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2018年1月24日 (水)

脳卒中の病態、罹患率、予防法など

今日のFM放送は冬場に多くなる脳卒中について話をしました。日本循環器学会の発表によると年間29万人(新規22万人、再発7万人)が脳卒中になっています。病院搬送後、退院までに17%の方がなくなり、介護は必要となった患者さんは46%に及び、寝たきりの一番の原因となっています。

昭和25年から昭和55年までは脳血管疾患(脳卒中)が死因トップでした。 脳出血も脳梗塞も高血圧と関連が深く、国民運動として減塩に取り組んだことも功を奏していますが、やはり早期診断、早期治療が可能になったために、脳卒中による死因は現在では第4位となっています。  しかし脳出血は減少傾向にありますが、脳梗塞は増加の一途を辿っています

今後ともメタボ対策、不整脈対策などが重要となる疾患なのです。

脳卒中にも異なる3つの病態に分かれることを以前に書きましたが、その部分を再度記載しておきます(日本では脳卒中のうち、脳梗塞が64%、脳出血が25%、クモ膜下出血が9%)。

当然、脳卒中は昔からありましたが、最近までその病態は全く不明でした。 これまで特に何もなかった人が、急に倒れて意識がなくなったり、半身に麻痺が起こったり、呂律が回らなくなるようなことを、多くの方が見てきたわけです。 当然以前はこれが脳の中の出血や梗塞で起きたことなど分かりませんでした。

Th_ この様な病態も見て、昔の方は「脳卒中」と名付けました。「脳」は名前の通り脳みそ(脳実質)のことで、「卒」は「にわかに」という意味です。また「中」は命中とか適中などと同じ意味で「あたる」とのことになります。

ですから、今まで一緒に過ごしていた方が急に麻痺や意識消失を起こしたため「脳がにわかに(邪気に)あたった病気」として捉えたのです。

医学の進歩する以前は、それこそ悪霊が取り付いたとして、邪気を払うために荒治療や拷問に近いようなことも行われたと記録には残っているそうです。

Th__2 やっとルネサンス期になり、解剖が行われるなかで、同じ様な脳卒中を起こす病態(症状が似ていいる場合)でも、血管が破けた場合、血管が詰まって起こる場合もあるのが判ってきました。 更に脳の出血でも脳実質の中に出血する場合(脳出血)とくも膜下のスペースに出血する場合(くも膜下出血)があること、脳の血管が詰まる場合にも血管そのものが動脈硬化が強くなり血管が狭くなっている場合(アテローム性脳梗塞)と心臓でできた血の塊(塞栓物質)が飛んできた脳の血管を詰まらせて起こる場合(脳塞栓症:心原性脳塞栓症)も分かるようになりました。

現代のように画像器機が進歩するまで、死んだ後に解剖で判って来たことで、治療には簡単には結び付きませんでした。 出血と梗塞では同じ様な症状でも治療は全く異なることになります。

単純にいえば、出血していれば血を固めて出血を止めたいですし、詰まっているのであれば血をさらさらにして固まらないようにしないといけません。 もしもこの病態と違う治療をすれば、何もしないより更に悪化させることになります。

脳卒中の治療に福音をもたらしたのは、頭部CTの開発で、その後MRIなどの医療器機も開発されました。それらのお陰で、硬い頭蓋骨の中で起こった病態を短時間に把握出来て、早期治療が可能となったのです。しかしながら日本循環器学会の発表によると、血管内治療を含めた脳外科的手術は9%とまだまだ少ないのが現状とのことで、全国各地に集中治療ができる施設の拡充が必要とも考えられているのです。

私達にできることは、いつも言われているメタボ対策、不整脈などの循環器疾患、脳ドックなどでの動脈瘤の有無などのチェックでしょうか。 寒い時に脱衣所が寒い場合などはヒートショックを起こしますので、周りの環境の対策も重要ですね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
 こんばんは。
大寒波襲来で異常なお寒さです。
それこそ「脳卒中」など要注意ですね。
私共夫婦、血圧が高い、よって危険因子が多いと
いうことですね。私は去年、カテーテル・アブレージョンのおかげで
血液サラサラのお薬からは解放されましたが、
夫はまだ服用しております。
それにがやめられないどうしようもありません。
入浴前には脱衣所(洗面所)を温かくしております。
急激な温度差に気を付けます。

マコママさん、こんばんは。

関東はこれまでにない寒さと雪で大変だと思います。
血圧が高い場合、急激な温度変化で更に高くなる場合もありますので、脳出血などの脳卒中に心配しないといけませんね。

脱衣所やお手洗いなども暖めておいてからお入り下さいね。ご主人の喫煙は本人が休める気がなければ難しいですね。タバコは血管を収縮させますので、用心して血圧のコントロールを行って下さい。

早く暖かくなってくれたらいいですね。

おはようございます
先生のブログを見て
脳卒中が決して他人事では
なくなってきているなと、あらためて思いました。
昨日検診で
血圧が高いことが判明。
気が付けば、脱衣所は寒いし、
鳥の餌あげに
上着も着ないで震えながら
ベランダに出るような事を
していました。
自分だけは大丈夫と
慢心してはいけませんね。
気を付けます

おはようございます。
やっぱり気をつけていても起きたら仕方がないと思っていますが、それでも事前のケアーとドックで状態把握ですね。

脳ドックでの画像をみると不思議な気がします。小さな脳梗塞の跡が、数か所ありました。意識をしながら食欲を抑えるようにしたいと思っています。


monnaさん、こんばんは。

検診で高血圧を指摘されたのですね。自分でこのことを知っているだけでも今後の食生活などが変わって来るかも知れません。

血圧は冬場は高くなりますし、脱衣所や小鳥のエサあげなどで急に寒い状態だと一気に血圧が20〜30上がってしまいますので、気をつけて下さいね。

北海道は今、凄く冷えていると思いますが、部屋の中は温かくても外出などで気をつけてお過ごし下さい。

ひでさん、こんばんは。

起きたことは仕方ないことも多いと思いますが、予防出来ることをしないで脳卒中などで半身麻痺や寝たきりになると後悔が残るかも知れません。

最近の画像技術は進んできましたので、細かい所まで描出出来る様になりました。 自分が知らない(無症状)で多発の脳梗塞が見つかる場合も多々あります。

金沢は雪や寒さで大変と思いますが、血圧の変動はこの時期注意が必要ですので、減塩を心がけたり、食事の量を減らしたりしてメタボ対策をとって下さいね。

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