世界を夢みて75: トレド観光N02:カテドラル
トレドの街はその外観も素晴らしいのですが、その中のカテドラルは必見です。時の国王によって1226年に建築が始まり1493年に完成後、時代と共に追加拡張してゆきます。
アルカサルから細い道を下ってゆくと、建物と建物の壁の間からカテドラルの尖塔が見え隠れして来ます。
そして広場に出たとたんに目の前に巨大なゴシック形式のカテドラルが出現します。大きすぎて通常のカメラでは全体が入らない程の大きな外観です。
今も昔もスペインカトリックの総本山としてミサなども行われています。10時から18時30分まで8ユーロ(塔や博物館を含む共通チケットなら11ユーロ)。
その内部は見所一杯で、バチカンのセントポール大聖堂と匹敵するほどの素晴らしい内装や装飾品で埋め尽くされています。
トレド大聖堂(カテドラル)は4つの側廊と22の礼拝堂からなったスペイン最大規模を誇るカトリックの教会です。
広場に面したファザード正面にはゴシック形式の「免罪の門」があります。そこにはキリストと12使徒の像が彫刻されています。だだしこの門は通常は閉じており、大司教や国家元首などを迎えるときのみ開帳され通ることが出来るとのことで、私達も横の出入り口より入ることになります。
入り口から入ると高く広い空間に驚嘆します。総大理石の床、大きな円柱、バラ窓をはじめとする美しいステンドグラスから入り込む柔らかい光が聖堂内を照らしてくれます。 更に壁一面おびただしい彫刻群があり圧倒されます。 進むにつれて圧倒され放しで、口をポカンと開けてみている自分がいたりします
左奥には宝物室があり、その門をくぐると世界的に有名な「聖体顕示台」があります。16世紀初頭にイザベル女王の命により総重量200Kgに及ぶ金、銀、宝石、王冠などで細工された高さ3m以上の聖体顕示台がガラスのケース内に納めらています。
丁度この頃はコロンブスが新大陸を発見しスペインは世界の富を独占する程の勢いで、その聖体顕示台にもコロンブスが持ち帰った金が使われていると言われています。 どれほどの値打ちは分かりませんが、その細部に及ぶ緻密な装飾は一見の価値があります。
この場所にずっとおかれているだけではなく、年に1回聖体祭の祝いの時に、この聖体顕示台は大聖堂から担がれてトレドの街を練り歩くそうです(テレビで見たこともあるような気もしますが・・・)。
「金」に・・いや「美しさ」にクラクラしながら、本堂中央に進んでゆくと、鉄柵にガードされた内陣をみることが出来ます。
ここは高さ30mの主祭壇があり、キリストの生涯20場面を現した木彫りの彫刻で埋め尽くされ、壁一面にも新約聖書の各場面が描かれています。こちらも圧倒されます。
祭壇を振り向くと、今後はこれも広い聖歌隊席があります。
上下二段に分かれていて、上がルネサンス形式、下がゴシック形式となっているとのこと、私には分かりませんが、いずれも椅子ごとに細かな彫刻が帆と越されています。正面には16世紀の彫刻家アロノソ・ベルゲーテによる彫刻がそびえ立っています。
・・・・でもここで20年ぶりに訪ねたこのカテドラルの楽しみは実はこの聖歌台席の入り口にある「マリアと子キリストのマリア像」にあります。このマリアとキリストの顔と仕草がとても人間的で、ほっこりとなるのです
バチカンのミケランジェロによるマリア像も美しさく大好きなのですが、このトレドのマリア像は他にない温かみを放ってくれますし、日本の観音様を思い浮かべてしまいます。
そこから回廊を左側に進むと聖具室と呼ばれる部屋があります。聖具室ですので、神父さんなどが着替えをする部屋と言うことですが、規模が違います。そこには有名なエル・グレコの絵があるのですが、今回は書くのが多すぎますので次回のブログでエルグレコはまとめて記載したいと思います。
回り内陣の後ろ側にはこれまた巨大な彫刻があります。これもこの教会の最大の見所の1つでもあります。
スペイン独自のバロック形式(チェリゲーラ形式)の最高傑作と呼ばれるナルシソ・トメ作の「トランスパレンテ」があります(歴代法王のお墓?)。天使や聖母像などありすぎて分からない程の彫刻で埋め尽くされています。 あまりに素晴らしいのですが、出来上がった当時は光が入りに難く暗かったそうです。
その為になんとその上の天井部分を開けて、光窓にしたとかです(上の写真の丸い窓の部分)。下から見るとあまり大きくはみえませんが直径にすると13mも(うる覚えですので実際は違うのかも・・)あるそうです。その窓にも彫刻が施されています。
あまりにありすぎて飽和状態となりながら、外に出るとアンダルシアの強烈な日差しが降り注いでいました。
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コメント
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こんばんは
トレドは本当に美しい街ですね
ますますスペインに行きたくなって
しまいますね。
以前のバルト三国の周遊と
今回のスペイン。私達の夏の
旅行の目的地になりそうです
ここのマリヤ様は本当に東洋的で
観音様のようです
投稿: miyuki,kiki | 2018年3月25日 (日) 20時57分
miyuki,kiki さん、こんばんは。
トレドはやはり美しい街です。遠くからみても中にいても魅力的な場所が多いですね。
今年の8月にスペインかバルト三国の予定でしたね。以前のコメントにも書きましたが、アンダルシア地方は直ぐアフリカの北ですので、8月は40度を超える猛暑になることもあります。相方も暑さに強ければスペインもいいと思いますし、暑さに弱ければバルト三国でしょうか?
