層彼女の顔に皆の視線が向くようになったとも考えるのです。 当時絵の具はそれぞれの画家が自分で作成していました。この青の原料は西アジア原産のタピスラズリという宝石から作ったもので、非常に高額な絵の具で、当時財力のあったフェルメールはこの青を多くの作品で使用しています。その為この青い色を「フェルメールの青」とも呼ばれています。

 

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上の写真でもう1つ秘密があります・・・・・   分かります?                

 彼女には眉があえて描かれていません。描かないことで全く違和感もありませんし、より彼女の瞳に私達の視線が行く効果を狙ったのではないかと思えるのです。
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私が好きなフェルメールの作品、ずっと見つめていたいのです

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彼の作品の女性達はなにを訴えかけているのかと私の想像を掻き立てるのです。 見れば見るほど、彼女は今なにを考え、なにを言ようとしているのかと心を揺さぶる作品が多いのです。それと同時に観ているだけで次第に心が落ち着いて来ます。この2つの感覚が同時に感じるのがフェルメールでした。 子供の頃に毎日観ていた「牛乳を注ぐ女」にもそう感じたのですが、本当に静かです。日常の騒音から隔絶されて、彼の絵の中で「静」を貰うことが出来ているのです。 

 

フェルメールは余計なこと(周りの雑音)を全て消し去ってその絵の中の人物と一対一で向き合えるように考えていたのではないかと感じるのです。 私は幸運にも彼女と一対一で見つめ合うことが出来ました。 永遠の片想いの恋人との出逢いなのです。

 

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マウリッツハイス美術館は素敵な美術館でした。いつの日かまたこの少女に出逢いたいです 

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コメント

omoromachi様、こんばんは。

omoromachi様が本当に恋い焦がれていた
「少女」に出会えたのですね。この少女に対する
omoromachi様の愛が強烈にこちらにも
伝わって来ました

私も綺麗な絵だと思っていました
この絵には沢山の秘密が隠されていたのですね
読んでいるだけで私もこの絵の解説が
出来るようになった気がします。

いつの日かこの絵と再会する日が訪れることを
お祈りしております

院長先生
 こんばんは。
ついについにご覧になられたのですね?
あの瞳に見つめられて如何でしたでしょうか?
細部にわたり、しっかりとお写真に撮られて
拝見させて頂きました。
私たちが行った時は柵はなく画像は撮る事が
できませんでしたよ。

 先生のお宅はやはり違いますね。
ご自宅にあの名画がかけられていたのは
素晴らしい事ですね。
ご両親さまのご趣味でしたかしら?
 フェルメール、私は結構、観ていると思います。
上野へも夫と行きました。

続きを楽しみにお待ちしております。

ツクシンボさん、こんばんは。

やっと本物の少女に会えました。旅行前にマウリッツハイツ美術館の書き込みを調べる中で、朝一番に出かける方がいいと書いてあるものと、閉館時間がいいと書いてあるものも混在していました。朝一では一瞬は一対一になれたとしても、続々とこの絵の周辺に集まりそうでしたので、閉館時間を狙いました。そのためにはどうしてもデンハーグ宿泊となったのです。

大当たりで、計画通りこの絵とゆっくりと向き合うことが出来ました

後何年旅行できるか判りませんが、死ぬ前までにもう一度会いたいと思うのです。願いが叶って欲しいです。

マコママさん、こんばんは。

願いが叶いましたよ。それも本当に計画通りというか予想以上にその絵と向き合うことが出来ました。

マウリッツハイツ美術館ではこの絵の前だけ、柵はありましたが直接触れる位置で観察が可能でしたし、写真もフラッシュがなければ撮り放題でした。

田舎の普通の家庭でしたが、なぜこの絵が飾られていたのか判りません。きっと父が飾ったのではないかと思います。 子供の頃、父が一時写真にはまっていて自宅で現像もしていました。

マコママさんもフェルメールはよくご覧になっていたのですね。 関東では美術館などでフェルメールの作品を初め多くの有名な絵画も見ることが可能でしょうね。 なかなか地方にはこのような名画は回って来ません

まだまだベネルクス三国周遊旅行の前半部分ですので、急いで続きを書いて行きたいと思います。呆れずにご覧なって下さいね

多くの日本人はこのフェルメールの絵画に惹き付けられていますね。特に、青いターバンの少女のファンは多いようです。実は俺もその一人です。様々な花も青い花が好きなのですが、この青がまた良いですね。
先日、上京の時にも上野でフェルメール展ありました。が、青い…がなかったので、入館しませんでした。いつだったか、やはり東京でのフェルメール展で、青い…を観ました。混雑していて、ゆっくりとはいきませんでした。
それを独り占めにて鑑賞されたとは、なんという幸運でしょう!

