世界を夢見て85: アルファンブラ宮殿の歴史的魅力
アルファンブラ宮殿といえばおそらく多くの方がご存じと思われる世界的に有名な世界遺産です。
名前が宮殿とついているので、1つのお城と勘違いしてしまいます。その敷地内に王宮や城塞、モスク、学校、官庁、庭園などがあり、宮殿と言うより街と捉えて方が分かりやすいと思います。それはそれは広いのです。
アルハンブラ宮殿の正式な世界遺産登録名は「グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区」となっていますので、その名前からして規模の大きさが分かるのかも知れません。
中心はナスル朝宮殿(これが一般的なアルハンブラ宮殿に相当?)と隣接するバルタル宮があり、谷を挟んで東側の小高い丘に夏の離宮のヘネラリーフェが美しい庭とともに存在します。それ以外にも沢山あります。 またアルバイシン地区は、北側の宮殿を一望する丘の斜面に広がる住宅地を占めています。 ようするにこれらがまとめて世界遺産に登録されているので非常に広い範囲全体が世界遺産なのです。
まあアルバイシン地区はアルファンブラ宮殿の散策範囲ではありませんが、夏などにこのアルファンブラ宮殿を散策する際は、散策するのに時間を要しますので、暑さ対策として帽子や水などをしっかり持ち歩く必要があると思います。
アルファンブラ宮殿を紹介するにはやはりその歴史を抜かすわけにはいけませんので簡単に・・
スペイン・イベリア半島は、北アフリカのイスラム勢力がジブラルタル海峡を渡り、拡大支配を続け、711年にはキリスト教支配からイスラム勢力支配下に移行します。当時は建築・医療・科学などイスラムの方がキリスト支配のヨーロッパよりはるかに優れていました。 その為にイベリア半島は大きな文化圏を構成し、ヨーロッパ各地から学問を学びに多くの方がやってくる地域ともなっていたのです。
スペイン中・北部に追いやられていたキリスト教の勢力も次第に力を蓄え、イスラム勢力から元々の支配地域を奪い返そうとするキリスト教勢力によるレコンキスタ(国土回復運動)がこの地で起こります。
キリスト教勢力は徐々に領土を奪還します。13世紀、イベリア半島に残る最後のイスラム教国となったのが、半島最南部のグラナダ王国でした。アルハンブラ宮殿は、この王国を興したナスル朝が、1238年から1391年に完成させた宮殿で、イスラム建築の最高傑作として評価されています。
なぜ、この素晴らしい宮殿が残ったかというと、戦禍を免れたことが大きいのです。グラナダは周囲を一万人以上のキリスト教軍に囲まれます。イベリア半島の最後のイスラム王朝・ナスル朝の最後の王ムハンマド11世はアルハンブラ宮殿に籠城するのですが、挽回は不可能として降伏し、城の鍵を渡します。それがグラナダの無血開城となり、イベリア半島からイスラム勢力は一掃されます。
もう1つ、キリスト教側として乗り込んだイサベル女王は、このアルファンブラ宮殿の素晴らしさに魅了されます。彼女の遺言で「自分が死んだ時には遺体をアルハンブラ宮殿に安置するように」と記し、実際そのようになったのです。このこともあって、破壊を免れた宮殿は現在も良好な状態を保ち、イスラム建築最高の美と輝きを現在の私達に伝えているのです。
「アルハンブラ」とは、アラビア語の「赤いもの」に由来する言葉。宮殿の壁が赤いしっくいで塗られていたからとも、夜を徹した建設工事の際のかがり火で城壁が真っ赤に見えたからだともいわれる。要するに"赤い城"ということになります。
アルハンブラ宮殿から眺めたアルバイシン地区。町の様子が割れたザクロに見えることから、アラビア語でザクロを意味する「グラナダ」の名が付いたそうです。
次はその内部を紹介したいと思います。
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院長先生
こんばんは。
台風は大丈夫でしょうか?
被害が少ない事をお祈り申し上げます。
アルハンブラ、懐かしいです!
スペインで行った先で一番気に入った所かもしれません。
特にヘネラリフェ庭園は綺麗でしたね?
イスラム教の文化がそのまま残された事は素晴らしいと
思います。
続きを楽しみにしております。
投稿: マコママ | 2018年7月 1日 (日) 19時38分
マコママさん、こんばんは。
台風の速度が遅くなって沖縄本島では夜間に一番接近しそうです。那覇市内でも次第に風が強くなって来ました。被害が少ないことを祈りたいです。
アルハンブラはヨーロッパ内でのイスラム建築の最高峰の建造物だと思います。これが無傷で残ったのは奇跡かも知れません。当時の方がお互いの宗教に関しては寛容だったのかも知れません。
次回はヘネラリフェ庭園について書きますので、ご覧頂けたら嬉しいです。
投稿: omoromachi | 2018年7月 1日 (日) 20時36分
こんにちはです
アルファンブラ宮殿について色々と知ることが出来ました。
私も宮殿と言われていますので、大きな建物だと考えていました
確かに説明を聞いて初めて宮殿というより街全体が世界遺産と
なっていることが分かりました
先生のブログを読んでいると医療についてはもちろんですが
それ以外にもとても勉強になります。
先生の歌声も素敵ですし、時々書かれる、人間の生き方についても
とても読んでいて、私もそうなりたいと思うことでいっぱいです
何時の日か先生が時間がありましたら、東京でライブして下さいよ
我が儘な意見ですが、生で聞いて診たいです
投稿: miyuki.kiki | 2018年7月 2日 (月) 15時45分
miyuki.kikiさん、こんばんは。
なんとなくイメージからすると1つの大きな建物のような感じがします。広大な範囲が世界遺産として登録されているのですね。
miyuki.kikiさんも今度はスペインのアンダルシアの方もお尋ね下さいね。バルセロナとはまた違う趣がありますよ。
若いmiyuki.kikiさんからこの様なお褒めの言葉を頂くと、オジサンになっても嬉しいものです
miyuki.kikiに負けないように頑張らないといけませんね。これからも宜しくお願い致します。
投稿: omoromachi | 2018年7月 2日 (月) 18時54分
先生、こんばんは。
アルハンブラ宮殿はそれだけではなくて、広域に見所が点在しているんですね。

ツアーで行った場合、見学は一部のみになりそう
美しい中庭や回廊、天井の繊細な装飾がムハンマド11世の賢明な判断のお陰で守られて良かったです。
イスラム建築の最高傑作を実際に観てみたいです
投稿: sharon | 2018年7月 4日 (水) 18時36分
sharonさん、こんばんは。
アルファンブラ宮殿と言っても多くの建造物や庭園、更にはアルバイシン地区をも含めて世界遺産となっています。
ツアーで行く場合は、いわゆるアルハンブラ宮殿と、ヘネラリーフェ離宮をみるだけで時間がかかりますし、その中でも有名どころしかみれないと思います。 以前の旅行ではアルバイシン地区も回ったのですが、まるで迷路のような細い路地に高い建物が棟を揃えていますので、入ったら迷子になりそうになります。 そこにも教会や広場もあり、モロッコにでも来ている気になる場所です。
イスラム建築は外はあまり飾っていないのですが、内部の彫刻は緻密です。これが見られたのも無血開城のお陰なのですね。 世界ではISのように人類の遺産を破壊する方もいますが、宗教を問わず全人類の宝物だと思うのです。
もしも、スペインへ行かれる機会があれば、アルファンブラ宮殿をじっくりと堪能して欲しいと願います。
投稿: omoromachi | 2018年7月 4日 (水) 19時30分