トレドの街はその外観も素晴らしいのですが、その中のカテドラルは必見です。時の国王によって1226年に建築が始まり1493年に完成後、時代と共に追加拡張してゆきます。
アルカサルから細い道を下ってゆくと、建物と建物の壁の間からカテドラルの尖塔が見え隠れして来ます。
そして広場に出たとたんに目の前に巨大なゴシック形式のカテドラルが出現します。大きすぎて通常のカメラでは全体が入らない程の大きな外観です。
今も昔もスペインカトリックの総本山としてミサなども行われています。10時から18時30分まで8ユーロ(塔や博物館を含む共通チケットなら11ユーロ)。
その内部は見所一杯で、バチカンのセントポール大聖堂と匹敵するほどの素晴らしい内装や装飾品で埋め尽くされています。
トレド大聖堂(カテドラル)は4つの側廊と22の礼拝堂からなったスペイン最大規模を誇るカトリックの教会です。
広場に面したファザード正面にはゴシック形式の「免罪の門」があります。そこにはキリストと12使徒の像が彫刻されています。だだしこの門は通常は閉じており、大司教や国家元首などを迎えるときのみ開帳され通ることが出来るとのことで、私達も横の出入り口より入ることになります。
入り口から入ると高く広い空間に驚嘆します。総大理石の床、大きな円柱、バラ窓をはじめとする美しいステンドグラスから入り込む柔らかい光が聖堂内を照らしてくれます。 更に壁一面おびただしい彫刻群があり圧倒されます。 進むにつれて圧倒され放しで、口をポカンと開けてみている自分がいたりします
左奥には宝物室があり、その門をくぐると世界的に有名な「聖体顕示台」があります。16世紀初頭にイザベル女王の命により総重量200Kgに及ぶ金、銀、宝石、王冠などで細工された高さ3m以上の聖体顕示台がガラスのケース内に納めらています。
丁度この頃はコロンブスが新大陸を発見しスペインは世界の富を独占する程の勢いで、その聖体顕示台にもコロンブスが持ち帰った金が使われていると言われています。 どれほどの値打ちは分かりませんが、その細部に及ぶ緻密な装飾は一見の価値があります。
この場所にずっとおかれているだけではなく、年に1回聖体祭の祝いの時に、この聖体顕示台は大聖堂から担がれてトレドの街を練り歩くそうです(テレビで見たこともあるような気もしますが・・・)。
「金」に・・いや「美しさ」にクラクラしながら、本堂中央に進んでゆくと、鉄柵にガードされた内陣をみることが出来ます。

ここは高さ30mの主祭壇があり、キリストの生涯20場面を現した木彫りの彫刻で埋め尽くされ、壁一面にも新約聖書の各場面が描かれています。こちらも圧倒されます。
祭壇を振り向くと、今後はこれも広い聖歌隊席があります。
上下二段に分かれていて、上がルネサンス形式、下がゴシック形式となっているとのこと、私には分かりませんが、いずれも椅子ごとに細かな彫刻が帆と越されています。正面には16世紀の彫刻家アロノソ・ベルゲーテによる彫刻がそびえ立っています。
・・・・でもここで20年ぶりに訪ねたこのカテドラルの楽しみは実はこの聖歌台席の入り口にある「マリアと子キリストのマリア像」にあります。このマリアとキリストの顔と仕草がとても人間的で、ほっこりとなるのです
バチカンのミケランジェロによるマリア像も美しさく大好きなのですが、このトレドのマリア像は他にない温かみを放ってくれますし、日本の観音様を思い浮かべてしまいます。
そこから回廊を左側に進むと聖具室と呼ばれる部屋があります。聖具室ですので、神父さんなどが着替えをする部屋と言うことですが、規模が違います。そこには有名なエル・グレコの絵があるのですが、今回は書くのが多すぎますので次回のブログでエルグレコはまとめて記載したいと思います。

回り内陣の後ろ側にはこれまた巨大な彫刻があります。これもこの教会の最大の見所の1つでもあります。
スペイン独自のバロック形式(チェリゲーラ形式)の最高傑作と呼ばれるナルシソ・トメ作の「トランスパレンテ」があります(歴代法王のお墓?)。天使や聖母像などありすぎて分からない程の彫刻で埋め尽くされています。 あまりに素晴らしいのですが、出来上がった当時は光が入りに難く暗かったそうです。
その為になんとその上の天井部分を開けて、光窓にしたとかです(上の写真の丸い窓の部分)。下から見るとあまり大きくはみえませんが直径にすると13mも(うる覚えですので実際は違うのかも・・)あるそうです。その窓にも彫刻が施されています。
あまりにありすぎて飽和状態となりながら、外に出るとアンダルシアの強烈な日差しが降り注いでいました。
最近のコメント