でんでん大将さん、こんばんは。

私が知っているぐらいですので、フェルメールは日本でもファンが多い画家だと思います。 
本当に青いターバンの少女は世界中の人々を引きつけていると思います。大将さんもその一人なのですね。

「フェルメールの青」に多くの方も魅了されるようです。なかなか手に入らない高価な宝石を粉にして使うわけですから普通の画家では勿体なくて使えなかったと思います。

上野で年末からフェルメール展を開催していますので、大将さんも
この少女がいれば無理してでも入られたのかも知れませんね。

私の知人もマウリッツハイツ美術館の改修工事の時に日本にもこの作品が展示され観に行かれたそうです。ただそれは作品を鑑賞する時間も与えてくれなかったと話されていました。もの凄い人気で、係員から「立ち止まらないで下さい」と指示をされたそうです。

私は半世紀近く待ちに待った対面でしたので、周到に情報を仕入れて可能な限り近くで見たいと考えて行動しました。本当に大当たりでした。日曜日の最終時間でしたので、本当に人がいない時間帯でした。 その時は無宗教家の私も思わず「神様に感謝しました」

本当に幸運だったと今でもこの写真を眺めながらつくづく思い出されます

omoromachi様、おはようございます。

omoromachi様は本当にこの絵が大好きなのですね
「真珠の耳飾りの少女」愛に溢れた内容で
詳細な部分にも精通されていて感心致しました

これまで綺麗な絵とは思いましたが
この様に沢山の秘密が隠されていたのだと
初めて深く知りました
読みながら、この絵が世界中で高く評価
されているのが分かる気になりました

いつも勉強になります。ありがとうございます

舞子さん、こんばんは。

おそらく私が1番好きな絵はと聴かれたらきっとこの絵だと答えると思います。 この絵には沢山の表情があり、その時々で私の印象も変わって来ます。 

心ときめく部分やそれでいて心が落ち着くこともあり、不思議な感覚を与えてくれるのです。

なぜ、髪を描かなかったのか? なぜ眉を描かなかったのか? 背景を黒く塗りつぶしてしまったのか? 色々な謎が湧いて来ますが、私にとっての答えは「彼女の目」にあると思っています。
ずっと見つめていたいのです

こんばんは、
内装に木を多く使った
素敵な美術館ですね。
真珠の耳飾りの少女、
さすがに人気の絵だけあって
この絵の前にここだけ柵があるんですね。
この素敵な絵をじっくりと
鑑賞できて良かったですね。

何かを語りかけてくるような眼差しと
つやつやの唇が本当に魅力的ですね。
それにしても、
髪がターバンに隠されていて、眉毛も描かれていないと
なると、この少女のターバンの下の髪の色はどんなのか
想像をかきたてられますね

少女が着ている着物は、日本の着物だそうです。
当時、オランダとは貿易しておりましたので、オリエンタルなものが流行したのでしょうね。
あと、北斎ブルーをたどると、現在のドイツ原産で、少女のターバンの青と同じだそうです。
そういう意味でも素敵ですね。

monnaさん、こんばんは。

マウリッツハイツは大規模な美術館ではありませんでしたが、内部の階段なども美しい建物でした。
「デルフトの眺望」には柵はありませんでしたが、この少女の前にだけは小さな柵がありました。 直ぐに触れることも出来ますので、「注意」程度の意味合いしかない柵でたが、この作品がマウリッツハイツ美術館でも特別な存在だと感じました。

この少女が普通に髪の毛があったらどんな感じだったのでしょうか? ブロンドの縮れ毛? 黒い髪? ・・・やはり想像出来ません

しげまるさん、こんばんは。

そうだったのですね、知りませんでした。 情報頂けて嬉しいです。私はただただその少女の瞳にウットリでしたので、着物まで視線が行っていませんでした。

日本の着物となるとなお親近感が湧きますね

「北斎ブルー」も綺麗な青ですね。ドイツに起源を有する色だったのですね。 アムステルダムの「レンブラントの家」で実際に当時の絵の具の作り方を実践していました。 色のついた鉱物を粉にして絵の具を作っていました。 浮世絵は版画ですので摺師の色使いで色の出し方が変わったのでしょうね。

しげまるさんのお陰で、また情報が増えました。

先生、こんばんは。

フェルメールは光の魔術師と言われたように陰影を上手く表現した絵が印象的ですね。人生の陰影も表しているんでしょうか。
先生はかなりこの「真珠の耳飾りの少女」に魅せられていらっしゃるんですね確かに清廉な眼差しの美しい少女ですものね。
このモデルが誰なのか、私は以前フェルメールの映画を観ましたが、その中では使用人の少女だったような気がします。ただ実際は定かではないようですね。
フェルメールが身に付けさせた青いターバンも真珠の耳飾りも少女の無垢な美しさをより引き立てていますね先生は彼女の瞳に引き寄せられたんですね。

sharonさん、こんばんは。

フェルメールは光を追い求めた以外に、余分なものを捨て去った芸術家だと思います。 この真珠の耳飾りの少女では、視線が顔、それも瞳に行くように考えていたと思って観ていました。

この少女には半世紀近く魅了されています。「真珠の耳飾りの少女」と言う2003年の映画もありましたよ。今や大女優となったスカーレット・ヨハンソンの出世作にもなった作品です。 彼女も素晴らしいのですが、やはり実際の絵の方が私にとっては何倍も魅力的です。

本当に今でも、この瞳を観るとウットリとします

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