風邪なのに関節が痛むのは何故?
今日のFM放送では、膝の痛みについて話をしました。整形外科医ではありませんので、詳しいことは判りませんが・・・
まず関節が痛むとは、関節軟骨の炎症や関節周囲の腱の損傷や外傷など直接的な痛みが原因と考えます。実際に変形性膝関節症などで悩んでいる方も多いです。
それ以外にも直接関節の傷害と関係ないような場合でも関節の痛みが出ることがあります。しばしば経験することに、インフルエンザなどの風邪をひいた時にも腰や足などの関節が痛んだことも多いと思います。
私達の体は細菌やウイルスの侵入から身を守るために様々な物質が出されます。この様な生理活性物質の中で有名なのが「サイトカイン」と呼ばれる物質です。細菌やウイルスが体内に入ると、体を守るために白血球から「サイトカイン」が分泌されます。 ただこのサイトカインが出過ぎると、私達の正常な臓器まで攻撃をしてしまう場合があります。
そのサイトカインが過剰に分泌されて体に悪影響を与えないようにするために、これを制御する働きのあるプロスタグランディンE2が分泌されて、バランスを取るように働いています。
プロスタグランディンE2は発熱作用や関節や筋肉の痛みの原因ともなります。おそらく体温を上げることで免疫細胞を活性化させると共に、熱に弱い細菌やウイルスを弱体化させる効果があります。
ではなんで意味もなく関節や筋肉が痛むかというと、おそらく痛みがあることで活発に動くことを抑制して、体力の温存を計っているのではないかと考えられるのです。
一般的な解熱鎮痛剤の作用としてこのプロスタグランディンの働きを抑える作用があります。逆に言うとプロスタグランディンE2を抑えるので、熱が下がり、節々の痛みも取れる効果があるのです。 この種の薬は解熱作用と鎮痛作用が同時にあるために、「解熱剤」や「鎮痛薬」ではなくて「解熱鎮痛剤」と呼ばれているのです(実に大雑把で、薬剤師から怒られそうです)。
本来の意味からすると、風邪などをひいたら、痛みに耐えて働くのではなくて休みなさいと細胞からシグナルを出しているのですね。人間の体っていつみてもよく出来ています
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こんばんはです。
なるほどと思える内容で赤丸です。
風邪で節々が痛む理由が分かりました
一番は、これまで何故解熱と鎮痛が
一緒の「解熱鎮痛剤」しかないのか
不思議でした。
これまでの長年の疑問点が取れて
なんかスッキリしました。
初めて寄らして頂きましたが
ギターと唄がとても上手いですね
こちらも感激しました
投稿: tukikage | 2018年3月 8日 (木) 00時33分
tukikageさん、こんばんは。
余り専門的な感じではありませんが、私も昔疑問に思っていたので、書いてみました?
この様なことが分かるまで、解熱剤は解熱剤だけの作用のもの、鎮痛剤は鎮痛作用のものだけの薬が市販されていいのではと思っていました。 今でも殆どの風邪薬等は解熱鎮痛剤の作用が同時に含まれています。 アスピリンなどの薬の殆どが何らかの形でプロスタグランジンE2の作用を押さえることで効果を発揮しますので、解熱だけでなく同時に鎮痛作用も有しているのです。
音楽も聴いて頂きありがとうございます
投稿: omoromachi | 2018年3月 8日 (木) 21時18分