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2019年1月 9日 (水)

年齢と共に眠りにくくなるのは本当?

毎年1月の初め頃は初夢にかけて、夢や睡眠の話をしています。以前患者さんから質問(次第に眠りにくくなるのは年のせい?)を受けたので記載します。以前も同じ様な内容を記載しました。

眠くなるメカニズムは二つに大別されます。①1つは体や脳が疲れたから眠るパターン②体内時計により眠くなるパターン

①疲れたから眠るとは運動や作業した後に体や脳の疲れをとるために眠くなります。  普通の筋肉の疲労だけなら、少し横になれば回復します。しかし脳の疲れを回復させるために私達は1日の1/3〜1/4程度の時間を睡眠に費やす必要があります。

②眠くなるもう一つの要因は、「体内(生物)時計」によるものなのです。地球で生まれた生物は日が昇ったら動き出して、日が沈んだら眠るという行為はごく当たり前の備わってきた機能です(もちろん夜行性動物もいますが)。

生活のリズムを保つために、セロトニンメラトニンの重要性が解って来ています。セロトニンは神経伝達物質でメラトニンはホルモンです。

皮膚の色を司るホルモンのメラニンを調べている中で偶然、(牛の)脳の中ににある松果体という部分で作られるメラトニンと言うホルモンの存在が発見されます。後に人間にもあることが解りました。そのホルモンを抽出し、ボランティアの方に投与したところ皆眠くなったことが判明しました。そのためメラトニンが「眠りのホルモン」と呼ばれる様になったのです。

メラトニンがセロトニンから分解合成されることも解るようになって来ました。

Th__2 朝起きて、光を浴びるとセロトニンの分泌が上昇し、その為交感神経が刺激されて活動性が増して、日中の行動がスムーズに出来るようになっています。そしてセロトニンは夕方になると減少してゆきます。 セロトニンが上昇しそれを材料としてメラトニンが生成されますが、時間差がありセロトニンが低下していく頃にメラトニンが増えてゆきます。その為日没後暫くすると増加したメラトニンの作用によって私達は眠くなっていきます。真夜中にピークになり次第に体内で分解されて朝には減少し、寝覚めの準備状態となります。そして夜が明けて、光が入ってくると、セロトニンの分泌が盛んになり・・・それを繰り返して私達は生きてゆくわけです。

ではメラトニンの具体的な作用としては、メラトニンが増えてゆくと、私達の体は「脈拍」「体温」「血圧」などが、低下してゆきます。それを感知した脳内で寝る準備が整ったと判断し、眠りにつくのです。

このメラトニンは1〜5歳頃がピークで年齢と共Th__4 に減少してゆきます。子供は体の大きさと比べ運動量も多く体の疲労を取るためにも眠りにつきやすく、更にメラトニンの量も多いので、コロッと寝てしまうのです。

高齢になるとメラトニンの減少のため入眠しにくくなったり、途中で覚醒したり,朝早く目が醒めてしまいます。

またメラトニンの低下に加えて、ストレスなどの精神的な興奮状態を就眠前まで受けている中年以降で、不眠が増加します。 リタイアして社会的ストレスはないと言えでども高齢になると更にメラトニンの低下があり、不眠が増加します。 夜間の頻尿や足がムズムズするという症状も多くなり不眠が増えます。

以上のことより、「年と共に不眠は増える」は正しいのです。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
 こんばんは。
わ~私の事かと思いました!
ありがとうございます。
本当に眠りにつくのが遅いうえ、
夜中にトイレ、それから寝付けなかったりで
お薬のお世話になっております。
昼食後の歯磨きは少し寒くてもベランダへでて
サングラスつけて歯磨きしております(笑)
その時、空いている手の平を上に向けてお日様を
頂くようにしておりますが・・・。
 昨日、介護保険の申請を致しました。
認定されるかどうか分かりませんが・・・。