どちらも素晴らしい場所ですので、これから候補地の決定まで悩まれて下さいね。これも旅の楽しみの1つですので、じっくりと検討下さい。もしも分からない点がありましたら、お知らせ下さいね。
投稿: omoromachi | 2018年3月25日 (日) 21時14分
院長先生
こんばんは。
懐かしく拝見させて頂きました。
自分のブログを見て思い出したり・・・?
大聖堂の金の眩いのにも驚きでしたね?
恥ずかしながら聖歌隊席は覚えておりますが、
マリアさまは・・・・・・。
続きも楽しみにしております。
投稿: マコママ | 2018年3月25日 (日) 22時20分
マコママさん、こんばんは。
マコママさんにとっても懐かしい街の風景や大聖堂の内部ではなかったのでしょうか。今回のブログで昔のマコママさん自身のブログを見返しても旅の想い出は楽しことですね。
余りにも見所が多い大聖堂ですので、マリア様には目がいかなかったのかも知れませんね。私は以前みたときに、このマリア様とキリストの表情が日本的だったと記憶して写真も撮ってありました。
これからもしばらくスペインの記事が続きますが、ご覧に頂くと嬉しいです。
投稿: omoromachi | 2018年3月25日 (日) 23時39分
こんばんは。
絢爛豪華なカテドラルですね☆
写真で見ているだけでも、彫刻の繊細さとスケールの大きさに
圧倒されてしまいます。
マリアさまとキリストの像…とってもキュート(というと神さまにおこられちゃうかな)といいますか…あまり他では見ない仕草が良いですね(^^)
先生が仰るとおり、観音様みたいに和の雰囲気も持ち合わせてますね。
わたしはまだヨーロッパには行ったことがないので、
今度は是非行ってみよう!と、先生のブログを拝見しながらいつも思っています♪
(でも、あまりに広いので、どこから行けばいいやら、迷ってしまいます。笑)
投稿: アケ | 2018年3月26日 (月) 00時38分
アケさん、おはようございます。
スペインのカトリックの総本山だけあって豪華絢爛なカテドラルです。アケさんが書いてあるように、大きさだけでなくその細部の彫刻などもどれも素晴らしいものでした。
キリスト教徒には怒られるかも知れませんが、ここのマリア様とイエス様の顔の表情や仕草がとても人間味に溢れていて好きなのです。
ヨーロッパは芸術文化の歴史が長いので、街の散策、美術鑑賞、歴史建造物に食事やお菓子などもどれも素敵です。 遠いのでなかなか行ける場所ではないと思いますが、行って初めて気づくこともあると思います。
是非、何時の日かトライして下さいね。
投稿: omoromachi | 2018年3月26日 (月) 08時02分
こんばんは。
トレド大聖堂は何から何まで圧倒されますね。
聖体顕示台の繊細で精密な装飾の美しさ、
キリストの生涯20場面を現した主祭壇は圧巻ですね。
聖歌隊席の精巧なレリーフ、豪華な設えの「トランスバレンテ」?
神々しい芸術の宝庫ですね。
ますますスペインに対する憧れが募ります
投稿: sharon | 2018年3月27日 (火) 20時43分
sharonさん、こんばんは。
トレド大聖堂は巨大な建物自体が、芸術作品で、その中に凄く緻密で精巧な作品が沢山集められています。 1日かけても見飽きない程の作品で一杯です。
トレド大聖堂の奥にトラスパレンテ(Transparente)があります。その作品に自然光が差し込むようにと教会の上部に穴を開けて程ですから、世界的に見ても素晴らしいバロック形式の祭壇となっています。
スペインも素晴らしいところですよ・・・ゼヒゼヒ
投稿: omoromachi | 2018年3月27日 (火) 22時41分