ヘルパンギーナとヘルペスは違います
今日のFM放送は夏かぜについて話をしました。風邪は冬のイメージがありますが、夏も結構流行るために「夏かぜ」と総称して呼んでいます。風邪の原因はウイルスが多いのですが、ウイルスにも寒いのと暖かいのを好む違いがあるため、夏と冬に流行る原因ウイルスには違いがあります。
ヘルパンギーナとは・・・以外とこんがらかって難しいのです。
まずインフルエンザウイルスのように1つのウイルスかと言うとそうではありません。多くはエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスによるものなのですが、他にもエコーウイルスなど幾つかのウイルスが原因となります。
・・・・と言う事は、ウイルスの名前から来た病名ではなさそうです
ヘルパンギーナ(Herpangina)の語源は、水ぶくれを意味する
「ヘルペスHerpes」と喉の炎症を意味する「アンギーナ Angina」の2つを合わせた疾患名となっています。 昔はウイルスの存在さえ分かりませんでしたので、急に喉が赤く腫れ、一部は水ぶくれにもなり、熱や喉の痛みが強く、飲み込むのさえ困難になるような病気をひっくるめて「Herpanginaヘルパンギーナ」と呼んだのでした。
我が国ではおおよそ5月頃より9月まで流行しますが、特に7月8月が流行期を迎え、ニュースでも話題になったのですが、今各地で流行していて留意が必要とされています。
病状は2〜4日の潜伏期を経て、突然の発熱に続いて、喉の痛みが出現し、咽頭粘膜がとても赤くなり、口の周りに1〜2mmの小さな水ぶくれが出ます。喉の痛みは強く、水分も飲み込みにくいこともあり、特に夏の時期は脱水になることもあり、点滴のため入院が必要な小児も多くいます。熱も38度以上の高熱が出るため、小児期の子供が熱性けいれんを起こすこともあります。
多くは数日で症状が改善しますが、ウイスルは2〜4週間は便から排出されますので、他にうつさないようにすることも重要となります。
基本は手洗い、うがいの予防を行います。
よく疲れた時などに口の周りに小さな水疱を作るヘルペス(口唇ヘルペス:他に性器にも起こすため性器ヘルペスもあります)という病気はヘルペスウイルスによるもので、語源が似ていますが、全く違うウイルスとなります。
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院長先生
こんばんは。
台風19号は御地には被害がなくて何よりでございました。
20号が四国あたりに上陸しそうで、被害が少ない事を祈るばかりです。
「ヘルペス」は帯状疱疹と同じでしょうか?
私はその昔、子宮筋腫の手術後におなかの周りに出て、
それはそれは痛い思いを致しました。
幸い、その後は発症しておりませんが・・・。
投稿: マコママ | 2018年8月22日 (水) 21時59分
マコママさん、こんばんは。
台風19号、20号が相次いで日本列島に影響、特に雨による被害が心配されていますね。
ヘルペスは本来は「小さな水ぶくれ(疱疹)」のことを示す言葉ですが、現在では単にヘルペスといったら単純疱疹や帯状疱疹を指す用語になっています。
水ぼうそう(水痘)は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に初めてかかった時に起こります。このウイルスの厄介なことは初回感染後除去されることなく、私達の神経の奥の方で休眠状態で居座り続けることにあります。
免疫力が落ちたり、体調が悪くなると、神経に潜んでいたウイルスが神経に沿って再発して、帯状疱疹という状態になるのです。
マコママさんも手術後に体力が落ちたために、このウイルスが活性化したのでしょう。 皮膚が赤くただれて、随分と痛い思いをしたと思います。
時々帯状疱疹後の神経痛が残って苦しい思いをする方も見かけますので、この方は出ていないようですのでなりよりです。
投稿: omoromachi | 2018年8月22日 (水) 22時42分