マコママさん、こんばんは。

マコママさんをはじめて多くの方が不眠に悩まされています。加齢的なことはどうしようもありませんが、より自然な形で睡眠が取れたら良いなと思います。

眠剤も色々な種類がありますが、直ぐに眠れるのが良い薬とも限りません。依存度や夜間の転倒リスクなども考慮してお薬が選ばれますので、リスクの軽減のためにはそれ程効果がないように思える薬も試してみる必要はあるかも知れません。 朝起きたら光を取り入れて、体内時計をリセットして下さいね。

介護保険の申請は程度によりますので、認定されたら良いですね。

こんばんは
年齢とともに
メラトニンの減少ですか、
確かに若い頃は朝まで、
ぐっすり眠れていました。
最近は寝つきが悪かったり、
途中で目覚めたりで
どうもスッキリしません。
眠剤はあまり飲みたくないので
ホットミルクを飲んだり
アロマオイルを(ラベンダー)枕元に置いたり
工夫しています。
日を浴びるですか
そう言えば、
寝室のカーテンを遮光カーテンにしているので、
体内時計が働きにくくなっているかも
知れませんね。

monnaさん、こんばんは。

本当ですよね、子供の頃はあれ程眠れたのにね・・・

次第に寝付きが悪くなったり、途中で目が覚めたりと・・・monnaさんも平均的な年齢を重ねてきているのでしょうか

monnaさんがやっていることは良いと思いますよ。寝る前にリラックス出来るように工夫をして下さい。遮光カーテンは良いと思いますが、寝る時間と起きる時間を一定にすることや、朝起きたらカーテンを開けて光を取り入れて下さいね。 そうすることで少なくとも体内時計は一定になると考えます。

気負わずにノンビリと過ごして下さいね

お疲れさまです!
浅知恵ですが…調べたら、トリプトファンが沢山入ってる
食べ物を食べると、セロトニンとメラトニンに変化するとありました。
肉、魚、卵、大豆とタンパク質ですよね。
ということは、いつも食べてるものなので
効果なしでしょうね。
寝る前に、つい色々と食べてしまいますが、
空腹にしておいたほうが寝つきがよいのでしょうか??
主人は、寝るのは簡単だよ。目をつぶるだけなのにねぇ…とお気楽です。
私が苦労しているのに
ホントウに羨ましいです!彼は長生きしそうですね。
寝つきの良し悪しは、体質ですか、それとも性格かしら

由津子さん、こんばんは。

私も専門外ですので、セロトニンとメラトニンが摂取した食べ物に関連して増減するか分かりません

寝る前に食べると暫く消化に時間がかかったり、胸焼けの原因にもなりますので、睡眠の2〜3時間前に止める方が良いかも知れません。 空腹のストレスも睡眠の邪魔になりそうですが・・・?

寝付きの善し悪しは入眠困難と言うことでしょうが、不眠にもいくつかのパターンがあります。眠る前まで色々と考えてしまうと、寝付きが悪くなりますので、寝る前にリラックス出来て、眠くなってきたら布団に入る方が良いと思います。 眠くもないのに布団に入ると余計辛く感じるはずです。

睡眠障害が体質かどうかは難しい問題ですね。現時点では子供の頃は眠れていた方が殆どですので、後天的な要素が大きいとのことが主流と思います。 あまり答えになっていませんが、不眠の原因を完全に調べるのは難しいと思いますよ

始めまして、ZUCCAさんのブログを経由してお邪魔しました。

愕いたことに、お医者様、そして睡眠についての記事、私は1年半ほど前から寝つきは悪くないのに、2~3時間で目が覚め、後が寝れない状態です。
何かのめぐりあわせを感じました。今回の記事もメモさせていただきました。また、時々お邪魔いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

正丸さん、こんばんは。

ZUCCAさン経由でしたら、野生の鳥なども好きなのでしょうか?

不眠は多くの方が悩んでいるようです。私は外科医ですので睡眠については詳しくはありませんが、正丸さんの睡眠障害のタイプは「中途覚醒」か「早朝覚醒」になると思います。

睡眠障害については、あまり考え過ぎるとかえって不眠を助長するかも知れません。 もしも正丸さんが「昼間にひどい眠気が起こらない」状態なら余り心配ないと考えます。

こらからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
以前書いたブログ(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-0c30.html)の内容も参考にされて下さい。

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