今日のFMはアルコールと肝臓に関して話をしました。その中で脂肪肝についても少し触れましたが、ここでは脂肪肝炎について少し説明します。
日本人も次第に高カロリー食と運動減少があり、色々な生活習慣病が惹起されるようになっています。
肥満は色々な部分に悪影響を及ぼしています(極端な痩せも平均寿命は短くなります)。
本来、余ったカロリーは脂肪として蓄積され、いざという時には消費して人間の活動を支えています。 人間の体には脂肪を蓄えるのに特化した脂肪細胞もあり、皮下脂肪や内臓脂肪として存在しています。 脂肪細胞以外にも肝臓の細胞は脂肪を蓄え易い性質を持っています。
例えは悪いのですが、栄養過多で肝臓の細胞にも脂肪が蓄えられた極端な例がフォアグラということになりますが、日本人も次第に肝臓に脂肪がたまる脂肪肝が4〜5人に1人いる状態になっていると考えられています。 よくドックなどで脂肪肝と言われた方も多いと思います。
・・・脂肪肝になって何が悪いのよ・・・という声も聞こえてきそうです。
この時期お酒が多くなって肝臓が気になっている方も多いと思います。もちろん過度の飲酒は肝細胞にダメージを与えますし、脂肪肝の原因にもなります。
ところが脂肪肝の原因で一番多いのは飲み過ぎではなくて食べ過ぎが原因なのです。「私お酒飲まないのに脂肪肝と言われた」とか「肝機能が悪い」と言われた方もいると思います。
アルコール性の肝障害と区別するために、非アルコール性脂肪肝肝疾患(NAFLD)と呼んでいます。
ところがここで問題になるのが、この非アルコール性脂肪肝肝疾患の中に、症状が軽微ですぐに改善しやすい単純性脂肪肝(非アルコール性脂肪肝:NAFL)と進行性で肝硬変や肝癌の発生母地となるような重篤な非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類あることが分かってきています。
・・・大凡、日本人の肝疾患の統計では①B型肝炎:130万人、②C型肝炎:170万人、③アルコール性肝障害:250万人、④非アルコール性脂肪性肝疾患:1500〜2000万人(NHSHは300〜400万人)と推定されています・・・もの凄い数ですね・・・
・・・ではこの単純な脂肪肝と脂肪肝炎を起こす違いはとなると・・・・結論はまだ分かっていません(まだ色々な研究がなされている段階です)
・・・しかしながら肝臓の細胞の中で脂肪が増えることで、何らかの炎症が起こってくるのです。 この様な炎症が起こると肝細胞はダメージを受け死滅する細胞が増えます。細胞の死滅が多くなるとその部分が繊維化を起こしてきてしまうのです。 繊維化が高度になると肝硬変、更には肝細胞がんへと進むケースが出てくるのです。

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BMI35%以上の高度肥満の男性において肝癌発生のリスクは非肥満患者の4.5倍にになっています。
この様な流れは日本でウイルス性のB型肝炎とかC型肝炎と同じ様に「細胞の炎症→肝硬変→肝細胞がん」と似た手順となります(もの凄く大雑把に記載していますが・・・)
・脂肪肝とあらゆる生活習慣病との関連も指摘されています。
では治療法は・・・となると
現時点で、一番エビデンスがあるのは・・・・・やはり減量です。 急激に痩せてリバンドを繰り返すこともNHSHを早めるともいわれていますので、ゆっくりと食事療法(カロリーを減らす)、有酸素運動でカロリーを消費する、禁酒を行い、先ずは体重2Kg減量を目指しましょう。
・・・私自身はあまり詳しくはありませんが、極端に痩せる必要や偏った食生活をすべきではないと思いますが、フォアグラ状態の肝臓は私達にとってあまりよいことではないようです。
飲み食いの多い年末ですが、肝臓から「ご主人様ほどほどに」といわれないように心がけましょう
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