世界を夢見て106 : ファン・ゴッホ美術館
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オランダの魅力の1つに美術館巡りがあります。ゴッホ、フェルメールにレンブラントなど世界有数の画家を輩出した国で、近代美術史の黄金時代を支えた国でもありました。
個人的に1番見たいのはマウリッツハイス美術館にあるフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」で、もちろんこの旅行では組み込んでいますし、ほぼ1対1で対面することも出来ました。 アムステルダムから北東部のクレラー・ミュラー美術館にはクロード・モネやジョルジュ・スーラ、パブロ・ピカソ、ピエト・モンドリアンなど素晴らしい絵画にロダン、ムーアなどの彫刻作品もあります。行きたい美術館でしたがアムステルダムからは見学して往き帰りすると1日の行程のため、今回は断念


先にアムステルダム国立美術館を見学し(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/105-cab0.html )、美術館広場に向かうと、大きなファン・ゴッホ美術館が見えて来ます。日本でもゴッホ美術館の公式ページからチケットを購入できます。ただし細かい時間指定があります。私は17時45分入場時間にしました。
本館は1973年に開館し直線的な構造でしたが、1999年にアムステルダムの美術館広場に面して別館が加えられました。広場に面して曲線的な建物で、一面はガラス張りの特徴ある建物で、黒川紀章設計だそうです。 混み合っていましたが、チケットは既に購入済みなため直ぐに入館出来ました。
<残念なことにファン・ゴッホ美術館は写真撮影不可です>

お薦めは日本語にも対応しているマルチメディアガイドを受付で5€で購入して入ることです。 時短コースなど選べますし、絵の説明や背景を聞きながら回ることで何倍も楽しく鑑賞できました。これにより、ゴッホの絵に対する私の偏見も解けた気がします。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、今となっては世界で最も有名な画家の一人ですが、生前は無名の存在でした。彼の人生は本当に壮絶で、失恋、恋愛、挫折、狂気に満ちた人生だったと思います。
若くして紆余曲折した末に26歳で画家を目指します。

