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2019年2月 6日 (水)

脳梗塞の超急性期の治療

寒い時期には寒冷刺激によって、交感神経が反応して血圧が高めの状態となります。 またこの時期には昼夜や室内・室外で1日なかで温度差が極端になり、血圧が安定しません。そのため今の時期に脳卒中が増加する傾向があります。                         
これまで何度か脳卒中については説明しましたので、総論を下記にまとめましたのでご覧下さい。
Th_

今回は脳梗塞が起こった場合の超急性期の治療について説明します。

Th__2 動脈硬化や脳血栓(血の塊)によって脳の血管が詰まると脳梗塞が発症します。 それと同時にその血管の支配下にある細胞に酸素の供給が止まるため、脳細胞が死んで行きます。

死んだ細胞は戻りませんが、その周辺には、機能が止まっていてもまだ生きている細胞があります。このままですと、約3〜6時間後にはこの部分も死んでしまいます。

この3〜6時間以内を「超急性期」と呼んでいます。脳梗塞後の診断後、この超急性期に薬物療法などで血の塊を溶かして、血液の流れを再開通させる「血栓溶解療法」が重要となります。少しでも死んで行く細胞を少なくする治療です。           

脳梗塞を起こした細胞周囲には「フリーラジカル」という有害な活性酸素が発生してしまい、死にかけた脳細胞を痛めつけてしまいます。 これに対して発症後24時間以内に、薬でこのフリーラジカルの働きを抑える「脳保護療法」を行います。

更には、ダメージを受けた脳にはむくみ(浮腫)が出て来ます。このむくみの程度に合わせて「抗脳浮腫療法」も併用されることがあります。

Th_758216_2

その急性期の治療を終えると、再発予防の薬剤やリハビリを行って行きます。リハビリに関しては早くから取り組む施設が増えて来ています。

私達にできることは、いつも言われているメタボ対策、不整脈などの循環器疾患、脳ドックなどでの動脈瘤の有無などのチェックでしょうか。 寒い時に脱衣所が寒い場合などはヒートショックを起こしますので、周りの環境の対策も重要ですね。

どうぞこの寒く、寒暖差も激しい季節を元気に乗り越えて下さいね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
 こんばんは。
今の時期、本当に血圧が高めになっております。
気温差が大きくて油断できません。
ヒートショックにも気を付けたいと思います。
 「脳ドック」はもう暫く受けておりません。
以前受けたときは「年相応」と言われましたが・・・。

ことのほか秋田県では、脳疾患の病気が多く、県民病とさえ言われました。冬の寒さ、また、塩分の過剰な摂取などに原因があるのではと言われています。加えて酒の量も多く、県では様々な施策が講じられています。
我が家では、ヒートショック対策として、浴室と脱衣所に暖房機をつけました。この結果、冬でも湯温は41℃にしています。脳卒中はこわいですから…少しお金がかかりましたものの、病気にならないためには、お金どころではありませんから…

マコママさん、こんばんは。

はやり、この寒い時期にはマコママさんも血圧が高くなったのですね。寒冷刺激は血圧を上昇させますので注意が必要です。

脳ドックを受ける場合には、1度MRAと言ってMRIの検査の中で動脈を映し出す検査を追加しておくと小さな動脈瘤なども発見できます。 
以前受けた時には年齢相応だったのですね。余り期待しすぎるのもよくありませんので、それはそれで良かったと思います

でんでん大将さん、こんばんは。

特に以前は東北地方は脳卒中の率が高い県が多かったですね。塩分摂取や気候風土も関係したのでしょう。 しかし現在は脳卒中の中で脳出血が減って、脳梗塞が増えています。全体的な生活習慣を見直す必要がありそうです。

血圧を10mmHg下げるだけで脳卒中のリスクは30%程度減ると言われていますので、血圧の変動には注意されて下さいね。

ヒートショックは思っている以上に多いのが現状ですので、でんでん大将さん宅は浴室の対策は十分ですね。 倒れてしまってからは元も子もありませんので、費用はかかっても良かったと思います。

おはようございます。

嘗ては日本人の第1位の死亡率だった脳卒中ですが、
だいぶ少なくなっているのでしょうか?
私の周りではがんで亡くなる知人も多くいます。

脳梗塞の急性期の治療について良く分かりました。
この様ないくつかの段階を踏まえて治療は行われ
ているのですね。

私も降圧剤を飲んでいますので、気をつけたいと
思っています。
大変参考になりました。ありがとうございます。

信州の隠居老人さん、こんばんは。

よくご存じのようにかつては国民病と言われるほど死亡率が高かった脳卒中ですが、治療の進歩で死亡者数は減少しています。実際には脳卒中になる方は毎年増え続けています。特に脳出血よりも脳梗塞の増加が著しいです。減塩だけでなく、脂肪分の取り過ぎなど生活習慣に気をつけなければなりません。

今回は少し専門的になりましたので反省しています。でも判った頂いたようで嬉しいです。

これからも血圧のコントロールはしっかりとなされて下さいね。コメント頂きありがとうございます。

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