熱中症:人間の身体は発熱機関
今日のFM放送は熱中症について話をしました。これまで熱中症に関しては病態や注意点については記載しました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-567f.html )。
今日は私達の身体は発熱機関で熱を冷まさないと生命を維持できない場合もあるのです。今日は消費カロリーからみた体温維持について記載してみます(細かいことに正確ではありませんが、概要を掴んで下さいね)。
②カロリーの定義は「1グラムの水を1度あげるのに必要な熱量を1カロリー(cal)」となっています。<1Kg=1000g : 1キロカロリー(Kcal)=1000カロリー(cal)>
例:体重60Kgの人間を例にカロリーについて考えてみましょう
・60Kgの人が2000Kcalを消費している(=身体で2000Kcalの熱量を作りだしている)日々を送っているとします。
・私達の身体が水と仮定して、私達の身体の温度を何度上げることになるのでしょうか? 60Kg→2000Kcalですので2000割るの60は33,333となります。
・私達は普段通り2000キロカロリー消費した場合、体温と同じ条件の環境で、汗もかかず冷却する仕組みがなければ33度体温が上昇します。 体温が40度以上になってくると私達の身体の細胞はダメージを受け出し、45度以上なら死滅してしまいます。
でもこんなには上がらないはずですね。何故かと言うと常温動物は体温を維持するためにエネルギーの70〜80%を使っているのです。
多くの場合は外気温は私達の体温36〜37度より低いために体温を上げるために熱量を使いますし、気温が高ければ汗などをかいて体温を下げるために、沢山のエネルギーが使用されるために、体温が一定に保たれているのです。
急に気温が上昇したり、湿度が高いと汗による冷却が上手くゆかずに、体温が上昇してしまうことがあります。 初めは単なる脱水や電解質の異常から次第に体温が上昇してくると熱中症の重篤な事態となってしまうのです。
これから急に暑くなったり、湿気が高かったりしますので、熱中症に気をつけてお過ごし下さいね
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人間の体のメカニズムの不思議さに
感動します。
以前ブログの内容で熱中症にも
色々と分類があることも分かりました
今回のブログを読んで、人間が
燃焼機関という内容も理解出来ました
人間の体は本当に神秘的ですね
こらからの季節熱中症に気をつけながら
過ごしたいと思います。
いつも貴重な情報有り難うございます
投稿: miurayama | 2018年6月28日 (木) 08時08分
おはようございます
知人のご高齢の方で
家にいて、特に暑さを感じないまま
具合が悪くなってお医者さんに
診てもらったところ、
熱中症だったとの事。
それにしても、体温を下げるのにも
エネルギーが必要なんですね。
知りませんでした
勉強になりました
投稿: monna | 2018年6月28日 (木) 09時04分
miurayamaさん、こんばんは。
私も医者をやっていて常々人間の体の不思議さに魅了されています。
熱中症という医学用語はなくて、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の総称として使われています。
人間はカロリーを消費して生きているわけで、車がガソリンを燃やして動いているように、人間は消化吸収し、カロリーを消費して生きているわけで、結果として沢山の熱を発生させるのです。そういった意味で燃焼機関と書いたのです。
これからの3ヶ月間に熱射病の患者さんが多く発生しますので、気をつけて夏を乗り切って下さいね。
投稿: omoromachi | 2018年6月28日 (木) 19時25分
monnaさん、こんばんは。
高齢になるほど、喉の渇きや暑さを感じるセンサーが鈍感になってしまいますし、なかなかクーラーなどを使いたがらない方も多くいます。その為気がつかないまま、夜間に熱中症で運ばれる方も多いのです。
人間は外気温に適応するために、沢山のエネルギーを体温維持に当てているのです。変温動物と比べて効率が悪いのですが、そうなるとmonnaさんの住まいの北海道では冬は冬眠しないといけなくなってしまいますね。
それでも世界中に人間が住めるのは莫大なエネルギーを消費しながら体温を保っているお陰なのですね。
投稿: omoromachi | 2018年6月28日 (木) 19時30分