しかし彼の作品はほとんど売れず、弟のテオに経済的な支援を受けてやっと生活が出来ていたようです。 経済面だけでなくゴッホは弟を信頼しており、作品の出来栄えや背景なども毎日のようテオに手紙で書いています。 今ではゴッホを知る貴重な資料となっています。
彼の耳切事件、ピストル自殺や精神病院での入院状況があまりにも有名なため、私は彼の絵が狂気の沙汰で生まれたものと勘違いしていました。
実は精神病院に入院していても、精神状態が安定していた時期にしか絵を描くことが出来なかったそうです。
この美術館を通してゴッホはもの凄く絵について繰り返し勉強していたこと、色彩の意味、色の組み合わせ方、構成の工夫など本当に細かく試行錯誤して絵を描き上げて行ったことが分かりました。
彼が描く強烈な黄色の色彩も、色々な顔料を組み合わせて研究に研究を重ねたから出来た結果だったのです。
この美術館を見終えて彼の絵は天才だからでもなく、また狂気の沙汰で描けた訳でないことも知ることが出来ました。
今ではゴッホの絵は1枚何十億として売買されますが、彼が生きている内に売れた絵は「赤いぶどう畑」という1枚だったそうです。
モジリアーニなどもそうですが、特に彼ほど死んだ後に評価を受けた画家はいないのかも知れません。
彼が画家として歩んだわずか10年間に描いた作品が今では世界中の人々を魅了しているのです。実際に観ることにより彼の筆のはこび、絵の具の厚さ、色の違いなど、彼の思いも伝わる作品が多くありました。 もしもオランダに行く機会がありましたら、この美術館はお勧めです。
(ファン・ゴッホ美術館は写真撮影不可でしたので、私が行ったことのあるアムステルダム美術館、フランスのオルセー美術館、ロンドンのナショナルギャラリーから彼の作品を記載しました)
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コメント
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院長先生
こんばんは。
ゴッホ美術館へ行かれて何よりでございました。
私はここでゴッホの沢山の絵に触れて好きになりました。
間近に観られたのが良かったのでしょうか?
「ひまわり」も3点展示の折でしたので・・・。
昔、国立博物館でゴッホ展がありました折、
「黒の時代」の絵を観てずっと暗いイメージをもっておりました。
クレラー・ミュラー美術館へも行けたのは何よりの喜びでしたよ。
先生のおっしゃる通り、生前にもっともっと絵が売れていたら、
ゴッホの人生も大きく変わっていましたよね?
お墓はテオと並んでいるそうですね。
続きを楽しみにお待ちしております。
投稿: マコママ | 2018年11月30日 (金) 19時50分
先生、こんばんは。
ゴッホは数点の「ひまわり」を描いているんですよね?
こちらは同じ黄色系でも様々なニュアンスで遠近感や立体感を出していて、
色彩とバランスに魅せられます。
あと彼の作品のイメージは糸杉のあるアルルの風景や肖像画などですが、
それらに陽炎のように揺らめく情念を感じます。
私の好きな作品の一つに「夜のカフェテラス」と言うのがありますが、
明るい黄色に輝くカフェテラスと星の煌く夜の深い青のコントラストがとても美しいです。
私は大塚美術館でレプリカしか観た事ありませんが、いつか原作を観てみたいです
投稿: sharon | 2018年11月30日 (金) 21時07分
マコママさん、こんばんは。
マコママさんもゴッホ美術館に行かれて、直接ゴッホの作品を目の当たりにして更にファンになってしまったのではないでしょうか?
ひまわりも三点ご覧になられたのですね。
青の時代のゴッホはやはり暗くて陰湿な感じがありましたが、それでも苦悩を乗り越えて行く意志も感じられる作品です。
彼の生きている内に少しでも認められたらまた違う人生だったのでしょうね。今では1枚でも50億以上の作品も多いですしね。
クレラー・ミュラー美術館も行かれたのですね。羨ましいです。
投稿: omoromachi | 2018年11月30日 (金) 21時42分
sharonさん、こんばんは。
ゴッホは7点のヒマワリの作品を書いています。日本に2点あったのですよ。しかしながら大正時代に日本に入ってきた作品は太平洋戦争で焼失してしまったのです。 世界の宝物が戦争で消えてしまったのですね。
ゴッホの絵のタッチはやはり炎のようなイメージがあります。
「夜のカフェテラス」がお好きなのですね。素晴らしい作品です。黄色の使い方、夜空の描き方など最高傑作の1つですね。クレラー・ミュラー美術館の中でも超目玉的作品です。私は残念ながら時間がなく行けませんでした。
何時の日か原作が見れたら良いですね。
投稿: omoromachi | 2018年11月30日 (金) 21時52分
omoromachi様、こんばんは。
このブログを読んで、その後NHKの9時のニュース
を観ていたら、何とゴッホの話題が。
omoromachi様は予知能力があるのかと思え
ました。実は以前もこのブログを読んだ直後に
テレビのニュースで取り上がられたことが
あったのですよ。あの時もビックリしましたが
1度あることは2度あるのでしょうか?
ゴッホの2枚残っていた写真の1つが弟テオの
写真だったと言う話題で、ファン・ゴッホ美術館
の名前も出て来てビックリです。
フランスのオルセー美術館やロンドンの
ナショナルギャラリーも行かれているのですね
羨ましいです
投稿: ツクシンボ | 2018年11月30日 (金) 22時00分
ツクシンボさん、こんばんは。
私も帰りの車の中で、この話題を聞きましたよ。ツクシンボさん同様に、書いている私でさえ、ビックリしました。何度か不思議なことに、ブログを書いてアップした途端にテレビで放映されたことがありビックリしました。
投稿: omoromachi | 2018年11月30日 (金) 22時53分
院長先生
こんばんは。
もうご存知と思いますが、
今夜22:00よりテレビ東京「美の巨人たち」で
フェルメールが放映予定でございます。
楽しみにしております。
お節介お許しくださいまし・・・。
投稿: マコママ | 2018年12月 1日 (土) 16時47分
マコママさん、こんばんは。
何時も色々な情報をありがとうございます。
・・・しかしながら、沖縄では「テレビ東京」は受診できないのです。BSですので、何処からでも受診できれば良いのですが・・・
フェルメールはいいですね。マコママさんもお時間がございましたご覧になって下さいね。
投稿: omoromachi | 2018年12月 1日 (土) 18時33分
院長先生
度々すみません。
BSテレビ東では再放送がありますが・・・。
土曜日18:00だと思います。
フェルメールは2週続くようです。
BSだとご覧になられるのですね?
投稿: マコママ | 2018年12月 1日 (土) 20時04分
マコママさん、こんばんは。
沖縄では地上波ではテレビ東京は入りませんが、BSテレ東京は入ると思いますので、確認したいと思います・・・BSジャパンから「BSテレ東」に今年の8月から変わっていたのですね。 マコママさんから言われ調べて初めて知りました
・・・普段余りテレビを観ない私ですが、何やら4K、8Kなどの放送が今日から始まったようですね。
まあ私のとこのテレビは4Kに対応していませんので、余り変化は感じないのかも知れませんが。
何時も貴重な情報を頂き、ありがとうございます。
投稿: omoromachi | 2018年12月 1日 (土) 21時41分
こんにちは。
子供の頃、ゴッホの生涯を描いた
映画を見たことがあります。
不遇の中、夢中になって絵を描いていた
イメージがありましたが
何故耳を切ったのか子供の頃でしたので
意味がわかりませんでしたし、絵の良さも
わかりませんでした。
今になって見ると、絵から情熱が伝わって
しみじみと良い絵だなと思います。
本物が沢山見られて羨ましいです。
投稿: monnamonnn | 2018年12月 2日 (日) 10時47分
monnamonnnさん、こんばんは。
ゴッホは生前は余り有名ではありませんでしたが、社会情勢の変化で絵画全体が評価を受けたり、ゴッホに対する批評家からの評価が高くなるにつれて世間の注目を浴びたかも知れません。
monnamonnnが観られた映画(「炎の人ゴッホ」?)などもヒットして世界的にも更に有名になり、一枚の絵が何百億円で落札されたニュースも絵を知らない人にもゴッホの名前が記憶されることになったと思います。
彼の絵は私達が単に見ている光景を写真のように描くことではなくて、心のフィルターを通して描き切ろうとしたのではないかと思います。 炎のような筆の運び、色の使い方などゴッホにしか表現できない世界がありました。
ファン・ゴッホ美術館はゴッホファンに取っては最高の美術館ではないでしょうか。
投稿: omoromachi | 2018年12月 2日 (日) 12時38分